Hearts Of Iron:ゲームの中の第二次世界大戦 その1
『Hearts Of Iron』は、Paradox社の戦略級ウォーゲーム(電源あり)である。
第二次世界大戦における国家元首となり、自国の勝利のために戦うのだ。
戦略級であるからして、外交や技術開発、部隊編成のすべてがプレイヤーの判断に
委ねられている。一方で戦闘そのものにはプレイヤーの介入する余地はない。
とりあえず、敵を決めて戦力をそろえてぶつけるまでがプレイヤーの仕事と割り
切った方がよかろう。
■ポーランド(第1回)
初戦はまずポーランドでやってみる。
第一次世界大戦末期の1918年、ロシアの崩壊にともないポーランドは悲願で
あった独立を勝ち取る。
だが、ポーランドの国情は安定せず、世界大恐慌によって失業率が40%に達する
など経済も頭打ちであった。
何よりポーランドは東にソ連、西にドイツという敵国に囲まれていた。もとより
第一次世界大戦の後のどさくさで出来た国である。ソ連もドイツも「あそこは元々
わしらの国じゃ」という意識が強い。ポーランドはまず、外交的な後ろ盾として
イギリスやフランスと手を組む。そして軍備を増強していざという時に備えて
いたのだ。
だが、1939年9月。ドイツとの戦争がはじまるとポーランド軍はたちまち
敗走を重ねた。
額面戦力としては、ポーランド軍は40個師団を数え、ドイツの52個師団と
比べても遜色がない。しかし、ポーランド軍は航空兵力に劣り、戦車といえば
豆戦車ばかり。しかし何よりポーランド軍は第一次世界大戦型の軍隊でしかなかった。
指揮通信において致命的なまでに手間と時間のかかるポーランド軍は、速度を
重視したドイツ軍の電撃戦にその力を発揮することなく軍隊という組織の面で
崩壊させられたのである。
などという史実はむろん承知の上である。
目標は当たり前であるがドイツに勝とうとかソ連を破ろうとかではない。
生き残る。それだけである。
ゲーム開始は1936年。開戦までまだ3年ある。
最初に私が考えたのがドイツと仲良くなる方法はないかということだった。
ソ連と仲良くなっても、相手はあのスターリンである。ドイツと戦っていたら
後ろから支援という目的でポーランドを蹂躙するぐらいは平気でやるだろう。
かといって、史実通り英米と同盟しても、史実通り見捨てられておしまいの
可能性が高い。やはりここはドイツと仲良くなろう。
私のそんな考えはゲーム開始後たちまち吹き飛んだ。
ダメなのだ。このゲームにおけるポーランドは中小国ゆえ外交力が致命的に
不足しているのである。元から仲の悪いドイツと粘り強く交渉して仲良くなる
など夢のまた夢。
となるとやはり史実通り英米と組むしかない。
残る外交力は、東欧の国々と仲良くなるのに使う。特にチェコスロバキアには
せっせと技術支援を行い、ドイツの圧力を少しでも減らそうとする。
その一方で、軍備の拡張はこれを行わないことにする。
ゲーム開始時点で30個師団ぐらいあるし、むしろここは軍事技術、特に
対戦車装備と防空用戦闘機の開発に力を注ぐべきだと
考えたのである。
そうこうしているうちに、周囲はどんどんきな臭くなってくる。東の国境には
ぞろぞろとソ連軍が集まり、西の国境にはドイツ軍。
両方いっぺんに来てはとても戦いにならない。ここは、がんばってドイツ軍を
食い止め、ソ連に付け入る隙を見せないという方法しかない。
やがてチェコスロバキアがついにドイツに屈し、チェコが消える。残った
スロバキアも枢軸側でドイツ軍が進駐するようになる。
ここで驚いたことにソ連ではなくドイツがリトアニアに宣戦布告。リトアニアは
奮戦するもドイツに制圧されてしまう。
ちなみに、遠いアジアでは日本が中国と戦争を開始していたが、ポーランドには
何の関係もないのでうっちゃっておく。
そして運命の1939年9月。
ドイツがダンツィヒ回廊を要求してくる。我が国はこれをつっぱね、戦争が始まる。
こちらは国境の各エリアにそれぞれ虎の子の防空戦闘機部隊を1個ずつ配備して
いたが、そこへいきなり10倍のドイツ空軍が襲ってくる。
鎧袖一触。
ポーランド空軍はわずか3日で壊滅状態になる。
それでも、要塞を築いていたダンツィヒには6個師団が居座って粘り強く戦う。
潜水艦隊も出撃し、東プロイセンへ向かうドイツ海軍の輸送船を襲撃する。
だが戦闘正面においては――
「だ、ダメだぁあああっ!!」
3個師団に1個旅団の割合で混ぜておいた対戦車部隊ががんばって敵に損害を
与えるものの、戦力がどうにも違いすぎる。さらに空軍が壊滅しているため、
ストゥーカ(急降下爆撃機)は我が物顔で上空を飛び回り、ポーランド軍の防備を
突き崩す。
そしてついにはワルシャワも陥落。ポーランドは史実とあまり変わらぬ短い時間で
ドイツの電撃戦に屈したのである。
完敗であった。
作成者:銅 大(アカガネ ダイ)
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