要約

 「希望用紙提出方式」は、参加者の希望をきめ細かく反映することが可能という点で優れた卓分け方式である。しかしその反面、どうしても卓分け作業に時間がかかってしまうという難点を抱えていた。

 そこで、当方が開発した一連の「機械的な手続」によって卓分け作業の効率化をはかり「希望用紙提出方式」の実用性を高める。

本文

2003.11.20:卓分けアルゴリズム(1)

 コンベンションでの卓決めにどのような種類があるかについては、2003.07.16:コンベンションでの卓決めで扱った。今回はその中の「希望用紙提出方式」における卓分について考える。

 まず「希望用紙提出方式」について2003.07.16の文章を引用しつつ確認をする。

 「希望用紙提出方式」はGMの紹介後に、各参加者に希望するシステム名/GM名を所定用紙へ記入させ、これを集計する方式。

 通常、会場受付時にパンフレットと同時に「調査票」が渡され、開会式終了後に記入の時間がとられ回収/集計される。また、調査票には第一希望、第二希望、第三希望……と複数の希望を書く欄がある。

 「希望用紙提出方式」には下記の長所/短所がある。

 長所としては、均等に人数を割り振れる・第二希望以下を反映できる点があげられる。

 挙手方式などの他の卓分け手法では「第一希望」だけが集計される。これに対し「希望用紙提出方式」では欄の数を増やすことで参加者の要望をより的確に収集することができる。これは大きな利点といえる。

 短所としては周囲の様子を見ながら卓選択の判断ができない点と、集計作業にかなりの人手と時間を投入しなければならない点がある。

 一方で、集計作業に大きな負担が存在しているのも事実である。参加者数が少なければ担当者の知覚力/記憶力のみでも対処できるが、人数が増えて組み合わせが増加するに従ってその負担は多大なものとなってしまう。

 結果として、優れた方法でありながら「希望用紙提出方式」は敬遠されたり、トラブルの原因となることが少なくない。逆に、もしなんらかの手段を用いて集計作業の負担を軽減することができれば「希望用紙提出方式」を採用することが容易となると言える。

 そこで、一定の手続き(アルゴリズム)を踏むことで「希望用紙提出方式」の処理速度を加速する方法について言及をしていく。

2003.11.21:卓分けアルゴリズム(2)

 (1)の続き。「希望用紙提出方式」の集計処理を加速する手法について簡単に述べる。

 集計処理を加速するためには、機械的に処理する方法を採用するのが早道である。そこで以下のような処理手順を用いることにする。尚、これは理解しやすくするために簡素化したものである。

 ここでは仮に調査票には第3希望までの記入欄があり、立卓候補数は6卓あるとする。

  1. 調査票を「第1希望」の内容で分類/集計し、卓ごとの第1希望者数を算出する
  2. 各卓に第1希望者数が少ない順にA〜Fと「英字」を振る
  3. 調査票の各希望欄を2.で割り振った「英字」に置換し、第1希望を1番左、第2希望をその右隣……と並べて3字の「単語」を得る
  4. 辞書の要領で全調査票を「単語」順で序列化する
  5. 順序が前の調査票から卓に振り分けていく

 これら1連の処理には判断の余地が無く、ほぼ機械的に処理される。これにより人数が多い場合でも迅速に卓分けすることができる。

 簡単な例示を行う。

 あるコンベンションにおける第1希望は、NOVA-Dが6名、サタスペReMix+が4名、D&D3e日本語版が3名、へろへろファンタジーが2名だった。
 このとき、アケトくんは「NOVA-D≫へろへろファンタジー≫サタスペReMix+」と希望し、おにいさんは「D&D3e日本語版≫へろへろファンタジー≫NOVA-D」を希望した。

 英字の割り振りは第1希望者数が少ない順に行われるので、以下のようになる。

D:NOVA-D
C:サタスペReMix+
B:D&D3e日本語版
A:へろへろファンタジー

 結果、アケトくんの調査票は『DAC』、おにいさんの調査票は『BAD』となった。『DAC』より『BAD』の方が辞書では前に来るので、おにいさんが先に卓分けされることになった。

2003.11.20追記

 集計処理を加速するためには、機械的に処理する方法を採用するのが早道である。そこで以下のような処理手順を用いることにする。

 この手順は以下の2点を前提としている。これらが満たされない場合、この手順は適当ではない。

 辞書の要領で全調査票を「単語」順で序列化する

 このことから以後『辞書方式』と呼ぶことにする。

 順序が前の調査票から卓に振り分けていく。

 振り分け方法をどのようにするかは、次回に触れる。

2003.11.22:卓分けアルゴリズム(3)

 (2)では、卓分けの処理手順を簡単に述べた。今回は実際の卓分けについて考える。

 実際の卓分けは7段階に分けて行う。

  1. 挙手による予備調査
  2. 参加者による調査票の記入/提出
  3. 卓別の第1希望者数の集計
  4. 成立卓の確定(不成立候補卓の絞込み)
  5. 卓人数の確定
  6. 辞書方式による序列化
  7. 卓分け

 各段階での手続は以下の通りに行う。

挙手による予備調査
卓ごとのおよその第1希望者数を参加者が把握するため、挙手による予備調査を行う。同時に、人気卓を集中的に希望した場合、希望卓に入れない可能性があることを警告する。
参加者による調査票の記入/提出
プレイヤーは第1希望〜第5希望、GM候補は第2希望〜第5希望を記入する。第3希望までの記入を必須とし、第4,5希望は空欄でも構わないとする。
卓別の第1希望者数の集計
各卓ごとの第1希望者数を集計する。
成立卓の確定
第1希望者が多い卓から順に、参加者人数を超えるまで卓の最大立卓人数を合算していく。ここで算入された卓を成立卓、されなかった卓を不成立候補卓とする。
ただし、第1希望者数がその卓の最小立卓人数以上か、ほぼ等しい場合は成立卓とされることがある。
卓人数の確定
各成立卓に最小立卓人数を割り振る。
余った人数は、第1希望者が多い卓に優先的に割り振っていく。
辞書方式による序列化
各成立卓に、第1希望者が少ない順に番号を振り、調査票の記入欄をその番号に置換する。そしてそれらを辞書方式で序列化する。
卓分け
調査票の第1希望欄を見て、序列順に卓に割振る。第1希望に書かれた卓がすでに締め切られている場合は、飛ばして序列の最後までを処理していく。
卓が未決定の調査票の第2希望以降を見て、序列順に卓に割り振る。第2希望で書かれた卓がすでに締め切られている場合は 第3〜5希望で卓に割り振っていく。

 卓分けについては、以下の例外規定も適用する。

不成立卓のGMの場合(第1希望が存在しない)
第1希望がすでに締め切られたものとして扱う。
第1希望欄が不成立卓の場合
第2希望以降を繰り上げて適用する。
第2希望欄以降に不成立卓が記入されている場合
すでに締め切られたとして扱う(無視する)。
第4,5希望欄が未記入で、第3希望までの卓に入らなかった場合
主催者側の裁量にまかされたとして扱う。
不正記入者の場合
誤記と見なして再記入を行わせ、第1希望以降を繰り下げて適用する(卓が不成立となったGMと同様に扱う)。悪質な場合は追加措置を適用する。

2003.11.29追記

 (2)では、卓分けの処理手順を簡単に述べた。今回は実際の卓分けについて考える。

 ここでの卓分け方法はスタッフを務めているコンベンションで試験導入し、数回の運用での反省点をフィードバックさせたものである。

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