Hearts Of Iron:ゲームの中の第二次世界大戦 その2
『Hearts Of Iron』は、Paradox社の戦略級ウォーゲーム(電源あり)である。
第二次世界大戦における国家元首となり、自国の勝利のために戦うのだ。
戦略級であるからして、外交や技術開発、部隊編成のすべてがプレイヤーの判断に委ねられている。一方で戦闘そのものにはプレイヤーの介入する余地はない。
とりあえず、敵を決めて戦力をそろえてぶつけるまでがプレイヤーの仕事と割り切った方がよかろう。
■フランス(第1回)
2戦目はかつてヨーロッパ随一の陸軍国であった(過去完了形)フランスでプレイする。
ポーランド敗戦の教訓から、戦闘機隊を集中運用する。指揮官の能力と予算のかねあいで、9個飛行隊。主力は迎撃戦闘機ドボアティン520である。
さらに、装甲師団と自動車化師団をまとめて機械化軍団を編成。戦車は、40ミリ砲搭載のオチキス戦車である。ただ、戦車搭載無線に関しては予算がつかなかったので史実通り、なしでいかせてもらった。
歩兵師団も、対戦車用装備として70ミリ対戦車砲を装備。まだ2号戦車や38tなどが主力のドイツ戦車には十分に対抗できるようにした。
外交努力もこれを怠らない。スペイン内戦には旧式装備とはいえ歩兵5個師団を義勇軍として送り込み、ドイツやイタリアが派遣した義勇軍と戦う。
さらに、イタリア国境に精鋭の山岳歩兵師団を6個師団はりつけ、外交交渉もこれを繰り返してイタリアがドイツとの枢軸同盟に参加しないように働きかける。
これらの努力の結果、第二次世界大戦勃発時には、ドイツはイタリアと同盟を結べなかったばかりか、オーストリア併合にも失敗している。
だがポーランド軍はやはりというか順当にというか、ドイツとソ連にはさまれて1ヶ月で敗北。
我がフランス軍は先手を打って、ポーランド戦の間に国境を超えてドイツ領内に侵攻するも、大損害を受けて撤退。やはりライン川越えの攻撃はかなり難しい。こちらとしてはなんとかベルギー領内を通過してルール地方になだれ込みたかったのであるが、ベルギーはがんとしてこれを拒否したのである。
そして1939年11月。なんとドイツは春まで待つことなくベルギーに宣戦布告。(オランダは放置された)アルデンヌの森をぬけて進軍しようとする。
「ふ、マンシュタインプランなどお見通しよ」
史実においては装甲部隊が通過不能としてほっておかれたアルデンヌを突破したドイツ軍によってフランスは敗れたが、なんの、此度はこちらにも十分な用意がある。先手を打って切り札である第1機械化軍団をアルデンヌの森へと突っ込ませる。
アルデンヌの森で繰り広げられる激戦。襲いかかるドイツ空軍を迎撃すべく、フランス戦闘機隊が出撃する。
……が。
「戦闘機隊、壊滅!」
「はやっ?!」
なんと、ほぼ同数のドイツ空軍にフランス空軍は手もなくひねられたのである。
「だがっ、それも計算のうち! 我がフランス軍にはレーダー照準(高かった)と組み合わせた威力抜群の対空砲がある!」
「それですが」
「なんだ?」
「開発はしたのですが、機械化軍団はそうでなくてもお金がかかるので対空砲を装備してないのです」
「……え?」
襲いかかるストゥーカの群れ。戦車師団の被害はさほどでもなかったが、装甲などない自動車化歩兵師団は大損害を受ける。
傷ついたフランス機械化軍団はそれでもアルデンヌの森でルントシュテット指揮のドイツ軍を相手に健闘する。健闘はしたのだが……
「あー、やっぱり自動車化歩兵師団がぼろぼろやられていきますね」
「戦車師団はがんばってるんだがなー。つうか、ドイツ軍にほとんど損害が出てない気がするんだが?」
「指揮官の差、練度の差、兵器の差……やっぱ付け焼き刃の機械化部隊では本家本元にはかないませんて」
壊滅寸前なんとか撤退に成功するも被害は大きい。後方に下げて再編成しようにも、アルデンヌの森を抜けて進軍するドイツ軍によってフランス北方の前線はずたずた。

「これはもうダメかなー」
「ダメですね、あ……」

「どうします? まだやりますか?」
「いや、アルデンヌで負けた時点で敗北は決定していた。降伏しよう」
さて、その後の展開であるが。

アグレッシブなドイツ軍は1940年の冬にはソ連侵攻を開始。幾度か手ひどい反撃を受けたものの最終的にはスターリンをウラル山脈以東へと追いやる。
アメリカは1942年になってようやく枢軸に宣戦布告。(日本は真珠湾奇襲を行わなかった)何度か西ヨーロッパに上陸作戦を敢行するものの、待ちかまえていたドイツ軍にそのたびに海へ追い落とされる。ついには腹を立てたのか1945年春にブリュッセルに原爆を投下するという暴挙まで行なうが、これは世界的な非難と国内世論の反発を浴び、以後、アメリカ軍は積極的な行動に出なくなる。
連合国が次々と脱落していくなか、イギリスは最後までがんばった。イギリス海軍は北海でも地中海でも制海権を堅持。ドイツにとって柔らかい下腹部に相当する北アフリカとイタリアに上陸。それらの過半を制圧するものの、北部イタリアの山岳地帯でついに進撃を食い止められる。
こうして、第二次世界大戦は枢軸側、というかドイツの勝利で終わったのである。
作成者:銅 大(アカガネ ダイ)
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