聖刻疾風伝


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緒崎コウさんの御好意により、当方掲示板に書き込んで下さっている作品です。(ですので、これはふぇいる作ではありません、念のため。)ワースのリプレイ小説風にまとめ上げたシナリオ紹介、という形式になっているようです。一度きりの公開で埋もれてしまうのでは勿体無いので、過去ログから記事を抜粋しました。ちょっとした「総集編」ですね。続きが楽しみです。
メインキャラクター紹介です。

1.アスカ・エル
  SEN:12 AGI:12 WIL:6 CON:14 CHA:13 LUC:9

 冒険開始年:西方歴836年 終了時:842年9の月 年齢:16〜22歳まで
 クラス:騎士 職業:操手 
 持ち操兵:ソード・ニエン・エイリーク(仮面は古操兵のもの)
  仮面ランク:C 機体ランク:E SPE:11 POW:7 ARM:7 BAL:10
  耐久度:67
  武器:黒の長剣(聖刻器ランク:B+ ダメージ:1D10+5 BN修正値:+2)
 特筆すべき技能:操手(17)、長剣(15)、特殊抵抗力/精神(10)、気闘法(7)
         暗黒気当闘法(3)、剣技一般(10)、体術(7)
 特筆すべき聖刻器:黒の長剣アーク(聖刻器ランク:B+ ダメージ:1D10+5
          BN修正値:+2 特殊能力:対術法8レベル・・・8レベルまでの
          練法、招霊、気功を全て弾くフィールドを作り出す)

 備考:女性初の“天位の騎士”。その高位練法師をも上回る頭脳、リシャック公に匹敵する
    実力、金や物では絶対に動かず気に入った者や気が向いた時しか行動しない、前に
    立ちはだかる者は完膚なきまでに叩きのめす・・・等の行動により“髑髏の騎士”の
    異名で西方中で恐れられる。あのカイザーンやル―ン・カイマイゼル、バスタル・コード
    マリア・レン・ロックラン等にも引き分け、あるいは勝利してきた。
     最終的には「7守護者」と呼ばれる下位の秘操兵に乗り、世界を救う一人となった。

2.マユリ
  SEN:9 AGI:12 WIL:8 CON:11 CHA:13 LUC:11
  年齢:18〜24歳まで クラス:トレジャーハンター 職業:盗賊
  持ち操兵:サーベイル
   仮面ランク:E(C) 機体ランク:F(D)
   SPE:9(11) POW:8(10) ARM:9(11) BAL:8(10)
   耐久度:55(75)
   武器:狂気の大刀、鮮血の小刀、大剣クレイモア(BN:+3,ダメージ:+3)
  特筆すべき技能:操手(12)、大剣(13)、防御(12)、体術(12)、手練(10)
          気闘法(7)、生存術(10)、破斬剣(9)
  特筆すべき聖刻器:伏魔の大剣ディール・ニーダ(BN,ダメージ:+5 1日3回破術
           10レベル 聖刻器ランク:B)

  備考:自称「トレジャーハンター」の女性。実際にささやかれていた渾名は、よく体術に
     失敗し転ぶ事から「転ぶ盗賊」と呼ばれていた。職業は盗賊・・・のはずだが、何故か
     大剣を振り回し、パーティー中最大の物理攻撃力を誇る。操手としても超一流で
     愛機“狂気の武者”サーベイルを駆って数々の強豪を打ち倒してきた。
     アスカとはライバル同士でよく技を競い合っていた。

3.ライル・ファーケン
  SEN:9 AGI:12 WIL:15 CON:7 CHA:9 LUC:4
  年齢:25歳位?〜不明 クラス:練法師 職業:考古学者
  持ち操兵:フォン・グリードル改
  仮面ランク:F 機体ランク:E SPE:9 POW:8 ARM:7 BAL:7
  耐久度:78
  武器:長剣
 特筆すべき技能:練法・風(21)、操手(9)、手練(12)、特殊抵抗力/精神(15)
         体術(7)、古代知識(5)、防御(10)
 特筆すべき聖刻器:風門の仮面(仮面ランク:E 練法レベル+2 封術:重風無双)
          暗黒の胴鎧(聖刻器ランク:B+ 吸収点8、IN/DN+4)
          猫目石の長剣(聖刻器ランク:C+ BN・ダメージ:+5
          BN−5で急所狙い3倍ヒットをすることが出来る)
 
 備考:通称“魔人ライル”。その恐るべき実力は工呪会の暗殺者10人をものの5分で
    全て倒し、一瞬で旗操兵クラス3体を葬り去る事からもお分かりいただけるだろう。
    ・・・とここまでは素晴らしい実力をもった練法師に見えるが、その実、何時も失敗
    ばかりしてパーティーに迷惑をかけるお荷物&最強お笑いキャラである。
    マスター(私の師匠)をして「俺が見て来た中で5指に入る愉快なキャラ」と言わしめ
    た程である。このライルの話を聞くと、知らない人は「是非1度冒険を一緒にして
    みたい!」と言い、プレイしたものは「2度と一緒に旅をしたくない・・・」と言い
    ます。とにかく、色々な意味で伝説になったキャラです。

    ・・・余談ですが、奴はキャンペーン中15回死んでいるんですが(笑)、その度
    転生秘門(木門)でちゃんと人間に復活してきた経歴の持ち主です。

4.フィン・ローランド(通称フィル)
  SEN:12 AGI:9 WIL:8 CON:15 CHA:12 LUC:9
  年齢:18〜24歳 クラス:戦士 職業:操兵狩人
  特筆すべき技能:石射弓(10)、長弓(12)、防御(13)、特殊抵抗力/身体(8)
          罠設置/罠感知(10)、気闘法(7)
  特筆すべき聖刻器:魔道の石射弓(BN+5 完全成功:2 対操兵ダメージ:2D5+5
           聖刻器クラス:B+)
           生命の宝珠(聖刻器クラス:A 1T事に身体ダメージ2D10回復
                 正し、回復するたびに回りの聖刻器から力を吸い取って
                 しまう)
           アムジャスの目(聖刻器クラス:S 他不明)
           他複数

  備考:通称“一撃必殺のフィル”と呼ばれる男。そのダメージは最大LUCを全て使って
     1400ダメージを超える恐ろしいものである。パーティーの中では大人しい方
     (注:あくまで前者3人に比べて、である)であるが、人望は厚く多くの友人、
     協力者がいる。  
     操兵狩人オビト・フラートとは古くからの親友同士である。
     また女性達によくもてていた。

5.ミ・アヤカ・ズミ
  SEN:9 AGI:12 WIL:12 CON:12 CHA:9 LUC:8
  年齢:20〜25歳(途中参戦の為) クラス:術師 職業:符術師
  特筆すべき技能:符術(20)、材料学・紙(10)、大刀(10)、退魔神剣(10)
          特殊抵抗力/精神(12)、交渉(7)、防御(7)、聖刻語(7)
  特筆すべき聖刻器:真理の命(大刀 BN+2,ダメージ+5 完全成功−1
           邪悪感知ロール+3 聖刻器ランク:C)
           ドルイドの符数十種(聖刻器ランク:E〜C)
           退魔符8種
           他、色々(説明しきれない)
  
  備考:出身地、種族不明の東方人。謎の隠れ里“真理の命”より邪悪なる吸血鬼を追って
     西方の地へとやってくる。色々な友人、知人がいるが、秘装八者・・・特に3聖人
     と最も深いつながりがあったのは彼女位なものではないだろうか?(特に空と無)
     とにかく、彼女にはかなり謎が多かった。
      最終的に彼女は結婚し、幸せ(?)な生活をおくった・・・ような気がする(笑)
      ちなみに、彼女の名前を見て「あれっ?」と思った人は正解。聖刻ファンとして
     誇っていいです(笑)

6.ドクター・マークス
  SEN:9 AGI:12 WIL:10 CON:9 CHA:9 LUC:6
  年齢:24〜30歳 クラス:医師 職業:医者
  特筆すべき技能:医術(12)、医学(12)、長槍(12)、防御(11)、体術(7)
          気功[特殊](3)、特殊抵抗力/身体(10)、特殊抵抗力/精神(9)
          動物調教(7)、逃走(7)、薬学(10)、馬術(7)
  特筆すべき聖刻器:竜槍「竜を葬りし者」(聖刻器ランク:B BN,ダメージ:+3
           完全成功値:6 竜に対するあらゆる判定+1&ダメージ5倍)
           ミスリル・シリーズ(*これに対しては別の機会に説明します)
           
  備考:無口だがやる時はやってくれる頼れるお医者さん。初期の頃は医術レベルが低かった
     事もあり、重傷のPCをファンブルで昏睡に叩き込む事もしばしばありました(笑)
     しかし、レベルも上がり、「空」の一者(!)に気功を習った事もあり、最終的には
     「聖者マークス」と呼ばれ、西方の人々はおろかあの両ぺガーナにすら認められる
     程になった。

7.ティーエ
  SEN:12 AGI:10 WIL:15 CON:― CHA:11 LUC:8
  年齢:? クラス:暗黒の主 職業:異界の魔王
  特筆すべき技能:闇の力(10)、特殊抵抗力/精神(15)、研究知識(14)
          学問一般(8以上)、話術(12)
  特殊能力   :下僕召喚

  備考:最終第5部のみに登場したPCキャラクター。元は並列世界のアハーン大陸の半分
     を支配する魔王(*別シナリオ)であったが、あちらの勇者に敗れ魂だけを精霊界
     に封印されていた。しかし、第4部の最終章に闘っていた魔王が放った「異界放門浪」
     で開いた次元の穴から彼はこちらの世界にやってくる。元の世界に戻る方法を一緒に
     探すことを条件にパーティーに加わる。彼の下僕には聖刻文明の知識を持つ老人や
     吸血鬼王、異界最強の剣士などがいた。彼自身は思念体に近い存在である為、CON
     値は存在しない。精神がそれの代わりである。
     ・・・取り合えず、長くなるので説明はここで終わらせていただくが、最終的に彼は
     元の世界に帰れたとだけは言っておきます。


・『復活の古操兵』前編
  アレイ・モア王国のライカ市を拠点として活動する初心者パーティー、アスカ、マユリ
 ドクター・マークス、フィン・ローランド(以後フィル)の4人はある時カレビア森林国
 にある遺跡を捜索中、朽ち果てた操兵の機体と壁に掛けられた仮面を発見する。
 機体は既に腐りきっており、どうする事も出来なかったが、仮面の方は全く力を失って
 いなかった為、それだけを持ち帰る事となった。
  しかし、その帰り道の街道で南部地域で見るはずの無い狩猟機と出会う事となる。
 それはバリアン神国の旗操兵ソード・ニエンである。
 操手の名はライクバーン・J・ランディス。リキ・ガリックの部隊長であった。
 彼はアスカ達パーティーを見つけるとすぐに声を掛けてきた。
 「君達にお願いした事がある」
 彼はそう言うとアスカ達の返事も聞かず話し始めた。
 話によると彼は然る密命により「女神の盾」と呼ばれる操兵用の聖刻器の盾を本国に持ち帰る
 最中であったが、それを奪おうとする者達が現れ現在逃走中であるらしい。
 しかし、追っ手は確実に彼を追い詰めてきている。そこで「女神の盾」をある場所に隠し
 追っ手の目を彼に向けさせる作戦を取ったのである。
 現在、追っ手は自分が盾を隠した事をまだ知らない。そこで目を引き付けている間にアスカ達
 にその盾のある場所に行って、それを持ち出しアレイ・モアの首都アレイルにいる自分の仲間
 に渡して欲しい、というのである。
  当初、そのような厄介事に巻き込まれる事に嫌がるアスカ達であったが、彼の必死の説得に
 より渋々承知する。
  しかし、神はその作戦を実行させてはくれなかった。
 そこに追っ手が現れたのである。
 そしてそれはこの西方において恐らく最悪の追っ手であった。
 「―見つけたぞ、ライクバーン。さあ、大人しく盾を渡してもらおうか・・・」
 数体の従兵機を従えた灰色の狩猟機が勝ち誇るように前に出てくる。
 ライクバーンはその狩猟機を忌々しげに見つめながら搾り出すようにつぶやく。
 「ドアーテ・・・」
 と。
 (つづく)


・『復活の古操兵』中篇
  黒の帝国として名高いダカイト・ラズマ帝国の13軍団の一つ「灰の軍団」の一員である
 ファール・フォルケンという男にアスカ達およびライクバーンは捕らえられてしまう。
 しかも、ソード・ニエンの仮面をフォルケンは皆の前で叩き壊してしまう。
 冷酷に笑うフォルケン。
  「今日はここにキャンプを張る事にする。・・・こいつらをどうするかだと?適当に縛って
 テントの中にでも放り込んでおけ」
 そう部下に命令するとフォルケンは、自分の狩猟機―ギ・ドアーテに向かって歩いて行った。
  その夜―。
 テントの中に縛られ放り込まれていたアスカ達は、マユリ、アスカの機転により脱出する事に
 成功する。
 キャンプ地に火が放たれパニックとなるラズマの兵達。
 この隙にマユリとライクバーンは従兵機(ガレ・メネアス)を奪い、さらにキャンプ地を混乱
 に陥れて行く。
 これを利用して逃げようとするアスカ達。
 しかし、彼女らの前に、またしてもフォルケンと狩猟機ギ・ドア―テが立ちはだかる。
  「・・・やってくれたな。しかし、逃がす訳にはいかんな」
 立ち向かうマユリとライクバーンのガレ・メネアスであったが、次第に形勢は不利となって
 行く。しかも、徐々にラズマの兵士達は混乱から立ち直り、こちらに向かってくる。
 あせるアスカ達。
  「・・・なにか。なにか良い方法は・・・」
 辺りを見回すアスカ。―その時、一つの機体が目に止まる。
 ソード・ニエン。しかし、仮面は無い。
 その時、アスカはハッとなって混乱に乗じて取り戻した荷物の中から一つの物を取り出す。
 そう、あの遺跡で見付けた古操兵の仮面。
 これをあのソード・ニエンにつけることができればあるいは・・・
 そう考えたアスカは、ソード・ニエンに向かって走る。
 辿り着くと素早く機体によじ登る。
 幸いな事に機体は死に掛かってはいるもののかろうじて生きていた。
 操手槽に入ったアスカは、緊張した面持ちで仮面を装着にかかる。
 当然である。操兵は元々仮面と機体が一対であり、同じ機体であるならともかく、まず別の
 機体に違う仮面を装着する事は出来ないのである。
 前例が無い訳ではない。しかし、それが起こる確立は万分の一以下であった。
 それでもアスカは勇気を出し、思い切って装着する。
 ―嘘のようにピタリとはまる仮面。
 その瞬間、心肺器から力強い音が聞こえてくる。
 ゆっくりと立ち上がるソード・ニエン。
 強力な負荷が来ると思っていたアスカは、逆に協力的な力が包み込むのを感じ不思議な気持ち
 に包まれていた。と同時に心の中から勇気が涌き出てくるのを感じていた。
  一方、マユリとライクバーンのガレ・メネアスを追い詰めていたフォルケンは、仮面を破壊
 したはずのソード・ニエンが立ち上がるのを見て驚愕に包まれていた。
  しかし、すぐに気を取り直したフォルケンはギ・ドア―テに油断無く剣を構えさせる。
  アスカもそれを見るとソード・ニエンの腰に下がっていた長剣を引き抜く。
 2機の間に息が詰まりそうな空気が流れる。
  そんな2機の気勢が周囲にも伝わったのか仲間達もラズマの兵士達も戦闘を忘れ固唾を
 呑んで見守っていた。
  アスカは操縦桿とペダルに力を込めると誰に聞かせるでもなくつぶやいた。
  「行くわよ」
  (つづく)


>「復活の古操兵」後編
  勢いにのりドアーテに挑んだアスカであったが、悲しいかな徐々に実力の差が表われ始め
 次第に劣勢へと押しやられて行く。
  その間に周りの者達も落ち着きを取り戻し、再びお互いにぶつかり始める。
  混戦の様相を呈してくるが、依然闘いの中心はソード・ニエンとギ・ドアーテにあった。
  闘いの中、アスカは焦っていた。機体性能なら、なるほどこちらの方が上であろう。
 しかし、実力の差―つまり素人同然のアスカとまがりなりにも帝国の旗操兵を駆っている
 フォルケンの差が大きい。なおかつアスカを苦しめているもの。それはソード・ニエン自身、
 というより“エイリーク”とかつて呼ばれていた仮面であった。
  いくら奇跡的に仮面と同調したからといって今のアスカの実力では力を引き出すどころか
 マイナスにしかならなかった。
  「そろそろ降参してはどうかな?」
 当初は有り得ない奇跡に驚き、動きにためらいが出ていたフォルケンも徐々に本来の冷静さを
 取り戻し動きに余裕が生まれてくる。
  そして遂にソード・ニエンは追い詰められる。
  「・・・ソード・ニエンを動かした所までは誉めてやるが、もう少し実力というものについて
 考えてみるべきだったな」
  フォルケンは口元に冷笑を浮かべる。
  「くっ・・・」
  アスカは、なんとかこの危機を脱出する術を考えようとするが相手はそのようなヒマを
 与えてはくれなかった。
  「剣の露と消えるがいい!!」
 フォルケンはドア―テに勢いよく剣を振り下ろさせた。
  やられる、とアスカが思った瞬間、一つの影が二機の間に割って入る。
 影はまともに剣を受けると勢いよく蒸気を吹き上げた。
  「マユリ!」
  それはマユリの乗っていたガレ・メネアスであった。
  かろうじて動くマユりのガレはドアーテの剣を押さえ込む。
  「お、おのれ。放せっ!!」
  フォルケンは慌てて剣をガレから抜こうとするがびくともしない。
  その間に開放型の操手槽から無傷で現れたマユリはアスカに向かって「今よ!」と叫ぶ。
  「お願い。この一撃に力を貸して!」
  アスカは祈るようにソード・ニエンに呼び掛ける。
 その祈りが通じたのか、今までの苦労が嘘のように動きが格段に上がるソード・ニエン。
 そして、渾身の一撃がドアーテの胴に打ち込まれる。
  装甲の破片と操兵の人工血液が勢いよく辺りへと飛び散る。
  ドアーテはヨロヨロと後ろへ2、3歩後ずさると膝をつく。
  「お、おのれ・・・」
  フォルケンは凄まじい形相でソード・ニエンを睨んでいたが、既に機体が戦闘の出来る状態
 ではないと判ると部下を引き連れて逃げて行った。
  「覚えていろ」というお決まりの台詞を残して。
                               (エピローグへつづく)

 見事ラズマを退けたアスカ達はライカ市へと戻ってきた。
「女神の盾」も無事回収され、ライクバーンはここでアスカ達と別れて仲間達の待つという
首都アレイルへ向かうこととなった。
 アスカは本来ソード・ニエンの所有者であるライクバーンに機体を返そうとすると
ライクバーンは笑ってそれを制する。
 「ソード・ニエンはフォルケンに仮面を割られた時点で死んでいる。今のこいつは
ソード・ニエンではなくおまえの所有操兵“エイリーク”だよ」
 ここにアスカとソード・ニエン・エイリークという後の西方最強コンビが誕生することと
なった。
 礼を言うアスカにライクバーンは去り際に、
 「また、いつか会う事もあるだろう。・・・なぜだか、そんな予感がするのさ」
 そんな言葉を残していった。
 この言葉通り、後にアスカ達とライクバーンは意外な形で再会することとなるのだが
それは後の話である。
 後に「疾風伝」と呼ばれる物語として語り継がれる事となるアスカ・エルの物語は
こうして幕を開ける事となったのである。
                           (第1話「復活の古操兵」 完)

>第1話「封を解かれし悪魔」(前編)
  あの「女神の盾」事件より数ヶ月―。
 アスカ達は細かい仕事などを一つ一つこなしながら少しずつではあるが、冒険者として実力
を身につけて行った。
 アスカも当初の頃、動かすどころか起動さえままならなかったソード・ニエン・エイリーク
の操縦を徐々にではあるがこなせるようになっていた。
 そんなある日、宿屋の親父コバーンから新たな遺跡が見つかったという情報を入手する。
ただ、その場所がカレビアの森の奥深くにあり、危険な魔獣の出現地域であった。
 アスカ達は自分達4人では心もとないと感じ、最近何かと冒険に付き合ってもらっている
顔なじみの自称“No.1”傭兵ガーウィン・ロードに一緒に来てもらうこととなる。
 早速、冒険へと出掛けるアスカ達。
 途中、四手熊や全長2.5リート(約10メートル)を超える五つ首などに出くわしたが
アスカのエイリークとガーウィンの従兵機ローランドU世により蹴散らされた。
 数々の困難の末、ようやく辿り着いた遺跡はなんと狩猟機すら楽に通れそうな入り口と
通路を持っていた。
 何か得体の知れない不安を感じたアスカは、皆に自分とソード・ニエンはここに残ると
言い出す。
 驚く仲間達であったが、結局その要求はのまれアスカは入り口付近で待機する事となる。
マユリ、マークス、フィル、そしてガーウィンのローランドU世は準備を整えると後はアスカに
任せ、そのまま遺跡の中へと入っていった。
 アスカは徐々に遺跡の中へと消えて行く仲間達を見送りながらも何故か心の中に徐々に
広がっていく不安を打ち消すことができなかった。
そして、それはすぐに現実へと変わる事となる。
 ―カレビア壊滅の危機と共に。
                        (第1話「封を解かれし悪魔」前編 了)


>第2話「封を解かれし悪魔」後編
 アスカとソード・ニエンを入り口に残し、マユリ、ドクター・マークス、フィル、そして
雇われ傭兵のガーウィン・ロードとその従兵機ローランドU世は遺跡の中へと進んで行く。
 数々のトラップと敵をマユリの盗賊能力と伏魔の大剣、フィルの石射弓、マークスの長槍
ガーウィンの従兵機の力で潜り抜け、ついに遺跡の最深部へと到達する。
 そこには操兵用の黒い長剣に貫かれ、朽ちている生物とも操兵ともつかぬものがいた。
しかし、それ以外特に変わったことも無い為、捜索を開始する一同。
 しばらくして、マユリがあの謎の屍に突き刺さる黒い長剣と瓜二つの人間用のものを
発見する。
 台座らしきものに突き刺さるそれを何のためらいもなくいきなり抜いてしまうマユリ。
 その瞬間、遺跡は突然鳴動を始める。
次の瞬間、屍に突き刺さっていた黒い長剣が光を発しながら少しずつそれから抜け始める。
全てが抜き去られた瞬間、巨大なマーナが辺りを渦巻く。
 それは激しい音をたてながら瞬時に身体を再生させるとゆっくりとその場に立ち上がる。
“―我を目覚めし者は誰ぞ?”
 邪悪な声が辺りへと響き渡る。
 マユリは自分がしでかした事の重大さにすぐに気が付き、蒼い顔をしながらさっと近くにいた
フィルの手に盗賊技能を使って自分の抜いた黒い長剣握らせる。
 “汝か。我を目覚めさせしは?”
 事態の把握が出来ぬまま、突然質問を向けられたフィルは困惑の表情を浮かべながら思わず
うなずいてしまう。
 “汝、我を目覚めさせし偉大なる功績を賞して、我が力、そなたに与えよう。どのような力を
欲するか”
 「・・・じゃあ、これに」
 自分の持っていた武器石射弓にちゃっかりと力をもらうフィル。
 “我はこれより世界を滅ぼす。しかし、我―カイゼスを蘇らせし汝のみ見逃してやろう”
 カイゼスと名乗るそれは悪魔の如き黒い翼を広げるとその場を飛び去った。
 一方、入り口で待機していたアスカは、突然、遺跡の中より巨大なマーナ反応が感知され
徐々に迫ってくるのを知り、臨戦体制を整える。
 恐ろしい速さで近づいてくるマーナ。
 来る!―そう思った瞬間、不意打ちの如く巨大な火球が二つ飛んで来る。
 果たして、直撃を受けその場に倒れるソード・ニエン。
 そして数瞬後、その上を悠々と通過していく黒い翼を持った悪魔―カイゼス。
 ソード・ニエンは中破したものの奇跡的に無傷であったアスカだが、激しいショックで
気を失ってしまう。
 薄れゆく意識の中、アスカはスレイ・マーナ方面へ飛び去る黒き翼の悪魔の狂気の笑い声を
聞いたような気がした。
                       (第2話「封を解かれし悪魔」後編 了)


>第3話「新たなる“疾風”」パート1

 「翼の悪魔」カイゼスに敗北をきっしたアスカ達は一旦ライカ市の方まで戻ってきた。
ソード・ニエンも内部の方は奇跡的に僅かな傷で済んだものの装甲にはかなりの損傷を
おっていた。
 本来なら鍛冶工房の方へ修理を依頼するところだが、さすがにソード・ニエンを出す訳には
いかず、アスカは困っていた。(*注:そのまま出した場合、最悪没収の上罰金である)
 その時、宿屋の親父コバーンが、
 「・・・そういえばこのライカ市にもぐりの操兵鍛冶師がいるって聞いたぜ」
と、言ってきた。
 早速、その言葉を信じて探すアスカ。
苦心の末ようやくエドという腕利きの操兵鍛冶師を探し出すことに成功したが、かなり
気難しい性格であった為、中々首を縦には振ってくれなかった。
が、アスカはあきらめず何日も熱心に頼み込んだ結果、その熱意に負けようやくソード・ニエン
の修理をしてくれることになった。
 ソード・ニエンをエドに預け、一段落したパーティー一向は今後の事について宿で話をして
いた。
 話をしていると一人の男がパーティーに近づいてきた。
 「お話中申し訳ございませんが、あなた方は“山師”ですか?」
男は静かにそう聞いてきた。
 「・・・あんたは?」
不審そうな目で男を見るアスカ。
 「・・・これは気づきませんでした。私は古代遺跡を専門に研究をしている学者
ライル・ファーケンと申します」
 「で、その“学者”さんがあたし達に何の用?」
それまで黙って聞いていたマユリが男―ライルに問う。
 ライルはパーティーを一通り見渡すと静かに口を開いた。
 「―私をあなた方のパーティーに加えていただけませんか?」

第3話「新たなる“疾風”」パート1了

>第参話「新たなる“疾風”」パート2

 ライルと名乗ったその学者の突然の言葉に戸惑うパーティー達。
しかし、すぐにその言葉を把握したアスカは―。
 「残念だけどダメね」
否定の言葉をライルに返す。
 「なぜですか?」
その言葉を予期していたのか、いないのかべつだん驚いた様子も無く冷静に聞き返す。
 「答えは一つ―足手まといになるからよ」
 「知識だけではダメ、そういうことですか?」
 「確かに知識も必要だわ。でも、生きていくにはそれに加えて体術、武術等が必要よ。
 あなたにはそれがあるの?」
その決して筋肉質とは言い難い細い身体を見ながらアスカは問う。
 「・・・信じられないかもしれませんが、これでも体術には少々自信を持っています。
 まあ、武術に関してはさすがにあなたの言葉を否定するだけの自信はありませんが」
その答えにアスカは周りの仲間達に目をやる。
 その目に気がついたマークスは口をはさむ。
 「確かにこのパーティーに今足りないものは知識だと思う。攻撃力だけならアスカの
 “ソード・ニエン”もあるしマユリの大剣、フィルの石射弓と充実しているからな。
 まあ、俺はこの人がパーティーに入るという事に関しては、特に止めるつもりはないな」
 「わたしも特に断る理由はないですね」
マークスの隣で黙って聞いていてフィルも意見に賛成した。
 アスカは残る一人マユリに目を向けるが、彼女は興味がないのか何も意見しなかった。
アスカはため息を一つつくとライルに顔を向ける。
 「・・・まあ、みんなが良いって言うなら別にいいけど・・・ただ、自分の身は自分自身で
 護ってもらうわよ」
 「ええ、判っているつもりです。・・・ありがとうございます」
ライルはアスカ達に礼をする。
 「よお、話はまとまったかい?」
その時、この問題が終わるのを待っていたかのように宿屋の主人コバーンが声を掛かる。
 「何か用、コバーン」
 「おいおい、何か用、とはご挨拶だな。・・・それより、とっておきの情報があるんだが
 買ってくれないか?」
 「・・・何よ、とっておきの情報って」
 「200ゴルダだ」
その額にアスカ達は思わず腰を浮かせる。
 「200!?・・・それは余程の情報じゃなかったら承知しないわよ」
そう言って懐からゴルダ金貨2枚を取り出すとコバーンの手のひらにのせる。
 「大丈夫だよ。・・・その情報ってのはだな、隣のカレビアに今出没している
 黒い翼を持った“悪魔”についてだよ」
その言葉に一同は内心ドキリとする。
 「現在奴は4つの村と2つの町を破壊し、徐々に首都スレイ・マーナに近付いて
 来ているらしい。で、ついに恐れをなしたスレイ・マーナの首脳陣が奴に10万ゴルダ
 っていう破格の賞金を賭けたらしい」
 「じゅ、10万ゴルダ・・・」
あまりの額に絶句する一同。
 「・・・まあ、無理もねえ。討伐に向った操兵隊が全滅だからな。・・・しかし、なんで
 こんな奴がいきなりカレビアに現れたのかねえ。それも突然らしいからな」
 「は、ははは・・・」
その原因が自分達にある為、アスカ達はひきつった笑みを浮かべる。
 「と、ところでこの情報は・・・」
 「ああ、まだ2〜3日前のもんだ。今から行けば多分10万ゴルダの奴にいの1番・・・
 かどうかはわからんが、まず出会えるだろうよ」
 「OK・・・わかったわ。新たな仲間も加わったし、“悪魔”退治に行きますか」
いよいよ巡ってきた“黒き翼の悪魔”―カイゼスとの再戦のチャンスにパーティーのメンバー、
特にアスカは心に熱い闘志をみなぎらせるのであった。
 そして、この戦いがアスカ達にとって一つのターニングポイントになろうとは、この時
知る由もなっかた。

                            第参話「新たなる“疾風”」了

あとがき

久しぶりに書きました。というか「復活の黒僧正」を読んだ勢いで書いてます。
文章、変なところあるかも知れませんが許してください(笑)
 次はいよいよカイゼスとの再戦です。とにかく激戦です。熱い戦闘シーンをお届けできる
ように努力します。
 では、第四話「再戦―リべンジ―」でまたお会いしましょう。

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