「ダークエルフ物語読了」 


昨年のトピックということで、様々なD&D関連書籍やルールブックの再販や刊行開始が
ありましたけど、その中でも私が一番期待していて待っていたのが、かつて富士見書房から
刊行されていた「ForggottonRealms」の北方地域、いわゆるアイスウィンドデイルを舞台とした
バーバリアンのウルフガー、ドワーフのブルーノー、そしてドロウエルフのドリッズトの3人が
あまたの冒険を繰り広げていくR.A.サルバトーレの「アイスウィンド・サーガ(邦題)」の
プレストーリーにあたる「ダークエルフ物語」であります。ドリッズトの生い立ちから、成長そして
自我の目覚めとそれ故の葛藤などドリッズトの心の描写が素晴らしい作品ではありますが
同時に本国での刊行当時はほとんど情報のなかったドロウエルフの生活が伺えるという
様々な点で必見の作品です。ドロウエルフ(3eではドラウエルフと呼称が変わりましたが...)は
ALP's Chamberでもメタルフィギュアを展示していますので、どんな感じの種族なのかはイメージ的には
難しくはないと思いますが、簡単に説明するとエルフの中でも、Evilな傾向を持ち、邪悪な女神に
総てを捧げている地下世界の非常に強力な種族ということになります。

しかし、このサイトに来る人にはほとんど改めて説明する必要はないくらい、メジャーな種族であることは
今更私から説明する必要はないでしょう。2ndのMonstrousManualを見てみれば、その能力から言って
通常のエルフの何倍も強いのではないかという確信を持つことができるでしょう。

さて、この作者ですが非常にテンポよく物語を進めていく術を心得ておりまして、いつの間にか物語に
引き込まれている自分に気が付くと思います。何を隠そう、富士見書房時代の「アイスウィンド・サーガ」も
最初は「あまり面白くないなあ」という印象だったのですが、読み進んでいくうちにだんだんと作者の術中に
はまっていったという覚えがあります。私も今では、「アイスウィンド・サーガ」に登場した様々なキャラクターに
すっかり虜となっているわけですから、もし冒頭部だけを読み進めてあまり面白くないと思っている方がいたら
試しにドリッズトが成長して彼らの学校に進むところまで読み進んでみてくださいとお話ししたいくらいです。
ドリッズトを巡る様々な人間関係や、メンゾベランザンというドロウエルフの一大拠点となっている都市の描写など
様々な点でサルバトーレという作者の筆致を見せつけられることでしょう。

また、読者を物語に引き込んでしまうもう一つの魅力に、主人公であるドリッズトがChaothicEvilな種族の
ドロウエルフの中にあって、Goodの属性を持っていること故の、心の痛みや葛藤などが描き出されているところと
そうしたドリッズトの悩み自体が、周囲の兄弟たちから見たら異質なものであるという、残酷なまでの対比が
挙げられます。ゲーム的にはドロウエルフというものがどういう考えをしているのか、またどういう行動を取るのかという
参考になるのではないかと思います。何はともあれ、日本語で読むことのできる数少ないドロウエルフに関する
資料としても必見ですし、物語という側面から見てもその先が楽しみなシリーズであることに変わりありません。
表紙は少々、というかかなり児童向けに作られていますが内容面は非常に良質なD&D小説です。

この冬、ALP's Chamberオススメの本として紹介しますので、どうぞ読んでみてください。

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ダークエルフ物語 1巻 「故郷、メンゾベランザン」
R.A.サルバトーレ著 笠井道子訳
出版社:エンターブレイン
ALP's Chamberはamazonアソシエイトです

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