■忠誠心をふるいたてて亡国の危機を救うのだ!
そのむかし。
ディプロマシー、コロニアル・ディプロマシーをプレイする機会がありま
した。このボード・ゲームの華は他のプレイヤーとの外交交渉にあります。
互いに自国の利益を得るために口八丁手八丁、裏切り自由自在のたいへん面
白いゲームです。
さて、この楽しさを満喫できるシナリオはというと----
そう、D&DのXモジュールでも屈指の出来であるX10があるではない
ですか。
簡単に言うと、このシナリオは『自国に侵略してきた軍隊を撃破するため
に、外交官であるキャラクターたちが他国に援助を求めて旅立つ』というあ
らすじになっています。
三国志でいうなら、赤壁の戦いの前に、呉との同盟を求めた蜀の孔明のよ
うなもの。相手を動かすために丁々発止の駆け引きが楽しめる.....のでは
ないかと、普通なら考えますよね。
が、しかし。
さすがはD&D。一筋縄ではいきません。
PC「ぜひ我が国との同盟と、援軍派遣をお願いします!」
*お願い* このPCを、背広を着てネクタイをしめた日本人の中年の官僚
だと想像して、この後をお読みください
A国の大臣「ふむ、たしかにそちらの提示した条件は魅力的です。が、しか
し....」
PC「何か問題でも?」
A国の大臣「最近、この国の辺境でドラゴンが暴れておりまして、そちらに
軍を送らなくてはならんのですよ。残念ながら国外に派兵してい
る余裕はありません」
PC「なら、そのドラゴンが退治されれば何の問題もないわけですな」
A国の大臣「そのとおりです」
PC「わかりました。私もオックスフォード大学で国際外交を学んだ男です。
(( ジャキン、とドラゴン・スレイヤーを装着 ))
そのドラゴン、この私が倒してごらんにいれましょう。ですから援軍の方、
何とぞよしなに」
それだけではありません。
PC「よろしいですか。我が国が占領された場合、あなたがたは海へ通ずる
交易路を失うのですよ。試算ではありますが、この国の主要輸出品であ
るスパイスの売り上げは最大で74%の減少が見込まれます。失業率は、
20%近く上昇し-----」
B国の王「ええい! ごちゃごちゃうるせぇ! 難しい話をするんじゃねぇ!」
PC「失礼しました。では、援軍の方は....」
B国の王「出してやらんこともない。だが、おまえさんの言っていることが
本当かどうか確かめてからだ」
PC「どうすれば信じていただけるので?」
B国の王「(もろ肌脱いで、岩のような拳を突き出し)そりゃおめぇ。男な
ら拳と拳を交えて語り合うのよ!」
PC「わかりました。私もケンブリッジ大学で国際外交を学んだ男です。
(眼鏡を外し、背広を脱ぎ捨て、ファイティング・ポーズを取る)
お相手いたしましょう。ですから援軍の方、何とぞよしなに」
がんばれ外交官!
戦え外交官!
祖国は君の帰りを、君の帰りだけを待っている!
王都落城まで、あと4ヘクス! 4ヘクスしかないのだ!
追記:手元にX10モジュールがないため、もしかしたらごく一部に間違い
があるかも知れません。おそらくはプレイには何の支障もないかと思い
ますが、あらかじめご了承ください。