AD&Dにおけるキャラクタークラスのバランス
 
・よいバランスとは?    
 

AD&Dにおいて、パーティのバランスは冒険を生き残り、生還を果たすためには必須の事項である。それは戦闘においてのバランスはもちろんではあるが、情報収集におけるバランス、謎を解くために的確な答えを得るためのバランスなど、いろいろな局面が考えられる。

クラス制を採用しているAD&Dにおいては、 基本クラスと言われている「ファイター」「クレリック」「メイジ」「シーフ」の4種が含まれていることが望ましい。特に市街での情報収集が予想される場合にはクレリックとシーフは活躍の機会が期待されるであろう。詳しくは後ほど解説する。

・各クラスの役割とは?    
  では、それぞれのクラスの役割はどういったものなのだろうか。以下に簡単に各クラスの求められている役割を解説しているので、参考にするのがよいだろう。
 
クラス 解説
ファイター 戦闘において敵と正面切って戦い、これを撃破するのが主だった役割であるが、忘れてはならないのは、敵の遊撃部隊により味方の後衛が脅威にさらされないように防御を怠りなく行うことである。ファイターの存在意義は戦場においてもっとも発揮されるのである。
クレリック

戦闘においては、味方を癒し、勇気を鼓舞し、敵の戦意を挫く能力を持ったクレリックはファイターに並ぶ防御力と、ファイターに匹敵する攻撃力を持っている。しかし、最初に述べたようにクレリックの役割は味方を癒し、敵との戦闘を優位にする能力を遺憾なく発揮することである。

忘れてはならないのはアンデッドモンスターと呼ばれる敵に対して、退散や破壊といった特殊能力を持っていることである。アンデッドとの戦闘はクレリックが率先して自らの能力を発揮する場でもある。

また、市街地においてクレリックは身分の保証のない冒険者の中にあっては、比較的信用を得られやすいクラスであることを忘れてはならない。他のクラスでは有用な話を聞くことのできない相手であっても、クレリックなら結果が違うかもしれない。

メイジ

非力であり、さらに戦闘中にはより致命的となる防具を身に付けられない制限により、メイジは戦闘中において前線に出て戦うことは全く期待されていない。むしろ、前線がメイジのそばに近付いてきたら、身の危険を避けるために後退をしなくてはならないのである。それができなかったメイジは、少なくとも冒険生活をする上では長生きできないであろう。

しかし、彼らの持っている魔法の知識、つまりは呪文の力は、危機に陥った仲間を助けるため、状況を一変させうる力を持っているのである。注意深く呪文を使う時期を伺い、味方が危機に陥ったときこそが彼らの持つ呪文を使う好機である。

また、市街地においては過去の知識の宝庫である図書館などの使用に関して、彼らの基礎研究が役に立つ可能性が高いのである。火の玉を操ることだけが魔術師のやれることではないのである。

シーフ

戦闘においては、ファイターに並ぶ攻撃を持ちながら、彼らの特殊能力のために、非金属鎧しか身に付けられない制限から、前線に立つことはほとんどないクラスである。むしろ、彼らに求められる役割は戦闘においては影に潜み、致命的な一撃を敵に見舞うことである。

また、シーフだけが持つ各種特殊能力は、野外での冒険や迷宮内での探索に大きな影響を与えるだけでなく、冒険の成否をも決めてしまうような能力である。各種の探索・解除能力を駆使し危険を排除していくことは戦闘において、敵を撃破していくことと同じかそれ以上の効果をもたらすだろう。

市街においては、シーフの持つ能力と彼らの築き上げたネットワークが情報収集の助けとなるに違いない。シーフの知り得る情報は社会の裏側に属す人々からもたらされるものなのである。またシーフの情報源となる組織は、集めた情報を元に様々な組織、団体と関わりを持っていくため、日夜情報の収集に余念がなく、権力者や経済的に支配的な人物への関心を常に払い続けている。シーフのキャラクターはこうした陰謀に巻き込まれる恐れも十分にあるのである。

・最適な編成とは?    
 

これらのことを考えると、4人以上のプレイヤーでゲームをする場合には少なくともそれぞれの基本クラスを網羅しておく必要があることが考えられる。なぜなら、あらゆる状況に対応できるよう、冒険者は準備をしていないとならないからである。また、各クラスの説明でも触れたように、前面に立って戦闘が可能なのは、ファイターと限定的ながらクレリックの2つのクラスのみと考えた方がいいだろう。それ以外のクラスでは十分な戦力として前線で戦闘を行うことは困難であると言ってもよい。

もし、開催時にプレイヤーが5人以上いたのならこれらの基本クラスの二番目のキャラクターとなるか、あるいはそれぞれの基本クラスの属しているカテゴリーから別のクラスを選ぶのが、似たようなキャラクターが大勢発生してしまう危険を回避するという意味でもいいだろう。例えば、ファイターの属すウォーリアーグループには「パラディン」「レンジャー」といった特殊能力を持ったクラスが用意されている。こうしたクラスのメンタリティを理解し、能力を駆使したプレイを行えば、より印象的なロールプレイが可能というものだろう。同じようにシーフの属しているローググループには、より市街での情報収集能力に長けた「バード」が、メイジの属しているウィザードグループには、より専門的な魔術師である「スペシャリスト」が存在し、その中でも幻術系の呪文に秀でた「イリュージョニスト」が紹介されている。

忘れてはならないのは、直接戦闘の際に敵の進撃を阻むことのできる人数が、前衛の必要人員なのであり、一般的には直接戦闘に参加できないような、非戦闘系クラスの人員と同数かそれ以上の人員がいることが求められている。これを下回るようなパーティは相手側に数的優位に立たれた場合には生き残る可能性が少なくなってしまうであろう。