交渉というものを考えてみる

要約

本文

2003.06.09:交渉というものを考えてみる(1)

 TRPGにおいて、交渉がシナリオの重要な位置を占めるということがたまにある。しかしこれが結構、苦労する。これについては、いまのところボクは二つ理由があると思う。

 一つ目の理由は交渉が言葉を中心としているため、プレイヤーの台詞(決断)をどこまで反映するべきかが難しいという点。

 プレイヤーの判断を重視すれば「交渉系技能は修得しないで、俺様の華麗な話術で交渉は切り抜ければいいんだ」という方向に動く。

 逆にプレイヤーの判断ではなく、PCの能力を重視すれば「主人公が格好良い台詞を喋れば悪役は無条件降伏して交渉は万事解決!」という水戸黄門のような結論に落着してしまいかねない(もちろん、判定はするだろうが)。

 現状でのボクの結論は「プレイヤーの台詞(決断)によって方向性を決め、交渉がどこでまとまるかは判定の結果による」というあたり。ルールシステムによってどういう扱いをするかは異なっているけど、基本的には決断によってボーナスやペナルティの種類を、成功/失敗の度合いで質や量を増減させることで対処している。

 ただ、この方法だと方向性ごとにボーナスやペナルティの種類を決めなければならないので、相当のバランス感覚が要求されるけど。

 これで万事解決……とはいかない。もう一つの理由、しばしば交渉のイメージが全然違っているという点があるのだ。

2003.06.09:参考資料

2003.06.10:参考資料

2003.06.18:交渉というものを考えてみる(2)

 「交渉のイメージ」といってもそんなに難しく考えることはない。ほんの数点を押さえれば良いだけの話なのだ。

 一つは「交渉は無条件にはじまるものではない」ということ。PCが交渉したいと発言すればそれで交渉がはじまるわけでは決してなく、お互いが交渉したいと考えてはじめて交渉が成立するという点だ。言い換えれば「交渉は双方が望まなければ、はじまらない」といったところだ。ちょっと例示してみよう。

 ある日、アケトくんは喉が渇いて困っていました。そこにちょうどジュース屋のおねいさんが通りかかって「冷たくておいしいジュースが250円だよ」と声をかけてきました。アケトくんはジュースがとても飲みたかったのですが、お財布には230円しかありません。
 でも、アケトくんが「230円しかないんだけど、どうしてもジュースが飲みたいの」と正直に伝えると、おねいさんは230円でジュースを売ってくれました。こうしてアケトくんはジュースを飲んで喉の渇きを癒したのでした。めでたしめでたし。

 この話はおおざっぱに見れば「230円でジュースを売買する」ことを巡る交渉といえる(あっという間に落着してるが)。この交渉が行われたのは、それぞれが「ジュースを買って飲むため」「ジュースを売るため」といった理由から交渉を望んだからに他ならない。

 この「交渉は双方が望まなければ、はじまらない」ということが、押さえるべき最初の点である。

2003.06.20追記

 この「交渉は双方が望まなければ、はじまらない」ということが、押さえるべき最初の点である。

 このことをよりはっきりさせるための例示を行う。同じく「230円でジュースを売買する」という話である。

 次の日、アケトくんが喉が乾いて困っているところ、おにいさんがジュースを飲みながら歩いてきました。手に持ったコンビニの袋にはたくさんのジュースが入っています。おにいさんは「買った値段の1本250円で分けてやってもいいぞ」と言ってくれましたが、アケトくんは230円しか持ってません。
 アケトくんは230円で譲って欲しいとおにいさんに伝えましたが、おにいさんは応じてくれませんでした。

 似たような話であるにも関わらず、今回は交渉がはじまらなかったのはなぜか。それは、おにいさんが「ジュースを売るため」の交渉を別に希望していないからに他ならない。

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