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 第12話『奇跡の価値は』を見ました。(ちなみに第11話はまだ見ていません)

 たいへん面白いお話でした……が、やはり戦闘シーンに物足りないものを感じ
ました。演出がテンポ(疾走するエヴァンゲリオン)を重視するあまり、緊迫感
を削いでいるような印象を抱いたのです。

 テンポは遅くなりますが、次のような展開にしてみてはいかがでしょう──
 場面的にはシンジ君の『逃げちゃ、だめだ』の直後からです。

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第12話『奇跡の価値は』改

 どこまでも青く、そして暗い空を飛ぶジェット偵察機。
 双眼鏡を構えた観測員(ウォッチャー)が虚空を睨む。
通信士「嘉手納のNASDA本部から緊急通信! 有人実験衛星『さんにん』が
   標的を補足! 方位は──」
機長「手空きの者は全員、目視で標的を探せ! どうせレーダーなんぞ役に立ち
  はせん!」
 そう言いつつ、自分も観測窓に駆け寄る。

 ネルフ本部、管制室。
青葉「嘉手納から通信。『さんにん』が破壊され、使徒を見失ったそうです。生
  存者は……ありません」
ミサト「そう」
 首から下げた十字架が揺れる。
リツコ「素人が不用意に近づきすぎね。文部省から派遣の学者さんじゃ、無理も
   ないけど」
ミサト「他の衛星や観測網からの、使徒に関する情報は?」
日向「観測衛星や偵察衛星、UNの偵察機からはてはアマチュア天文学者まで動
  員していますが……まだ発見できません」
リツコ「どうするの? このままだとMAGIにも予測不可能になるわよ」
 モニター上に、使徒の落下予測地点がオレンジ色で示されている。時間と共に
オレンジ色の領域はじわじわと拡大していく。
ミサト「嘉手納に連絡。発電衛星『アマテラス』を使うわ」

 偵察機内。
通信士「嘉手納より連絡──これより標的をライトアップするからよく見ておけ
   とのことです」
機長「なんだと? どういうことだ?」

 高度3万6千kmの静止衛星軌道上に浮かぶ巨大な太陽電池パネル群。その中心
に位置するレーザー砲が激しく明滅する。円錐状に広がった、幾千、幾万もの光
条が、確率論に従えば使徒がいるはずの空間を埋める。
 12射目で、その内の3本が、使徒に当たった。

 ネルフ本部、管制室。
青葉「ロミルワ(偵察機のコード)より入電! 使徒を発見しました!」
ミサト「ただちに、使徒の軌道要素を演算!」
 使徒の落下予測地点を示すオレンジ色がぐんぐん小さくなっていく。
日向「落下時間、出ました! 後1分17秒です!」
ミサト「エヴァンゲリオン、発進!」

シンジ&アスカ&レイ「スタート!!」
 外部電源が切り離され、一斉に走り出すエヴァンゲリオン。小川を駆け抜け、
高架を飛び越え、市街へと突入していく。

日向「落下予測地点、確定しました! 誤差200m」
 赤色の点が第三新東京の郊外に点滅する。そこを目指してエヴァを示すマーカ
ーが近づいていく。
リツコ「──-遠すぎる!」
マヤ「5秒、足りません……」
 ミサト、無意識に胸元に手をやり、十字架を握りしめる。
ミサト(シンジ君!)

 エヴァ初号機の中。シンジが弾かれたように面をあげる。
シンジ「走れ!!」
 初号機の目が白い光を放つ。走る姿が一瞬ぼやけ、続いて疾風と化した初号機
がソニック・ブームを後に残して猛進する。

マヤ「初号機、音速を突破!」
日向「使徒、激突します!」

シンジ「させや、しない!」
 急制動をかけて停止する初号機。頭上に使徒の巨体が迫る。
シンジ「フィールド、全開!!」
 初号機のATフィールドが周囲の木々や建物を弾きとばしつつ広がっていく。
初号機は両手を天へと差し伸べ、使徒の巨体をがっちりと受け止める。ギリシア
神話に登場する巨人アトラスのごとく。
シンジ「くっ……くぅっ!」
 使徒はその巨体を利して、初号機をじりじりと押しつぶしていく。踏ん張る初
号機の足が地面にめりこみ、膝が震える。
 そこへ、零号機と弍号機が駆け寄る。
レイ「フィールド同期!」
シンジ「だめだ!」
 レイが怪訝そうな瞳を通信モニターのシンジに向ける。
シンジ「こいつは僕が一人で支える! 綾波はコアの部分のフィールドを中和し
   てくれ!」
 レイがうなずく。零号機はプログナイフに焦点をあわせ、使徒のコアを守るフ
ィールドを切り裂く。
シンジ「アスカ! 今だ!」
アスカ「いっけえええぇぇぇ!!!!」
 弍号機のプログナイフが使徒のコアを抉る。ATフィールドを失った使徒の巨
体が大きく震え、重力に引かれるまま大地に落ちる。
 大爆発。閃光と煙の中から三体のエヴァが歩み出る。

リツコ「どうやら、奇跡は起きたみたいね」
ミサト「(首を左右に振り)起こしたのよ。あの子たちがね」

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 作成者:銅 大(アカガネ ダイ)


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