ホール岡路工房断空研−Kodoku wo SakebuKoe

Kodoku wo Sakebukoe

 このシナリオは、プレイヤーキャラクター数4人前後、使用ルールは、ホラー及びファンタジーRPGシステムの初級レベル(ゴーストを退治できないレベル)を想定して作成しております。
キャラクター年齢は、不問です。子供がパーティーに居る場合、後半でシナリオの分岐が発生します。

舞台
 かつては神殿か修道院だったらしい、小さな街の郊外に立つ廃墟がスタート地点です。

登場人物(NPC)


導入
 パブの息子、マイルズ君が、丘の廃墟に遊びに行き、行方不明になります。
 PCが子供の場合、マイルズと一緒に遊びに行き、かくれんぼをしていてマイルズが行方不明になるところを目撃していたことにしても構いません。
 この廃墟は、数年に一度子供が行方不明になる事件が起きるので、立ち入り禁止になっているのですが... 子供にそういった禁忌は無意味でしょう。この一報を聞いた酒場の親父が今回の仕事の依頼者です。

 セッションは冒険者たちが、既に親父の仕事依頼を受け、廃墟の前に立っているところからスタートします。
 これまでに書かれた情報は、事前情報という形でプレイヤーに渡してください。

酒場の親父がPCに依頼をする際、人形を一体渡します。これはこの地方に伝わる、「友達とはぐれないおまじない」です。
「のんめろのんめろ」と人形に唱えると、友達とはぐれない、はぐれた友達が見つかる、という迷信がこのあたりにはあるのです。


廃墟の状況と行方不明の真相
 マイルズは、かくれんぼの時に、かつての礼拝堂、その神像のあった場所に隠れたのですが、そこに深い亀裂を見つけ、降りて行ったまま帰ってこないという次第です。
 廃墟はすっかり荒廃し、かくれんぼをするには最適な環境となっています。
 マイルズを探した場合、礼拝堂の瓦礫の下に彼の服の切れ端を発見します。
遺跡の奥の状況とマイルズの行動
 マイルズは、遺跡に入った後、地下の礼拝堂で人柱の霊であるレイラと遊び、その後意識を失って最も奥にある牢屋に、それ以前にとらわれていた子供の死体とともに囚われています。
 廃墟の地下はかなりいたんでいて、今にも崩れてきそうな気配です。また、レイラに囚われたかなりの数の子供たちの霊が浮遊しています。

 廃墟の地下のマップには、トランプを1スート用意します。トランプの「2」から「K」までの12枚を抜き出しシャッフルした後で、机の上に裏返しのままランダムに縦3列、横4列に並べ、「A」は隠し部屋という扱いで脇に置いておきます。
 GMは札を並べている最中に、絵札の「Q」と字札の「8」がどこに配置されたかを確認ておいてください。

字札:  瓦礫の散らばる広い空間です。かつて部屋だったのか廊下だったのか、今となっては判別つけがたくなっています。
J:  持ち出しを禁止されていた類の書物が収められている部屋です。「儀式の書」やこの建物に隠し部屋があることなどをここで発見できます。
Q:  かつては礼拝堂だった場所です。少女神の像が、興廃した中にぽつんと立っています。神像の下にはレイラの骸が眠っています。
K:  儀式に使用されていたらしい部屋です。「Q」の方向に祭壇と棚が設けられ、棚にはかつては人形だった塵が入っています。
A: 「J」で隠し部屋の位置を知った後、字札の「8」にある隠し通路を通って辿り付ける、牢獄です。

 スタート地点は左端の列、真中のカードになります。まず、その場所にあるカードを面に返してください。以後PCが通った場所のカードも、同じように面に返しておきます。
 スタート地点は上下と右に他のカードが面していますが、右のカードに進むための通路は崩れていて、大人の背丈では通ることができません。しかし良く調べれば、この崩れた通路をマイルズが通ったらしい形跡を発見することができます。

 廃墟は埃が積もっており、足跡は容易に見つけることができますが、マイルズの足跡はスタート地点の右側の場所を徘徊した後、忽然と消えてしまっています。

イベント
 PCが進行方向に字札の「8」に近づくルートを選んだ場合、GMは進む先のカードが面になっているか確認してください。
 まだ裏返しのままならば、レイラに捕われた子供の悪霊たちが、マイルズをPCに渡すまいと悪戯を仕掛けてきます。
 既にカードが面になっている場合はD6をひとつ振り、「1」の出目が出たときのみ悪霊のイベントが発生します。

1〜3: 「8」のある方向と逆の方向(まだ裏返しのカードがあるならそちら)から物音がします。GMは遭遇した回数により、「些細な物音」から「扉の閉まる音」「男の子の後姿」へと描写をエスカレートさせてください。
4〜5:  進行方向に罠が仕掛けられています。GMは遭遇した回数により、「扉につっかえ棒」「みえみえのロープ」といった他愛の無い罠から「扉の上に油の詰まったバケツ」「男の子の後を追いかけてるとスネアに引っかかり、倒れた場所に棘」といった致死性の罠へとエスカレートさせてください。
6:  悪霊はうっかり貴方方にちょっかいを出すタイミングを逸してしまったようです。何もありません。

クライマクス
 「A」の部屋にはマイルズが、彼と同年代の子供の骨に囲まれてぐっすりと眠っています。彼に近寄ると、周りの骨がむくりと立ち上がり、マイルズを渡すまいと攻撃を仕掛けてきます。(子供の骸のスケルトンです!)これを退けてマイルズを救出すると、帰路にレイラが現れ、「友達を返して!」「あんたたちなんか、絶対におうちに帰してあげないんだから!」と凄んできます。子供の霊とはいえ悪霊です。また、彼女に囚われた他の子供の霊も絡んでくるので、かなり恐ろしい光景になるでしょう。

 その場を逃れて外へ出ようとしても、唯一の出入り口である通路にはレイラが待ち構えており、恐ろしい微笑みを浮かべています。もし突破を試みるPCが居た場合、彼女は、精神攻撃
●自分が人柱にされたときの光景を彼女の視点で見せます。泣き叫ぶ彼女に降り注ぐ土の雨、大人達のふるうスコップの影...
●ひとりの子供が迷いこみ、帰れなくなって徐々に狂気に冒されている様子、それを淡々と見ている自分の感覚をPCとリンクさせてきます
を行って来ます。


解決方法
 レイラの手からうまくマイルズを取り戻すための手段として、以下のようなものが例として挙げられます。 ※どれにせよ、「そんな、ひとりにしないで!!」と悲痛な叫び声を上げ、レイラは鎮魂(もしくは除霊)されます。
「友達が欲しかっただけなのに...」
エピローグ
 レイラが鎮魂され、PCが廃墟を脱出した後、マイルズが目を覚まします。そしてレイラを探し、一行に話しかけてきます。
 すごくかわいくて、明るい女の子がいて、その子や、その子のお友達たちと鬼ごっこをして遊んでいた、と。
「あの子、どこいっちゃったのかなぁ。ねぇ、にいちゃんたち知らない?」
 この問いかけに、PCはなんと答えるでしょうか?

 街に戻り、廃墟について調べると、あの建物を建てる際事故が続いたので、レイラという少女を人柱として捧げたという歴史があったことがわかります。



 このシナリオは、1995年頃作成したものに若干の修正を加えたもので、わしんなかではかなりのお気に入りのシナリオです。人を変えシステムを変え3度ばかりやりました。結構わしの作るシナリオの基本要素がたっぷりつまっている代物です。
 まぁ、一度試してみてください。
 よろしければ、感想・意見などを聞かせていただければ幸いです。
 まぁ、「ここんとこ分かりにくいぞ」程度でも結構ですので。

 ちなみに、このシナリオには、ハッピーエンドが用意されていませんが、わしがGMしたセッションでは全部ハッピーエンドで幕を閉じました。
 レイラを説得しようと試みるキャラクターがいたら、「孤独を癒す」ことをキーワードに、うまくハッピーエンドに導いてあげましょう。

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