07月01日

 7月にはいって、気温と湿度はうなぎ登りである。
 ……はて。
 なぜうなぎが登るのか。

 広辞苑第五版
 (ウナギが水中で身をくねらせて垂直に登ることから) 物価・温度、また人の地位などが、見る見るうちにのぼること。


 ふぅむ。しかし、それなら鯉の滝登りというのもあるのだから鯉のぼりでもいいような気がするなぁ。
 鯉といえばカープである。こないだフィットネスプラザでトレーニングをしていると、8回の裏で10対3で負けていたのだが、メニューをこなすたびに得点を重ね、ふと気が付くと10対12で逆転していた。いやぁ、いいものを見た。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 紀元前の世界3』

●マウリヤ王朝の繁栄
 紀元前のインドでは、バラモン教文化が発展していたのだが、これの宗教(哲学?)改革として仏教とジャイナ教が登場した。
 仏教文化の元ではバラモン教のように硬直化していなかったので商業などが発展した。
 こうしてマガタ国からチャンドラグプタ(語呂がいいのでこの名前だけは記憶にあるという人も多いだろう)が登場して王位につき、マウリヤ王朝を開いた。そして後にアショーカ王(これまた語呂がよい)の元で仏教文化が花開くのである。

●「アテネ帝国」とローマ帝国
 アテネ帝国はカッコ付きでローマ帝国はカッコが付かない。つまりは、それだけアテネ帝国が帝国の名とは裏腹にきわめて脆弱な支配体制の元にあったという意味なのであろう。
 少なくとも、筆者の松本宣郎先生はそのようである。
 さて、ペルシア戦争を経てデロス同盟によりギリシアのポリスの中で一頭地を抜いたアテネであるが、結局その帝国主義は力だけで押さえつける弱いものであり、ポリス間の反目によって脆くも崩れていく。その結果、ペルシアは戦争で実現できなかったギリシア諸勢力のコントロールを金と政治力によって実現するのである。
 だが、そのペルシアもバルバロイの地、マケドニアから登場した歴史上の英雄、アレクサンダー大王によって物理的に破壊され、ギリシア文明と東方文明が混ざったヘレニズム諸王国が誕生するのだ。ギリシア文明は遙か遠く、インドの仏教文明にもその影響を与えている。そのへん、仏像を見れば一目瞭然である……らしい。ごめん、私は美術の素養がないんだよ。
 でもって、マケドニアよりもさらに東、航海が得意なギリシア人の文化を受け継いだ辺境イタリアに新興国ローマが誕生する。ローマは弱体な国家と非効率的な政治体制を、クリエンテーラという、親分子分の庇護関係によって拡大していく。当時の西地中海の覇者であったカルタゴをその軍事力によって打ち破り、名実共に覇権国家となったローマは、しかしこのクリエンテーラだけでは国家を維持できないほどに巨大になっていった。そこで、これまた歴史上の英雄、ユリウス・カエサルによって元首による中央政体を実現させ、後世の歴史にその名を知らぬ者とていないローマ帝国システムを完成させるのである。

●秦と漢の天下統一
 中国の春秋時代末期、春秋五覇のひとつであった晋が3つに分裂した。その中でも河東の地を扼する魏国が戦国最強であったのは、河東で塩が産出されたからだという。あの広い国土に日本の7割の海岸線しかもたない中国では、塩の専売が後に行われたように塩の流通を支配するのはきわめて重要な経済問題だったのだ。
 さて宗教文化によるインド、哲学によるギリシア、そして哲学と法によるローマときたのであるが中国はどうやって国を成り立たせていたかというと、これが諸子百家と呼ばれる思想活動の果てに――やはり、法と呼ぶべきであろう。戦国時代を抜けて強国への地位を邁進したのは法治によって富国強兵を成し遂げた秦であったのだ。
 しかしまあ、秦はその強圧的、教条的な施策が占領国の不満を生み、一代で漢にバトンタッチする。漢の武帝は儒家を大事にしたのだが、一方で国の統治の基本にはやはり法治の精神が息づいていたのである。

 そして、まあそういうのとは無関係にオセアニアでは土器の使用をやめてしまう。技術は進歩するものという立場からすると退化であるが、別にこれで問題ない文明というのもあってよかろう。

07月02日

 週末には『バーバリアン・キングス』をプレイするというので、ルールブックを引っ張り出す。
 このゲームのポイントは、次の三点であろう。

▼完全プロット方式
 すべてのプレイヤーはあらかじめ行動を記録しておく。だが敵の行動によってもくろみ通りには行動できない可能性は高い。プレイヤー同士の腹の探り合いが重要になる。

▼強力な魔術
 このゲームにおける魔術は成功しさえすれば破天荒なまでに強力である。
 
・精神魔術:
 他のプレイヤー(王)と勝手に同盟したりできる。
 また、他のプレイヤーの英雄(将軍だと思おう)を勝手に移動させる事も可能。

・物質魔術:
 大時化や山嵐でエリアをひとつ丸ごと通行不可にしてしまえる。
 かと思えば海面を凍結させて地上部隊を海軍なしで敵地へと上陸させたりできる。

・降霊術:
 他のプレイヤーの英雄や魔術師はたまた部隊(ユニット)を殺す事ができる。
 逆に蘇らせることも可能。ゾンビ?

▼特徴あるユニットと難しい購入&維持
 ファンタジー世界の大陸であるから、そこにはさまざまな種族が住み、プレイヤー(王)はそれらを支配下において戦う。
 どんなのがいるかというと、ざっとこんな感じである。

・未開人:
 バルバロイである。海軍、歩兵、騎兵と必要なものは一通りそろっており、しかも安い。序盤の主力であろう。

・文明人:
 レギオン(歩兵)やカタフラクトイ(騎兵)と呼称されているように、いわゆるローマ帝国風の部隊である。強いがなんといっても高いし維持費も馬鹿にならない。

・妖精族:
 森に住むのでエルフであろう。優れた文明を持つためか海軍は文明人艦隊よりも強い。また、森エリアでの移動優遇と戦闘力2倍はほとんどシャレにならない。

・鬼族:
 オークである。弱いが、なんといっても思いっきり安い。

・小人族:
 ドワーフである。エルフと同様に、山エリアでの移動優遇と戦闘力2倍のボーナスを持つ。ただし値段もそれなり。

・封建族:
 これはなんだろかねー? 鬼族に匹敵するぐらい安いが同じくらい弱い。どうにもいまいち感が漂う。

・戦蛙族:
 カエルである。どうやらこの世界では森のエルフ、山のドワーフと並んで沼地にカエルの国があるらしい。むろん、沼地での戦闘はお手の物だ。

・鯨族:
 海の王者。残念なことに艦隊と違って地上部隊の輸送はできない。

・飛行船:
 種族というよりはほらあれだ。風の谷のナウシカのごとく、古代文明の遺産を受け継いでいる連中がいるのだろう。信じられないくらいコストは高いが、他の部隊を輸送できるという能力と合わせて考えると敵に回すと恐るべきものがある。

・海賊:
 当たり前だが海賊は艦隊ユニットしか持たない。しかるにその艦隊ユニットたるや、海では最強なのである。本拠地が辺境にある点も考えると、海賊王としてプレイしてシーパワーを手にするのは、良い戦略かも知れない。

 これらの特徴あるユニットは、エリアにマークがしてあり、マークのついたエリアを支配していないと購入することができない。妖精族(エルフ)の騎兵を雇おうと思ったら、妖精族の居住エリアを支配下におかないといけないのだ。さらに、それぞれのユニットは毎ターン維持費を支払う必要がある。どんどん買ってどんどん増やすというわけにはいかないのだ。

 さぁてさて。
 地図とにらめっこだ。スタートダッシュのために蛮族でいくか、後の事を考えて文明人か妖精族でいくか……あるいは、鬼族というのも意外に面白いかも知れない。

07月03日

 フィットネスクラブで、トレーニング前に月例の体脂肪測定を行なう。

  前回(6/6)      今回
 ・身長166cm     ・同じ
 ・体重71.1kg    ・71.6kg
 ・脂肪率24.7%    ・22.9%
 ・脂肪量17.6kg   ・16.4kg
 ・標準体重60.6kg  ・同じ
 ・肥満度17.3%    ・18.1%

 ふむむむむ。やはり先月の北海道旅行でたらふくカニやらウニやらを食ったせいであろうか。微増と相成った。
 グラフも直しておこう。

 でもって、ついでにモンゴル騎兵に挑戦。ロープーリーで77kgにチャレンジである。
 うー、うー、うー……
 ちょっとは動いたが、残念、完全に引くまでにはいたらなかった。
 今後も精進しよう。

■本日の読書:『戦国15大合戦の真相』鈴木眞哉
 戦国時代の合戦についての通説を痛切に批判している本。

『冒頭から批判がましいことをいったが、別に私は他人さまのお書きになったものを云々しようというわけではない』

 などと序文に書いておきながらも、あちこちで噴出する憤懣やるたかない表現の数々はなかなかに面白い。
 たとえばNHKの歴史番組(名前は挙げられていないが『その時歴史は動いた』であろう)については、次のような一文がある。

『〈家康信者〉のなかには、それでは満足できない人がいて、あれこれ珍説奇論を並べているような例がある』

 なんにしても、こういう現状に満足しない人の文章というのは読んでいて面白い。長篠の合戦で鉄砲三千挺の三段撃ちがあろーがなかろーが、現実問題として今更誰も困りはしない。
 だがそこで通説を無批判で受け入れる人間よりは、やはりほれ、そこで、真実はこうだっ!と叫ぶ人の方が私は好きである。

 さて、15合戦について1センテンスでそれぞれ紹介しよう。

▼桶狭間の戦い
 今川義元は上洛を狙っていなかったし、織田信長は今川義元の首を狙ってはいなかった。

▼川中島の戦い
 言われているほどの激戦ではなかった。

▼姉川の戦い
 徳川家康が活躍したから勝ったわけでもなければ朝倉浅井連合軍が大敗したわけでもない。

▼三方原の戦い
 武田に騎馬軍団など存在しなかった。(今、牙軍団という実に愉快な誤変換があった。どっかで使おう)

▼長篠の戦い
 鉄砲三千挺の三段撃ちなど必要ないどころか無意味、否、不可能。

▼石山・雑賀の戦い
 石山本願寺が10年粘った背景には雑賀の傭兵(鉄砲衆含む)部隊の活躍があった。

▼木津河口の戦い
 織田水軍は鉄甲船で勝ったわけではない。

▼山崎の戦い
 明智光秀は無能ではなく、運がなかった。

▼賤ヶ岳の戦い
 勝敗を決めたのは前田利家らの離反、つうか裏切りであった。

▼小牧・長久手の戦い
 徳川家康は戦場では勝ったが戦争については敗北寸前だった。

▼高松城水攻め
 あんまり知られていないが他にも戦国時代での水攻め事例はあるよん。

▼小田原攻め
 城の外に味方が存在しない籠城をしたのが敗北の最大原因。

▼関ヶ原
 がんばって勝利まで後一歩までたどりついたのはむしろ石田三成という見方も可能だ。

▼大阪の陣
 決して豊臣方が必敗というわけでもなかったとも言えなくもないんじゃないかなぁ。

▼島原の乱
 籠城した農民に兵糧攻めというのが江戸時代に批判されたが、そいつはお門違いである。

 なお、最後の島原の乱のところで、幕府側で忍びの者を用意してきた大名があったが、ろくに使えなかったので後で全員解雇というのが面白かった。私が思うにそもそも忍びという不正規戦のエキスパートを終身雇用の武士にしようというのが間違っている。ああいうのは普段は貧乏な暮らしをさせておいて必要な時にだけ臨時雇いするものだ。

 本書の中で、戦国時代は刀槍のような近接武器ではなく弓鉄砲など投射武器が主戦力であったと書かれており、筆者の鈴木眞哉さんはその具体例を当時の史料から解説している。
 これはどこかで読んだぞと思って本棚をあさったところ、歴史群像bT1に『弓と礫に威力あり』という鈴木眞哉さんの記事があった。これは軍忠状を調べて合戦における主な負傷原因を分類したもので、着眼点が面白いので覚えていたのだ。
 だが、本を何冊もひっくりかえすのはたいへん面倒であった。出版社が雑誌の記事を後で検索できるようインターネットでデータベース化してくれるととてもありがたいのだがなぁ、などと考えたしだい。

07月04日

 久しぶりにサークルの例会に出る。
 バーバリアンキングスをプレイするのである。
 定刻の参加者は10人ほど。プレイヤー募集の卓は3つ。
 バーバリアンキングスと、ダブルクロス2nd、そしてスターレジェンドである。
 スターレジェンドはGF8−5掲載のシナリオ『昆虫世界』である。
 結果として、バーバリアンキングスとダブルクロス2ndの卓が成立した。
 プレイされれば、感想など聞こうかと思っていたのだが残念である。

 さて、バーバリアンキングスは6人が集まったため、マップをcastafonではなくallavenにする。
 初期配置と主な侵攻ルート、そして係争地を図で示そう。
allaven_map
 6人の王は疾風怒濤の移動力を誇る蛮人王(移動力かためどり)や、戦術の天才であるオーク王など、なかなか多彩な顔ぶれがそろっている。面白いのは幻影魔術を使いこなす東エルフ王だ。幻覚部隊は戦う事はできないが、占領は可能だ。

 まず手を結んだのが蛮人王と西エルフ王である。互いに不可侵ということで同盟を結ぶ。その後、蛮人王=西エルフ王=文明王の南部3国同盟と、ドワーフ王=オーク王=東エルフ王の北部3国同盟とが対立する事になる。

係争地A:蛮人王、無念の敗退
 西エルフ王と結んだ蛮人王は、ドワーフ王の領土を目指して北上する。だが、ドワーフ王とオーク王の呪術師軍団が次々と魔術戦をしかけ、蛮人王の誇る精強な軍団は次々と足止めをくらう。
 最後は劣勢を承知で軍団をbenei(60)へ突入させるが、ドワーフ=オーク連合軍によって手痛い敗北を被る。

係争地B:恐怖のオーク呪術
 部隊コストが安いオーク王は、浮いた資金で魔術師を雇い、次々と魔術を成功させた。精神魔術で調略を行い、物理魔術で洪水や大時化などを発生させる。内海の覇者となったエルフ艦隊の移動を呪術で足止めしたのである。

係争地C:消える幽霊艦隊
 文明王と対立した東エルフ王は艦隊を文明王領土へと侵攻させる。だが、その動きを読んでいた文明王の部隊によって、その進路は阻まれた。いざ決戦かと思われたその時、東エルフ王の艦隊は霞のごとく消えてしまった。実はすべて幻影で作られた幽霊艦隊だったのだ。

 今回のプレイは3ターンだけと序盤で終わったため、それほど派手な展開はなかった。 だが、それだけにキーとなったのはここぞという時に魔術が発動するかどうかであった。結果として魔術が見事に効果を発揮した展開となったが、初期能力値では発動の確立は1/3しかない。

 相手の魔術にしてやられると痛いが、逆に自分の魔術の発動を前提に作戦はたてにくい――と言えるのではないかと思われる。

■本日の読書:『コミック新旭日の艦隊 8、9』原作:荒巻義雄 作画:飯島祐輔
 今日プレイしたバーバリアンキングスを用意したヒロ君(東エルフ王)から借りたコミック。唐突に8巻なのはそれを貸してくれたので。

騙されたと思って読んでみてください」

 普通なら、このセリフは自信満々に言うものであるが、彼の場合は本当に騙す事があるからなぁ。
 それに、正直に言おう。

 荒巻義雄さんに関しては1ミリグラムの期待もすでに存在しなかったのである。

 これには理由がある。
 私も古株のSFファンである。荒巻義雄さんの作品は 『'72日本SFベスト集成』収録の『柔らかい時計』からの付き合いだ。かれこれ25年ぐらい前から読んでいる。架空戦記も、『ニセコ要塞』などたいへん楽しく読ませてもらった。
 だから、要塞シリーズが南に行くにつれてどんどんヘンになっていった時にはかなり心を痛めたものであるし、心機一転して紺碧の艦隊がリリースされた事には期待がたいへん大きかった。

 その結果については今更私がくだくだしく述べる必要はあるまい。
 ぺんぺん草一本生えないとはあの事である。

 まあそういうわけで期待などまったくせずにコミックのページを開いたのだが――

 うわぁ(荒巻義雄という名前に)騙された
 面白いじゃないか。

 今日私が読んだ2冊はナチス第三帝国の最新鋭潜水艦『レヴァイアタン』が登場し、カリブ海で日本海軍の潜水艦と戦うというストーリーだ。

 第8巻ではまずレヴァイアタンの活躍から始まる。
 1950年代という時代設定などとは無関係に、核融合動力で最高速度90ノットという潜水艦『レヴァイアタン』は大西洋でアメリカ艦隊を襲撃。これを海の藻屑として初陣を飾る。
 『レヴァイアタン』の狙いはカリブ海にあるアメリカの気象兵器。海に巨大なバリアーを幾つも設置してメキシコ湾流の流れを変え、気象をコントロールしている。
 これを迎撃に出たのが日本海軍の潜水戦艦『日本武尊』である。こちらも核融合動力で最高速度は70ノットだ。
 海中で行われる2隻の超兵器の戦いはかなり燃える。だがついに、『レヴァイアタン』の罠にかかった『日本武尊』は電磁誘導式の魚雷をくらって敗北。乗員だけはコア部分の潜水艦で脱出する。

 それと入れ替わりに登場したのが、日本海軍の最新鋭潜水艦『雷光』。
 こいつが第9巻の主役となるのだが、この場合、『雷光』そのものよりも指揮官が凄い。
 艦長は熱血青年。それはいいのだが副長はその幼なじみで、大財閥の令嬢で、髪は縦ロールなのだっ!!

 ……すまん。おじさん、ちょっと目眩が。

 何しろいきなりふたりの会話がコレだ。

「進路そのまま。本艦を敵に追わせる!」
「小十郎!」(艦長の名前は宮本小十郎)
「常識にとらわれるな澪」
「その呼び方はここではダメ!」
「フクチョウは五文字。ミオは二文字。澪の方が呼びやすい」
「これは規律の問題なのよ!」

 このようにおおざっぱな艦長に口やかましく小言を言う、生意気なお嬢様の副長というコンビなのである。むろん、ちゃんとお約束なシーンはあり、たとえば爆発があって艦が揺れると思わず艦長に抱きついて(あるいは艦長がかばって)、その後できっちり照れたりする。

 しかも、熱血艦長はただのバカではない。激しい戦闘で艦の一部が破損してノイズが発生、このままではやられる――という時に、すばやく敵艦の真横に並ぶ。

「どうだ撃てまいっ。この距離で爆発すればきさまも吹っ飛ぶ!!」
「おのれぇぇぇ! よくこんな手を!」

 そして、90ノットのフルスピードで並走する二隻の潜水艦の前方に、アメリカの気象兵器(巨大な堤防のようなもん)がっ!
 このままではぶつかる。だが先に避ければ敵の攻撃を受けて沈む。本当にチキンレースになってきた。
 ここで熱血艦長のとった手は――このまままっすぐ突っ込む! である。

「どのみちもう方向転換しても間に合わない! やるしかないぞ!」

 突進する二隻の高速潜水艦。気象兵器の上ではアメリカ兵がうろたえ騒ぐ。

「疾れッ、光速の雷光!!」
「唸れッ、衝撃のレヴァイアタン!!」

 そしてなんとっ!
 二隻の潜水艦はそのまま海面を突き破って水面、そして空中へと躍り上がるっ!
 だが、この状況に持っていくことこそ、彼の狙いだったのだ!

「今だッ、左舷全火器一斉斉射!!」
「!!」

 『雷光』から発射されたロケット砲が次々と数十mしか離れていない『レヴァイアタン』にぶちあたり、爆発する!

「どうだッ、空中なら爆圧は瞬時に拡散する!! この距離でも攻撃は可能だ!!」
「ばかな……こんな手をっ……」

 かくして2巻にわたった戦いについに決着がついたのである。

 いやあ、感服いたしました。私の負け。これはすごい。

07月05日

 昨日感心した『コミック版新旭日の艦隊』の飯島祐輔さんだが、きっちり記憶にあった。
 むかーし、飯島ゆうすけの名前で『新海底軍艦』というコミックを描かれていたのだ。元々の海底軍艦とはまるで違う内容で、日本以外にもアメリカやイギリスやドイツやイタリアなどの各国海底軍艦が現代に蘇って戦うとゆー、実になんというか無意味に燃える展開であった。
 むろん、ラスボスは海底帝国じゃよ?

■本日の読書:『地中海の戦い』三野正洋
 このタイトルを読んで「ああ、ポエニ戦争だな?」と思ったアナタ。
 遡りすぎです。

 「そうじゃないよ、リッサ海戦だよ」などと思ったアナタ。
 マイナー過ぎです。

 ここは素直に第二次世界大戦における地中海の戦いだと考えればよろしい。

「確か、トルコのヤウズ・スルタン・セリムがイギリスのウォースパイトと砲撃戦をやったんだよな」などと考えたアナタ。
 架空戦記に脳が冒されています。

 ええい、話が進まん。
 イタリアとイギリスが主役となった地中海の戦いは、日本ではほとんど紹介されていない。
 そのうえ、架空戦記のおかげで、イタリア軍=最弱のイメージが強くなってしまい、わざわざイタリア軍について知識を深めようなどという物好きも少なくなってしまった。
 これはたいへん嘆かわしい事である。
 20年前、ゲーマーの間にあったカースト制度はどこへ行ってしまったのだろう。あの頃は、秩序正しい身分制度があったものである。
caste
 そして第二次世界大戦ファンの間にもきちんと序列はあり、ドイツ軍ファンというのはミーハーで強いのに憧れているだけだと見なされ、続いてイギリス軍やアメリカ軍、ソ連軍などの主役級が来、本物のファンとはフランス軍やイタリア軍、はたまたハンガリー軍やルーマニア軍のファンであるとされていたのだ。

 まあそういうわけで、このちょっと古い本もけっこう大事なのだが、じゃあ地中海の戦いはどんなだったかについて作者の言葉を引用しよう。

 彼らの名誉のために筆者の考案した『地中海におけるイタリア海軍の法則』を記しておきたい。
 地中海の戦いにおいてのひとつの法則は、「第二次世界大戦中のイタリア海軍に関して、艦艇乗員の勇気の大きさは、彼らが乗っている艦艇の排水量に反比例する」というものである、
“The Capacity of Courage of Italian Seamen is in Inversely Proportion to the Displacement of Their Vessels.”

 もって瞑すべしであろう。

07月06日

 天満屋から手紙が届く。
 夏のバーゲンでまあいろいろと買えというのだ。
 その中にまな板内見会があって、そういやまな板もいーかげん古くなってアレだし買うかぁ、などと考えてふと。

 まな板内見会つうので行ってみたらまな板ショーだったら仰天するよなぁ。

 などとものごっつうツマラン事を考えてみたのは私がオヤジだからだろうか。
 そういや昔、うちの大学のSF研の先輩らが今は亡きアーサー・バートラム・チャンドラー先生をそういうお店に連れていったら、キャプテン(チャンドラー先生は元船乗り)は大喜びしていたとか。
 ああむろん、まな板はなかったはずだ。
 ……むふぅ。

07月07日

 あぢぃ。
 病院で血液検査のために血を抜かれる。
「血が濃いですよ。どろどろ。ヘドロのごとく」
 汗で水分が抜けてるんだよ。このまま行くとジャミラになるぞ。

■本日の読書:『ブラック・ラグーン1〜3』広江礼威
 あーそういや、あれだ。
 ほら、どっかで南米を舞台にしたヤツをやってなかったろうか。第二次世界大戦前で、ナチス・ドイツはばんばん出てくるし、ハリマオもいたし。好きだったなぁ。
 雑誌と一緒に消えてしまったが。
 ヒロインだけはまともだったなぁ。

 で、こっち。

 わぁ、銃弾倍増、死体さらに倍でなおかつ、出てくる女性陣みなごっついのぉ。

 えー、コミック1巻の帯に最初の物語のあらすじがあるので引用しよう。

 日本人商社マン、岡島緑郎は、会社の超極秘計画が入ったディスクを持って東南アジアを出張中に、
 魚雷艇[ブラック・ラグーン]を駆る海賊まがいの運びやたち――2挺拳銃のレヴィ、ボスのダッチ、ハイテクスペシャリストのベニー――に誘拐される。
 すぐに会社が助けをよこしてくれると思ったが、
 やってきたのはディスクの隠滅と岡島の口封じのために雇われた百戦錬磨の傭兵たちだった――!


 なんて王道なっ!
 俺、こういうのを小説、映画、コミック合わせて100回ぐらい読んでるよ。うむうむ。王道はいいなぁ。
 むろん、岡島君もアレだ。きっちり、こういう作品に登場する主人公らしい王道な行動を取るのである。

 1巻はこの話にケリがついて、岡島君がロックとして道を踏み外すまでと、戦う眼鏡のメイドさんが出てくる話。むろん、戦うメイドといってもそんな可愛いシロモンではなく、きりきり殺しますですよ? 殴る時はグーだし。

 2巻はUボートが積んだお宝を狙ってネオナチと戦うのだが、それよりもロックとレヴィの間の確執がメイン。
 今、この時をのぞいて何も見えないし、見ないし、見たくないレヴィにとって、ロックはどうにもこうにもシャクに障る存在なのだ。

「ロックはあっちの人間だ。こっち側とはとことん違うのさ。本当に違うところの人間で――そんな感じがたまらなくダメなんだ」

 だがむろん、ここで引き下がるようではこういう話の主役は張れない。
 すったもんだのあげく、仲良くパトカーの中に並んで座ってレヴィは聞く。

「…………なあ……ロック」
「?」
「ひとつだけだ、それを聞いたら面倒はねえ。お前、どっちの側にいたいんだ?」

俺は――俺が立ってるところにいる。それ以外のどこでもない」

 おしおし。
 んでもって、えー、後半は幼い殺戮兄姉(間違いではない)による人間挽肉ショーの開催。
まあ、このふたりもごっつうえげつないのだが、それを相手する元ソ連軍特殊部隊でロシアマフィアのバラライカさんと三合会のミスター張のふたりがいい具合にオトナでキャラが立っている。

07月08日

 ぷっぷくぷー(セラピアの真似)

■本日の読書:『遙かなる賭け』メリッサ・スコット
 ふと気になったので原題を確認してみると、The Game Beyond。うむまあ、おおむね合ってる。
 はるかなる未来。
 人類は恒星間宇宙へ進出し、そこに幾多の植民地を建設した。だが、人類の〈連邦〉国家の膨張は、非人類種族〈評議会〉との接触により停止する。
 根本的な部分で相互理解を阻む〈評議会〉との接触は戦争となり、〈連邦〉は辺境の植民地を見捨て、防衛線を縮小する。
 だが見捨てられた星々では海賊や密輸業者、脱走兵などが集まって防衛組織を作り、〈評議会〉と戦っていたのだ。寄せ集めながらもはや後のない彼らは強固な〈協約〉に基づいて力を合わせて戦い、戦力の劣る部分を〈能力〉(タレント)で補った。

 〈能力〉とは――先を読む、ゲームの指し手としての力である。

 そして長い時が過ぎた。〈評議会〉との戦いは一応終結し、〈連邦〉も再びかつて見捨てた植民地へとその手を伸ばした。だが、見捨てられた辺境世界は〈帝国〉を築き上げ、独自の文化と政治体制の元で生活する別の星間国家となっていた。
 〈評議会〉との戦いのために作られた〈能力〉を持つ貴族による支配は、戦争がなくなるとしだいにそのほころびを見せ始めていた。貴族達は権力を求めて互いに争うようになり、〈帝国〉は衰退へと向かっていった。

 そんな中、皇帝が死ぬ。血縁のない皇帝は後継者として、彼女の愛人であったひとりの男を指定した。ケイラというその男は、だが実はかつて権力争いに敗れて途絶えたと思われていた、ルノー家の最後のひとりだった。
 むろん、このような状況で皇位継承がスムーズに行われるはずがない。

 だが、最強のゲームマスターであるケイラには皇帝の地位に就かねばならない理由があったのだ。

 とまあ、こんな感じの物語である。〈能力〉というのが、いわゆるサイキックではなく、一種の未来予知である点が面白い。
 『スターレジェンド』のチェス一族も、長老クラスになるといわゆる普通の《超能力光の名刺》とか《重積ヴォーテックス》とかではなく、こういう先読みの力によって一族を導いていたりするという設定があったりなかったり。『スターレッド』の火星人みたく。NPC専用だが。

 で、賭けはどうした賭けは、などと思われるかも知れないが、はい。大丈夫。ちゃんと賭けはある。〈連邦〉の名家(火星出身)であるデニソヴ・グレアムとルノーが――何世代も前の話であるが――賭けをしていたのだ。

「われわれにはできる。そしてやってみせる。われわれはいつの日かにか、皇帝になる」

 ふたりははたして何を賭けたのか。
 そして、最後に。
 ケイラはもう一度、デニソヴ・グレアムと賭けをする。
 遙かなる、賭けを――

 なかなかに良い読後感のある本なのだ。

07月09日

 湿気の中にいると、空気に濃密な手触りがある。
 湿度というのは、空気中の飽和水蒸気圧(温度や気圧で変化)に対する割合で示すから、同じ湿度でも水気の量というのは違うのだ。うーん。恐竜惑星(むかしのスペオペで金星なんかがそうだな)は高温で高圧だから、絶対湿度はべらぼーに高いだろうな。

■本日の読書:『コミック新旭日の艦隊 17』原作:荒巻義雄/作画:飯島祐輔
 気に入ったので、とりあえず現在手に入る最新刊を買って読んでみる。
 全世界を相手に戦争をしているドイツでは、ついに人的資源の不足を解決するために、概念制御(思考制御)型の兵器を実戦投入する。そのテストでは、17才の少年兵と、第一次世界大戦参加のよぼよぼの老人が乗車した小型戦車がみごとな活躍をみせ、ヒトラー総統はご満足なさる。
 だが、一緒に見ていた陸軍の将官は――

「この国はもう終わりだ」

 ……まあ、そう考えるのが普通だよなぁ。
 で、彼の亡命を日本軍のクノイチ忍者部隊が手引きするのだが、隊長の女の子だけとっつかまってしまう。
 むろんのこと脱走するのだが、その時にくだんの小型戦車を盗んで逃走する。このあたり、気分は『鬼戦車T−34』である。どうせなら、フランス人のコメディアンを一緒に乗せろと私は言いたい。

 で、最後に敵の待ち伏せを突破するシーンがあるのだが、そこで忍者の女の子は、ひとつのフレーズを口にする。

「どんなピンチな時も絶対あきらめない! それが可憐な乙女のポリシー!」

 実はこれは、「美少女戦士セーラームーン」第二シーズンのエンディングの歌詞の一部だったのだ。つまり、この忍者の女の子も前世からの転生者だったのだ。

 それはまあそれとして。

 小型戦車が突撃するシーンで、あなた、戦車に乗っている女の子達が「美少女戦士セーラームーン」の歌を歌いながら豪快にぶっとばすのである。
 なんかこー、すげぇ。つうか、これはたまらん。

07月10日

 trpg.netの語り部日報のメールで、『ノックスの十戒』に触れられていた。

 この十戒は面白い。うん、なんというかエスプリがある。もっとも、ロナルド・ノックスは英国人だがね。ボクは彼の作品を読んだ事はないが、ユーモアたっぷりだという感想もうなずけるよ。そうは思わないかね?

 十戒には今や意味がない『中華人を登場させるな』とか、なかなかに愉快な物もある。
 けれども今なお十戒は、ミステリを読者と作者の間のゲームだと見なした上での指針になる。
 しかしこの指針、いささかやりすぎのきらいがなくもない。
 ミステリというのは本来、作者に不利に出来ているのだ。
 逆じゃないかって? そんなことはない。ちょっと考えてみれば分かる事だ。読者には常に「これまでのミステリ」という蓄積がある。これは凄いよ。何百人ものミステリ作家が頭をひねって生み出した100年もの蓄積なんだから。
 作者は不特定の読者を相手にする以上、自分が知っている仕掛けはすでに読者が知っているものと仮定しなければならないわけだ。

 さあ、その上で何か意表を突こうとすれば――ノックスの十戒を杓子定規に守る余地などありはしない。

 記述そのものが間違っていたり、オカルトだったり、時系列がスライドしてあったり、ワトスン役が故意か無自覚かで嘘を書いたりするのはもはや当世スタンダードな手法になっている。

 しかし、だからといってミステリ作家を責めてはいけないよ。彼らは今なおフェアにプレーしている。

 つまりミステリであるかどうか以前に、面白いかどうかを問うているのだ。

 キミが彼または彼女あるいはそれの書いた作品を面白いと思えば――勝ちだ。しかも、このゲームはプラス・サム。勝ちは作者にも読者にも加点される。
 だが、たとえノックスの十戒にせよヴァン・ダインの二十則にせよ、それらを守った上でなお面白くなければ――負けだ。作者も、キミも、共に負けとなる。
 ミステリであるかどうかはさて置いても、まずもって面白いかどうか。
 この原則は譲れないものだと思いたいね。

■本日の読書:『ガンズ・ハート3』鷹見一幸
 猿の暴走が終わり、今度は教団の暴走である。
 文明が崩壊した後の世界で、テクノロジーを宗教団体が管理するという考えは、SFでは昔からある。なぜ宗教団体かというと、さて、キリスト教圏の人には古代ローマ帝国が滅びた後、知識や情報をカソリック教会が維持してきたという(実際には滅びるだいぶ前から肩代わりしていたらしい)伝統があるせいだろうか?

 というのは冗談で、他に手頃な物がないだけなのだ。

 何しろ文明は崩壊している設定だから、蓄えた知識が社会に還元されていてはいけない。でないと別の話になってしまう。
 知識は保管してあっても持ち出されてはいけない。ならば大学や図書館という手だてもあるが――今度はヒューマン・ファクターが邪魔をする。
 知識に対して忌避する気持ちがない人間、利害損得を考える人間では、そうして得た知識を外に持ち出してしまうのである。前の日記でも紹介した『闇よ落ちるなかれ』では、7世紀のイタリアにタイムスリップした歴史学者が、『アラビア数字』や『複式簿記』という知識を元手に借金をし、『蒸留器』でブランデーを造ったりして金を増やし、文明の崩壊を食い止めようとする。
 知識はそれだけで強力なパワーなのだ。
 というわけで、知識は保管しているが、それが社会に広まる事を防ぐ動機付けが必要になってくる。それも何世代にもわたってだ。
 どういう理由付けをするにしても、これは難しい。役に立つのは分かっているのだから、それを止めるには『知識は悪だ』という思想、理念――これを持つ組織が必要になってくる。となると、秘密結社か宗教団体ぐらいしかないではないか。
 ああむろん、知識というパワーを利用して完全なる支配者として君臨するという手がある。小説では『光の王』の神々、アニメでは『ザブングル』のイノセント、RPGでは『Traveller:The New Era』のTED(Technology Elevated Dictator)などがそうだ。だがこの場合厳密には文明が崩壊したとは言い難い。きっちり活用してるやんか、となる。
 他にも文明が崩壊していない、という設定の場合もここまで極端な組織は必要ない。ようするに危険な知識だけを封じるようにすればいい。ラリイ・ニーヴンの『ARMのギル』シリーズなどでは、国連警察が文明や社会を崩壊させかねない知識を見つけ次第封印している。……まあ、最終的にはだだもれになったようだが。
 現代社会におけるIAEAの核査察もこの親戚であろうか。

 で、まあ猿の暴走を新型銃で食い止めた件を危険視した教団は自らが管理している進んだテクノロジーでもって懲罰行為を試みるのだが……という、『戦国自衛隊』の逆パターン。あっちで戦車やヘリだったのがこっちで多脚砲台(AT−ATみたいなの)になったと思えばおおむね間違いではない。いかに優れていても少数(2台)では、イウォーク族の襲撃を受けてはひとたまりもない。やつらフォースを使いやがるし。

 というわけで今回は良いとこなしの知の教団であるが、かつては国家間の戦争を阻止したりとか、それなりに評価できる事もしている。おかげで国家の軍備が自警レベルにとどまっているのがその影響だとすると、社会にはおおいに貢献していると言っても良いのではなかろうか。
 懲罰行為の失敗によって知の教団は知識の解放と技術の進歩に対し一定の譲歩を試みるようになったのだが、物語はこれで終わりではない。
 知識という力の使い方をめぐり、新しいドラマが始まろうとしているのだ。

07月11日

 町内会の仕事として、テレビの共同アンテナの受信組合の世話をすることになった。
 うちの町内のあたりは、電波が届きにくいので、共同アンテナを立ててみんなで利用しているのだが、テレビ放送が今度デジタル放送に切り替わる。
 となると、当然機材なども変更になるし、まあ、いろいろと手間やお金がかかるのだ。
 これを機会に、共同アンテナではなく個別にやろうとか、ケーブルテレビに一括して加入しようとか、まあ、考えねばならぬ事も多い。
 なんといっても、人間、財布に影響があると分かると本音が出るものであるからして、なかなかこー、面白そうである。

07月12日

 中国地方で梅雨があける。
 いよいよ夏本番である。

■本日の読書:『歴史群像No.66』
 今号の有坂純さんの記事は『チンギス・ハーンの中央アジア遠征』である。
 この物語のポイントとなるのは、ホラズム・シャー王朝の滅亡である。
 といっても、ホラズム・シャーってなんぞや? という人がほとんどであろう。
 有坂さん自身も次のように書いている。

 本邦ではほとんど知られていないホラズム・シャー王朝の最後の戦いと〜

 というわけなので、当時の中央アジアについてちょっとまとめてみよう。

 そも中央アジアは、広がる草原と乾燥した砂漠の入り交じった地域で、古来、ここには高度な文明を持つオアシス農耕都市が点在していた。
 だが、オアシス都市はその水資源の制限からいずれも小規模な物であり、サマルカンドのような例外を除くと人口10万に達するものは稀であった。

 よって、オアシス都市は伝統的に草原の遊牧民(主にトルコ語系)の軍事的な支配と保護の元にあった。(ここ重要)

 さて、イスラムの教えが広まるにつれて中央アジアにもトルコ系軍人君主が誕生するようになる。
 11世紀末、アヌーシュ・テギンは大セルジュク朝スルタンからアム河下流域ホラズムに封じられる。
 12世紀になり、ホラズム総督家はセルジュク朝より独立、中央アジアの強国であったカラキタイ(西遼)に貢納服属して東の国境を安定させると西のペルシアを切り取り始める。そして古代ホラズムのペルシア風君主名「ホラズム・シャー」を自称したのである。
 ホラズム・シャー王朝の軍事力の基幹はトルコ系遊牧民トルクメン族やカンクリ族の騎兵軍団であった。
 この騎兵軍団を使い、時の王ムハンマドは東はカラ・キタイと戦い西はペルシアの地を攻め、南はアフガニスタンからインドへ広がるグール朝を脅かした。
 ついでにバグダード・カリフも己の支配下に起き、全ムスリムに号令をかけようとしたがこれは失敗した。とはいえ、ホラズム・シャーが興隆を誇っていたのは間違いない。
khorazm
 カラ・キタイが内紛もありモンゴルの軍門に降った後、ホラズム・シャーはモンゴル帝国と国境を接する事になる。そして、ついには軍事的に衝突することになるのだが――

 ホラズム・シャーの王ムハンマドは、モンゴルの侵攻に対してその持てる騎兵軍団による機動防御という選択ではなく、各オアシス都市に守備隊を分散させての籠城戦に徹したのである。
 言うまでもなく、これは下策だった。
 戦いの主導権は最初から最後までモンゴル軍が握る事になり、それぞれのオアシス都市は各個撃破される事になる。

 モンゴル軍といえばその情け容赦ない殺戮ぶりで悪名高いが、実際彼らは降伏した都市の守備隊は皆殺しにし、非戦闘員のうち技術者など役に立つ者は連れ去り、それ以外は奴隷にし、あるいは邪魔ならば殺した。
 この徹底した殺戮に、いくつかの都市は戦わずしてモンゴルの軍門に降ったほどである。

 ホラズム王ムハンマドは逃げに逃げたが、ついに過酷な逃亡生活で体をこわし、死去した。彼の息子はアフガニスタンの地でモンゴルと戦ったが――軍人としては有能であったが政治家としては無能であったため、勝利することはかなわなかった。

 かくしてホラズム・シャー王朝は輝かしい未来が見えたまさにその時に、モンゴル帝国によって完膚無きまでにたたきつぶされたのである。
 彼らは後の歴史の動向に何ひとつ残す事を許されなかった。そして、大セルジュク朝の後継者を目されていたホラズム・シャーが消えたその後、イスラムを統一する国家はついに現れなかったのである。

07月13日

 どたばた。

■本日の読書:『歴史群像No.66』
 記事タイトルに『大友帝国の興亡』と書いてあったので、
 うっかりもんの私はつい『大帝国の興亡』と読んでしまう。いやだって、すっげー似てるじゃないか。字面が。

 九州6ヵ国の守護となった大友宗麟。
 分厚い陣容の部将を従え、南蛮貿易も盛んに行い、まさに九州の覇者といっても過言ではない彼の領国がなぜ崩壊へと転落したのか、という記事である。筆者は河合秀郎さん。
 その蹉跌となったのは日向攻めであるが、この敗北の後も大友家は十分な力を持っていた。
 しかし塩野七生さんの『ローマ人の物語』や『海の都の物語』にしてもそうだが、衰退へと向かう国というのは、状況が悪くなった時に巻き返す意志を持てないようである。
 その力がないのではない。
 その力をふるえないのだ。
 それでも大友宗麟は絶頂を迎えた島津家を相手になんとか防衛戦略を練ろうとする。だが打つ手打つ手はすべて裏目に出、あるいは全盛期の彼であれば決して取らないような下策であった。
 ずたぼろにされた大友家を救った――いや、島津家をたたきつぶしたのは、すでに天下を掌中にした豊臣家の圧倒的な軍事力と名声であった。羽柴秀長の軍勢が到着するやいなや、あれほどに強勢を誇った島津方は国衆の相次ぐ離反により瓦解するのである。
 すべてに決着がついたそのわずか10日後、大友宗麟はひっそりと息を引き取った。

 もうひとつ、『魚雷艇発達史』/松代守弘さんがなかなかに面白い。
 高速を出したモーターボートや水中翼船は、船体が揚力によって浮き上がり、水中の部分――水の抵抗を受ける部分が小さくなる。こうして、より高速を発揮する事ができるわけだが、むろんのこと、昔の船ではそこまでの出力は出せなかった。小型高出力のエンジンが誕生した20世紀になってから、こうした水上滑走能力を持つ船舶が登場するようになったのである。
 当然ながら、海軍はこの小型高速船に目をつけた。航続距離は短いし、沿岸でしか使用できないが、速いのは良い。じゃあ何に使うか――ってんで、やはりこれまた20世紀になってどんどん進化した魚雷を搭載してみようという事になった。
 イタリア海軍が1915年に実用化した魚雷艇MAS(MortoscafoAnti-Sommergibile)……対潜モーターボート? いや、どうも対潜水艦用とは思えないんだが……まあいい。
 このMAS1の写真があるのだが、10tほどの本当に小型の船体に2本の魚雷が搭載してある。見た目、ほとんど魚雷で船体は埋まっている。
 で、この魚雷の撃ち方なのだが、船尾に傾斜があり、後ろに滑り落として発射するのだ。で、魚雷は水中を進み、発射した魚雷艇の下をくぐって敵に突進するのだ。

 実に絵になる光景だとは思わんかね?

 で、このわずか10tのイタリア魚雷艇が第一次世界大戦ではオーストリア・ハンガリー帝国の戦艦ヴィーンやツェント・イストファンを撃沈しているのである。大金星だ。

 そういうわけで、戦後は各国で魚雷艇の開発が進む。意外にも日本海軍はこの高速魚雷艇にあまり乗り気ではなかったようである。魚雷艇そのものはあるのだが、高速なのは少ない。

 さて第二次世界大戦では各国がせっせと改良を重ねた魚雷艇が使われたのだが、魚雷艇というのは小さいゆえに、戦場での使い方には注意が必要である。通信機器もレーダーも、それらを操作する人員もあまり乗せられないので、統制のとれた指揮や運用ができないのだ。しかも乗員の疲労を回復させられるような設備だってないから、四六時中海に出すわけにもいかない。きちんとしたバックアップのための諸設備があってこそ使える兵器なのである。

07月14日

 だばだば。
 陽光の下を歩くだけで汗が流れる。
 日本の夏というのは、本来が仕事をするようにはできていないのである。
 『銃・病原菌・鉄』にもいくつか日本について触れている部分があるが、我が国は本来がきわめて豊かな自然に恵まれ、採集・狩猟だけで暮らしてもおつりが来る土地なのである。
 もしも日本が大陸、なかんずく中国と朝鮮からもう1000kmも遠く離れていたとしたまえ。
 我々は今でもふんどし一丁で暮らしている可能性があるぞ。19世紀までに列強のどっかの植民地になってなければ。
 つかず離れず中華文明の恩恵を受けるには絶妙の土地に我々はいたと言えよう。

■本日の読書:『無頼船長トラップ』ブライアン・キャスリン
 えー、『ブラック・ラグーン』を読んだので久しぶりに引っ張り出してみたり。

 あちらが現代で東南アジアで日本人商社マンが海賊に落ちぶれる話であるが――

 こちらは第二次世界大戦で地中海でイギリス海軍士官がこれまた海賊に落ちぶれる話である。

 舞台やら背景やらが違うだけで、基本の筋立ては同じだと思ってくれたまえ。
 とにかくトラップ船長の密輸船カロン号というのがもう、とことんなまでにボロ船なのだ。
 主人公のミラーが最初にマルタ島の港でカロン号を見た時の描写を引用しよう。

 もともとかなりの老朽船だった上にスツーカ(ドイツの急降下爆撃機)にさんざんやられて焼けただれた廃船の外側に繋留してある。
 廃船は、利用できるものを海軍が全部取り外して持ち去ったので、もう船とは呼べないような姿だが――それでも一緒にならんでいるトラップのボロ船カロンよりはまだましな格好だった。

 このボロ船でイギリス海軍が戦艦から空母まで持ち出して護送する船団をもってしてもなかなかたどりつけない地中海のど真ん中にあるマルタ島へ密輸をせっせとやってきたというのだから恐れ入る。
 ちなみに、この時期にマルタ島へ行くのにどれくらい苦労がいったか、作品中でも触れられている『ペデスタル船団』で説明しよう。

 ペデスタル船団は、高速貨物船13隻とタンカー1隻で編成された。

 これを護衛するのが史上最強の護衛艦隊だ。
 空母3隻:ビクトリアス、インドミタブル、イーグル
 戦艦2隻:ネルソン、ロドネー
 巡洋艦7隻、駆逐艦24隻、護衛艦(コルベット、掃海艇)18隻

 だがこの大艦隊に、ドイツ・イタリア軍も果敢に食らいつく。

 まずUボートの雷撃で空母イーグルが沈む。
 続いて空母インドミタブルが空襲を受けて損傷、ジブラルタルへと引き上げる。
 さらにイタリアの潜水艦が襲いかかり、巡洋艦3隻、貨物船3隻が損傷を受ける。
 途中で戦艦は引き返してしまい、残った艦隊でなおもマルタを目指す。
 今度は魚雷艇だ。夜の闇に隠れて襲いかかる魚雷艇によって巡洋艦1隻、貨物船4隻が沈む。
 ここでイタリア艦隊が出撃するのだが、こいつらはいつものごとくちょっと損害を受けると逃げ帰ってしまう。
 結局、9隻の貨物船、1隻の空母、3隻の巡洋艦、1隻の駆逐艦を失い、生き残った艦も満身創痍となりながらも、イギリス艦隊はマルタ島へ貴重な補給を届ける事に成功するのである。

 こういう激しい戦闘のまっただ中で堂々と密輸をしていたカロン号に、イギリス海軍が目を付ける。

 そうだ。この船で、北アフリカのロンメル軍団への補給路を叩く事はできないだろうか?
 偽装して、大砲を中に隠して――
 このボロ船が危険だなどとは誰も考えないだろう。だが、近づくと――ズドン!
 なかなかよさそうじゃないか。
 どうだね、トラップ船長? 合力してみてはくれないかね?

 真面目に悪事に取り組んでいたトラップ船長へ、これはまたひどい仕打ちではなかろうか。で、この悪事に巻き込まれた予備仕官の『わたし』ことミラー大尉も巻き込まれ、こうして偽装武装船となったカロン号による、極秘作戦が行われる――

 まあ、ろくでもない作戦はろくでもない展開のあげく、ろくでもない結末を迎えるのであるが、最悪の環境の中で悟りもしなければ改心もせず、小悪党そのままに小ずるく立ち回るトラップ船長がなかなかに面白い一冊である。

07月15日

 書棚はその人の人となりを表わすという。
 むろん、これは本を持ってる、しかもちゃんと読んでる人にのみ言える事である。
 書棚はあるが本を読まない人ではなんぼながめてもどうもならんわけだ。
 第一次世界大戦の特需によって日本には成金が増えた。その成金が本屋で本を買う時にこう言ったという。

「こっちからそっちにある本を3メートルほどもらおうか」

 3メートルか10フィートか9尺かそのへんはまあどうでも良い。ようは読まない本を死蔵していても意味はないと言う事だ。
 というわけでそろそろ本棚があふれてきたのでいくつかまとめて廃棄処分にしよう。

 コマンドマガジン日本語版とかどーかなー。資料的には使えなくもないんだがなー。

■本日の読書:『世界の歴史 1〜2世紀の世界』
 あれだ。
 焦点とか生活とか技術はタイトルが面白いのだが、どうもこの展望編はタイトルが素っ気ない。
 同じ時代でも、
 焦点:法と裁判
 生活:遊牧騎馬の民
 技術:占星術と錬金術
 とまあこんな具合なのだ。
 さてこの時代もやはり大きく取り上げられているのはローマ帝国である。何しろ研究者も多ければ資料も史料も史跡も多い。
 この号も8ページある。アフリカなど2ページでしかも北アフリカだけだというのに。
 ついでなので割り振りをみてみようか。

地中海:「ローマの平和」の恩恵(8ページ)
 図版多し。
 1ページまるまるローマ人とワインのネタ。
 ローマ人はワインを愛し、北方のビールを野蛮な飲み物とした。ワインは生のまま飲まず、湯や水、蜂蜜でわって飲んだ。病院では免税で供給された……など。

西ヨーロッパ:ローマ化で栄えるガリア(1ページ)
 これも広い意味ではローマネタだよな。
 タキトゥスがブリテンをして曰く、『最果ての土地』。

東ヨーロッパ:ダキアとローマ軍の攻防(1ページ)
 やはりローマネタ。
 ドナウ川を超えてトラヤヌス帝によるダキア(現ルーマニア)制圧話。

オセアニア:珊瑚の島の定住者(1ページ)
 とにかく人口抑制がポイントだった。増えると死ぬ。狭いから。

アメリカ:巨大都市テオティカワン(1ページ+見開き2ページ)
 テオティカワンの人々はオルメカ文化のジャガー神、トラロクを祭っていたが、やはりオルメカ文化の羽毛の蛇神、RPGでおなじみのケツァルコアトル神との戦いが激しく行われた。
 見開き2ページで堂々とテオティカワンの復元想像図。なかなか良い。

西アジア:東西を結ぶパルティア王国(2ページ)
 ローマ帝国の東に位置し、軽装騎馬弓兵のパルティア王国は、はるか東、中国の漢帝国まで結ぶシルクロードを形成するひとつであった。

内陸アジア:匈奴の分裂と鮮卑(1ページ)
 まあそういうわけで、遊牧の民も興亡していたのだ。

南アジア:クシャーナ朝支配と国際商業(3ページ)
 仏教を保護。ローマと交易。都市の遺跡からローマの金貨が発見される。

アフリカ:アラブと結ぶ海上の道(2ページ)
 冬のモンスーンで、インドからアフリカへ。
 夏のモンスーンで、アフリカからインドへ。
 はるばる旅をしたのである。
 ちなみに現代のマダガスカルの農村の子ども達が整列している写真が面白い。
 後ろ竹林で、水田があって。しゃっちょこばって写真に写っている子ども達の顔は浅黒くて縮れ髪だが、どことなくアジア風で。7才ぐらいの女の子はたぶん、写真に映るためだろう、自分の晴れ着らしい服を着せてもらっているのだ。大事に使ってあるのだろう、きれいなのだが体の大きさに比べていかにも小さい。
 なんかこー、ドラマがあって良い良い。

中国:儒教国家の誕生(4ページ)
 後漢王朝は長安から洛陽へと。この時期の中国といえば紙の発明である。一般には、後漢の蔡倫が105年に紙を発明したとかいうが、実際には前漢からそれらしいのはあったそうである。
 竹紙つくりの絵がのっていて、これまた興味深い。
 竹紙は、夏に伐った竹を短く切って100日以上水につけたあと、槌でたたいて繊維状にする。
 これに石灰液をまぜて8昼夜煮立て、すすいだあと再び灰汁といっしょに煮立てて戦意をふやかす。
 これを臼でついてどろどろにする。粘剤を混ぜてすき、乾燥させる。
 この紙こそが、我々の文明を文明たらしめたのだ。

朝鮮:漢の支配と高句麗の勃興(1ページ)
 漢による直接支配から、高句麗の登場。

日本:倭人と倭国の登場(1ページ)
 まあつうわけで、後漢から金印をもらったりとか、それなりにクニらしくなってきましたよ。

東南アジア:海の交易路と港市国家(1ページ)
 西からの海上交易が、東南アジアにも文明をもたらした。文物にインド文化の影響が多くみられる。

07月16日

 ビーストバインドを引っ張り出す。
 はて、ミレニアムはどこに隠したかしらん?
 私の場合は迂闊に処分している危険があるからな。

■本日の読書:『終わりのクロニクル3中』川上稔
 3下が出たので一緒にまとめて読む事にした。
 相変わらず内容や展開や日本語はムチャクチャだが。
 はっはっは。
 もはやこの程度のムチャクチャでは、私を止める事などできはせんよ。
 UCAT本部に侵入した“軍”の少女を出迎えるのがまずカメラを構えた連中というのがイカレててよろしい。
 基本的に週刊漫画雑誌のバトル系展開であるから、いい気になっている側ほど敗北するのである。これは戦闘力や残りhpのいかんには関わらない。
 いわゆるあれだ。相手が倒れてもいないのに、

「やったか?!」
 or
「決まった!!」

 と言ったヤツは必ず敗北。略して必敗。

07月17日

 こないだ読んだ『戦国15大合戦の真相』(鈴木眞哉)でこういう表現がある。

『歴史家・歴史学者は、大体において結果論者であるし、そのうえ僥倖やツキで物事を説明するのを恥辱と心得ているようなところがある。そのため、明智光秀だの石田三成だの失敗した人間については、どこまでも採点が辛くなるし、秀吉だの家康だのといった成功者に対しては、アバタもエクボ式の評価が横行することになる』

 このへん、能力が数値で表現されるゲームではさらに極端になる。
 たとえばアメリカはSSIのDOSゲーム『Pacific War』などでは、日本海軍の提督でもっとも空母機動部隊指揮能力が高いのは南雲忠一さんだし、砲撃戦能力は近藤信竹さんだ。
 そして勝利者たるアメリカ海軍の提督はのきなみ高評価である。

 いや、それが悪いというわけではない。
 だがこう、ほれ。
 物足りぬのだよ。なんとゆーか、「なるよーにしかならない」っていう感じで。
 かといって、聞いた事もない武将が三国志で関羽よりも強かったりしたら、それはそれで違和感を覚えるだろうしなぁ。
 なかなかに難しいのだ。

■本日の読書:『イエスタデイをうたって 4』冬目景
 まったりのったり恋愛(未満)劇。
 4巻目になっても相変わらずのまったりぶり。このまったりぶりを楽しむ作品なのでオッケーなのだが。
 それでもそれなりにドラマはあるわけで。カンスケが生死の境をさまよったりとか。

 ……カンスケはカラスだが。

 後、意外にも3巻で登場した湊クンが早くも退場。おまいは諦めがよすぎる(説教)。
 つうか、登場人物はどいつもこいつも淡泊な奴らなので、話が進展しねぇ。いや、進展しなくていいです。このまままったりいきましょう。

07月18日

 昨日の続き。
 関羽よりも強い無名キャラとかいうのを考えてみる。

 関羽が繰り出した戟が黒い兵を貫く。
「うぬっ?!」
 そのあまりの手応えのなさに、関羽はすばやく戟を引いた。
 はらりと。
 暗兵がいたはずの場所には、切り裂かれた布があるだけであった。
「さすがは関羽殿」
 いつのまに体を入れ替えたのか。関羽の背後から暗兵の声が聞こえた。
「お見事な一撃。万騎不当の名に相応しい。されど――」
 黒兵がゆるりと動き、腰から匕首(ひしゅ)を抜いて構えた。
「その技はあくまで正々堂々たる戦場(いくさば)での物。影の技にはかないませぬ」

 ……うーん?
 なんか違うぞ。これ、負けフラグが立ってるじゃんか。
 そう、この後の展開といえば。

 すれ違いざま。
 両者から血がしぶいた。片方は腕に。片方は足に。
「――馬鹿なっ?!」
 がくりと。
 足をやられた側が膝をつく。
 圧倒的に有利な位置にありながら、深傷を負ったのは暗兵の方であった。
「両断するつもりであったがな――」
 美髯を揺らせて関羽が言う。
「な……なぜ……私の居場所が……」
「戦場での戦いを正々堂々などと言うお前には分からぬ事だ」

 こういうのは不利になった方が勝つものと相場が決まってるからなぁ。
 それに関羽ならば、少々の小技など実力で排除してしまうであろう。

 ところで、三国志関連でちょと思い出したのが孫子のお言葉である。

『軍に輜重(コックさん)がいなければ、軍は崩壊し、
 軍に食料(くいもの)がなければ、軍は崩壊し、
 軍に財貨(お給料)がなければ、やっぱり軍は崩壊する』

 崩壊してばっかりである。たまにはパワーアップする裏技はないのか。
 ……おお、敵の兵士を食ってもいい事にすればなんかパワーアップしそうだぞ。
 いかんか。
 そんな軍では味方の兵士を食ってしまいそうだしな。

07月19日

 さらに昨日の続き。
 三国志で人を喰う軍隊の話があった。
 正史『三國志』の程c(ていいく)伝の裴注(劉宋の歴史家・裴松之(はいしょうし)の付けた注釈)に引く『世語』という書には、魏の程cが、軍の備蓄食糧に「干した人肉」を混ぜたため、主君の曹操に嫌われたという話が残っている、そうな。
 まあどこまで事実なのかは分からんが、いかにもありそうである。
 中国だし。三国志だし。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 3〜4世紀の世界』
 この頃になると、いよいよローマ帝国があかんことになってくる。

 前にも日記に書いたが、私はローマ帝国衰亡の原因が、ローマ帝国の軍事的な地位の低下にあると思っている。軍事力を維持するために蛮族の傭兵部隊を使ったりとか、そういうのは結果にすぎない。
 いずれにせよ、ローマは東西に分裂し、より経済的に発展していた東のみは国力(とそれを守る軍事力)をなんとか維持できたが、西はますます凋落していくのである。

 で。一方ではそうした原因のひとつを作ったローマの東の防衛線に位置するパルティア王国は、226年、ササン朝ペルシアに滅ぼされる。だが、ローマと争うという点ではパルティアと変わらぬササン朝ペルシアは、やはり強力な軽装騎馬弓兵によってローマを苦しめるのである。

 さらに東、内陸アジアでは、オアシス諸都市に仏教文化が南のインドから伝来してきた。仏典が現地の胡語で書かれるようになり、この“胡語仏典”を元に勉強した仏僧達は、後にこれを漢訳するようになる。それまでのインドからの直輸入では不正確な部分も多かった仏典が正しく訳されるようになり、中国で仏教が盛んになるようになるのだ。

 でもって、その仏教の元となったインドでは、ヒンドゥー的な秩序が形成されるようになる。仏教を保護していたグプタ王朝などが没落し、仏教、ジャイナ教という新興宗教に対抗して進化していたバラモン教が勢いを取り戻すのである。新たなバラモン教ではヴェーダの旧き神々に代わり新しい2柱の神が中心となる。ヴィシュヌ神とシヴァ神である。おお、こいつらけっこう新しい。

 で、中国では三国志鼎立の時代を迎える。日本ではちょうど邪馬台国の時代である。
 そしてはるか海の向こう、アメリカではテオティカワンによるマヤ侵略が行われている。

07月20日

 17日の日記に書いたSSIの『Pacific War』を起動できないか試してみる。
 ああ、やっぱり動かないか。
 何しろ元がDOSのゲームであるし。98の時はそれでも動作したが。まあ、いろいろやれば動くのかも知れないがそこまでやるほどでもない。
 このゲームは隠れた名作ではないかと思うのだが、日本軍機の名前がアメリカ版になっているのはいただけなかった。

 零戦=ジーク
 雷電=ジャック
 紫電(改)=ジョージ
 隼=オスカー
 鍾馗=トージョー
 飛燕=トニー
 疾風=フランク
 97式艦上攻撃機=ケイト
 99式艦上爆撃機=ヴァル
 一式陸上攻撃機=ベティ
 二式大艇=エミリー

 他にもグレイスとかジュディとかサリーとかリリーとかステラとか。
 元の名前を知っている分、違和感が大きかったなぁ。

07月21日

 堕落してみる。

「どーもこーもないぞあの石頭どもめ。
 ソフトウェアと工業製品を同じだと思ってやがる」
「スランプに陥ったシナリオライターが逃亡するなんて日常茶飯事だ。珍しくもなんともない。なぜそんなことが理解できないんだ?」

 げらげらげらげら。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 5〜6世紀の世界』
 ヨーロッパの地にて。
 ぞろぞろとゲルマン諸部族がローマ帝国やかつてローマ帝国であったところに入り込んでいく。それでもなんとか東のローマ帝国は経済力と軍事力を武器に国内の統治を果たすが、もはや西のローマ帝国にはそんな事をする力もなければやる気のある人間もいない。
 国が滅びるというのはこんなものであろう。
 一方その東。
 ササン朝ペルシアは東ローマとエフタルの間にはさまれてはいたものの、まあそれなりに栄えていた。
 でもってさらにその東。
 内陸アジアでは突厥とソグト商人とが手を組んでいた。
 その南。
 インドはグプタ朝の支配――といっても、ガンジス川流域で、インドには他にも幾つもの王朝があったのである。
 でもって中国では。
 三国志の後、晋による統一もあっというまにつぶれてしまい、南北朝時代を迎える。この時代には仏教が西からじんわりと浸透してきたりなんかしたり。
 さらに東のはずれ。
 日本では大和王権が確立するのであった。
 そして海をわたり。
 イースター島では、モアイがでかい顔をしていた。嘘。モアイは1000年代になってからできたのだ。割と新しい。
 新しいといえばイースター島のロンゴロンゴ文字であるが、あれはどうやら、大航海時代を迎えてヨーロッパの文化がイースター島に伝来してから作られた文字らしい。これはびっくり。
 なお、その昔、小松左京さんが

「イースター島にはモアイがおるやろ。でな、イースター島からみて世界の反対の側にはウェスター島ちゅうのがあってな。ここの島には巨大な石でできた足が生えとるんや」

 などと言ったのは有名である。

07月22日

 暑くて湿度おおし。
 たまらん。

■本日の読書:『終わりのクロニクル3下』川上稔
「というわけで、3rd−Gの全竜交渉も終わったわけだが」
「いやー、厚かったね」
「大丈夫だ。中身は薄いから」
「……ねぇ、言葉には注意した方がいいよ? この日記、知らない人だって読んでいるんだから」
「なに?! 人の日記を勝手にのぞく不埒モノがいるのか? ネット社会の恐ろしさだな」
「殴っていいかな。絞めていいかな。埋めていいかな」
「おおう。何を興奮しているのだね。――それはさておき、なかなか涼しげで良い表紙絵だね」
「作品世界でも夏だからじゃない?」
「それにしても、風見君はどうしてチョコ煙草なぞくわえているのかね」
「――え?」
「どうかしたかね」
「いや、これ、京さんだよ」
「誰だねそれは」
「ちょ、ちょ、ちょっと! 本当にこの本読んだの? まさか手で持って重さを確認しただけとかそんな事ないだろうね?!」
「はっはっはっ。ちょっとした冗談だよ。都子。美弥子ね。むろん知っているとも」
「字が違うってばっ! あ、こら。何、いまさら中身確認してるんだよぉ!」

 大変おもしろうございました。早く続きプリーズ。

07月23日

 今日も暑い。
 風呂からあがって、暑いから裸でうろうろしたり本を読んでいたりしたのだが。
 なんだな。パンツ一枚がないだけで、人間、こうも落ち着かない気分になるのか。
 心理学ではこういうのを何と呼ぶのだろうか。

■本日の読書:『鋼の錬金術師 8』荒川弘
 前の巻ではブラッドレイ大総統大暴れであったが、結局軍の実験体であったキメラ連中はひとりを除いて皆殺しのめにあう。
 ブラッドレイ大総統、鬼や、あんた。
 そしてついに! ブラッドレイ大総統の正体が明らかになる!

 なんと、彼の正体は――

 まあ、後は自分で読みたまい。(鬼ではない)

 さらに、キャラ登場。シン国(うぷぷぷ)の錬金術(錬丹術)を使う少女+パンダと、王子か何か権力者っぽい糸目の青年+護衛の仮面2人。
 友人から、エニックスの株主総会で『鋼の錬金術師』を後5年続ける予定だと株主への発表があったとか聞いたが、やー、たいへんだあな。

07月24日

 市民球場は、夏の高校野球広島予選の準決勝。
 朝早くからこの暑いのに高校生やら観客やらが球場周辺をにぎやかしている。
 それを横目にフィットネスプラザへ行くと、さすがに準決勝ともなるとちゃんと地方局でテレビ中継が始まる。
 第一試合は国泰寺対広島商業。
 広島商業はいわゆる古豪で、県内でも野球が強い学校である。
 一方の国泰寺高校はというとこれまた由緒正しい公立高校である。私の母校である舟入高校と同じいわゆる市内六校と呼ばれた学校のひとつだ。まあ、舟入は早々に姿を消したのであるが。
 なんとなくこう、なじみという事でトレーニングしながらも国泰寺を応援していたのであるが。
 ああ、負けてしまった。
 その後、病院で前に血液検査した結果をもらう。

 GOT:67→70(基準10〜40)
 GPT:126→108(基準5〜45)
 γGPT:162→128(基準16〜73)
 中性脂肪:214→141(基準50〜149)
 尿酸:10.5→7.5(基準7.0以下)

 特に大きく変化はなし。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 7〜8世紀の世界』
world_7
 この時期の世界史的な事件といえばやはり、イスラーム帝国の誕生であろう。
 ムハンマドが神の啓示を受けて活動を開始したのが610年。
 20年後にムハンマドが没した時には、盟約を結んでいたアラブ部族の離反などもあったが、これを初代カリフのアブー・バクルが討伐し、さらなる征服活動へと乗り出す。
 ササン朝ペルシアもピザンティン軍もイスラームの軍勢の敵ではなく、古代オリエントとして知られた地域はひとしくアラブ帝国に統一されるのである。
 が、まぁ、その後のウマイヤ朝、そしてアッバース朝になるとごく普通の国家であるな。
 この新興宗教と新興国を相手に東のビザンティンが苦労している頃、崩壊した西のローマ帝国のあったあたりでは封建国家が形成されていったのである。
 ちなみに、スラブ人がバルカンあたりに根をおろしたのもこの頃だそうな。
 そのころ、サハラ以南のアフリカはいつものよーに、いつもの生活をしていた。サハラを越える交易ルートもあり、北からは高い文明の産物である奢侈品などが、南からは金と奴隷が送られていた。黒人奴隷というのは堕落した白人の考案ではなかったりするのだ。
 内陸アジアではトルコ系遊牧民がかなり勢力をはっていた。ここへ進出したアラブ・イスラーム帝国と唐帝国は内陸アジアのタラス河畔で戦い、これはアラブ・イスラーム帝国の大勝となる。製紙技術もこの時に伝わったとされる。
 南アジア、インドに目を向けるとハルシャ王=戒日王による北インド統一が実現している。だが、これは王の才能に頼った帝国で彼の死後は急速に瓦解している。
 東南アジアでは、隋唐の大帝国が比較的安定していたというのもあり、インド方面と東アジア方面との間の交易路として海上交通が栄える。仏教も盛んになる。
 その隋唐の律令国家であるが、中世中国を代表するこれらの国も、8世紀中葉に勃発する安史の乱によってその性格を大いに変える。実際、この戦いの後の唐はもはや律令国家ではなく、地方分権型の藩鎮体制の社会となるのである。
 さて、その唐と結ぶ事で朝鮮半島を統一した新羅や、国内統一を果たした日本は、この大国に朝貢して優れた文物を手に入れるのである。
 そして海を越えたアメリカでは、紀元前後から武力による拡大を果たしてきたテオティワカンも、ついに700年頃に滅亡してしまう。シャドウランなどでも使われたメソアメリカの神話では、テオティワカン滅亡は神の権力争いの結果であり、勝利したトルテカ人の神、羽毛の蛇神ケツァルコアトルの時代が来たというわけである。

07月25日

 久しぶりにTGCの例会に参加する。
 新作のアリアンロッドRPGの卓がたったので、プレイヤーとして参加。
 遊ぶシナリオは上級ルールブック掲載のシナリオ『地底の王国』である。
 プレイヤーは3人だったので、PC1〜3でプレイ。
 ハンドアウトによると、

 PC1:行方不明のお父さんを捜している
 PC2:PC1のお父さんに恩がある友人と旅をしている
 PC3:神殿の監査役

 一緒にプレイしたのは、権六(仮)君と、愛媛(仮)君である。私も含めていずれも三十代。対するGMのM君は19才である。なんと、彼が生まれた頃、私は大学でD&Dをプレイしたりなんかしていたのだ。年を取るわけである。
 が、まあいずれにせよ若いM君にあまり非道な事はできない。これがトラウマになってもうRPGが遊べないなどとなってはまずいからな。

「愛媛君、キミはPC3だ」
「どうしてでしょうか」
「キミは良い人間だ。それは保証する。だがキミは合理的な人間なので、間の過程というか情緒というか、そういうものをすっとばす傾向にある」
「意味がよくわかりませんが」
「キミがPC1をプレイしたとする。行方不明のお父さんが敵としてでてきたら?」
「父親を殺します」(まるで呼吸するかのように自然に)
「キミがPC2をプレイしたとする。友人の存在が原因で世界が危機に陥ったとしたら?」
「友人を殺します」(まるで葛藤やためらいをみせずに)
「うむ。キミならそう言うと思っていたよ。――PC3をやりたまえ

 そういうわけで権六君がPC1を、私がPC2を担当した。

 プレイ後、時間があったのでM君の相談に乗る。

「モンスターを自作しているのですが。数値がこれこれで、魔法は効くが通常の攻撃は効かないという風にしたいんです」
「ふーむ。数値はともかくだな、気をつけた方がいい事がある」
「なんでしょうか?」
「こういうモンスターとの戦いには、物語上の意味を持たせておいた方が良い
「といいますと?」
「たとえばだな――このオリジナルモンスターとばったり出会ったとする。たぶん最初に攻撃するのは戦士系だ。ふつうに攻撃をして、そこで初めて物理防御が高い事が分かる」
「はい」
「さらに、魔法防御が低いかどうかは、魔法使い系が攻撃をしないと分からない」
「そうですね」
「でも、戦士系キャラクターの行動に選択の余地はない。攻撃するしかないわけで――結局、普通の戦闘となんら変わる事がない。違うのは誰がダメージを与えるか、だけだ」
「オリジナルでも、ありもんのモンスターでも、プレイヤーには同じだと?」
「それなら、別にルールブック掲載のモンスターでいいわけだ。名前だけ変えて」
「物語上の意味を持たせると違うんですか?」
「たとえば、シナリオのボス敵が古城に潜むヴァンパイアだとする」
「はい」
「こいつが魔法か魔法のかかった武器でないとダメージを受けないとしたら、最後の戦闘でいきなりそれが分かるよりは、前もって知っておいた方がいい。戦術などが違ってくるからね。そういう情報を渡すためであれば、こういう敵の存在には意味がある」
「つまりボスのヴァンパイアはこういう敵だよ、と?」
「うん。そうだな――ヴァンパイアがお姫様をさらって古城へ逃げた。退治してお姫様を救うためにPCが向かう。だが、お姫様を敬慕する若い騎士が先走って古城へ突入し、やられてしまう」
「ふむふむ」
「騎士はゴーストナイトにされ、逆にPCに襲いかかってくる。身体は半ば透けている――という演出をまずしてから、自作モンスターを出す。当然、物理攻撃はあまり効果がなく、魔法攻撃は効果があるというわけだ」
「予測できるわけですね」
「倒したら、騎士の霊魂はPCに礼を言う。そして、自分の剣がヴァンパイアに効かなかったと語るのだ」
「ふむふむ。あ、そこでPCの剣に乗り移って、このシナリオの間だけ魔法の武器扱いになる、というのは良さそうですね」
「いいぞ。それが物語上の意味がある敵というわけだ」

 いずれまた機会があれば、彼のオリジナルのシナリオに参加したいものである。

■本日の読書:『グッドラック』アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・ベス
 ircチャットでステラさんのお薦めがあって読む事になった。
 いわゆる人生訓の本で、幸運を手に入れるためにはどうすればいいか――という物語である。
 そのたとえ話として、魔法のクローバーを手に入れようとするふたりの騎士の物語が紹介されている。
 『幸運を手にするには自らそのための努力をしなければならない』というのが原則だ。
 ただ待ち続けたり、やみくもに動いてはいけない。

 自分は何を求めているのか。
 そのためには何が必要で、何が足りないのか。
 どうやれば、不足している物を補えるのか。
 方法が分からないのであれば、どうすれば、あるいは誰がそういう方法を知っているのか。

 という感じで、目的に応じて必要な手だてを講じて下準備さえ整えておけば、幸運を逃がす事はない、という話である。
 いろいろ考えさせられる話であった。

 私は何を求めているのか――

 すべてはまず、そこから来るのだろう。

07月26日

 久しぶりにサウナでマッサージをしてもらう。
 実は土曜日にトレーニングをしてから、どうも首回りがしくしくと痛んでいたのだ。
 ぎゅむぎゅむ。
 痛い痛い痛い。
 だが、終わってみると気分爽快。特に腹の中がどうも重い感じだったのがすっかりなくなっている。おそらく苦痛が内分泌系か何かそのへんを刺激したんではなかろうか。
 苦痛というのは危険信号だから、我々の肉体にはその信号をきっかけになにやら緊急用の機能が働くようになっておるのではないかというのが素人の考え。
 実際にどうかは知らない。
 それはそれとして食欲が出たので良しとしよう。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 9〜10世紀の世界』
 フランクが分裂したりヴァイキングが移動してきたりと大騒ぎのヨーロッパ。
 フランク系王様の名前が何人も掲載されているが、面白いのがふたつ名である。
“敬虔王”
“禿頭王”
“肥満王”
“単純王”
“幼童王”
 あまりプラスイメージの呼び名は少ないようである。なんでも、同じ名前の別人と区別するのに年代記なんかの作者がつけたとか。
 なお、スカンジナヴィア系もふたつ紹介してある。
“美髪王”
“長兄王”
 こちらは割合にまとも。
 この時期は、アフリカ南部にも内陸アジアのトルコにもイスラームの教えが浸透。
 中国では唐の律令制度が完全の崩壊し、藩と鎮の割拠する時代になる。その唐から教えを受けた日本でも、平将門の乱など、律令制度はやはり長続きしない。
 思えば、王がすべての土地を持ち、それを国民に等しく配分するというようなシステムが、書類の上だけならともかく現実にそううまく機能するわけがないのである。
 なおアメリカではケツァルコアトル神が順調に勢力を広げ、土着の神とも融合したりなんかしていたりする。

07月27日

 たいへん意外な事に、マジック・ザ・ギャザリングの夢をみた。
 意外なのは、もうマジックをやらなくなってかなりたつからである。
 デッキに不備があったのでせっせと直すという夢であった。
 なんか、絶対に勝たねばならない試合の前だったように思う。

■本日の読書:『ダウンビロウ・ステーション 上』C・J・チェリイ
 私はたくさんの本を読んできた。
 だから経験則ではあるが、物語の最初――30頁なり50頁なりを読んで面白くないようならその物語はおそらく最後まで面白くないだろう、と判断している。
 むろんこれには多くの例外があるし、面白さを求めない読書もある。
 ただまぁ、とっつきが悪い本はなかなか最後まで読み通す事ができないのも事実だ。おかげで私は『指輪物語』を読んでいない。あかんのだ、あの出だしが。

 さて、本棚から引っ張り出してきた『ダウンビロウ・ステーション』であるが、こいつは文句なしに面白い本である。では、最初の30頁には何が書いてあるだろうか。

●1章(p9〜23)
 この物語の背景となる世界と歴史について書いてある。
 できるだけ簡潔に、そして要点を絞って。

『ソル・ステーションが宇宙ステーションとして有益に機能し』

『やがてひっそりと、きわめて事務的に、至近距離にあるふたつの恒星に向かって、最初の無人探査船が』

『ソル・ステーションを支配する科学権力機構は』

『ソル・ステーションそれ自体の飛行するミニアチュアともいうべきもので』

『ソル・ステーションを採算の合うものにしたそのおなじ原則が、この最初の恒星ステーションを実用的なものに』

『この最初の植民地が証明したのは、いかなる恒星も人類の居住に適した惑星を持つには及ばない』

『これらステーションに所属するものたちは、これを《地球会社》と呼んだ』

『いっぽう恒星ステーションでも、自分たちを送りだしたあの活気ある、多様な世界の思い出にしがみついていた』

『そして最後にペルが発見され、この星が一個の居住可能な惑星と、生物とを所有していることが判明したのだった』

『近くの、あまりうまみのないふたつの恒星をめぐるステーションがからになって』

《会社》は混乱に陥っていた』

『さらに遠いふたつの星系にも、新しいステーションが、《地球会社》の認可を受けぬままに出現した』

《辺境》にもうひとつの惑星が存在することが』

『召喚された船は、武器を与えられた』

『各ステーションを訪れて、それらを《会社》の統制下に引き戻すという任務に』

『マーチャンターも武装するように』

『だれひとり戦争と呼ぶものはないままに。戦果は拡大して』

『やがて、この結びつきを母体として、最外縁の《辺境》反乱勢力の間に』

『この組織、自ら呼ぶところの《同盟》は』

『ソル・ステーションの《地球会社》は税の徴収をあきらめ、それに投入するはずの資金を、大規模な艦隊の建造にふりむけた』

『強大な《艦隊》も、絶対数において敵に劣るうえ、広大な宙域を』

『むろんのこと、糧道を断たれたのは《会社艦隊》であって』

『最後に残ったのは、雑多な寄せ集めだった――かつての誇り高い50隻の大艦隊のうち、わずかに15隻の宇宙母艦のみが生き残り、いまなお彼らに門戸を開いている2、3のステーションを頼りに』

『多数の惑星が存在し、いまではそのぜんぶが《同盟》の支配下に』

《会社艦隊》はただ持ちこたえているだけだった。彼らを養うのはペル以外になく』

 こうして、この物語に必要な情報はすべてオープンにされた。
 強大な《同盟》
 衰退し、迷走する《会社》
 もはや敗北は避けられぬ《艦隊》

 そして物語は、ペルに作られた《会社》に残された数少ないステーション、ペル・ステーションを中心に動き始めるのである。

●2章 第1節(p24〜30)
 《艦隊》の1隻、宇宙母艦《ノルウェイ》が崩壊したステーションからの大量の避難民を乗せた船団を護送して、ペル・ステーションへと向かう場面である。
 この場面の視点キャラクターは《ノルウェイ》艦長のシグニー・マロリーである。
 49才の彼女は地球を知らない。戦争は彼女が生まれる前から続いており、乗員はすべて現地での調達である。

《ノルウェイ》そのものも乗組員と同じだ――サルベージされたさまざまな残骸の寄せ集め』

 避難民ですし詰めになった輸送船の群れ。シグニーはステーションのセクションひとつを開け放ち、出入り口は溶接してふさげとステーションに要求する。
 数千人が住む場所を――4時間で。
 それ以上の時間はかけられない。輸送船の1隻は生命維持装置が故障し、他も許容量を超える難民で危険な状態にあるのだ。すべてを失い、餓え、自暴自棄になっている何千もの難民の群れ。

 こんな感じで、物語はスタートする。
 もう、状況は分かりやすいほどに分かっている。

 泥沼の戦い。
 トラブルの予兆。
 災難に巻き込まれたステーション。

 物語を作る人間は、その物語がどっちに向かっているのか、常にはっきりとさせておくべきだと私は思う。
 それにしても我ながら――負け戦が好きだなぁ。

07月28日

 夜、お泊まりに来た甥と姪と一緒にインディアンポーカーをやる。
 自分の強さが分からぬまま、相手の顔色を見ながらチップをかけるアレである。
 なかなか面白い。

■本日の読書:『コミック新旭日の艦隊18:黒き巨兵の森』原作:荒巻義雄/作画:飯島祐輔
 すっかりお気に入りに。
 東ヨーロッパの架空の小国。
 第二次世界大戦勃発と同時にドイツに併合された国が独立を果たす。
 そこで、特使として派遣されるのが最新鋭潜水艦『電光』のおふたり。
 そう、熱血艦長と幼なじみで財閥令嬢で縦ロールの副官である。

「というわけで。本艦はドレスを発注するために浮上します」

 登場して最初のセリフがそれかい。
 さすがだ。
 で、読者サービスのシャワーシーンとかがあった後で、ふたりはその小国にあるドイツの秘密研究所へ偵察に行く。
 そこで極秘に建造されていたのは――

 鬼神“ガルガンチュア”の名前を持つ、人型巨大ロボット兵器だった!!

 笑ってはいけない。
 いかに後世のドイツが優れた科学力を持っている(未来情報を横取りしているのでインチキに近い)とはいえ、人型巨大ロボット兵器に戦略的な意味はない。この“ガルガンチュア”の目的は、より小型の、人の代わりに戦えるロボット兵士のための制御プログラム開発が目的なのである。

 どう考えても間に合わないが。

 まあそうはいっても、きちんと人型巨大ロボット兵器らしい活躍をさせるのがこの作品の素晴らしいところで、レジスタンスに助けられて中世の城塞に隠れているふたりを“ガルガンチュア”が襲う場面とか、かなりの迫力である。

 そして、追いつめられたレジスタンスとふたりが見つけたのが、ドイツ併合前に、この国の上層部が開発していた多砲塔戦車、神獣“ベヒモス”である。

 人型巨大ロボット兵器“ガルガンチュア” vs  多砲塔戦車“ベヒモス”

 カタログスペック的には役立たず兵器同士の対決であるが、これがもう、無意味に燃える。

 “ベヒモス”がその自重で突進してのしかかり、超信地旋回で“ガルガンチュア”の片腕をもげば

 “ガルガンチュア”はもげた腕をハンマーがわりに、“ベヒモス”を殴りまくるっ!

 分かっている人が描くと、漫画はこうも面白くなるのだ。

07月29日

 今日の広島最高気温は38度6分。
 給油で入ったガソリンスタンドのお兄ちゃんがばてばてであった。
 さもありなん。

■本日の読書:『カラシニコフ』松本仁一
 朝日新聞の朝刊にわりあいと大きく掲載されていた記事をまとめて編集したもの。
 新聞掲載時にもたいへん興味深く読んでいたので、1冊にまとまったのを機会に読み直す事にした。
 アフリカでの取材経験が長い筆者が、どこに行っても目に付くアサルトライフル、AK−47カラシニコフに焦点をあてて、なぜこの銃がかくも内戦や紛争で使用され続けてきたのかを軍事や銃の素人にも分かりやすくまとめている。

●1章:11才の少女兵
 内戦が続くアフリカの町で、武装勢力に拉致され、少女兵として戦わされた少女。
 少年兵、少女兵が握っていたAK−47に焦点をあててこの銃のポイントが明らかにされる。
 整備がすごく簡単で、3週間の訓練しか受けていない子どもでも扱える。
 数週間に1度しか整備できなくても、6年間一度も故障しなかった。


●2章:設計者は語る
 大祖国戦争――第二次世界大戦の独ソ戦に一兵士として参加したカラシニコフは、母国を守るための銃に何が必要かを考える。
 従軍経験から、ソ連の兵士の質や後方支援能力が分かっているカラシニコフは、ひとつの思想の元に銃を設計した。
 丈夫で、信頼できる銃を作ろう。
 中がすかすかで、少々ゴミや火薬カスがついても動く銃を。
 スライドが重く、弾丸が変形しても誤動作しない銃を。


●3章:護衛つきの町
 東アフリカのソマリア。
 無政府状態にあるこの国で、重要なのは銃とそれが保証する暴力だ。
 この町で一番人気があるのが、AK−47だ。
 この銃は――引き金さえひけば、弾が出るから。カラシニコフの設計の優秀さは、実地において証明されている。
 また、武装勢力の主力兵器は、戦車ではない。そんな高価で整備にも維持にも手間と金がかかる武器を持てるほどに現地の勢力は裕福ではない。
 彼らは「テクニカル」と呼ばれる武装車両を持っている。
 日本製の四輪駆動車に、旧ソ連製の「デシーカ」12.7ミリ重機関銃を搭載したものだ。これが、紛争地域における最強の兵器である。

●4章:失敗した国々
 この章で、各地の紛争地帯で働いた事のある医師の喜多悦子さんはこう語る。
 失敗した国と、そうでない国を分ける明確な基準がふたつある、と。

▼「警官・兵士の給料をきちんと払えているか」
 国家が治安を維持する能力があるか。
 警官や兵士はそのための存在だ。
 もしも給料がもらえなければ、彼らは自ら金を稼ぐしかない。
 己の持つ武器を売るか、武器を使用するか、だ。
 国家のあらゆる基本は治安にあり、それを守らせるのは国によって統制された暴力に他ならないのだ。

▼「教師の給料をきちんと払っているか」
 国は人からなる。
 国の最大の資本は、あくまで人なのだ。
 その人間を育成するための教師に、給料が払えないようでは、その国家には未来はない。
 これに付随して、教科書など教育のための資材に金を使っているかも重要なポイントになる。

●5章:襲われた農場
 南アフリカ共和国。
 サハラ以南のアフリカ47ヵ国の国内総生産合計の半分を占める経済大国。
 かつて白人によって支配されたこの国を、黒人が取り戻して10年――だが、政府には汚職が蔓延し、治安の悪化はとどまることを知らない。
 自由と平等は必ずしも、良い事ばかりを生み出すわけではないのだ。

●6章:銃を抑え込む
 泥沼化した状況。
 出口はどこにもないのか。
 筆者は、ソマリランド共和国を引き合いに、銃を国家が管理できるようになるのは、決して不可能ではないと――困難ではあるが、不可能ではないのだと、
 そう信じているのか。
 そう信じたいのか。

 そして今も、全世界に1億丁ものAK−47があるという――

07月30日

 きたっ。
 ついにきたっ。

 架空請求であるっ。

 はがきは、オンラインジャパンという会社からで、調べてみるとさっそく架空請求業者として登録されているし。

 それにしても、この

 弊社で確認しました所、お客さまの場合、未だに御利用になられたサイトのログアウト〔退会手続き〕がお済みになっておりません。又、未納金や延滞金のお支払いのご説明もございますので、本書到着後、右記まで大至急お問い合わせください。

 何をどう確認したのか、いっさい説明せず、とにかく連絡しろという姿勢が実に仕事熱心である。

 万が一、お支払いや御連絡がなき場合は裁判手続き、又、金融機関の全停止処分、信用情報機関へのブラックリストとしての登録、さらに「給料差し押さえ」の内容証明をご勤務先に送付させていただきますので至急にお支払い、ご連絡をよろしくお願いいたします。

 脅す脅す。
 これだけ脅すのだから、さぞ金額もごっついのだろうと思いきや、

 ご請求金額 36,621円

 しょぼっ?!
 3万円ちょいで、金融機関のブラックリストですよ?
 同様のはがきはかなり出回っているようで、インターネットでもあちこちで報告がなされている模様。

 なお、文面の最後にはきっちり次の文言がある。

【ご注意】
弊社は最近多発している悪質な架空請求の業者ではありません。貴殿が実際にご利用になった有料番組サイトの正規の回収委託事務所です。中には心当たりが無くても一度でもサイトにアクセスすると、登録がなくても自動的に料金が加算されるシステムが多発していますので、今後ともご注意ください。


 心当たりがなくても+登録がなくても=自動的に料金が加算

 いやー、それがまかりとおるのかー。愉快すぎるぞ。

07月31日

 台風が来ている。
 雨が降る前に、ってんで午前中にフィットネスプラザに行ってウェイトトレーニングをする。
 ここは広島市民球場の裏、県立総合体育館の中にあるので、遠征で来た清原選手が身体をほぐしにやって来た事もあるそうである。
 団体さんなどもいたので、ちゃっちゃとすませるために今日は負荷をあげてみた。おかげでやや身体が痛い。だが、かれこれ2年間、週末にトレーニングを続けたおかげで、すっかり肩こりや偏頭痛がなくなっている。肩や背中の筋肉を鍛えるのは長時間座って仕事をする人間にはたいへん効果的なようだ。

■本日の読書:『光の王』ロジャー・ゼラズニィ
 一度しか読まない本もあれば、何度も読み返す本というのもある。
 この『光の王』などは何度も読み返す本の一冊である。
 最初に読んだのは、ハヤカワの海外SFノヴェルズとしてのハードカバー。市立中央図書館で借りた。1980年前後であったと思う。
 その後、1985年に文庫になった時に速攻で入手した。
 こいつは墓場まで持って行くつもりである。

 この本を一言で言えば、傑作である。
 ブラフマンやシヴァ、カーリーなどインド神話さながらの神々が登場する。
 むろん、“本物”ではない。彼らは、今は伝説となった地球(ウラート)からの移民者である。
 先住民を追い払い、植民をする時にインド神話体系を借りて一部の者(植民船の乗員ら)が自らを強化して神の属性を付与したのだ。年をとれば転生し、それを延々と繰り返して神々は植民者の中に君臨し続けた。
 その支配体制に疑問を抱いた“第一世代”のひとり、もっとも偉大な軍人であったその男は神々の支配に対抗するために、これまた古い宗教を引っ張り出す。

 かれを信ずるものたちは、かれをマハーサマートマンと呼び、神として敬った。かれ自身は、しかし、“大(マハー)”と“我(アートマン)”とを省略して、“平等なるもの(サム)”と名乗ることを好んだ。

 本書には、神話や宗教が示すファンタジックでエキゾチックな内容と、SF的なロジカルな内容とが混在している。そして、このふたつが合わさる事で一種独特の、本書ならではの諧謔が存在している。

 ひとつ例をあげよう。
 悪魔(原住民である精神生命体)の封印(電磁的な作用で)されている山の頂の扉には、次の文章が刻まれている。

“立ち去れ。ここはおまえらのくるところではない。このなかにはいろうとするものは、必ずや失敗し、同時に呪いを受けることになるだろう。かりになんらかの偶然で成功したとしても、あとで吠え面かいて、死の床の祈りでわれわれを煩わすことにならぬよう、あらかじめ警告しておく。 署名−神々−”

 そしてそれでいて、この物語はたいへん感動的である。
 サムが息子でもあるタクと別れる際の、

「達者でな……あ、ちょっと……」
「なんです?」
「なんでもない。ほんの一瞬、あんたのしぐさのなにかが、むかし知っていただれかを思い出させたんだ。たいしたことじゃないよ。じゃ元気で!」


 あるいは、愛する人を最後の戦いで失った死の神ヤマが、脳に障害がある娘を一所懸命に育てている場面。

「あんたに娘があるとは知らなかった」
「知恵遅れなんだ。脳に障害があってね……」
「先天的なものかね? それとも転生の影響?」クベラはたずねた。
「転生の影響だ」
「なるほど」
「わしの娘だ。ムルガーだ」ヤマはくりかえした。


 サムも、ヤマも、最後にはひっそりと退場する。
 彼らがどうなったのかは、誰も知らない。
 それでも彼らの残した物は、確かに存在するのだ。神の力による永劫でも、転生による永遠でもなく。それでいて、しっかりと。

 ちょうど鬱金の衣を着た僧たちが、いまなお〈光の道〉について瞑想し、ムルガーと呼ばれる娘が〈神殿〉に日参して、社のなかの暗いまなこをした神の前に、かれの受け取る唯一の供物、花をそなえるのとおなじように。

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この日記は簡単ホームページ日記で作成されました。