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スーパーロボット大戦0.8X外伝SS               破壊天使の翼〜サイコドライバー・ユウジ〜               『序章:●anon名●ルートより15年』  ……雪……  ……雪がふっている……  ぱらぱら、ぱらぱらと…… 「ごめん、待った?」 「うん、待ったぞ。お陰で手が霜焼けになってしまったどうしてくれるー!」 「うわぁ、ボクに押しつけないてー」  ……不純なものを消し去るように…… 「まあ、気にするな、お前が何時間またせようと、俺は凍死するまで待ちぼうけてやる」 「ごめんね、ゆー君……」 「俺がいいと言ってるんだ、謝るんじゃねーよ」(くしゃくしゃ) 「うん♪」  ……世界を彩るように…… 「それじゃ、行こ♪」 「行くって、どうせ鯛焼き屋だろ……ほら」 「わ、あったかい……ゆー君、これ……」 「ふん、お前がいつまでたっても進歩がないからな、俺にはお見通しなのだ、わはははは」 「ありがとう、ゆー君♪」 「だっ、抱きつくなっ!//」    ……そして…… 「それじゃ、食べよ♪」 「おう」  ……新たな物語を……紡ぎ出すために…… 「美味しかったよー♪ ごちそうさまでした」 「おそ松トド松十四松」 「ふえ?」 「うー、わからないなら良い。おそまつさまでした、だ」  公園のベンチに座って、鯛焼きを頬張っていた小学生か中学生か……な子供達の会話である。  1人は素直で騙されやすそうな(爆)、澄んだくりくりした目をもつ、ショートカットの女の子。  もうひとりは、少々眠そうな目をした、何処かひねくれた雰囲気をもつ青い髪の少年である。 「ふわぁ……」  少年はひとつ欠伸をした。鯛焼きを腹にいれて満腹感に満たされたのだから…… 「眠い」 「ね、寝ちゃ駄目だよゆー君! 死んじゃうよ〜」  女の子がゆさゆさと、ゆー君と呼んだ少年をゆする。  少年はどこか夢見ごこちの表情で 「安心しろ。俺は雪に埋もれて8時間ほどグッスリ眠ったことがある。冷たくて気持ち良かったぞ」 「それは仮死状態だよ」  即座に少女のツッコミが入り、ぽりぽり頭をかいて、目を擦って横をむく。  反論しようとしたが、自分を見上げる少女の心配そうな表情を見て、ぐっと押し黙った。 「仕方がないな、あゆあゆに免じて、優しい勇司君は、今日はずっと起きていてあげようではないか」 「うん♪ ゆー君優しいもんね☆」 「ぐはっ!」  顔を綻ばせて、さも当然のごとく恥ずかしいことを言ってのける少女に、真っ赤になって、あーうー、と口をパクパク動かす少年。  ……少年の名前は勇司……  ……少女の名前は、亜弓といった……  いつ知り合ったのか、実は御互いによく覚えていない。  少なくとも4年生の頃には既に一緒に遊んでいた覚えがある。  他の男友達や女友達も大抵は交えていたが、この2人、何をするにも一緒だった。  純真すぎる亜弓を、勇司は「こんな危なっかしいヤツほっとけるか」と面倒を見て。  ヒネクレた勇司の馬鹿行為を、邪気0%でスルーする亜弓。  こんな凸凹コンビでありながら、それとも、それ故か、この2人とても仲がよかった。 「もうすぐ、ゆー君も卒業だよね」 「なにっ! あゆあゆ、貴様まさか留年かっ!?」  ざっとベンチから立ち上がり間合いをとる勇司。  ちなみに、あゆあゆ、は、勇司愛用の亜弓の呼び名である。  名付け親は父親であり、亜弓を紹介したときに命名されたのだ。  何故か、紹介の時父親は一瞬あっけにとられ……その次の瞬間、笑い出した。  後にも里にも勇司は父親が、涙を流しながら笑い転げる姿を見たのは、あの時だけだ。 「ううん、ボクも卒業だよ。中学1年生になっても一緒のクラスだといいね♪」  にこぱっ  そういう擬音がつく程、無邪気に微笑みかけてくる。 「うー……」  ギャグをスルーされた上に、萌え攻撃され、反応に困る勇司。そういうときは…… 「一緒になれなくても、毎日あえるから、いいだろ」 「えへへ、そうだね」  こっちも素直になるしかない。 「でも……寂しいな」  夕焼けが空を染める。  子供達は手を繋いで家への帰路についていた。 「何がだ? もう中学になったら食い逃げしないと決心したか?」 「食い逃げなんてしたことないよ」  むう、と頬を膨らませる亜弓。  ちなみに、この食い逃げネタも父親直伝である。 「中学でクラスが別々になったら……ボク、いつ引っ越すかわからないし……」 「ああ、お袋さんの仕事か? 確かに、なんか最近テレビで危険な話しが色々出てるけどな」 「うん。軍人さんは大変だよね☆」  ちょっぴり苦笑する亜弓。  勇司は、亜弓の母親が軍人だということを思い出した。  もし戦争が………かつての1年戦争のような、コロニーと地球の戦争がはじまれば……  たぶん亜弓達は母親と共に街を去るか、親戚筋に預けられることだろう。 「お前は……それで、いいのかよ」 「ゆー君?」  勇司は、亜弓の手を握ったまま、立ち止まっていた。 「戦争だなんて、くっだらねーだろ。そんなモノで、俺達が離れ離れになって……ああくそ、なんか腹立つぞ無茶苦茶!」 「うん。ボクも嫌だよ。嫌だけど……」  しかたないよ、と、微笑む亜弓。 「お母さんは、お母さんにしか出来ないことをやってるもん。だから、ボクも……我慢しなきゃ」 「あゆあゆ、お前な……まだ子供なんだから、子供らしく我侭いってりゃいいんだよ」 「ゆー君だって子供だよ?」 「だから俺は我侭なのだ、嫌なもんは嫌といって何が悪い! お前は違うのか?」  むんっ、と胸をはって、いつもの調子をとりもどす、勇司。  ツッコミを待つことしばし…… 「……違くないもん」 「は?」  思わず、間抜けな声をあげてしまった。  亜弓の声が震えてたいものだから。 「ボク……ホントは……ホントは、引っ越すのやだもん、離れたくないもん!」  ぽとぽと、と何かの雫が落ちる。 「ちょっ……ちょっとまてぇ! な、泣くな! 頼むから泣くんじゃねーっ!」  勇司は亜弓の涙……というか、泣き出した亜弓の相手をするのが苦手だったw 「駄目だよぅ……無理だよぉ……ボク、ボク……えぐっ、ゆー君と離れたくないよ……だって……だって、ゆー君好きだもん……大好きだもん……これからも、一緒にいないとやだもん……」 「ぐはぁっ! あ……うー……」  ぐしぐしと、べそをかく亜弓から出た告白……。  余りの気恥ずかしさに、がしがしと頭を掻いて……どうしたらいいか混乱していた勇司だが…… 「くぉら亜弓、こっち向けぇっ!」 「え?」  突然  本名で呼ばれ、顔をあげる亜弓の目の前に………           …………とさっ………  何がどうなったかは言わないが(爆)  夕日の中で、二つの影が重なり、鯛焼きを入れた紙袋が落ちる。 「いつまでも泣いてるんじゃねーよ」  ぽふぽふ、と勇司の手が亜弓の頭をなでる。 「俺も亜弓が好きだ、これで文句あっか? 嬉しいだろ? だったら喜べ、泣くんじゃねえ! 泣かれたら俺が哀しいだろうが!」  ぷいっと顔をそむけて……  そんな勇司をみつめて……亜弓は再び…… 「ゆー君……」(ぽろぽろ)  涙腺決壊。 「って言ってる側から泣くなーっ!」 「嬉し泣きだから無理だよ〜」  再び泣き出した亜弓をなだめながら……  少年は自宅に戻ったのであった。                         その夜。  何故かことの次第をしっかり把握していた両家の両親が酒盛りを開始したという。 「………そうだったよな……」  俺は、昨日あった忘れたくても忘れられない恥かしい事実を思い出していた。 「ああああ、あゆあゆのやつ、俺があんな恥かしいことをしたのは、あいつのせいだ! そーだ! そーに決めた!」  うう、1人で悶えてるのが馬鹿みたいだ。  親父はバシバシ叩くし、秋子さんは1秒了承するし、母さんは早々に眠って止めてくれねーし。 「……くっそー……忘れられるかよ、こんなこと……!」  そして……今日のこと。別れるときに言った約束……  忘れない。  忘れるもんか。  忘れてたまるかよ。 「……俺は……俺は、水瀬勇司だぜ、必ず……あの街に……」  戻ってやる……  そう。  言おうとして……意識が途切れた。  これが………  ……俺が俺のことを覚えていた、最後の瞬間だったのに……                        end?



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