08月01日

 8月は台風とともに。
 どばー。

■本日の読書:『宇宙賃貸サルガッ荘 4』TAGRO
 宇宙のサルガッソーに浮かぶ小惑星アパート、サルガッ荘の物語もいよいよ佳境に。

 というか、むちゃくちゃ真面目にSFなのだが? 思いっきり意外な事に?

 人間ドラマの点でもきちんと進展がある。
 これまでの3巻では本当の気持ちを自分でも分からぬままにテルに迫っていたメウが、この巻でようやく確かな物を掴み始めるのだ。

「オレは別になんも教えらんねぇよ」
「それじゃ困ります」
「なんでだよ」
「わたしを変えてくれるって言ったじゃないですか」
(どきっ)
「ずうずうしいのは承知の上で、期待しちゃいけませんか?」
「今は平らだから――もっとちゃんと嬉しくなりたい」

 可愛らしい絵柄の中に骨太なストーリー。
 この先にどうオチを持ってくるのか、たいへん楽しみである。

08月02日

 ざんざか降り。
 雨は台風が通り過ぎた後が本番だったりする。
 どうやら南に雨雲を大量に引き連れていた模様。

 夜中にぺこぺこ仕事をしていると、電話が鳴り響く
 きわめて肝臓に心臓に悪い。
 催促の電話だろうか?

「……もしもし」
「よぉっ! いやー、すっげー衝撃の事実!」

 なんでこんなに無意味にハイテンションなんでしょうか、この男は。

「なんだよこら。今何時だと思っている?」
「まあ、聞けよ」
「それはこっちのセリフだ」
「とにかくすげぇ。ほら、西尾維新っているだろ?」
「……ああ」
「西尾維新をローマ字で書くと、nisioisinとなる。こいつは前から読んでもnisioisin。後ろから読んでもnisioisin。つまり、回文に――」
 ガチャンッ!
 さあ、仕事だ仕事。

08月03日

 台風一過の好天。
 そして再び焦熱地獄。
 焦熱地獄といえば、水星である。
 NASAが30年ぶりの水星探査衛星を打ち上げたというニュースが。

 ちなみに今私のマシンでは探査衛星カッシーニが送ってきた土星の衛星フェーベの写真が壁紙として飾ってある。カッシーニは35億キロメートルという気が遠くなるような距離を、7年かけて旅をしたのである。

 で、水星探査衛星メッセンジャーであるが、こいつもこれから7年間かけて水星へ到達する。

 はて?
 なぜ同じ?

 この疑問もニュースをよく読むとすぐに氷塊した。
 つまりは、水星の公転速度が問題だったのだ。太陽に一番近い惑星である水星は、ケプラー的に言っても太陽の回りをすごい速度で回っている。ざっと地球の2倍。秒速47キロメートルである。びゅんびゅん。
 メッセンジャーは、この速度に追いつかなくてはいけない。でないと、じっくり観測しようにもあっというまに水星は遠ざかってしまう。だが、さすがにロケットの性能から言っても最初からそんな高速は出せない。
 だもので、メッセンジャーは、ぐりんぐりんと、地球や金星のそばをスイングバイして加速し、7年かけて水星とほぼ同じ速度を出すのである。
 ははー、なるほど。

 近くて遠い惑星なのだな、水星は。

■本日の読書:『灼眼のシャナ VII』高橋弥七郎
 えー。
 なんといいましょうか。
 ぶっちゃけ飽きた、かな。
 作品の質が落ちたとかそういうのではないのだ。
 まあ、いつものである。

 今回だって、シャナや悠二の正体がクラスメイト達に知られたりとか、そういうどきどきの展開がある。
 三角関係絡みでも、吉田さんが悠二が既にトーチ(死人)になっていると知ってしまい――などという、うわー、どうなるんだこれからー、という仕掛けもしてある。

 だが、いかがしたことであろうか。
 読み終わってみると、それらいろいろのびっくりどっきり展開があったにも関わらず、
 何がどう変わったりもしないのである。

 これはねー。
 さすがにたるい
 そろそろ資源ゴミかなー。

08月04日

 新聞に、江戸時代に妖怪に番付(ランク分け)が行われていたと書かれており、なんともRPG的だと思ってみたり。
 神も魔物も、パラメタ振って、属性決めて、特殊能力を割り当ててしまうのである。
 最上位の「大関」として幽霊と猫又
 以下、「関脇」などに牛鬼、山の神、キツネ、タヌキ、が並ぶ。
 で、それらとは別格に「勧進元」(興行主)として挙げられているのが天狗である。
 なんでも、天狗は大人気で、天狗だけの番付もあったとか。
 おお、これはあれか。現代でいえば、ドラゴン?

08月05日

 今週の天気。
 
 
 
 
 日替わりかっ!
 32度ほどなのだが、台風のおかげで涼しかったりしたので、むたくたに暑く感じる。
 旧市街の中心部にある平和公園では、蝉がやかましい上に、木々の強い匂いと湿気があり、明日の式典もあって一種、異様な雰囲気をかもしだしている。
 しかもどういうわけか、右翼の宣伝カーも来てるし。
 車体の文字を読むと……えー、岡山? 応援?
 なんかこういうのも横のつながりのようである。

■本日の読書:『アフリカを食べる』松本仁一
 『カラシニコフ』が気に入ったので、同じ作者の本『アフリカを食べる』『アフリカで寝る』をbk1で入手。こういう時には、やはりオンライン書店のありがたみを感じてしまう。
 本屋めぐりは私にとって第二の習い性となっているのだが、まあ、すでに目標が定まっている場合はうろうろ歩き回るよりはインターネットの方が早いし確実である。特に今の時期のように歩き回るだけで汗が噴き出る季節には。
 それはそれとして、こないだ読んだ『光の王』がらみで、過去に手放した(俺のバカ)『真世界シリーズ』を読みたくなったのでインターネットの古本屋で検索してみたら5冊揃いで5千円であった。おのれ、足元をみた商売をしおって。

 閑話休題。

 この本は新聞社の特派員としてアフリカで暮らした事のある筆者の、食い物から見たアフリカという体裁をとっている。
 これがまたなかなかに面白い。
 内容も面白いが、文章がとてもきれいだ。
 ひとつご紹介しよう。

▼力まかせのフーフー/ガーナ
 アフリカで餅が食べられるとは思わなかった。ガーナの首都アクラの夜、いいにおいにつられて入った屋台飯屋で、出てきたのがフーフーだった。

 まずこの文章から始まる。続いて、これを食べた時の描写が入る。

 いわゆるブラックアフリカでは、食文化が発達していない。手の込んだ食べ物、洗練された食べ物がないのだ。地方独特の「名物」もない。東アフリカのウガリがいい例だが、「熱湯でこねた穀物の粉」を、「トマトと塩あじの肉煮込み汁」で食べる。そのパターンはどこでも変わらない。「穀物の粉」がトウモロコシ粉であったり、キャッサバ粉、野菜バナナ、ソルガム、まれに米だったりするだけで、変化に乏しい。(中略)
 そんなアフリカで、フーフーは最高のうまさであった。


 そして、屋台飯屋の描写が入る。まあ、アフリカっぽいのを想像してもらえればだいたい当たっている。
 で、店の裏手の原っぱ(この表現も最近はとんと聞かないなぁ)に行くと、このフーフーをつくための木臼がある。野菜バナナもキャッサバも、粘りのでる穀物ではない。これでどうやって餅をつくかというと――ひたすらつき続けるのである。杵は、月のウサギの餅つきでやるような柄のないタイプである。

 筋肉隆々の力自慢が、上半身はだかになり、ドカドカ、ドカドカと、すごい勢いでつきまくる。汗みどろの体が裸電球にてらてら光り、けっこうな迫力である。それでも、粘りが出てくるまで十五分はついていなければならない。それだけ念入りにつくから、餅のきめがこまかくなるのだろう。

 そして、ガーナ周辺の、それほど豊かでもない地域でフーフー文化があるのはなぜだろうという考察が入る。手間をかけてわざわざおいしくする、というのは一種のゆとりから生まれるからだ。
 そして過去に筆者は思いをはせる。このあたりは千年前、ガーナ王国、マリ王国という金や奴隷貿易で豊かであった王国が存在したのだと。
 フーフーは、その名残なのではないだろうか。
 砂漠化の進行や、列強諸国の侵略によってフーフーを生み出した王国は砂漠の中に消えた。

 古王国がつくり上げた文化を、いまは貧しくても、人々が伝え続けている。

 まあ、こんな感じである。新聞に掲載された記事が元となっているから、ひとつひとつの話は短い。文庫4ページである。
 簡潔にして、味わいのある文章。これは実に良いものだ。

08月06日

 暑い。

■本日の読書:『ムーン・ロスト 1、2』星野之宣
 地球との衝突軌道に乗った直径50kmオーバーの小惑星。
 これを迎撃するために使われたのが、『膜宇宙理論』を応用した人工ブラックホールだった。
 月に設置された粒子加速器によってがんがん作られた人工ブラックホールが小惑星を食い散らかし、その軌道を変える――が、ここでトラブルが発生した。

 撃ちこまれた人工ブラックホールは小惑星の内部を侵食した後、短時間で蒸発すると考えられていたのだが、実際には消えずに残っていたのだ!

 地球への軌道はそれたものの、小惑星とブラックホールは月に衝突。

 月を“食い”始める――

 そして、地球に住む人々がなすすべもなく見守っている間に、月は――地球の伴侶は――失われてしまう。

 というオープニングで始まる、壮大なSFドラマ、『ムーン・ロスト』であるが……

 惜しいっ! 実に惜しいっ!!!

 実は、一番面白いのは、この序盤なのだ。後の展開は、まあ、ほれ、いつもの星野版ハリウッド風ドラマなのである。
 つまらないわけではないのだが、あー……ねぇ?(杏風に)

 キャラクターも、いつもの星野さんのメンバーである。一番キャラが立っていて面白いのは、最初の小惑星迎撃作戦からしゃかりきに最前線で働くマッド風のサイエンティスト、フロスト博士だ。
 絶妙の語り口調で、読者の多くにはまるで無縁の『膜宇宙理論』を一所懸命に説明してくれるのには頭が下がる。

08月07日

 昼にコーヒーを淹れてぐびぐびと飲む。
 ぶわっ。
 汗がっ! 汗がぁっ!!
 水分補給してるんだか、脱水してるんだか分からなくなった。

■本日の読書:『陰からマモル! 3』阿智太郎
 『おとなりを 守りつづけて 四〇〇年』
 はい、いつものフレーズです。
 内容もいつものです。
 実は前回読んだ後、内心で『悪くはないが別にもういいかなぁ……』(飽きやすいのです)などと思っていたのだが、一応読んでみたところ、誉めるほどではないが、これはこれでオッケーだったので重畳。

 第1話は、新キャラ登場の話。
 主人公は戦国時代から、紺若家を(ここの蒟蒻がおいしいから)という理由で陰から守り続けた忍者の家系で、当然ながらお父さんもいればお母さんもいる。むろん、ふたりとも忍者。
 というのでだいたい想像がつくかと思うが、忍者が忍者同士結婚するには、主人公の家系以外にも忍者がこの世に残ってないといかんのである。
 そう。忍者の一族は滅びていなかったのだ。(迷惑なことに)
 で、母方の忍者一族の遠縁の女の子が田舎からやってくる。
 幼なじみ
 許嫁(候補)
 呼び方は「マモル兄ちゃん」である。
 分かりやすいっていいなぁ。
 むろん、1話だけの登場ではなくちゃんと転校して同じ学校に通うのだ。

 第2話は、宇宙人の話。
 空飛ぶ円盤に乗って、遠くの星からトカゲ型の宇宙人が人間のサンプルを誘拐しようとやってくる話。
 いきなりトカゲ宇宙人の会話がコレ(↓)である。

『しかし、あっという間の航海だな』
『最先端の量子ワープ装置を搭載してますからね』
 トカゲ星人の一匹が得意気に答えた。
『夕食前の離乳食ですよ。ちゃらら〜〜〜〜〜〜〜ん』
 トカゲ星人達が笑った。さすが宇宙人だ。笑いのツボが理解不能だ。
『今のジョークはなかなかだったぞ。この銀のウロコを1枚あげよう』
『ありがとうございます』
『銀なら5枚、金なら1枚だ』
『やったあ』

 いったいどこの火浦功かと思いましたね。

 第3話は、ピクニックの話。
 つまらん。
 以上。

08月08日

 週末恒例フィットネスプラザでのトレーニング。
 がちゃこんがちゃこん。

 ふ〜〜〜〜

 月初め恒例体脂肪測定。
 おそるおそる。

 きゃ〜〜〜

  前回(7/3)      今回
 ・身長166cm     ・同じ
 ・体重71.6kg    ・72.0kg
 ・脂肪率22.9%    ・23.0%
 ・脂肪量16.4kg   ・16.6kg
 ・標準体重60.6kg  ・同じ
 ・肥満度18.1%    ・18.1%

 グラフにしてみると……
 ああ、なんか地道に増えてるっ?!

■本日の読書:『まんがサイエンス IX』あさりよしとお
 今回は副題が『からだ 再発見』で、からだについてあれこれ。
 登場する専門家は以下の通り。

身長の専門家:瀬賀伸太(せがのびた)
うんこの専門家:厠便左衛門(かわやべんざえもん)
熱中症の専門家:熱中先生
毒の専門家:毒島葦人(ぶすじまあしと)
薬の専門家:薬師寺
脂肪の専門家:ジャック・シボー
血液の専門家:吸血鬼
カゼの専門家:カゼの又三郎
目の専門家:ガンちゃん&ひとみちゃん
脳の専門家:Dr.ノー
死の専門家:死神

 まあ、いつものよーに。いつものあれである。
 学研の『5年の科学』掲載であるのだが、小学生にはどうにもディープで濃厚な世界が展開されている。

 特にうんこの専門家、厠便左衛門の大活躍はあさりよしとおの真骨頂と言えよう。

「うんこなんか出なければいいのよ! ……ていうか、わたしうんこしないしー!!」
「それはいけない!」
「!」
「このままでは死んでしまう。すぐにうんこをしてください!!
「ナニ? ナニ? ナニ? ナニ? あんただれ?」
「うんこの専門家。厠便左衛門と申します
 さあ。病気でなければうんこは必ず出るのです。
 出ないとしたらかなり危険な状態なのかも知れません!
 さあ! 用意はできました!!
「きゃああああ」
「さあ出して! さあ! さあ!! さあ!!! さあ!!!!
「ひいいいいいいいい」

 ……楽しそうだなぁ。

08月09日

 昨日チャットで少し話題になったのだが、『戦国最強武将は誰か?』というのがある。
 これがまた、ひどく難しい。

 まず、時代が問題だ。日本を覆った戦乱の時代は応仁の乱(1466〜77)から、大阪夏の陣(1615年)の150年近い。この間の武将の生き死にもあれば戦争のやり方も様変わりしている。織田信長の上洛以後は安土桃山時代として戦国時代ではないとする考えもあるだろうが、それだと真田幸村とかを推したい向きが納得しないだろう。

 また、同じ武将でも織田信長に仕えていた頃の羽柴秀吉と、日本を統一した豊臣秀吉のどちらを対象とするのかという問題がある。人間誰しも成長すれば老いもする。能力が常に同じわけがないのだ。

 そしてさらに、彼らの置かれた環境の問題がある。率いた戦闘力の多寡でいえば、大阪夏の陣の徳川家康は戦国最強と言っていいだろうが、あれはそもそも徳川の天下が定まってしまった後の話である。豊臣秀吉の九州征伐にしたところで、あれは秀長の軍勢が九州に上陸した時点で、島津方武将が雪崩をうって寝返ってしまっただけである。戦闘能力ではなく、バックにある国力や権威の差が勝敗を分けたのだ。

 最後に、何を比較するのかという問題が残る。個人の武勇を比較しようというのではそもそもあるまい。なんぼ『大帝の剣』の宮本武蔵が強いからといって、あれを戦国最強武将とは言うまい。武将というからには軍勢を率いての優劣を競うのであろうが、その軍勢の持つ戦闘力と武将の強さを一緒にしていいのだろうか。関ヶ原の戦いの東軍率いる徳川家康を、三方原の戦いの武田信玄にぶつけた場合、そりゃ、徳川家康が勝つだろうが、だからといって三方原の戦いで武田信玄に負けたという事実は変わらない。

 かといって、戦国最強などそもそも論じる事が無意味なのだ――などと悟った事をぬかすのはやはりどうかと思う。
 みんな、そんな事は分かった上で、何かオモロイ話をしたいのだ。

 そこで、私としては信州の真田一族(幸綱、昌幸、信繁)を戦国最強武将として推したいと思う。

 なぜ真田一族かというと、彼らは必要な時に必要な能力を持ち、それをいかんなく発揮したからである。真田三代のうち、幸綱は地侍、国人衆に対する調略の能力を持っていた。浪人であった彼は信玄に仕えるや、その調略能力をいかんなく発揮して次々と敵方の武将を寝返らせていった。信玄が二度も大敗した戸石城を落としたのは幸綱の武勇ではなく調略の腕によるものである。
 信玄亡き後、主君である武田家は滅びたが、真田は生き残った。この時には昌幸の代になっていたが、昌幸は幸綱のような調略の才能はない。いや、あったのかも知れないがそもそも彼の時代には真田家はもはや小県の国人ではなく、地縁血縁による調略の時代ではすでになかったのである。彼は味方を次々にとっかえひっかえする“表裏比興”の者としての世渡りのうまさと、軍勢を率いての戦術能力の確かさで日本史に残る武名を上げている。関ヶ原の戦いにおいて、徳川秀忠率いる徳川譜代の軍勢を中山道で足止めした戦いぶりはつとに有名である。
 そして最後の信繁(幸村)であるが、彼には幸綱のような調略も、昌幸のような用兵も、もはや不可能な状態にあった。戦国はまさに終わりを迎えており、真田の家は彼でなく兄が継いでいた。信繁の能力がたとえ父や祖父と比べて優れていたとしても、それを発揮する場は失われていた。
 それゆえに、信繁に残されていたのは単純に兵を率いての戦場での働き――戦術能力だけであった。そして彼は、その残された部分において才能を存分にふるった。大阪冬の陣では大阪城の外に出丸をもうけて徳川の攻勢をしのぎきり、夏の陣においては最後の突撃によって家康本陣を踏みにじった。
 その狂躁的な戦いぶりをどう見るかは人によって違うだろうが、彼は討ち死にするまで戦い抜く事で真田三代の末尾を美しく飾ったのである。やはり戦国最強武将の候補としてしばしば挙げられる島津義久をして、“真田日本一の兵、いにしえよりの物語にもこれなき由”と言わせるほどに。

 真田一族。
 彼らはその時代その環境において必要な才能を持ち、高名をあげた。それは戦国という時代を象徴するかのような戦いぶりであり、生き様であった。彼らの人生こそ、まさに戦国武将そのものと言って良いのではないだろうか。

■本日の読書:『斬魔大聖デモンベイン 機神胎動』古橋秀之(原作:鋼屋ジン)

 皓々と、ただ皓々と。
 月光に照らされる荒野を貫く鉄軌に、一本の貨物列車が走っていた。
 蒸気機関車、石炭車、貨物車。わずか三両から編成されるこの小列車は、この時代、一八九×年の技術が許す最高速度・時速一五〇キロで疾走していた。
 アリゾナの名もない駅から、ミスカトニック州アーカムシティへ。通常の便が七日を掛けて渡る大陸横断鉄道を、この列車はわずか二日で走破する。
 昼夜を問わず、経済効率を問わず、他のあらゆる便に優先して走るこの列車のことを知る人間は、奇妙なことにほとんど存在せず、その積荷の内容を知る人間はもっと少なかった。
 ――実際、人間でない者のほうが多かった。


 さあ、準備はよろしいか?
 久しぶりの古橋分補給ですよー?
 これで『IX(ノウェム)』の続編までしばらく待てますよー? 待ってますよー? 待ってますよー? 待ってますよー……

 気を取り直して。

 これはPCゲーム(PS2版も出たらしい)『デモンベイン』のプレストーリーである。とはいえ、話そのものは、実のところさほどスゴイわけではない。
 何しろ、人の手になる鬼械神(デウス・マキナ)、デモンベインが大活躍するのは数十年後という事になっているので、きゃつはまだ完成しておらぬ。今回は顔見せである。マスター・テリオンも同じだ。西博士も出ない。死体蘇生者として大伯父あたりはどーかと思ったが、残念ながらこちらも出ない。

 レギュラーとして出るのは覇道財閥を作った覇道鋼造(本編では名前だけ)と、アル・アジフ(本編のメイン・ヒロイン)である。……ああ、もうひとり、つうか、もう一柱つうか、アレは出るが、アレはどこにでも出るからなぁ。……ところで、今回もそういう役かい。

 が、彼らはあくまでもバイプレイヤー。メインはオリジナルのキャラふたりである。

 ひとりは、先代のマスター・オブ・ネクロノミコンである復讐の魔術師アズラッド。
 最愛の妻を失い、復讐のために魔道へ堕ちた男である。
 よくある設定であるし、よくあるキャラである。

 もうひとりは、ロンドンに住む自称ジャーナリストにして自称“科学の騎士”エイダ。
 このヒロインが、もう、パラメーター的にはまるで役に立たない。そもそもが魔術とは縁のない一般人である。SANもさほど下がっている様子がない。一時的狂気すら持ち合わせていない。クトゥルフものでその健全さはどうよ? というほどに健全である。

 だが、だからこそ――

 彼女が、彼女こそが、世界を救う鍵となるのだ。
 彼女のやってる事は徹頭徹尾、道化である。金持ちの道楽でしかない新聞を発行し、おもちゃのような電動服に身を包んで夜の町に飛び出していく。何の役にも立っていない。何かを解決する手助けにもなっていない。
 そも、彼女は自分の置かれた状況を理解していない。周囲で何が起こっているのか理解していない。どんなに危険なゲームがプレイされているのか理解していない。
 彼女が分かっているのは自分が非力である事と、この世界とアズラッドを覆う闇の深さだけである。

 だが、だからこそ――

 エイダは決して立ち止まらない。
 闇が世界を覆うのであれば、闇が人の心を惑わすのであれば、エイダは光をかかげる。
 おもちゃのような電動服を着て。
 頼りないアーク灯をかかげて。
 魔に堕ちた者に、それは、それだけはできない。そんな意味のない、価値のない、力のない事をできるのは――人だけだ。
 ただの人だけが、それを為す事ができるのだ。

 かくあればこそ、これはアズラッドとエイダの物語であり。
 そして、まさにデモンベインの物語なのだ。

08月10日

 昨日の続き。
 いかにも戦国時代という生き様では、北条家もそうである。
 だが、北条家のあの最後のぐだぐだぶりは、どうにも“最強”の二文字が相応しくないからなぁ。
 毛利家なんかは、毛利両川(吉川、小早川)なんかの活躍はあれども、元就という陰険なじじいひとりのモノだし。
 島津家はがんばっているが、同じようなのが並んでいてバラエティに乏しい。強いのは強いが華がないのである。

■本日の読書:『空ノ鐘の響く惑星で 4』渡瀬草一郎
 内乱編終了。
 ……終了? え? これで?
 ひのふのみの……ああ、別にこー、これといって冊数が不足しているわけではないのだよな。
 キャラが多すぎる……というわけでもないよなぁ。
 だというのに、この食い足りなさはなんであろうか。

 ひとつには、各キャラクターの淡泊さかげんがあるのであろう。前に主人公をして“つまらないヤツ”と私は日記に書いたが、他のキャラクターもそういう狂おしいばかりの情念というものにどうも欠けるのだ。
 ジャンキーな兄ちゃんは、登場時こそ、そのえげつなさが面白かったのであるが、話が進むにつれて普通の人間におっこちていくし。
 妹狂いの兄ちゃんは、もうちょっとこー、復讐者の怨念を出してくれるかと思っていたのに、ただ単に現実逃避をしていただけだったり。つうか、逆恨みでいいんだよっ! あそこはっ!
 たとえばちょうど同じ4巻で内乱編が終わったり、異世界から来た娘の力が戦いを大きく左右したという類似点がある『デルフィニア戦記』であるが、あの作品における敵役の憎らしさにしても、父親を殺された主人公の怒りにしても、実にストレートで分かりやすかったと思う。父親が死ぬ時の独白は、思わず泣けたし。

 谷甲州じゃないんだからさー。もうちょっと、人間らしくいこうよー。

 もうひとつ、3巻までたらたらだらだら進んでいたのに、4巻はやたらとテンポ良く進んでいるのもどうも流れがちぐはぐで違和感ばかりが残る。
 というわけでもうちょっとがんばって欲しい。若い作家の中では期待している方なのだ。

08月11日

 暑い。
 立秋が過ぎているので、一応暦では残暑なのだよな。
 いつまで続くのやら。

■本日の読書:『いつでもどこでも忍2ニンジャ 6』阿智太郎
 すごい手抜き
 最高につまらない
 みんな読んで私とこの感情を共有しよう。私だけこんなひどいめにあうのは不公平だ

08月12日

 暑気払いということで、友人と連れだってつけ麺を食べにいく。
 十日市にある冷めん家というお店である。ここは店主が長渕剛のような強面で、支払いもレジなどではなくザルに直接金を放り込んで釣りの小銭をいただいて帰るというむちゃくちゃ強気な店である。
 何しろ、夕方は17時〜19時しかやっておらず、前に16時58分に来たら、暖簾はむろんのこと、入り口にチェーンがかけてあった。
 食わせるものもつけ麺だけである。
 値段も、バカにはならない。
 だが、うまい。
 店内は涼しいが、何しろ辛い。額から吹き出る汗をぬぐいながら食べる。
 麺もうまいが、葱が良い。辛いたれにつけると、体の内側までしゃっきりする。
 明日からは盆休みだそうだが、残暑はしばらく続くようだ。そのうちまた来よう。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 11世紀の世界』

▼ローマ未だ滅びず
 ピザンティン帝国の皇帝バシレイオス2世の攻勢によりブルガリア滅亡。
 バシレイオス2世は“ブルガリア人殺し”の異名を取る。

▼トルコ人進出
 中央アジアから最初奴隷戦士としてイスラーム社会に入り込んだ騎馬民族のトルコ族は、この頃にはしっかりと根をおろし、ついにセルジューク朝トルコを興す。一方、この世紀より始まる十字軍の猛威がシリア〜エルサレム方面でふるわれる。蛮族ではあるが、暴力を忌避しないヨーロッパ人は、恐るべき戦士であったのだ。

▼ガーナ帝国滅亡
 サハラ以南のアフリカではガーナ帝国が砂漠化の進行によって滅亡する。何せ水がないと人間の文明はたちまち立ちゆかなくなるからなぁ。なお、ガーナ帝国のソニンケ族の伝説ではこのようになっている。

 水を支配する大蛇は、1年ごとに処女の生け贄をもらい、ガーナに豊かな雨と金をもたらしていた。
 ある年、生け贄になった処女の恋人が大蛇を刺し、大蛇はガーナに呪いをかけた。
 日照りと金の枯渇により、帝国は滅びた。

 アフリカでも蛇は水の神様の化身のようである。興味深い話だ。

▼文民統治の宋
 中国では宋王朝による支配。唐の末期が地方の軍閥による分裂状態であったから、宋では科挙による文官ら知識人の地位を向上させ、軍人の地位を低下させた。
 結果として、中国は周辺の異民族に対して立場が弱くなり、歳幣(さいへい)すなわち、年貢を遼やら西夏に銀や絹で支払う。だがまあ、金でなんとかなるようなら良いのだが、結局、最後はそんなもんではすまなくなるのである。

▼チョーラ朝
 チョーラ朝は、南インドで栄えた王国である。
 チョーラ朝の王様ラージャラージャの息子ラージェンドラはガンジス川流域まで遠征し、ガンガイコンダチョーラ(ガンジス川を手に入れたチョーラ王)と名乗り、記念にガンガイコンダチョーラプラムという都をつくって首都とした。

 ……きっと、チョーラ朝の人々は早口言葉が得意だったに違いない。

 なお、ラージャラージャ王様の名前は中国にも伝わり、『宋史』に羅茶羅茶王という名前で記載されている。

08月13日

 盆休みである。
 よって日記も休みである。

08月14日

 盆休みではあるが肉体は放置するとすぐなまる。
 そこで週末恒例のフィットネスプラザに行き、ウェイトトレーニング。先輩は午後から野球部の練習だそうである。
 野球部といっても、社会人野球ではない。同好会である。広島支社とSE会社で作っているのだが、何せ平均年齢が30代。しかも盆休みであるからして、5人ぐらいしか集まらない。
 それではグラウンドを使える意味がないのではなかろーか。
 トレーニングが終わった後、そういえば長いことプレイスペース広島に行ってないなぁと思い、ついでなので足を伸ばす。せめてゲームジャーナルぐらいは引き取って帰ろう。

 閉まっている。

 おや、どうしたのだろうと考えてすぐに思い至る。

 ……そういや、聖なる祭典の時期じゃないか。

世界的にみてももっともダメ人間たちによる
 世界的にみてももっとも愛されているイベント」byらくえん

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 12世紀の世界』
 十字軍大暴れ。
 受けて立つイスラームではセルジューク朝トルコが3代目マリク・シャー没後、衰退を始める。王朝というのはおおむね最初の3代だよなぁ。
 エジプトではサラディン登場。でも彼の死後のアイユーブ朝はまたーりする。
 ビザンティン帝国は、第四次十字軍に蹂躙されたりとあまりいいところなし。
 東南アジアではアンコール朝が繁栄する。
 宋は金によって一度滅び、江南の地に南宋が誕生する。相変わらず弱いが、長江を中心とした水利をよくし、経済的な繁栄を迎える。
 この過程で今なお中国の国民的英雄の岳飛が毒殺される。一方で、金に対する従属を決めた秦檜(しんかい)は岳飛廟に後ろ手に縛られた罪人の像が置かれ、唾をはきかけられるそうな。
 思えば水滸伝もこの頃ではなかったかいな。なんか、そういうナショナリズムが高まる時期であったのかしらん。しかしこのナショナリズムは他人事ではないのだ。三国志では魏が正統とされていたそれまでと違い、南宋で生まれた朱子学では蜀漢を正統とするようになったのである。いわゆる、建前というか、そういうのが大事だというのだ。で、その歴史観は日本にも伝わり、北畠親房の『神皇正統記』や、水戸藩の『大日本史』なんかに反映されるのである。
 まあ、何事も本音ばかりでは味気ないのも事実だが、それに囚われて現実を見失うのも危険だと思う。
 インドでは王朝がどんどら交代していく。細かくみると、イスラームの侵入などがあってけっこうめまぐるしいのだが、なんとなく全体としては悠久のインドっぽいのはなぜであろう。

08月15日

 ところで広島の紙屋町近辺というのはたいへんお手軽なところで。
 広島の中心部にあり、どのくらい中心かというと原爆がおっことされたぐらい地理的にど真ん中。
 原爆ドームがあり、その向かいに広島市民球場があり、その裏手に私が通っているフィットネスプラザのある体育施設やら市立中央図書館がある。広島バスセンターがあって交通の結節点ともなっている。広島そごうがあり、中には紀伊国屋書店が入っている。さらに虎の穴の広島店もあれば、ソフマップもあり、プレイスペース広島もある。
 あるものはある。
 ないものはない。
 で、昨日はぶらぶらと散歩するついでにちょっとソフマップで買い物をしてみたりしたのだ。

■本日のゲーム:『ギャラクシーエンジェル moonlight lovers』(PC版)
 ギャラクシーエンジェルはアニメもいくつか見てるし、コミックも読んでいる。コミックは、FEARの磯田さんに薦められて手を出した。
 だが、これまでゲームには手を出さなかった。理由は他でもない、面白くなかったら困るからである。

 それでもまぁ、気が向いたので買ってみたのだが――これが思わぬ拾い物であった。

 ゲームは2作目で(1作目はコミックになっている話と同じようである)、前作の内戦の後、主人公=プレイヤーキャラクターの指揮下で女の子ばかりのエンジェル隊が新たな敵と戦うという内容である。

 エンジェル隊の紋章機による宇宙船戦闘はリアルタイムシミュレーションゲームで3Dとなっている。
 この部分、純粋にゲームやプログラムとしてはあまり感心しなかった。宇宙3Dリアルタイムシミュレーションゲームとしては、以前に『HOMEWORLD』というゲームをプレイした事があるのだが、インタフェースにしろなんにしろ、こっちの方がはるかに出来は良い。格が違う。

 だが、ギャラクシーエンジェルには、圧倒的なアドバンテージがある。
 部下が可愛い女の子で、戦闘に関係あることないこと、ひたすらしゃべりまくってくれるのだ。
 これはうれしい。
 『HOMEWORLD』はゲームとしてのやりがいはあっても、部下のキャラクターは存在せず、しかも奴らは英語で喋りやがるのである。戦闘中の短いやりとりは問題なくとも、宇宙商人が登場したり、偵察部隊が報告してきたりすると、とたんにパニックである。

 ギャラクシーエンジェルはゲームとしてはまるでやる気がゼロだが、たとえゲームの中でとはいえ女の子にすごいすごいと誉められて悪い気はしない。男って単純。

 また前作で主人公はエンジェル隊の女の子のひとりと恋仲になっているという設定で(開始時点で好きに選べる)のっけからラブラブ全開である。このラブラブぶりがまた、糖蜜漬けのしょうもなさで、プレイする人間はこれを見て脱力するか怒るか大笑いするかの三択を迫られる。
 私は笑いましたよ。ええ、げらげらと。

 一周はかなり短く、半日のプレイで終わってしまう。それはかまわないのだがそのうえ終わってない。倒したのは中ボスという感じで、どうやら続きがあるらしい。インターネットで調べてみると来週、続編が出るそうな。
 ああ、予約している私がここにいるしっ?!

 心にゆとりをもってまったりと遊ぶゲームである。こういうのも良い。

08月16日

 甥と姪が来て大騒ぎをする。
 まったくもって子どもは元気である。
 元気すぎるほどだ。

08月17日

 今日も甥と姪は元気である。

■本日の読書:『魔術探偵スラクサス』マーティン・スコット
 ファンタジー版ハードボイルド。
 ただし、スラクサスは犯人を追いかけるよりは誰かに追いかけられている方が多い。
 良いエンターテイメントの例にもれず、この作品も出だし快調である。

 スラクサスの人となり、そして彼が住むトゥライという町。
 彼の友人であり助手もしてくれる、マクリという女給(かつ学生でかつ元奴隷剣闘士)。
 蔓延する麻薬、腐敗した政治、頻発する事件。
 腐った臭いの漂うスラム街に住むスラクサスのところへ、突然訪れる高貴な依頼人。
 借金で首が回らないスラクサスはうさんくさく思いながらも事件に腹(でかい)を突っ込む。
 ところが、いきなり行った先では仲の悪い隣国の外交官が殺されていて、検分していると発見され、牢屋へ放り込まれる。

 ここまでで30ページ。
 テンポは良いし、雰囲気も良いし、まことに申し分ない。
 残念ながら続編が翻訳される事はなさそうであるが、まあ、人生とはそういうものだ。

08月18日

 大藪春彦さんの小説に『アスファルトの虎』というのがある。
 勘違い大王が数多く存在する我が友人知己の中に、この作品について何を思ったのかこんな事を言い出すやつがいた。

「『アスファルトの虎』……ねぇ」
「内容は、ちょっとアレだがな」
「やはり、虎がいる道路というのはアウトバーンだよな」
「……?」

 何を言い出すのだ、こいつは。

「とすると後は西部戦線か東部戦線かだが……」
「まあ待て」
「なんだ?」
「何か思いっきり勘違いしていないか」
「そうだな」

 自覚はあるらしい。

「アウトバーンはコンクリート舗装だ。アスファルトじゃない。アスファルトの虎というのは間違っている」
「……そもそもなぜ虎がアウトバーンにいると思ったのだ」
「そりゃ、ドイツの戦車ならアウトバーンだろう」
「戦車?」
「そうだ。6号戦車、タイガーIだ」
「おまい、『アスファルトの虎』というのをどんな作品だと思っているんだ」
「やはりこー……」

 連合軍の戦車がドイツ本土を蹂躙しようとして進撃。
 道路の向こうにドイツの戦車が1両。
「1両だけか? もみつぶせ!」
 だが射程に入る前に、はるか彼方で砲煙があがり、バコン、とシャーマン戦車(あるいはT−34)の前面装甲がぶちぬかれる。
 吹き飛ぶシャーマン戦車。驚く連合軍の兵士。
 虎の戦車長は言う。
「もう勝ったと思っているな。よかろう、奴らに戦争を教育してやれ」

「……こんな感じかな」
「そこはかとなく小林源文の『街道上の怪物』なノリが感じられるのだが……おまい、大藪春彦の本読んだ事ないだろ?」
「うむ」
「とりあえず『汚れた英雄』だけでも読んどけ」

 そして、実際に本を読む事で彼の勘違いが治ったかというと……

やはり西部戦線だな。最初はノルマンディーからで、パリジェンヌやらレジスタンスの女闘士と虎の戦車長がよろしくやったりするのだ」

 ……どうやら悪化しているらしい。
 しかも、どうもそっちの方が面白そうに思えてくるのだから始末に負えない。

08月19日

 そういえば、オリンピックが始まっているらしい。
 オリンピックといえば、私が思い出すのがアイザック・アシモフの短編である。

「なぜ、あれはオリンピックと呼ばれているんだろう?」

 とりあえず、これだけでオッケー。

08月20日

 人はなぜ本屋に足を運ぶか。
 人はなぜ本屋で本を選ぶか。
 それはやはり、本は実際に手にとってみなくては分からないからである。

 表紙を見て、手に持ち、ひっくりかえして裏表紙をながめ、折り返しを読み、ぱらぱらとめくる。
 この全てが、本読みにとっては重要である。

 私は蔵書家ではないので製本についてはあまりうるさくないが、それでもやはり、紙の本には電子媒体にはない、何かがあると思われるのだ。

 今日も本屋に行って本をためつすがめつしてみた。
 私はたくさん本を読む。だが、私が読むよりも本が増加する速度の方が圧倒的に上である。
 よって、いろいろな形で本を選択しなくてはいけない。
 書評を読む。
 インターネットをぶらつく。
 友人の意見を聞く。
 これらすべては、本を選ぶための儀式である。それでも、失敗はする。地雷も踏む。
 だが、地雷を踏み越え、戦友の屍をうち捨て、本読みはまだ見ぬ本へ向けて進撃を続ける。何が我らをそこまで駆りたてるのか。
 この情熱は、いかにしたことか。

 その情熱について、かつて夜のファミレス(私は酒が飲めないので居酒屋よりはこちらの方が気兼ねなくよろしい)でドリンクバーを何杯もおかわりしながら、友人に熱く語った事がある。

 友人はしばらく耳を傾けた後、重々しくうなずいて言った。

「つまりあれだな。僕がエロゲを買うのと同じ事だな」
「待て、それは違う! 断じて違う!」
「いや違わぬ。我らもまた、雑誌を読み、インターネットを巡り、デモや体験版を無数にダウンロードし、それらをカテゴリ別に分類し、本読みよりはよほどアンダーグラウンドではあるが仲間内で秘密の情報を交換し、そして月末には30本40本と出るエロゲからこれぞというモノを選び出す。本ほどには成熟していないエロゲ業界だ。地雷の比率たるや筆舌に尽くしがたい。値段も高ければプレイ時間も半端ではない」

 がっ、とすっかり氷の溶けたグラスを掴む。

「それでも我らは突き進む。感動を、興奮を、笑いを、泣きを、萌えを、燃えを、少女を、幼女を、熟女を、義妹を、義姉を、義母を、義弟を、幼なじみを、下級生を、同級生を、上級生を、留学生を、保母を、教師を、家庭教師を、メイドを、秘書を、奴隷を、ペットを、実験体を、上司を、軍人を、お嬢様を、ご主人様を、巫女を、シスターを、エクソシストを、悪魔を、天使を、女神を、エルフを、獣耳を、フェアリーを、バンパイアを、ホムンルクスを、メガネを、首輪を、ポニーテールを、ツインテールを、ブルマを、スク水を、ニーソックスを、縞パンを、そしてそれ以外の有象無象、森羅万象、天地万物、四大五大。これまでにあった、今現在にある、そしてまだ見ぬ未来にある、我らの魂をふるわせるナニかを求めてただひたすらに前進し、急進し、驀進し、突進し、猛進し、爆進する。何者も我らを止める事はできず、いかなるものにも我らは屈服しない。ひたすらに己の心に忠実に、己の魂に忠実に、己の業に忠実に、エロゲを探す求道者なのだ」

 そこまで一息に言うと、ぐうっ、とグラスの中のウーロン茶を飲み干す。

「というわけで、我らと君らは同じだ。おお、魂のソウルブラザー!」
「だから違うっつってるだろうがっ!!」

 そんなヤツも今では結婚して赤ん坊も生まれる。最近はとんと疎遠になった。
 いなくなって清々するような気がするのだが、どことなく寂しい気もしないでもない。
 嫁さんは月姫の所持は許可してくれたようだが、fateはやったのだろうか。家のパソコンにインストールできないからといって会社のマシンに入れたりしてなければいいのだが。

■本日の収穫:『本格推理委員会』日向まさみち
 新人である。ためつすがめつしたあと、最初の2ページほどを読んで購入を決めた。
 ポイントはプロローグの最初のの10行だ。

 この四月、ちょうど遅咲きの桜が花開いていた季節に、ある一連の事件が起きた。
 それはもう過去の事件で犯人も分かっているが、今になって思うことがある。
 真犯人は、別にいたのだ、と。
 当然ながら事件の犯人は論理的な思考によって導き出された。
 二時間サスペンスや似非ミステリとは違う。事件の秘密をどっかの家政婦(中略)
 純粋な論理的思考のみによって、考えられる唯一の犯人は絞り出せた。

 だけど俺は――やっぱり真犯人が別にいたのだと思う。

 うむうむ。これだよこれ。ミステリはひいてナンボ。
 で、読み始めると――これが、まぁ。なんだ。

 主人公はこの春高校生。
 朝は、彼が食事を作る。
 母親は童顔で小柄でプチ引きこもりで日常の家事などの生活能力がゼロどころかマイナスの小説家。
 父親はナイスガイで生存能力は原始人並みだが、冒険家で世界中を冒険して回っている。主人公は5才の時から鶏のさばきかたやナイフだけで野山で生活する方法をたたき込まれてきた。
 小学校6年生の妹がいてやたらべたべたと「お兄ちゃん」になつく。腹話術もダーツもジャグラーも手品もなんでもこなす。
 学校に通う道すがら。
 中学生の女の子に会う。年下の幼なじみで、ちょっとクールで無表情でおとなびていて、でも主人公は彼女が優しいいい子だと知っている。
 その姉は主人公の同級生で、関西弁で朝も弱ければ昼も夜も弱くて遅刻寸前。今にも発車しようとする電車に「待たんかいこらあっ!」と叫びながら突進し、ドアが閉まろうとした瞬間、ナニを思ったのか手にした鞄をドアの隙間へてい、と投げつける。
 鞄は主人公の顔面直撃。

 ……えー。
 他にもこの後、ぞくぞくと登場しそうなんですが。
 ……この本読み終わったら、ひさしぶりにあいつに会いに行って、貸してやろうかしらん。

08月21日

 昨日、ネタにしたので感謝の意味もこめて連絡をする。

「……というわけだ。メールでurlは送った」
「うむ見た……僕はこんなに流暢には喋ってないと思うんだが」
「まあ、意味が伝わればいいということで」
「ふむむ……む?」
「どうした」
「いや、大事なものが抜けている」
「あー、そりゃあるだろう。アンドロイドか? なんならメンテしておくぞ」
「ああ、ぜひやっておいてくれ。だがアンドロイドじゃない」
「じゃあなんだ」

 そう聞くとヤツはさわやかにこう答えた。

妊婦だ」
「地獄に落ちやがれこのど変態」

 更正するどころか病状は悪化の一途をたどっているな。

■本日の読書:『本格推理委員会』日向まさみち
 さて続き。
 タイトルにもなった本格推理委員会を結成しているのは理事長。若くて美人で巨乳で眼鏡。傲岸不遜で全国ネットのテレビ局を使って学園専用の昼のニュースを流させる事ができる大金持ち。
 委員会の委員長は小学生のように小柄で童顔で、博識で天才で自信がなくいつもぺこぺこと謝っている。
 もうひとりの先輩は、空手部のエースで祖父は元警視総監で一族に多数の司法官僚が控えている。
 そして、主人公の幼なじみはというと、テストで選択式が出ると全問正解する(記述式は20%)、正解率100%の超能力のような勘の持ち主。

「なんて言うか、ものスゴイ勘ねぇ」
「か、勘とちゃうねん。少しは考えたもんもあるねん!」

「どんなトリックも完全無視の直感超探偵。どう、爆笑でしょ?」
「勘とちゃう。勘とちゃうねん」

「結局は勘だし、推理には使わないわよ。最後の保険ってとこね」
「だから勘じゃないねん!」


 まあ、こういうわけで。
 むりやりに言語道断に脇目もふらず物語は進む。

 今回のキーとなるミステリのネタは、学校の怪談で有名な『謎のピアノ』である。

 誰もいないはずの音楽室で、ピアノが鳴る――

 基本中の基本である。むろん、そのピアノを弾く少女は事故でピアノが弾けなくなって自殺したりして幽霊だったりしたりなんかするのだ。
 おまけに、音楽室は「風見鶏」という名の特別教室棟の4階にある。赤い煉瓦に、洋瓦の洋館風。
 深夜。最初に事件を目撃した先生は、逃げる女性を追いかけて――見失う。
 ひとつしかない階段からは、警備員がかけつける。彼は誰も見ていない。
 女性はどこに消えたのか――?

 だが、この謎に頭をひねらせるようでは、まだまだ甘い。

 実は、この古い洋館風の建物の壁にある大きな鏡の裏には隠し通路があって1階につながっているのである。
 どうだまいったか。

 ……ああっ! 物をっ! 物を投げないでっ?!

 いや、この隠し通路にまつわる謎は、本編の謎とはまったく何の関係もないのである。だから読み進めて半分ほどで明らかにされるし。

 この作品のキモは、怪談でも事件でもない。心に傷を持つ子供たちが、その傷と向かい合うという部分にある。ミステリの形をとっているのは、内容を面白く演出するためなのである。
 もっとも心の傷が深いのは、主人公だ。『俺』には、言えない事、隠したい事がある。人を傷つけ、自分も傷ついた過去がある。
 それゆえに彼は本格推理委員会に入りたがらないし事件に関わりたがらない。

 この作品における最大の謎は、だから彼自身が隠している部分にこそある。

 だからこその一人称なのである。語り部である主人公は恣意的に情報を隠し、自分の思いを隠し、読者の注意をそらす。
 いわゆる、騙る語り方だ。――笑え。(屮゚Д゚)屮

 正直なところ、隠し通路なんかよりそっちの方が私としてはよほど気に障る。栗本薫さんの『僕らの時代』ぐらい技巧的であればむしろ好感を持てたが――本作は、そこらに転がっている二流三流レベルである。

 だが、キャラクターは魅力的である。人間関係も定番をうまく利用して飽きさせない。
 たいへん愉快なひとときであった。こういう楽しみがあるから、新人の作品を読むのは(あまたの地雷があれども)やめられないのだ。

08月22日

 ウェイトトレーニングの後、今度こそプレイスペース広島へ行き、ためていたゲームジャーナル11号とRPGamer5号&6号を引き取る。
 伊藤さん、これからもよろしゅうに。

■本日の読書:『ゲームジャーナル11号:レイテ湾決戦』
 付録ゲームは2本。

▼捷一号作戦
 1944年秋。
 大日本帝国は滅亡への階段を転がり落ちていた。6月のマリアナ海戦で残された空母機動部隊と航空戦力は壊滅した。
 もはや彼我の戦力差は圧倒的であり、このまま戦いを続けてもアメリカに(ドイツとの戦いの片手間に)ひねりつぶされるのは間違いなかった。
 帝国に残された機会は、侵攻してくるアメリカ軍に残った戦力をかき集めてたたきつけ、一勝して少しでも譲歩を引き出しての停戦だけであった。

 アメリカ軍プレイヤーの目的はレイテ湾、あるいはリンガエン湾、はたまた台湾への上陸を行う事。日本軍プレイヤーはそれに少しでも損害を与える事、となる。
 作戦のイニシアティブは当然アメリカ軍が握っているが、日本軍も艦隊と引き替えに輸送船ユニットを沈めれば勝利得点上の勝利は可能である……ようだ。

▼幻のレイテ湾海戦
 実際には行われなかったレイテ湾における日米の戦艦決戦を題材にしたゲーム。
 大胆な抽象化によって、戦艦の砲撃戦をハードウェア面ではなくソフトウェア面でシミュレーションしてみたというものらしい。
 遠距離での砲撃を命中させるために、艦隊にはできるだけ整然とした運動をとらせる必要があり、これまでの海上砲撃戦ゲームであったような自由な艦隊運動は不可能である。そもそも、艦速が違う戦隊は一緒に行動できない。(今までは遅い方の船に速い船が合わせれば問題なく一緒に行動できた)

 記事は、作戦研究の他、サマール沖海戦の事例研究や、もしも日米の戦艦隊がレイテで戦ったらどうなったであろうかという事が書かれている。
 これは、興隆をきわめた架空戦記の反動ではないかと私は邪推しているのであるが、最近のミリタリーマニアの間では、日本軍の兵器や将帥に対して辛口の見解がはやっているようである。

 大塚好古さんの『大和もし戦かわば』では、実際にレイテ湾に突入した栗田艦隊は、オルテンドルフ艦隊の優勢な小型艦艇によって翻弄され、ろくに戦果をあげられずに壊滅していただろうというニュアンスの記事が書かれている。

 MORさんの『幻想の無敵海軍』では、サマール島沖海戦における戦闘を分析し、日本海軍には想定と現実が食い違った時に、現実に自分達を合わせる能力が欠けていたのではないかという意味の記事が書かれている。

 これらの記事に関しては私もおおむね両氏の意見に賛成なのであるが、どことなく「半可通のミリオタに冷や水をかけてやろう」などという底意地の悪さのようなものが感じられて文章としてはどうも好きになれなかった。
 まあ、私もどちらかというとうるさ型の人間なのでもって我が身を反省すべきであろう。

08月23日

 雨。
 しとしと。
 雷。
 ごろごろ。

■本日の物書き:『龍の守護者外伝その2:記憶』
 小説の部屋に追加。
 久しぶりに更新。

 で、この物語の後。

「んー、こっちはどうだろうか」
「出力は並みですが、内部にマシンピストル装備なのね」
「うむ。魔術武具ではない分、解呪されたりもしない」
「ですが、有樹様にはこちらの方がお似合いではないかと」
「ワイヤーガンか。しぶい選択だな」
 夕食の後。
 紫苑とソフィアが、何やらカタログを見て物騒な話をしている。
 通販か何かかと思っていたのだが、自分の名前が出たのでよってみた。
「何の買い物なんだ」
「うむ、今回の事件が大きくなったのは、有樹の右腕がないせいではないかと思ってな」
「カタログを元に、有樹様の新しい右腕をリストアップしていたのです」
「ちょっと待て。俺は別にそんな物をつけるつもりはないぞ」
「再生がいいのか? あれは時間がかかるぞ」
「いや、今のままでいいと思ってる」
「よくはないだろう。不便ではないのか」
「そりゃ不便といえば不便だが、なんというか……戦いっていうのはそういうリスクがあるもんだと身体に刻みつけておきたいんだよ。殴られれば痛い。斬られれば血が出る。そのへんがいい加減だと、良くないような気がしてな」
「おっしゃる事は分かりますが、今回の事件のような事がまたあったら……」
「うーん」
 確かに、俺のせいで紫苑やソフィアを危険な目に遭わせたのは事実だ。
 悩んでいると、ソフィアが横から口を出した。
「いや、有樹の考えも正しいと思う」
「そうか、ありがとうソフィア」
「うむ。元はといえば“私を助けるために”その右腕は失ったのだからな。有樹の右腕の代わりを勤めるのが私の役目だろう」
 ふふん。
 どうだ、といわんばかりにソフィアが胸をはった。
 どどん。
 うわ、毎日見ているけどどうしてもこー、視線が吸い寄せられるな。
「有樹の右腕、つまり私は有樹の恋人というわけだ」
「ソフィアちゃん、それは短絡すぎです」
「何を言う。日本ではことわざにもなっておるのだぞ」
「は?」
「へ?」
「男にとっては右手が恋人というのであろう?」
「聞いたことありませんよ、そんなことわざ」
「…………あー」
「む? 違ったのか?」
「いや、そういう言葉は、まー、あるにはあるんだが、ちょっと意味合いが違うというかなんというか……」
「どう違うのだ。教えろ有樹」
「はい、私も知りたいです」
「だめっ。この話はここまで。なしっ。忘れることっ!」
「横暴だぞ、教えろ。私に右手の恋人役をさせるのがそんなに嫌か」
「はい。そこまで言って黙るのは承伏できません」
 もしかしたら――
 さっさと右腕をつけた方がいいのかも知れない。俺はほとほと困り果ててそう思ったのだった。

08月24日

 一日に米6合。
 戦国時代に動員された兵士の給食である。まあ、副食といっても味噌ぐらいしかない時代である。これがほぼ兵士の一日の食べ物のすべてであったのは間違いない。
 しかし、6合である、6合。
 1食で2合。
 私は大学時代に山登りをしていたが、あのときに、1食で2合を食べるのはたいそう困難であったのを覚えている。食いきれない。
 さらに小柄であったはずの当時の日本人が、よくまあ食べたものである。

■本日の読書:『武装錬金 1〜3』和月伸宏
 実は。
 この私が。
 資源ゴミの帝王が。
 和月伸宏の『るろうに剣心』は1〜28全巻を今なお保管している。
 小説ならともかく、漫画でこの扱いはほぼ絶後である。10巻をこえるような長いシリーズは、いかに気に入っていてもまず、シリーズ完結後には処分される。『マップス』『めぞん一刻』『戦場漫画シリーズ』などの少数の例外があるだけである。あれだけ気に入っていた『うしおととら』ですら今はない。
 というわけで、実はかなり和月伸宏氏の漫画はツボなのだが、『武装錬金』については読むのは今まで控えてきた。どー転ぶか、いまひとつ不安だったからである。
 このたび『かなりはっちゃけてきた』という評判を聞いたので読んでみたのだが……
 感想は一言ですむ。

 蝶サイコー。

08月25日

 でろでろ。

■本日のゲーム:『ギャラクシーエンジェル Eternal Lovers』
 おお。
 プログラムが進歩しとる。
 シナリオの方はいつものままだが。

 えー、はるかなる未来。
 時空震(クロノクェイク)によって崩壊した銀河文明を、文明の遺産である白の月によって再興させたトランスバール皇国であったが――

 無印版のゲームではいきなりクーデター。白の月を守る『ムーンエンジェル隊』の女の子達は旗艦エルシオーネ号にただひとり生き残った皇族のシヴァ皇子を乗せて辺境へと逃れ、そこで主人公=プレイヤーキャラクターのタクトに出会う

 で、クーデター騒ぎがおさまり、タクトがムーンエンジェル隊のひとりの女の子と仲良くなるまでが第一作。

 第二作では、それから半年。再び謎の艦隊が皇国を襲撃してくる。実は時空震前に銀河文明が戦っていた敵、ヴァル・ファスクが侵攻を開始したのだー。
 で、第一作で恋人になった女の子と一緒にタクトはエンジェル隊の指揮をとる。

 第三作は、そのヴァル・ファスク本隊の侵攻を食い止め、銀河文明発祥の地であるエデンを解放し、さらにヴァル・ファスク本星へと逆侵攻をかける――のであるが。
 ポイントはまあそんなどうでもよい事ではなく、恋人の女の子とのいちゃいちゃ>すれちがい>仲直り>手に手をとって、というラブラブの流れにある。

 リアルタイムシミュレーションゲーム部分の方もその流れにきちんと沿っている。

 女の子とすれ違っている時は、やたらと難易度が上がり、負けるとは言わないが(負けたらゲームオーバーでやりなおすだけである)かなーり、ストレスがたまる。いや実際、第三作では前作と違って、敵がやたらと母艦を集中的に狙ってきやがりますので、初期のコマンドをキャンセルせずに敵につっこむとえらいことになる。
 まあ、空母機動戦で航空機ではなく空母を狙うようなもんで、そりゃその方が効果的だが……ああっ、やたらとでかいせいか、母艦のエルシオーネ号はいい的にっ! つうか、ろくに役に立たない火力はいらないから装甲をなんとかしてくれっ! この船はでかいだけあって、花見の出来る公園もあれば宇宙クジラが泳ぐプールもある。つうか、いらねぇっ! それらの施設をつぶしていいからっ装甲をよこせっ!
 だがまあ、エンジェル隊の女の子とデートするスポットがなくなると、このゲームの持ち味がなくなるので私のそうした魂の叫びとは裏腹に、エルシオーネ号はのたのたと逃げ回るのであった。

 いや、こういうままならないのが好きなんだけどね。

 で、女の子と仲直りしてラブラブモード全開になる後半は、これが同じ機体かというぐらい、エンジェル隊の操る紋章機は強力になる。むろん、紋章機はパイロットのテンションの高さがそのまま性能に直結するので設定的にも正しいのだ。

 ……ゲームをプレイしながらヒロポンを注射するというのはどうだろうかなどとちょびっと考えました。ええちょびっとだけ。

 そういうわけなので、女の子のテンション最高潮の最終決戦になると敵のボスキャラだの要塞戦艦だのが出てくるのだが、ろくにコマンドを出さなくても負ける気がしねぇ、つうか、圧倒的に勝ってるし。

 ようは、その爽快感をおおいに楽しむゲームなのである。

 むろん、それで正しいのだ。
 むかし、ファイナルファンタジーの第3作だか第4作だかで、テンション高まりまくる演出さんざんかまされてボスとの決戦に挑んだんだが――ろくにレベル上げせずにランダムエンカウンター逃げ回って決戦だったから、歯牙にもかからないというかなりしょんぼりな経験があるのよ。
 あれはやっぱり演出としてダメだろうと思うのである。やはり、こー、テンションが高い=強いでちょうどよろしい。

 しかも、その銀河の未来をかけた最終シナリオ、三部作の最後の最後で、ムーンエンジェル隊は、ギャラクシーエンジェルになるのである。
 これには不覚にも感動してしまった。

 良き哉。

08月26日

 原付の走行距離が1万kmをこえた。
 これはそろそろ、一度きちんと整備をしてもらわんといかんだろうなー。
 タイヤとか、ブレーキとか……
 などと考えていると、突然後輪が滑る。

 きゃー。

■本日の読書:『覇者の戦塵1944 ラングーン侵攻 上』谷甲州
 久しぶりの新刊である。
 前回、ビルマ侵攻……うきゃーっ

 こらATOK! いちいち、ラングーンとかビルマとか入力するたびに文句をつけてくるんじゃないっ!
 他にもスターリングラードとかでも文句つけるしっ!

 閑話休題。

 前回、アンダマン諸島に侵攻し、なんとかイギリス軍の空軍基地を制圧した日本軍であったが、まだインド洋の制海権を握るにはいたっていない。
 海路の確保ができなければ、ビルマ侵攻に必要な補給は確保できない。

 日本軍の目的はビルマではない。連合軍が中国の南京政府を支援するかわりに、対日参戦し中国国内に爆撃基地を作るのを防ぐ事である。もし連合軍のこの戦略が成功すれば、日本の南方航路は壊滅的な打撃を受ける。そのためにビルマへ侵攻し、連合軍が建設中の中国につながる道路を無力化するのである。

 だが、第15軍は軍司令官の独断により戦備が整う前にラングーンへの進撃を開始。
 前線の各部隊は悪路に苦しみながら前進を開始。そこへイギリス軍の反撃を受けて戦線崩壊の危機にたたされる。戦車まで持ち出してきたイギリス軍に、歩兵砲もなかなか最前線に送り出せない日本軍は不利がいなめない。

 一方アンダマン諸島に侵攻した南海支隊も粘り強く戦うイギリス軍によって勝機を見いだせない。そこへイラストリアス型艦隊空母に支援されたイギリス輸送船団が近づく。日本軍も戦車第三連隊を運ぶ輸送船団に商船改造型空母を護衛につけてビルマへと向かう。

 互いに決定打をかく戦況は、果たしてどのように動くのか――

 というところで下巻へ続く。こちらは来月だそうだ。めでたい。

08月27日

 今日からJGC2004である。
 今年は、横浜が舞台なので新横浜で降りる。
 おお、横浜線は久しぶりじゃのぉ。15年ほど前、仕事で上京した私は横浜は田園都市線の住人だったのである。住所は横浜であるが、ちょっと駅から歩くとカエルの合唱が聞こえるというナイスな立地であった。
 さて、磯子駅で降りる。会場である横浜プリンスホテルは目の前に見えるらしいが――

 あった。

 ……というか。
 どこの城でしょうか、これは。
 JGCに参加するゲーマーの少なくとも8割は丘の上にそびえるホテルを見上げて思ったに違いない。

「ここを攻めるのはたいへんそうだ」

 侵攻ルートは1本のみ。

 丘の麓のビルに入る。
 直通エレベーターで18階まで上がる。
 揺れる(ゆらゆら!)橋を渡って丘に到着。
 なんとそこはホテルの地下2階。
 さらにホテルのエレベーターで上の階へ。

 ホテルをテロリストが占拠したら、いつでもダイハードごっこが可能である。

 本部で登録をすませ、部屋に入る。ツインの部屋を三人で利用。ベッドのひとつはソファベッドで、狭い。私が相部屋になったのは、佐藤俊之さんと稲葉義明さんである。心の広い稲葉さんがソファベッドを選んでくださった。感謝。

 打ち合わせの後、開会式。鈴木銀一郎『大佐』は今年もお元気である。

 開会式の後、同じ部屋で『TRPGセッションwithFEAR』に参加である。
 スターレジェンドのGM。スタッフとGMは一時間前に会場集合となっていたのだが、何せ開会式の時には机も椅子も搬入されていない。
 どーなるのだろうと思っていたら、ホテルの人達が入って、びしびしと作業を開始しはじめた。いやもう、動きが違う。びしびし。
 我々は向かいの物販の部屋に待機していたのだがあれよあれよという間に部屋のセッティングは終了。

 大きな部屋を間仕切りでしきってプレイということで、さて、声などは大丈夫かしらんと思っていたのだが、天井が高いので音が反響することもなく、空調も暑くなることなく、かなり快適にセッションを運営できた。

 スターレジェンドのシナリオタイトルは『百万年の船(The boat of a million years)』。
 はるか過去から漂流を続けている宇宙船を探索に来たPC達はその宇宙船の中で眠り続けるひとりの少女を発見する。だが、その宇宙船には同時に恐るべき存在が眠っていた――

 これはJGC用に作ったシナリオで、世界設定上、かなり重要な情報が出てきたりもする。参加したプレイヤーの方から「このシナリオは、どこかに掲載されますか?」と聞かれたが、いずれ何らかの形で公開する予定。

 終了は23時。そろそろ日付も変わる。
 背広を脱いで作務衣に着替える。……ああっ、草履を忘れたっ。

 それにしてもおなかがすいた。
 考えてみれば、朝から新幹線で移動。昼は軽く車内でサンドイッチをつまんだきり。
 会場に到着してからは固形物は口にしていない。
 しかも、ホテルへの専用通路は、1時半から5時半まで封鎖されるとの事なので、夜食を買い出しに行くなり食べに行くなりするのであれば早くせねばならない。

 ぺたこんぺたこん。革靴で草履のように歩く。

 ホテルへの専用通路のわきには、コンビニがある。
 このコンビニにはJGC開催前に、運営事務局の人が挨拶にいき、店長さんに「8月27、28の夜には大勢の参加者が来店されるはずです。仕入れの方よろしくお願いします」とお話したのだそうである。
 店長さんが、それを信じたかどうか、信じたとしてどのように仕入れを増やしたか、それは私の知るところではない。

 コンビニへ行った私の見たものは――

 まるで共産圏の国営スーパーの陳列棚のようにがらんとした店内であった。
 心なしか、店員さんも呆然としている。

 カップ麺をすすって、寝る。

※なお、JGCレポートでは毎度のことであるがこのレポートは適当に脚色があり事実とは異なる部分が存在するので注意されたし。

08月28日

 JGC2004の二日目である。
 8時半に目覚めると、稲葉さんが起きていた。
「お、さすがですね。もうすぐですよ」
「いや、私は朝の部はないのです」
 今回の私のスケジュールは比較的楽なのである。
 9時集合の稲葉さんを見送って、再び寝る。

 同室の佐藤さんは、歴史群像とかに記事を書かれていて、私も愛読しているのであるが、歴史の必然やそこに見られるダイナミズムに興味をもたれているとの事。

「前にミッドウェイの記事を書いたんですが、南雲中将がどうとか、そういう個人的な要因にはほとんど触れていません。あの戦いがどういう背景で行われ、あの敗北がいかに必然であったか――そういう視点で書いてあります」

 なるほど。
 後、歴史群像の編集部が求める記事とは何かについて興味深く話を聞く。

 夕方になり、いよいよ第二戦である。
『TRPGセッションwithFEAR(第3回)』だ。むろん、スターレジェンドのGMである。
 プレイ前に参加した方にいろいろとお話を聞いたところ、スターレジェンドに興味がないわけではないが、「仲間内ではSFだというのでちょっと警戒されるところがあるんですよ」とのこと。ふーむ。
 スターレジェンドは、SFの知識がない人でも楽しめるように――というコンセプトで設計されている。むろん、知っているにこしたことはないが、男装の麗人ポーラ・ラインバーガーの元ネタがコードウェイナー・スミスであるというのは別に知ってなくてもプレイには全然問題がない。
 サポートする側でも、イロイロと時々刻々のおいしそうなネタをつめこんで、少しでも境界線にいる人を楽しませなくてはなぁ、と思ったしだい。
 なお、このプレイでは爆弾三兄弟というNPCがたいそうプレイヤーの人気を博して大活躍した。広島風お好み焼きを食べる銀河剣聖とか。

 プレイ後、再びカップ麺をすすって寝る。

08月29日

 JGC2004の最終日である。
 朝、ちょこっと昨日の話題の続き。
 歴史をどのような切り口で描写するか――というのは、歴史エンターテイナー(『邪馬台国はどこですか?』)の腕の見せ所であるが、稲葉さんはやはりヒューマン・ドラマにこそその真髄があるとの持論。
 ふむむ。
 さて、『TRPGセッションwithFEAR』も最終セッションである。
 背広に着替え、チェックアウトして会場へ行く。
 開始前の雑談で、中村知博さんがツインテールについて熱く語っていた。ツインテールは素晴らしいというのである。今GFで中村さんが連載しているN◎VAの記事のタイガーリリーという少女については、最初に「ショートカット」という設定にしたので

「今更ツインテールにはできないよなぁ。ああくそっ、過去の俺に電話できれば――」

《ああ、オレ、オレ。タイガーリリーだがな、ツインテールにしろ》

 自分オレオレ詐欺っ?!
 なお、私などはツインテールというと、ついエビのような味がしてたいへんうまい怪獣という印象があるのだが、世のツインテール愛好家の間では、その点も踏まえてツインテール(怪獣)とツインテイル(髪型)とで表記を統一しようという動きもあるとかないとか。

 プレイも無事終わり、残すは閉会式である。
 えーと、閉会式の会場はと……どこ?
 プログラムには、会場の場所が書かれていなかったりしたのである。

 ちょっと遅れて閉会式が終わる。延泊して懇親会というのもアリなのだが、台風も来ているので広島へ帰る。

 今回一緒に遊んでくれた方、どうもありがとう。
 機会があればまた、楽しく遊びましょう。

08月30日

 台風が来る。
 わ〜、一日ずれていたら、横浜から帰れなくなるところであった。
 幸運の遺伝子に感謝。

08月31日

 一日おいて、突然疲労が。
 だるだる。

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