ポーカー勝負


はじめに

 RPGにおいて、「ギャンブル」はありふれたテーマだ。なにしろ現実にだってあふれているんだから。これはもはや人間の習性みたいなものなはずだ。
 なのに、これのルール上の扱いはとてもにそっけなくて、あっても大半はただ「賭博技能」という技能が設けられているだけ。これじゃ、生死をかけたギャンブルはプレイできない。んで結局、「ギャンブル」は「戦闘」のような華々しい役にはつけず、フレーバーの地位に甘んじてきた。
 でも、この状況は逆に好都合ともいえるかもしれない。だって、ほとんどのゲームで統一規格があるともいえるからね。もちろん縮尺は全然バラバラだけど、インチ定規でもセンチ定規でも定規は定規さ。
 だから、あとはそれなりに遊べるミニゲームでも作れば、ほとんどのゲームで「ギャンブル」ができる、といえなくもないわけ。
 そんなわけで、『プラグイン・ミニゲーム』の第一弾は「ポーカー勝負」ゲームにしてみた(「ポーカー」じゃないのに注意)。あとは各GMが、自分の遊ぶルールの「賭博技能」をミニゲームの「能力値合計」に換算する縮尺を作るだけ。これでそれなりに遊べる「ギャンブル」ができるとおもうんだけど…だめかな?

1:キャラ作成と能力値&Gold・Luckについて

 まず10点を以下の4つの能力値に割り振る。ただし最大6最小1。それから普通のキャラはGold5、Luck7で開始する。

≪勝負≫:ゲームで勝つ能力。スコアに関係する
≪イカサマ≫:一時的にスコアを増強する能力
≪演技≫:言語・非言語的サインを制御する能力
≪観察≫:イカサマを見抜いたりスコアを予想する能力
Gold:言わずと知れた賭け金。0になると敗北
Luck:幸運。イカサマに失敗した場合に減る。0以下になると敗北


2:処理

[00]:片方を“攻手”、もう一方を“守手”とする(→[10])
[10]:“守手”は以下の3戦略から1つを選ぶ。「戦略1:銅像戦略:一切の表情を隠す。[40]で≪演技≫に+1」「戦略2:偽道化役者:過剰な反応で隠す。[40]で≪演技≫に±0」「戦略3:迷走ゲーム:毎回作為的な反応をする。[40]で≪演技≫に−1」(→[20])
[20]:「スコア」を算出する。「2D6+≪勝負≫=スコア」(→[30])
[30]:“攻手”はイカサマを試みるか決定する。(試みる場合は→[31].試みない場合は→[40])
[31]:“攻手”の「D6+≪イカサマ≫」と、“守手”の「D6+≪(イカサマ+観察)÷2≫」を比べる(“攻手”が勝った場合→[32].“守手”が勝った場合→[33])
[32]:イカサマが成功する。「スコア」にD6を加える(→[40])
[33]:イカサマがばれそうになる。「Luck」からD6を引く(Luckが0以下になった場合→[14].まだ1以上ある場合→[40])
[40]:“攻手”は「D6+≪観察≫」の結果を告げる。“守手”はこの数値を自分の「D6+≪演技≫」と比較する(戦略1を選んでいて、負けた場合→[41].戦略1を選んでいて、勝った場合→[42].戦略2を選んでいて、負けた場合→[43].戦略2を選んでいて、勝った場合→[44].戦略3を選んでいて、負けた場合→[45].戦略3を選んでいて、勝った場合→[46])
[41]:“攻手”は1回質問できる(質問は「●以上/以下」という形式。以下同じ)(→[50])
[42]:“攻手”は1回質問できる。ただしウソをつくことができる(必ずしもウソをつかなくても良い。以下同じ)(→[50])
[43]:“攻手”は2回質問できる(→[50])
[44]:“攻手”は2回質問できる。ただし1回はウソをつくことができる(→[50])
[45]:“攻手”は2回質問できる(→[50])
[46]:“攻手”は2回質問できる。ただし2回はウソをつくことができる(→[50])
[50]:“攻手”は自分の勝ちにいくらGoldをかけるかを決定する。ただし最低1はかけなくてはならない。スコアを比べて大きい方が相手のGoldをもらえる(→[60])
[60]:“攻手”と“守手”が入れ替わる(→[10])
[**]:(選択ルール)「Luck」を1点消費するごとにサイコロを1回振り直すことができる(Luckが0以下になった場合→[14].まだ1以上ある場合→直前に戻る)

3:フレーバー

 ルールというのは抽象的だけど、GMはそれを描写しなくちゃいけないことがままあるよね。だから、相手のどんなしぐさによって、相手の心理を見抜くかについて簡単なメモを用意しといたんで活用してちょうだい(『舞い上がったサル』【飛鳥新社,デズモンド=モリス・中村保男訳,ISBN:4-87031-263-8 c0098,発行:H8.4,価格:1800】より)。

1:自分のカードを見るとき、悪い手だと、良い手のときよりも長いあいだ見つめる。
2:良い手で興奮すると、カードを見つめるときのまばたきの回数が多くなる。まびさしや黒眼鏡がこの「ばらし」を隠蔽してくれる。
3:良いいカードが揃うと、瞳孔の拡大を防ぐことができず、両眼の中心にある小さな黒い点が大きくなるのが相手にわかってしまう。この場合も黒眼鏡がこの反射作用を隠してくれる。
4:良い手が揃うと、カードを見つめてから、よそ見をして、相手たちと視線をかわさない。相手を積極的に見つめるときには、手が悪い可能性が高い。
5:良い手が揃うと、自分の賭けたチップの山をちらっと見てから、そっぽを向く。
6:手が悪いと大げさなそぶりでチップを賭ける。手が良いと、そっと、きちっとチップを前に押し出す。

 以上が最もありふれた「ばらし」の一部である。概して、良い手になったプレイヤーは相手との掛かり合いをへらそうとして、カードを見るのもつかのまで、相手から目をそらし、目立たない腕の動きできっちとチップを出す。