『渋柿ぴー、悩む』

 登場人物 
 前野浩角刈で、グラサン、黒スーツが似合う20代前半の使用人。 
 渋柿渋柿という通称がつくくらい渋めの目つきの悪い女の子。
前野くんとどういう風に接したら良いか、悩んでいる様子。
 
   
 渋柿ぴー、悩む 
   
  ……無道邸の一室。床に渋柿くんが所在無さそうに座り込んでいる。 
  晩秋のある日、無道邸まで甘夏を送り届けに来たはずが、そのまま居座る形になって。
 無道邸の住人は皆、家族のように暖かく二人を迎え入れている。
 
   
  しかし、そこは不器用な渋柿のこと。
 幼い妹分とは違い、なかなか新しい関係に馴染めない様子。
 
   
 渋柿(甘夏は仲良くできてるのに、私はうまくいかない……やっぱり"渋柿"って名がダメなのかな……) 
   
  今日も今日とて、そんなことを考えながらごろごろと床に転がっていて。 
  ふとテーブルの方に目を向けると、そこには「柿ピー」の袋が。 
   
 渋柿(ぼそり)「"渋柿ピー"なんてどうかな………だめだ。死人が出てしまう」 
   
 それを見つめる黒服の男 
   
 前野|・) 
   
  そんな渋柿くんをじっとみつめる、角刈り・グラサン・黒コートの怪しい人物……言わずと知れた前野くんである。
 なかなか心を開いてくれない渋柿くんのことが気になって、覗いていたらしい。
 さすがは吹利のMIB。
 
   
 渋柿     (はたと視線に気がついて、パニック) 
  前野「あっ!あのっ、渋柿くん?!」 
   
  大人でも、独り言を聞かれるというのは恥ずかしいもの。
 ましてや小さな渋柿くんが、恥ずかしさのあまりパニックに陥ったからといって、誰が責められましょう。
 
   
  ……てゆーか、ぜったい前野くんが悪いよね。この場合。 
   
 その場から逃げ去るの図 
   
 渋柿(人狼の脚を生かして猛スピード逃走) 
 前野「し、渋柿くーん!(大汗)」 
   
 
 
   
  「あっ」というまに見えなくなってしまった渋柿くん。
 みんなに馴染むまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
 
 (了)