「腕を喰む」



 自分の右腕を見つめる。
 こいつは。あいつを殴ることさえ出来なかった腕。
 
 自分の左腕を見つめる。
 こいつは。彼女を抱きしめた腕。
 
 擬音が出そうなぐらいに。かぶりつく。
 自分の犬歯が、皮膚を食い破る。
 筋肉が露出する。それを、喰らう。
 次から次へと噴き出す血で喉を潤し。
 自らを喰み続けよう。


mailto:不観樹 露生
不観樹露生的短詩