Steel Panters:コルスン包囲網を突破せよ!



 “Steel Panters”は、第二次世界大戦の陸上戦闘を扱ったコンピュータ版
ウォーゲームです。たくさんのシナリオがありますが、今回はその中から、
派手さでは定評のある「コルスンポケット(コルスン包囲網を突破せよ!)」
をプレイしてみました。

 え? 
「コルスンってどこだ?」ですか?

 読めばわかりますが──
 一言で表現するなら地獄です。


■1944年冬。ドニエプル河畔




ロシアの厳しい冬のさなか(2月だ!)、私は師団司令部に呼び出された。
「知っての通り、味方の部隊がソ連軍に包囲されている。我々の任務はその
救出だ。ソ連軍の包囲網を突き破り、味方の部隊の退路を確保してくれ」
ようするに、逃げてくる味方が通り過ぎるまでの間、交差点で交通整理を
すればいいわけだ。



[目的]



各シナリオは、マップに勝利条件ヘクスがあります。ここを、できるだけ
長い間、自軍の支配下におけば勝利得点が加算されていきます。
もちろん、味方の部隊の損害は少なく、敵に与えるダメージは大きい方が
良いのは言うまでもありません。
今回プレイしたのは[KORSUN POCKET]。包囲を続けるソビエト軍と、それ
を突破しようとするドイツ軍のハードな殴り合いシナリオです。

私は、自分が指揮する部隊を確認した。
戦車は10両。六号戦車(虎)が4両に五号戦車(豹)が2両、四号戦車(軍
馬)が4両だ。後方の4両の戦車は歩兵を上に乗せている。
包囲された味方の部隊は、現在トラックに分乗してこちらに接近している
とのことだ。



[規模]



戦車は1両単位、歩兵は分隊単位の小規模戦闘を再現したウォー・ゲーム
です。
面白いことに、シナリオでは部隊名称(ヴァィキングSS装甲師団所属/第509重
戦車大隊)や指揮官名称(大隊長〜戦車長/分隊長まで)が決まっています。
指揮戦車が撃破されたりなんかしますと──
<<ヴァルナー中尉がやられた! 以後、中隊の指揮は2号車のレミル軍曹が
取る!>>
──てなメッセージが表示されたりいたします。

兵は拙速をもって尊しとなす。私は全速で部隊を進ませた。
突然、川向こうの土手に閃光が走った。前を走る四号戦車が停止し、黒
い煙を吹き上げた。ソ連軍の対戦車砲だ!



[戦術その1 索敵]



ゲーム開始時には、敵の配置や数は分かりません。移動中の戦車のよう
に大きくてやかましいユニットは、かなり遠方から確認することができま
すが、塹壕を掘って隠れている敵は、目の前(隣接ヘクス)に来るまで分か
らないことがあります。
歩兵に比べて戦車は周辺の偵察が苦手ですから(視界が狭い上に自分で
騒音をたてている)上述のように、不用意に戦車を突出させると、対戦車
砲の餌食となります。

私はB中隊(ティーゲル)に対戦車砲への射撃を命じた。砲煙と雪煙が敵の塹
壕を包む。その隙に四号戦車にまたがった歩兵分隊を接近させ、近接攻撃
で対戦車砲を始末するのだ。



[戦術その2 援護射撃]



戦場では、敵を殺すことよりも、敵のやる気を削ぐ方が簡単で効果的で
す。(たとえ効果がなくても)さかんに射撃を浴びせてやれば、敵は行動で
きなくなりますし、それが続けば士気喪失で逃げ出してしまいます。
塹壕から逃げ出した敵兵は、もはや単なる障害物に過ぎません。蹂躪し
つつ前進しましょう。

対戦車砲を始末した私は(さすがに)用心深くなって、装甲の薄い四号戦
車ではなく六号ティーゲルを前面に街道を(ゆっくりと)進んだ。
だが、それでもまだ配慮が足りなかった。ソ連軍がしかけた対戦車地雷
にひっかかり、1両がキャタピラを破壊されて動けなくなったのだ。
くぅぅ……街道を走るんじゃなかった……

その後、村に戦車壕を掘って待ち構えていたT34を1両破壊──先制
射撃を受けたが、ティーゲルの厚い装甲はそれを跳ね返した──した我々
は、道路網を制圧。後は、包囲された友軍が到着するのを待つだけとなっ
た。

だが、ほっとしたのもつかの間(1ターン)、ソビエト軍の反撃が始まっ
た。北と南(それとも東と西?)から、T34の群れが突入してきたのだ。
地形を利用して身を潜め、無防備に突進してきた先頭のT34を撃破。
続いて反対方向からやってきたKVを横合いからの射撃で移動不能にする。
そしてさらにもう1両のKVを破壊。
もう終わりかと思ったら、林を突破して3両のT34が躍り出てきた。
なんて贅沢な。ちっ、親衛赤軍はこれだからよぅ……

後はもう乱戦である。向こうはハナから損害無視の強襲だし、こっちも
頭に血が登っている(何しろ、戦車に乗って前線にいるのだ)から、目の前
の敵に弾をぶつけることしか考えられない。

装甲の薄い四号戦車が正面装甲をブチ抜かれて爆発。お返しにこちらに
横腹を見せているT34を撃破。だが、その間に肉薄した(隣接ヘクス!)
T34が五号パンターに3連射。パンターは燃えながら林に突っ込み、も
うもうと白い蒸気を吹き上げつつ擱座する。

『ウィーデン中尉のティーゲルがやられた!』
『ハインツ、右だ! T34!』
『何だと? 見え──(ブツッ)』
『うぉぉっ! 殺っちゃるぅ!』

結局──

ソビエト親衛赤軍の猛攻を支えきれず、我々は後退した。脱出途中の友
軍はT34に蹂躪され、救出は失敗に終わった。
敗因は、戦車同士の近接戦闘に持ち込まれたことだろう。機動もできな
いほどの乱戦になってしまえば、戦車の数が物を言う。
この次の機会にはもっとうまく戦うことを誓いつつ、私は戦場を後にし
た。



■感想:



出来の良い戦争映画を鑑賞しているようなもので、たいへん盛り上がり
ます。また、兵器の性能だけでなく、士気も重要な要素であるという点に
好感が持てます。
おそらく、このゲームの元となったのはスコード・リーダー(AH)では
ないでしょうか。しかし、ボード・ゲームと違って大量のルールをプレイ
ヤーが常に判断しなくても良い分、プレイアビリティは高いといえます。

もちろん、欠点もあります。プレイしていて特に困ったのは、射線が通
るか通らないかがマップを見ただけでは分かりにくい(土地の高低に加え、
建物や林などがあるため)ことです。移動したはいいが、障害物があって
射撃ができない、というミスが何度もありました。
 まぁ、思い通りにいかない部分がリアルな気もしなくはないですけど。


 作成者:銅 大(アカガネ ダイ)


  HomePageに戻る