2004.06.05:『コンスタンティノープル千年 革命劇場』
- ビザンツ帝国における皇帝と市民の関係についてを取り扱った一冊。
- 儀式的な皇帝選出手順とそれを裏付ける市民の「憲法感覚」の存在、そして両者を前提として頻出革命について簡潔に述べられている。
- ビザンツに興味がある人や、「選出される皇帝」という概念に感心がある人に。
書籍情報
『コンスタンティノープル千年 革命劇場』 (渡辺金一,1985.06.20,新書p227,岩波新書 黄304)
- アメリカの神話学者による、英雄についての著作。上下巻の上巻。
- 世界各地の人々によって語り継がれてきたさまざまな英雄が、ある雛型に根差しているという観点から描かれている。個別の英雄について考察するというよりも、一群の英雄が持つ「共通項」を紹介していく形をとっている。
- 神話は、人が生まれてから発達していく過程で不可欠なものとして捉えられている。また、英雄の物語は、人が生まれてから死ぬまでの過程において遭遇する普遍的な困難や障害に際してどのように対処するか、についての示唆を結集したものとして読み解かれている。
- 英雄や神話、物語について考えてみたい人に。
書籍情報
『千の顔を持つ英雄 (上)』 (ジョゼフ=キャンベル,1984.08.20,A5
判p264,人文書院,4-409-53004-6)
2003.12.22:『ゲームの博物誌 世界各地にゲームのルーツを探る』
- チェスやバックギャモン、マンカラなど世界で愛好されるボードゲームの歴史・魅力を現地取材して綴るエッセイ集。
- 各地でそのゲームがどのように楽しまれているか、類似のゲームが他の地域で遊ばれているかなどについて触れており興味深い。
書籍情報
『ゲームの博物誌 世界各地にゲームのルーツを探る』 (増川宏一,JICC出版,新書p166,1993.04.01,4-7966-0584-3)
- INAXギャラリーでの「ゲームのデザイン 盤上の魔力」展と併せて刊行された本。
- 古今東西さまざまなボードゲームを写真(カラー,白黒)で見ることができる。中には古代インドやウル王朝のゲームなどもあり、目で見て楽しめる。
- 「ゲームの系統と変遷」(増川宏一)としてゲームの系統樹が提示されている等、歴史的視点からゲームをまとめている点が面白い。
書籍情報
『ゲームのデザイン 盤上の魔力』 (INAXギャラリー,1994.06.02,変形p84)
2003.12.10:『建設計画 設計シリーズ16 医療施設』
- 医療施設の設計にあたる建設計画についての入門書。序文を読むに建築学科の教材を想定して製作された本らしい。
- 前半は病院の構造や各部署の配置などについてわかりやすく書かれている。随所に実際の図面や写真が挿入された親切な作りなので読みやすい。
- 後半はさまざまな規模の実在の病院の大まかな図面が掲載されている(13病院を約40頁にかけて掲載)。
- 病院を舞台とした物語を書こうとする人に。
書籍情報
『建設計画 設計シリーズ16 医療施設』 (市ヶ谷出版社,1999.09.08,
藤江澄夫/谷口汎邦,A4判p141,4-87071-246-6)
- 八ヶ岳山麓にアトリエを移した絵描きによる、きのこについてのエッセイ+水彩画集。
- 多くのきのこについて、方言を含む名称と生息地、そのきのこに関する体験記にスケッチ画が書かれている。
- 食べられるきのこの回には調理法や実体験に基づいた保存方法が載っている。実に美味しそうだが、残念ながら店頭で見ることができない食茸ばかりである。
- 一般に流布する「毒きのこ判別法」を俗説として否定していたり、食べた場合の症状などが簡単に書かれている。
- 食べものとしてのきのこが好きな人、日本の里山について興味のある人などに。
書籍情報
『きのこの絵本』(ちくま文庫,渡辺隆次,1990.9.20,文庫p237,4-480-02483-2)
- ヴィクトリア時代の英国を舞台にしたコミックス、「エマ」シリーズ(森薫,エンターブレイン)の副読本。
- ヴィクトリア時代の使用人について職域や立場、組織などについてイラスト付で丁寧にまとめられている。多くの使用人を抱えた大貴族ばかりでなく、少数の使用人を雇用した中産階級での場合についても。
- メイドなどの使用人がどのように職につき、技術をつんだ後にどのようにキャリアアップしていくかについても記述されている。
- 物価や移動手段をはじめ、ヴィクトリア時代の英国事情についてもわかりやすく説明が加えられている。簡単な英国歴史ガイドも付属しているので歴史が苦手な人でもそれなりに平気。
- 「エマ」の小編、ヴィクトリア時代を識る助けとなる小説類のブックガイド、さらに参考文献リストも入っている。
- ヴィクトリア時代前後のイギリスに興味がある人に。
書籍情報
『エマ ヴィクトリアンガイド』(森薫/村上リコ,エンターブレイン,2003.12,B6p163,4-7577-1643-5)
- 19世紀フランスの有名デザイナーによる民族衣装についての本。元々はかなり大きな判形の本だったものを解説を圧縮して文庫化した。
- フルカラーで美麗な民族衣装のイラストが毎ページにぎっしり詰っている。高品質でコンパクトで低価格。
- 民族衣装に興味がある人や、イラストを描く人、物語の世界イメージを豊かにしたい人に。
2003.11.29追記
TRPG情報メールマガジン:語り部日報の2003.11.16号にミニ書評を寄稿。
書籍情報
『民族衣装』(オーギュスト・ラシネ,マール社,1994.11.1,文庫p159,4-8373-2000-7)
- ドット絵について基本からきちんとまとめた入門テキスト。オールカラーなドット絵に読みやすい文章が付いている。
- 序盤はドット絵の書き方について、プログラムの起動の仕方から丁寧に教えている。中盤以降は作例集となっており、人物・背景・動物などさまざまなドット絵についてのノウハウがふんだんに盛り込まれている。
- ドット絵職人といふものとドット絵職人といふもの21を増補して書籍にまとめたもの。
- MdNのサポート頁からサンプルデータがDLできる(Win/Mac対応)。
- ドット絵が好きな人はもちろん、イラストが苦手という人にも。
書籍情報
『ドット絵職人』(Suguru.T[NARIKIRI],エムディーエヌコーポレーション,B5変型判p156,4-8443-5705-0)
2003.10.03:都市の文明イスラーム イスラームの世界史(1)
- シリーズ全三巻の第一巻にあたる本書では、イスラームの誕生から16世紀初頭までを扱っている。
- イスラーム法がどのように成立し、運用されていったかなど、社会がどのように発展していったかをわかりやすく記述。
- 人々の高い移動性、権力者と民衆の「対話的関係」など、イスラーム社会の特異性について示唆に富んだ内容を含んでいる。
- 地中海世界とアフリカ北部におけるイスラームについてそれぞれ一章ずつを充て、しっかり紹介されている。
- 巻末には索引とブックガイドが収録されている。
- イスラームについてもう少し知りたい人に。
書籍情報
『都市の文明イスラーム イスラームの世界史(1)』(講談社現代新書,佐藤次高+鈴木薫 編,新書p257)
- 森林学の専門家がブナの森について生態学的アプローチで綴った入門書。
- ブナの見つけ方や、250年以上あるブナの一生について丁寧に描いている。
- 樹木としてのブナだけでなく、草木や動物を含めた森としてのブナを取り扱っている。
- 日本とヨーロッパのブナの森の差異についての記述は色々と参考になる。
- 世界設定に凝りたい人や、生態系について考えたい人に。
書籍情報
『ブナの森を楽しむ』 (西口親雄,岩波新書,1996.4.22,新書p226,4-00-430443-1)
- 受け手に「特定の人物像を想起してしまう言葉遣い」を役割語として捉え、整理した意欲作。
- マンガや小説から取り上げた豊富な具体例で読みやすく分かりやすい。
- 社会心理学分野でのステレオタイプとの関連性から、役割語の仕組みについても記述している。また、江戸時代にまでさかのぼっての役割語の歴史も触れている。
- 言葉に関わる創作をしていたりTRPGのGMをする人、日本語に興味がある人にお勧め。
書籍情報
『ヴァーチャル日本語 役割語の謎』(金水敏,岩波書店,2003.3.20,B5判p225,4-06-257245-1)
- ある御算用者(会計)が残した家計簿を元に、当時の時代状況とそこに生きる武士の家計簿について書いた本。
- 新たに発見された古文書の解読によって徐々に明らかになる武士の意外な一面。学校の歴史では教わらなかった、その時代に生きた人の生き様を随所で目にすることができる。
- 「身分費用/身分収入」という概念により、武士の懐事情を、ひいては江戸時代の身分階層がわかりやすく解説されている。
- 江戸時代に興味がある人や、架空世界創作などをやってる人にお勧め。
書籍情報
『武士の家計簿 「加賀藩御算用者」の幕末維新』(磯田道史,新潮新書,2003.4.10,新書p222,4-10-610005-3)
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