06月01日

 仕事だ仕事だ。

■本日の読書:『祖父たちの戦争』マレイ・ラインスター
 メドシップ(医療船)シリーズの1巻である。
 なぜか手元には2巻までしかない。はて3巻はどこにやった。
 主人公のカルフーンは星間医療局員である。彼の仕事は宇宙に散らばった人類の植民惑星を巡り、医療の手助けをする事だ。
 彼が乗り込むメドシップは大きさ50t。乗員は1名。数ヶ月かかる事もある旅の孤独をなぐさめてくれるのは宇宙生物トーマルだけ。

 これが書かれたのは1960年代。昭和30年〜40年の頃である。宇宙SFといってもキャプテン・フューチャーやレンズマンのようなヒーローが活躍する時代ではすでにない。かといって、後のノウンスペースシリーズやデュマレストサーガに代表されるような個人主義者の物語でもない。
 カルフーンは光瀬龍の未来史などに登場するような、組織の一員でありながら個人として行動する男のひとりなのだ。

 医療局員であるから、彼は広い意味での医者である。孤独で退屈な任務を黙々とこなすカルフーンの原動力となっているのは何か。
 2巻の『惑星封鎖命令』のあるエピソードでの彼の言葉を引用しよう。

「人間が星間旅行を発明せざるをえないようにしたのは、われわれ医者なんだ」

「われわれが人間を死から守ろうとした結果、過去の地球で人口が増えすぎてしまったからだ。その後も引きつづき、われわれが人間を死なせなかったから、ひとつの太陽系では足りなくなって、星間旅行が欠かせないものになった。

現存する文明の十分の九にたいして、われわれは責任を負っている。というのは、それが必要となる条件をつくりだしたのは、ほかならぬわれわれだからだ!
だから、この惑星で文明が落ち目になり、死ななくてもいいのに人命が失われるようになっている以上、それを食い止める明白な義務がわたしにはある!

さあ、おたくのニンと彼女の恋人を捜しにいこう。そして、かれらを死から守ってやり、文明を再興しようじゃないか!」


 そうだ。
 彼もまた、立派なヒーローなのだ。

06月02日

 梅雨になったというのに良い天気である。

■本日の読書:『ハニハニハッ! 1』がぁさん
 がぁさんは、だーいぶ昔にエロ漫画も描かれていた。
 その頃からけっこうこの人の作品は好きだったりする。
 ……実用性という意味では皆無であったのだが。

 この作品は『宇宙の孤児』パターンの物語となっている。つまり、宇宙船が遭難してから長い年月が経過し、文明は崩壊してというおきまりのアレだ。
 宇宙船NOAHが漂流をはじめて1000年。
 漂流時の乗員の最後のひとりが時間凍結から目覚めるところから物語は始まる。

 1000年前――
 戦争により、地球は消失した。というか吹っ飛んだ。その時のあおりをくらって、月は半壊。豪華客船NOAHは、月の引力を利用して軌道変更することで、地球の消失によって外宇宙に放り出されるという危機から免れた。
 地球が元に戻るまで1000年。(たぶん時間凍結技術と関係があると思われ)
 それまで、NOAHの機能と文明を維持する事ができれば――
 乗員は残留組と凍結組に分かれた。だが、500年後に凍結組の一部が目覚めた時にはすでにNOAHの住民は文明も何もかも失っていた。住民の再教育のために次々と凍結した乗員は目覚めさせられ、ようやく石器文明レベルまでたどりついたが、それが限界だった。
 そして1000年目がやってきた。

 設定はむちゃくちゃシリアスであるが、作品はいつものがぁさんのノリである。つまり、どこかほのぼのとしているのだ。それは救世主(主人公)の第50代の“生け贄”である少女ハニハニの前向きで明るい心根にあるだろう。
 破壊された施設。
 失われた機能。
 原始人になってしまった人々。
 どこにも希望は見えず、ホログラム人格となった主人公の友(本人は500年前に死亡)はもう何もかもこのままにしてしまえと言う。

「NOAHはもう動けない! 地球はもう帰ってこない! そもそもこいつらを地球へ連れて行くことになんの意味がある!」

「すまん……」

「?」

「すまんクリストフ……みんな……辛い仕事を押しつけちまって……
 でも……安心しろクリストフ!!
 NOAHはまだ動く!!
 そりゃバランス取りは少々やっかいだろうが……機関長の俺がいうんだ! 間違いない!
 地球だって必ず帰ってくる! 君達ががんばってくれたおかげで……村人達はバイタリティにあふれている! 好都合じゃないか! きっと地球の過酷な環境の中でも生き抜いてくれるさ! それに……」


「分かったでしょクリストフ……
 なぜみんなが……
 最後のひとりとして彼を選んだのか」


 さてもさても。
 続きが楽しみな作品である。

06月03日

 ほけほけ。

 ちょっと調べ物をしていて『歴史群像 No.26』を開く。
 特集で南北戦争の記事が幾つも掲載されていたのであるが、この南北戦争というのは日本の(あるいは中国でも良いが)南北朝時代とはちょっと違う。

 つうか全然関係ないし。

 南北戦争というのは1861年〜1865年にあったアメリカの北部諸州と南部連合との間に発生した内戦である。日本ではちょうど幕末にあたる。
 この内戦は62万人以上の死者をだし、特に戦場となりインフラを破壊された南部諸州に長く残る傷跡を残した。第二次世界大戦におけるアメリカの死者が5万5千人であった事や当時の人口が3100万人であった事を考えると、アメリカ史上最大の被害を出した戦争と言う事ができる。

 でまあ。

 日本で信長の野望のように戦国時代を扱ったゲームがたくさんあるように、アメリカにはこの南北戦争を扱ったゲームがこれまたたくさんある。私もコンピュータ・ゲームはプレイした事はないがボードのウォーゲームなら幾つかプレイした事があるし、雑誌でゲーム付き同人誌が売られているという記事を読んだ事もある
 とはいえ、さほど詳しいわけではないので記事をいくつか拾い読む。
 するとだ。

「この橋だけは、南部人に渡すわけにはいかんのだ。たとえ全員が屍となろうとも、このアンブローズ・バーンサイド、退きはせぬぞ!

 ……どこの三国志の武将ですかあんた。

「全員、騎乗! このまま敵の前面に移動次第下馬して、散兵線を組め。増援が来るまではなんとしても踏ん張りとおせ!」

 うお、竜騎兵。

「リー閣下は血迷われたか。敵陣との間に広がる1マイルの平地を、隊列を組んだ歩兵横隊が突破できると本気でお考えか!」

 でもってクライマックスでは。

「怯むな! 敵陣は目の前だ。間隔を詰めろ、密集隊形で俺に続け!」
 雄叫びをあげた突撃隊長、ルイス・アーミテッジ准将は、血にぬかるむ大地を踏み轟かして、最後の10メートルを駆け抜けた。
 抜きはなったサーベルは、燦として血光を反射する。そこには南部の誇りをかけた軍帽が、高々と刺し貫かれていた。
 その絶叫に後押しされたかのように、150人足らずの兵士が銃剣をかざして防衛線に躍り込んだ。しかし、そこに待っていたものは、

 ――圧倒的な数の、銃口。

 集中射撃を浴びたアーミテッジが、血の虹を振りまいて倒れ伏す。突入した兵士のことごとくが撃ち倒され、南軍の攻撃は、完全に撃退された。


 ……うわぁ。なんでしょうか、このむやみに熱い文章は。つうか読み物だったのか。こりは。
 で、記事の筆者を確認したところ、上記の熱いのは全部、中里融司さんでしたよ。
 納得。

06月04日

【問い】以下の4つのセリフはある小説の登場人物の物である。この登場人物の名前をあてよ。

1.「おえええええええっ!」
2.「くいいいいいいいっ!」
3.「あやあああああああっ……」
4.「くえええええええええっ!」


答え(下の行を反転):
 宮本武蔵
 『大帝の剣』(夢枕獏)より。
 それぞれセリフは以下の場面。
1.対吉岡清十郎戦での雄叫び。
2.対吉岡伝七郎戦での気合い。
3.一乗松の戦いでの“怪鳥の”雄叫び
4.巌流島、佐々木小次郎との戦いでの雄叫び。


 愉快とゆーか、なんとゆーか。

06月05日

 気象庁が梅雨入り宣言をしてからというもの、好天気が続く。
 水不足を解消するためにも一刻も早い梅雨明け宣言が待たれる。
 ところで、広島はこの週末が“とうかさん”の祭りである。
 “とうかさん”は、広島市中心部にある稲荷大明神の祭りだ。『いなりだいみょうじん』ではなく『とうかだいみょうじん』と読む。
 “とうかさん”は広島では由緒ある祭だ。浴衣の着始めであり、夕方にもなると浴衣姿の善男善女が多く見られる。
 この祭りが過ぎると、もう夏である。

■本日の読書:『ファースト・レンズマン』E.E.スミス
 こないだ『三惑星連合』を読んだので、時系列的にその続きである本作を久しぶりに読み直してみる。
 タイトルからも想像できるように、最初のレンズマン、ヴァージル・サムズの物語である。彼は成人した娘がいる、年輩のレンズマンであるがレンズマンの常として正体を隠して敵組織に潜入し、情報を集める点は変わっていない
 キムボール・キニスンが活躍するシリーズが、ガジェットてんこもりの派手な作品であるのに対し、その後に執筆された本書は丁寧なプロットで書かれた秀作となっている。むしろ小説としては外伝の方が優れていると言えるだろう。
 私的には後これで、悪党を毒ガスで殺戮するシーンがあれば言う事はないのだが。

 今回読んだのは新訳版で、堺三保さんの解説がついている。そこで80年代のアニメ版レンズマンの話が載っていた。

 1984年 劇場用長編アニメ『SF新世紀レンズマン』
 1984〜5年 TVアニメ『GALACTICA PATROL レンズマン LENSMAN』

 おお、20年前だ。劇場には見に行った覚えがないが、TVでは見た覚えがある。オープニングのテロップで『原作:E.E.“ドック”スミス』と出たのにはちょっと感動した。
 ただ、内容はまるっきり覚えていない。どうもあまり良い出来ではなかったのではないかと思うのだが、20年も前のアニメとなるとよほど印象的な場面でもない限り、記憶から抜けていても不思議ではあるまい。
 実際こー、幼年期に遡ってみると記憶にある場面といえば。

『ウルトラQ』:バルンガ
 前半はごっそり記憶から抜けている。最後に博士が手にした風船を放し、その風船の動きに合わせるようにしてバルンガが空へ上がっていく場面と、
「もしかしたら、そこにあるのはバルンガかも知れません」というとてつもなくシュールなナレーションである。
 現実が崩れていくようなノリがたまらん。

『戦え! マイティジャック』:マイティ号を取り返せ!
 これまた前後はまったく記憶にない。あるのは敵に奪われたマイティ号を自らの手で撃破するために戦闘機に乗った隊員の「一発ですませてやろうぜ(概略)」というセリフである。あのもの悲しい口調は今も頭に残っている。

 こんな具合で、毒にも薬にもならないシーンなどはどんどんデリートである。
 アニメ版レンズマンと同時期のアニメで覚えている物はというと、あれだ。

『うる星やつら』:面堂家サマークリスマス

 これぐらいだなー。あれは腹がよじれるかというほど笑い転げた。

06月06日

 空梅雨などと言っていると気象庁の呪いか、雨になる。
 フィットネスプラザで体重と体脂肪を測定する。

  前回(5/2)      今回
 ・身長166cm     ・同じ
 ・体重72.0kg    ・71.1kg
 ・脂肪率24.4%    ・24.7%
 ・脂肪量17.6kg   ・17.6kg
 ・標準体重60.6kg  ・同じ
 ・肥満度18.8%    ・17.3%

 ダイエットは地道に効果をあげている。別に食べないわけではないのだが、やはりカロリーを制限し、筋肉をつけて基礎代謝を上げているのが良いのだろう。
 ちなみに去年からの変遷はこんな感じである。

■本日の読書:『朝日百科世界の歴史 紀元前の世界2』
 紀元前1500年〜紀元前500年頃まで。
 タイムスパンが大きいので、国や民族が興隆したかと思うとすぐに消え去るようなイメージがある。
 諸行無常だ。

 本誌は週刊誌として刊行されたので、裏表紙には内容とは関係ないコラムとかがある。で、本号の『ペイパーバック革命』というのはなかなかに面白いので紹介しよう。

 1935年に創刊した最初のペイパーバック、ペンギン・ブックス誕生のエピソードである。列車の旅で手持ちぶさたなので本を買おうと本屋に行ったらいい本がなかった、というのがそのきっかけだという。

「ならば、そういう本を作ればいいではないか」

 で、定価=たばこ10本=6ペンスと決まった。たばこと比較している点が本の方向性を示していて面白い。

 最後にペンギン・ブックスのささやかな口上が引用されている。

 英国で年間1100万部のペンギンが売れるということは、イギリス人の5人に1人が、たった1冊のペンギンを買うにすぎないことを示しています。
 ペンギンは限定版です。
 本を読みたいという人のための限定版なのです。

06月07日

 うお、むしむしと蒸し暑い。
 雨も降るが気温はあまり下がらず。かえって不快指数が上がる。

■北海道旅行
 何かアクシデントがないかぎり、来週の6月15〜18日は、3泊4日で北海道旅行である。
 北海道のどこかというと利尻礼文である。
 まず稚内まで行き、翌朝フェリーで礼文島へ。てこてことウォーキング。
 でもってさらにフェリーで利尻島へ。ここもてこてこと歩いて回る。
 最後は道北の豊富温泉で湯治をして帰る予定である。

06月08日

 じめじめ。

■第三帝国興亡記:ソ連侵攻1942
 1941〜2年のソ連軍冬季攻勢をしのぎきり、1942年の春を迎えたドイツ軍。だがその戦力は十分とは言えなかった。

「4号F2はようやく生産開始です。まとまった数が配備できるのは早くても夏以降になります」
「そうすると主力は3号後期型――60口径50ミリ戦車砲搭載タイプか。最大装甲厚も50ミリしかない。こりゃT34/85が出てくる前に叩かないとなぁ」
「何しろ、相手は51.6口径85ミリ戦車砲に、最大90ミリの傾斜装甲ですからね。スペックが段違いです」
「いやまあそれを言うと、今のT34/76でも十分脅威なんだが。まともにくらうと大損害だ」

 さて、このへんでヨーロッパの戦況を簡単に説明しよう。
第三帝国興亡記1
 ポーランド侵攻により始まった第二次世界大戦は、

1939年
 ウェーゼル演習:デンマーク&ノルウェー侵攻

1940年
 「黄色」作戦:ベネルクス3国、フランス侵攻

 「アシカ」作戦:イギリス侵攻

1941年
 北西アフリカ制圧、ユーゴスラビア、ギリシア侵攻

 を経て、ついに1941年10月、ソ連の宣戦布告により独ソ戦が始まる。
 ドラッヘ・アイン(1号戦車火炎放射型)の活躍によりこの攻勢を乗り切ったドイツ軍は、1942年4月、雪解けと共にソ連領に侵攻する。「青(ブラウ)」作戦である。
第三帝国興亡記2
 主攻軸は3つ。
 北方のロンメル装甲軍団(6個師団)がバルト三国を経て、レニングラードへ進撃。
 南方のグデーリアン装甲軍団(6個師団)がルーマニアから出撃しキエフへ進撃。
 そして、中央のマンシュタイン装甲軍団(9個師団)が東ポーランドを抜け、ミンスクを突破し、モスクワを目指す。

 最大の激戦となったのはやはりソ連の首都のモスクワだった。
 モスクワそのものは比較的簡単に陥落したのだが、すぐさまソ連軍の反撃が始まったのだ。モスクワは4波にわたる波状攻撃にさらされ、一時はモスクワ撤退もやむなしという意見も出た。
 だが、ここで大活躍したのがドイツ軍きっての名将マンシュタインであった。砂糖にたかる蟻のごとく、モスクワへ引き寄せられていくソ連軍を次々に各個撃破していく。
 むろん、損害も大きく一時は半分以下の4個師団にまで戦力は減少した。しかし、戦線が安定している南方のグデーリアン装甲軍団からの増援もあり、マンシュタインはよく戦線を維持した。

 そしてマンシュタインが一手にソ連軍を引き受けている間に、快速をもってなるロンメル装甲軍団は北方から時計回りに旋回。東カレリア地方、北ウラルをぬけ、中央ウラルのカザフへと進撃したのだ。

「意外とうまくいってますね」
「まあ、前回の失敗があるからな。徹底した集中生産だから兵器が不足する事もないし、1941年におとなしくしてたから石油の備蓄もたんまりある」
「今回はルーマニアを併合できたのが大きいですな」
「うむ。それとドラッヘ・アインのおかげで歩兵があまり消耗していないおかげでもある」
「歩兵が?」
「前回はソ連の1941年冬季侵攻で歩兵が壊滅したからな。動員(生産)のために余剰生産(食料)が激減して、スウェーデンから鉄鋼輸入どころの騒ぎじゃなかった」
「ですがもう秋です。今年はここまででしょう。来年はT34/85が出ますし、いよいよアメリカが海を渡ってきますよ」
「だよなー。今生産を開始している4号戦車中期型(F2、G)がはたしてどれだけ使い物になるか……うーん。隠し球のひとつも用意しておくかね……」

06月09日

 週に何度か静脈にぶっすりと針を刺して強力ネオミノファーゲンCを注入している。それで思うのが血管の壁というのは意外とふさがり易いものなのだなぁ、という事で。何しろ穴を開けてもちょっと押さえているだけで止血されるのだ。
 むろん、そうでないご先祖様は淘汰されたのであろう。おそらくまだ海にいた頃。

■過去の読書:『ゆらゆらと揺れる海の彼方 2』近藤信義
 ファンタジー戦記物の2巻である。
 実はだいぶ前に読んでいた事を今思い出した。そのぐらい印象が薄い
 しかも内容を確かめようにもすでに本は処分してしまった後である。
 処分といっても最近は資源ゴミ直行というのは少なくなっている。何しろ月に1回しか資源ゴミの日はない。だから友人と会った時に贈呈するのだ。

 この日記を読んでいる友人知人も、もし本が欲しかったら我が家まで来るように。差し入れはいらんが、愉快な話を聞かせてくれるとうれしい。

 そういうわけなので、記憶に頼って感想を書こう。

 この巻の半分以上は主人公の国と敵対する帝国の皇帝陛下の顔見せである。
 どういう皇帝かというと、あれだ。中国の劉邦(漢)のような、あるいは朱元璋(明)のような民兵あがりの皇帝である。魅力的で見識のあるひとかどの人物のように描写されており、その点に関しては私も文句はない。

 文句があるのはこやつの戦術なのだが、1巻で作者の力量は露呈しているのでいまさらくだくだと文句をつけるつもりはない。大丈夫。グイン・サーガだって辺境編など戦争とい点ではとんでもない展開だったが文句なしに傑作である。ようはドラマとして面白いかどうかが重要なのだ。

 ……言っておくが、あくまで『辺境編』だけだからなっ?!

 話をゆらゆらに戻そう。
 これから先、この皇帝率いる帝国と圧倒的な国力・兵力の差の元で戦う事になるらしいというところでこの巻は終わっている。話の展開はスムーズで、その一点においてのみ、同じ戦記物の様相を呈してきた『空ノ鐘の響く惑星で』を上回っている

 私としては今後は戦争の描写であまりぐだぐだと理屈をのべずに、肝になる部分でジュラが登場して「殺(シャア)ッ!」とか言って、敵将と一騎打ちして討ち取ればそれだけで良いと思う。

 で、その間に帝国側の人間ドラマが進展して、病弱な皇妃を軸にした陰謀が皇帝の心身を摩耗させてゆき、やがては致命的な破局が――という展開でよろしかろうと。
 どうせ、正面からは勝てないんだし。

 ああそういや、ヒロインの出自の謎があったな。どうせたいしたものではないのだろうから、下手に出し惜しみせずにさっさと公開する事を強く希望する。

06月10日

 前の血液検査で尿酸値が高かった。
 尿酸:10.5(基準7.0以下)
 酒を飲むのを控えよう……って飲んでないじゃんっ!

■本日の読書:『エレニア記1 ダイアモンドの玉座(上・下)』デイヴィッド・エディングス
 ベルガリアード物語のデイヴィッド・エディングスである。個人的な見解としては、ハリー・ポッターや時の車輪シリーズよりもよほどファンタジー小説として優れていると思うのだが日本での知名度はさほどでもないようである。ま、この人の場合いらん続編を書く(ベルガリアード>マロリオン、エレニア>タムール)ので、そのあたりマイナス要素ではあるのだが。
 とにかく魅力的なキャラクターと、テンポの良い展開、王道を驀進するストーリー、随所に見られる諧謔と、私の好きな物が満載しているのである。私は古橋秀之や成田良悟の作品が大好きだが、ああいうのが自分でも書けるとは思わない。方向性が違うのである。だがエディングスであれば、研鑽を積めばあるいは到達できるやも知れぬ。遙か遠くであっても道は続いていると思うからである。ほら、あそこに見えるではないか……

 蜃気楼っていうな。(#゚Д゚)

 1巻、各キャラクターの登場シーンをいくつか紹介してみよう。

スパーホーク
 主人公、騎士。女王(18才)の守護者。

(闇にひそむ追いはぎに対し)
「お付き合いしてやってもいいんだが、今夜はもう遅いし、軽く遊びたい気分でもないんでな、隣人(ネイバー)。狙うなら酔っぱらった若い貴族か誰かにして、明日もまた盗みが働けるように、ここは命を大切にしたらどうだ」

ファラン
 スパーホークの愛馬。

「起きるんだ、ファラン」
 スパーホークは馬に声をかけた。
 ファランは目を開け、不満そうな冷たい視線を騎士に向けた。
「この騎士殿についていけ。噛んだり、蹴ったり、尻で厩の壁に押しつけたりするんじゃないぞ――足を踏むのもなしだ」
 大きな葦毛は両耳をちょっと後ろに倒し、ため息をついた。

クリク
 スパーホークの従者。

 クリクはまたうなり声を上げ、主人の痩せた身体に批判的な目を向けた。
「まともな食事をしてませんね」
「母親みたいなことを言うなよ」
(大剣が置いてある)
「出発前に油を引いておくのを忘れたでしょう」クリクが非難がましく言った。「錆を落とすのに一週間もかかったんですよ。足を出してください」
 従士は身をかがめると、まず片方の乗馬ブーツを、次いでもう片方を脱がせた。
「どうしていつも泥の中を歩くんです」
(以下、しばしお説教が続き)
「何をかりかりしてるんだ、クリク」
「怒ってるんですよ。死ぬほど心配したんですからね。十年も姿をくらましていて、たまに便りがあったかと思えば、悪い知らせばかりなんですから」
 無骨な男の目にふと柔らかい光が宿り、クリクは軟弱な男なら膝をついてしまいそうな乱暴さで、スパーホークの両肩をつかんだ。
「ようこそお帰りなさい」

カルテン
 スパーホークの親友。騎士。

「娼婦と話すのが趣味でね」
 カルテンが言った。
「ああいう女は気取らない。割り切った人生観を持っている」
「教会騎士の趣味としては妙だな」
「おれは戦士として神に雇われてるんだ。修道士になったわけじゃない。命令があればいつだって戦うが、それ以外は自由時間さ」

アラス
 別の騎士団の騎士。でかい。

「少し前の騎士団長で、ほかの騎士団と同じように甲冑を着用するべきだと考えたのがいた――見栄えがすると言って。われわれは鎖帷子を着たブラザーのひとりをエムサットの港に投げ込んだ。その男は鎖帷子を脱いで、一分ほどで浮かび上がってきた。次に甲冑を着けた騎士団長を海に投げ込むと、こっちは浮かんでこなかった。きっと海の底で面白いものでも見つけたんだろう」

 彼らは上の印象から得られるキャラクターそのまんまであると考えていただいてよろしい。他のキャラクターも、敵も味方もそろってこんな具合であるから読んでいてたいへん分かりやすい。

06月11日

 台風が来る。
 が、四国方面なのでこちらはそこそこの雨のみ。
 でも梅雨っぽくてよいかも。

■第三帝国興亡記:東部戦線異変

 1942年10月末。
「総統! ではなく陸軍総司令官! ロンメル将軍から電子メールです!」
「まさかまた補給が切れたとかそういうんじゃないだろうな」
「可能性はあります。はるか中央ウラルまで進撃していますからね」
「ふむふむ…………ほえ?」
「どうしました。まさかまたイタリア軍を飢え死にさせて補給を浮かせたとかそういうんじゃないでしょうね」
『アフリカン・ギャンビット』(注)じゃねーんだから。いや、それがだな。ソ連が降伏しおった
「はぁっ?!」

 これは予想外であった。確かにレニングラード、モスクワ、キエフを陥落せしめたとはいえ、まだスターリングラードも残っていればコーカサスの油田地帯も、そして中近東を経由したアメリカのレンド・リースもある。
 理論上はまだまだ戦える……はずではあったが。

「報告によると、スターリンは失脚――おそらくは処刑されたのだろうて」
「ロンメル将軍の攻撃でウラルに疎開した工場も奪われたわけですし。モスクワ奪還作戦では都合ひのふの……200万近い兵力を失っています。考えてみれば今まで降伏しなかったのが不思議なくらいです」
「いやーしかし。……どうしようかねぇ?」
「なんか勝ったも同然ですな」

 もはや残るは大西洋の向こうのアメリカだけである。そのアメリカにしてもまさかここまで劣勢に追い込まれてまで戦争を続けるつもりはないだろう。
 と、思ったのだが……

「考えてみればこのゲームのマップにアメリカ大陸はない」
「あってもいけませんよ。制海権はどうするんです。輸送船は」
「イギリスのほれ、確か戦艦ウォースパイトを鹵獲しているだろう」
「んなもん、ただの旧式戦艦です」
「イタリア海軍は?」
「本気ですか?」
「ごめん」

 そもそも私は陸軍総司令官で、使える海軍のユニットなどひとつもないのだ。

「かといって、核兵器を開発できるわけでもA10(V2号)を製造できるわけでもないし……こりゃ困ったな」

 いきなりする事がなくなったのである。

「えーと、とりあえず新型兵器(陸のみ)の開発と、整備だ。前線の師団を呼び戻して装備を更新しよう。長々と3号戦車後期型でがんばってもらったからな」

 こうして1942年は暮れ、1943年になった。

「4号戦車後期型が開発可能になりましたよ」
「ああじゃあそれも……って、4号戦車中期型はろくに使いもせずに旧式かよ」

 そして……なんと、1943年も終わってしまった。

「ひまだ……」
「そういや、北アフリカに1個師団だけ38(t)戦車を装備してるのがありますが」
「まだそんなのがあったのか。解散だ解散、かわりにえーと、モーデルの装甲軍団を送っておけ」
「了解です」

 ところがである。
 部隊のローテーションの隙間をぬって、いきなり北西アフリカにパットン将軍率いるアメリカ軍が上陸したのだ。モーデルは南フランスで足止めである。地中海はアメリカの空母やら戦艦やらで埋まっていてとても海を渡れる状況にはなかった。

 アメリカは、自由主義の最後の砦は、まだ諦めていなかったのだ。
 さらに間髪を入れず、アメリカ軍はシシリー島にも上陸する。

「……やる気満々だなぁ」
「イタリアに援軍は?」
「あかん、同盟国エリアには進入不可だ。イタリア軍の健闘を祈るしかない」
「……」
「…………」
「……………………」
「………………………………」
「オーストリア方面にも部隊を展開させておきます」
「頼む」

 こうして波乱の1944年が幕を開けたのだ。

注:今は亡きアド・テクノスのウォーゲーム。この会社は『レッドサン・ブラッククロス』を出した事で一部で有名である。補給に着目した北アフリカ戦役キャンペーンで、しばしばロンメル・プレイヤーはイタリア軍歩兵師団を飢え死にさせて補給をドイツ軍に回した。

06月12日

 フィットネスプラザで汗をかき、薬湯サウナへ行ってさらに大汗をかく。

 おかげで塩分が足りなくなる。塩、塩をよこせ。

 塩分補給にカレーを食す。台風にカレーはよく似合う。

■本日の読書:『5001年 ヤクザ・ウォーズ』石川賢/原作・高円寺博
 昭和54年(1979年)の本。スター・ウォーズ(IVだ)の日本での劇場公開が1978年であるからして、このタイトルはつまりはそういう事である。ちなみに頭の5001年というのはむろんのこと2001年宇宙の旅からで、これまたたいへん頭が悪い。
 このタイトルとまだ若かりし石川賢の漫画というこのふたつをもってして、だいたい内容は諸兄のご賢察の通りだと思う。

 つまり、とてつもなくバカバカしい。

 漫画はいきなり宇宙船が宇宙船を追撃している場面(むろん構図はスター・ウォーズ冒頭のあれだ)から始まる。
 ここで追われている方の宇宙船の乗員の最初のセリフをご紹介しよう。

「関東異次元一家の殴り込みじゃあ!」

 私はこれでご飯三杯は行けます。
 話は未来で、舞台は宇宙で、乗り物は宇宙船を使っているとはいえ、しょせんは極道のやる事なので随所にどうしよーもないシチュエーションがある。
 いきなり最初の追撃シーンの5ページ目を見てみよう。

「北斗の、見えてきたぜ」(目がサイボーグ)
「細胞具の叔父貴、何が見えてきたんだい」
「ふふふ。そうか、おめえたちの目にゃまだ早かったかい。レーダースクリーンを見てみろや」
「おい。レーダーを写せや」
「へい」(ぽちっとな)

 最初からつけとけぇぇぇぇっ!!!!

 73p。画像通信機を使って話をしながら。

「おめえら、ちょいと耳を貸せや」(ちょいちょいと人差し指を動かす)
「へい」(ディスプレイに耳を近づける)

 意味ねえぇぇぇぇっ!!!!

 そして締めくくりはなんといっても、本作でもっとも有名なあのシーンだろう。

 要塞化した家屋にいる敵の大親分の命(たま)を取るため、北斗が生体ワープを行なうのだ!

 ようは異次元に穴を開けて大親分の寝所(畳に布団がしいてある)に単身乗り込み、電磁ドスでぶっすりやって再び戻ってこようという作戦である。
 十人中九人が死亡、残ったひとりも廃人になるというこの危険な生体ワープを、北斗の源二は啖呵をきって敢行するのであるが――

 ここで、ふと正気に戻ってみれば子どもでも分かる話だが――

 んな便利な異次元通路が開くなら、人間を送らずとも爆弾を放り込めばすむのである。
 原理的にはペリー・ローダンにおけるトランスフォーム砲だ。
 しかしむろんのことこの漫画を読む人間にそのような正気は1ミリグラムも必要ではない。そういうツッコミはツッコミとしておいておいて(それもまたSFファンとしての正しい姿勢であるから)、脳の残りの部分で緊張感抜群のこの場面を心ゆくまで楽しめば良いのである。

 なお、この場面のパロディが後に吾妻ひでおの『不条理日記』で使われたがこれもまた無意味に愉快であった。(転生編の原稿を届けるの回。いや、インターネットって便利だよなぁ)

06月13日

 なんとゆーこともない一日。

■本日の読書:『魔界転生 上下』原作/山田風太郎 漫画/石川賢
 石川賢の棚をあさったのでついでに。
 それにしても山田風太郎と石川賢はよく似合う。
 原作なんぞほっぽいて全然別物になってしまうのだが。
 内容は、島原の乱の後、“魔界転生”の秘儀によって蘇った天草四郎を始めとする魔界衆と、柳生十兵衛(ラブリー眼帯はしていない)の死闘だ。
 どのキャラも目玉ぐるぐるで、いい感じである。
 なにしろ人外魔境の戦いであるからして、ふつうに刀が使える程度の柳生十人衆など戦いに参加させてすらもらえない。
 また、十兵衛も相手が魔界衆となると刀ではろくすっぽ戦いにならない。いろいろと仕掛けや仕込みを使っての戦いになる。結局戦いとはパワーなのだという事がよくわかる。

 原作物といえば、今注目しているのが原作/夢枕獏、漫画/伊藤勢の「荒野に獣 慟哭す」であるが、あれもきっと原作とはほど遠い、だが面白いシロモノに仕上がっているだろうと期待だ。

06月14日

 明日から三泊四日で北海道旅行である。
 荷造り荷造り。

06月15日

 北海道旅行初日である。
 今回は、いわゆるパッケージツアーで、読売旅行の

『あこがれの礼文島たっぷりフラワーハイキングと利尻島満喫4日間』

 というコースである。
 むろん、桜と梅の見分けも付かない私が選んだわけではない。今回は母への親孝行としての旅行のプレゼントである。孝行したい時には親はなし、というが、すでに父は7年前に他界している。今のところ母は元気であるが、まあ元気な時に孝行するのが子の道であろう。
 で、何年も前から礼文島で花を見たいと母が言っていたので今回の旅をお膳立てしたわけである。
 まず1日目の目標は稚内である。1日1便の広島>札幌の飛行機に乗り、そこからバスで6時間。バス会社は拓殖バス。拓殖銀行はなくとも拓殖バスはある。
 そしてなんとバスにはバスガイドがセットでついてくるのだ。バスガイドがいる旅行をしたのは高校の修学旅行以来であるから20年ぶりである。いやあ、バスガイドってよくしゃべる仕事だなー。
 バスは千歳空港から一路北へ。ひたすら何もない北の大地を爆走し続ける。
 日本海へ沈む赤い夕日をおがみ、さらに北へ。
 稚内に到着したのは夜の9時であった。
 今宵の宿はホテル勝見屋。夕食はタコしゃぶである。タコしゃぶは素早く湯からだして食う。固くなるから。
 なお、カニが一緒に出たが足の太さが手首ほどもある巨大な物であった。

06月16日

 北海道旅行2日目。今日は礼文島である。
 いきなり5時起床。眠い目をこすりながら稚内港へ。
 稚内港の風浪よけを支える柱は、どういうわけかギリシアとかローマとかのあの柱を模してある。縁日にはこの下で屋台が並ぶそうな。
 フェリーに乗船。なんと今日は8団体客が礼文島へ行くとの事。フェリーの中はぎゅうぎゅうづめである。
 礼文島は花の島と呼ばれているそうであるが、確かに花があちこちに咲いている。今回のツアーは“フラワーハイキング”を謳っているので、なんとここで花専門のガイドが合流する。島をトレッキングしながらガイドが花の紹介や説明をするというのである。
 スコトン岬までバスで行き、そこからてくてくとフラワーガイドに先導されてゴロタ岬へと向かう。引退したとはいえ、大学時代は山登りをしていたので私は3時間4時間のトレッキングなどどうという事はない。だが私なら20分で踏破する道程を、

「この花は〜」
「こちらは〜」

 などと寄り道をしつつ、かつ写真をとりつつ団体(しかも40人いる)でうろうろするのは思いのほか、精神的に疲れるものだと分かる。
 フラワーガイドさんは熱心に説明してくれるが私はチューリップとバラの区別もつかない人間なので、聞いた花は色で分類した。礼文島には黄色と白が多く、赤や紫がそれに準じて咲いていたようである。
 それよりも興味深かったのは、島を覆う一面の笹である。なんでも礼文島はかつて山火事があり、森林のほとんどが焼けたのだそうだ。そして風が強く、木々の生育は妨げられるため、礼文島はやたらめたらと見晴らしの良い島になっている。確かに色とりどりの花も咲いているが、それよりも礼文島を花の島たらしめているのは、何よりこの見晴らしの良さにあるのではないかと思う。遠くまで見渡せるので、あちこちで咲いている花を一望できるのだ。

 さて、午後になって桃岩歩道というのを散策した。桃岩というのは、島の西側に位置する高い岩で、まさに絶壁となっている。桃岩歩道というのも、直接桃岩へ行くのではなく、桃岩の近くの丘に登って桃岩をながめようというのだ。
 桃岩の由来が書かれた看板によると、かつてアイヌの部族間の争乱でこの桃岩にたてこもった部族をカフカ(礼文島)部族が攻め滅ぼしたというが、

 絶対嘘である。

 確かに桃岩のてっぺんを攻めるのは困難であろうが、そもそもこの岩、どこにも水場も何もないのだ。アイヌの連中がどういう戦争をしていたかは知らぬが、こんな場所に陣をはるはずはない。

 島のあちこちを歩き回ったのだが、やたらと好天気であった。風だけは強かったが(風速10メートルオーバー)それをのぞくと実に良い一日であった。

 宿泊は礼文島の三井観光ホテル。

06月17日

 北海道旅行3日目。今日は利尻島である。
 礼文島がなだらかーな島であるのに対し、利尻島は丸い島のどまんなかにどどーん、と利尻山(標高1700メートル)がそびえる島である。山火事もそれほどなかったらしく、木々が生い茂っている。
 北海道名物として誰もが一度は食べた事があるだろうお菓子の『白い恋人』に描かれた山がこの利尻山なのだそうである。
 昨日は礼文島から利尻山がどこ行っても眺望できたのであるが、実は6月にそのような好天気はまず望めないのだそうである。実際、3日目は雲が広がり、礼文島からは利尻島が隠れていた。
 それでもフェリーで到着してみると意外に良い天気で、姫沼に行った時は山頂までよく見ることができた。
 だが、島の南側に入るとこれがもう全然ダメで、利尻山はちっとも見えない。
 島をぐるりと一周して鴛泊に戻ると、再び利尻山が見えてきた。
 やれやれ。こういうことなら、今日は姫沼あたりから遊歩道をてこてこ歩いた方が良かったんじゃないかと思うのだが、パッケージツアーはそういうわけにはいかんようである。
 上げ膳下げ善で何もかも添乗員が手配してくれるので楽といえば楽であるが、どうもこう、風情にかける。
 夕方、フェリーで再び稚内に戻り、豊富(とよとみ)温泉に入る。宿はホテル豊富。たっぷりと温泉につかる。

06月18日

 北海道旅行4日目。
 どいってももはや何をするというわけではなく、ひたすら道北から南下である。
 20年前に流行した第三次世界大戦本の日本版で書いてあったように、ソ連軍が北海道に上陸して南下していく道筋を突き進む。
 そして千歳空港から飛行機を乗り継いで広島へ。
 花も自然も満喫して、母は満足したようなので私もうれしい。
 しかし次に旅行に行くならやはりパッケージツアーはやはりどーかと思ったしだいである。私はどうも、人にスケジュールを管理された旅行というのが好きになれないのだ。

06月19日

 昨日は日記を書くなり寝てしまう。
 意外と疲れていたもよう。今日はもう元気である。

■本日の読書:『フューチャー・イズ・ワイルド』ドゥーガル・ディクスン&ジョン・アダムズ
 副題が『驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界』ということで、むろんのこと人類はとうの昔に滅びている。こういうのでは、かつて、『マン・アフター・マン』という先駆者がいたが、この本はその後の科学の成果をふんだんに使用してさらなる高みへと駆け上がっている。

●500万年後
 再び氷河期を迎えた地球。
 多くの生き物が絶滅したが、そのニッチは素早く別の種によって埋められている。

▼シャグラット
 マーモットから進化したツンドラ最大のほ乳類。

▼スノーストーカー
 イタチから進化した巨大な牙を持つ狩猟者。

▼ガネットホエール
 海鳥から進化した鯨のようなサイズとペンギンのような顔をした生物。

▼バブカリ
 草原となったアマゾンに住む最後の霊長類。

▼カラキラー
 飛ぶ能力を失った代わりに高速走行を実現した猛禽。

●1億年後
 氷河期が終わり、温暖化した地球。
 移動した南極大陸は豊かな森林地帯になり、オーストラリアとアジアがぶつかって巨大な高山地帯、グレートプラトーを形成している。

▼リーフグライダー
 ウミウシから進化し、アザラシ大になった遊泳者。

▼オーシャンファントム
 分業を極限まで進めたクラゲの群れ。なんと十数センチの巨大なウミグモを体内で飼って襲撃に備えている。

▼ルークフィッシュ
 長さ4メートルの沼地のハンター。電撃を放つ。なお、電撃のための発電細胞という筋肉細胞は、直列のバッテリーのごとく長い方が電位が大きくなる。体長1メートルの現代のデンキウナギが600ボルトであるから、4メートルのルークフィッシュはなんと1000ボルトの電撃を発生させるのだ。

▼スワンパス
 危険な水の中から地上へ上がり、ユリ科の植物の株の根元で子どもを育てるようになったタコ。

▼トラトン
 体重120t! 地球史上最大の重量を誇るカメの子孫。

▼ファルコンフライ
 鳥を一撃でしとめる巨大なジガバチの子孫。

▼グレートブルーウィンドランナー
 高度1万メートルを飛ぶツルの子孫。低速での機動性を高めるために後ろ肢に第二の羽根を用意した。さらに頭の両側にカナード(なぜか航空用語がそのまんま使われている)を用意するという徹底ぶり。
 高度1万メートルの希薄な大気で生活するためメタリックブルーの体毛で紫外線を反射している。

▼シルバースパイダー
 グレートプラトーで生活する群生のクモ。峡谷を覆い尽くすほどの広大な網をはり、そこにひっかかる植物の種子をも集める。この種子は――

▼ポグル
 シルバースパイダーが集めた植物の種子を食べて肥え太る、地球最後のほ乳類の末裔。だが、結局彼らはシルバースパイダーの餌でしかない。巨大な女王グモに生きながら血を吸われるこの小動物が、全盛を誇った我らほ乳類のなれの果てなのだ。

――そして2億年後。

●2億年後
 大陸はひとつに集まり、第二パンゲアを形成する。
 地球の自転はしだいに遅くなり、1日は25時間に。長時間の日照が寒暖の差をさらに広げ、ハリケーンをこえるハイパーケーンが吹き荒れる。

▼テラバイツ
 広大な砂漠で藻類を育てるシロアリの子孫。

▼ガーデンワーム
 藻類を己の肉体に共生させ、日光を浴びて生きるゴカイの子孫。

▼スリックリボン
 地下水脈の中を生きるこれまた多毛類の子孫。

▼シルバースイマー
 硬骨魚類は姿を消し、新たな海の支配者となったのがエビカニなどの節足動物の子孫である。ネオテニー(幼形成熟)が可能になり、さまざまな姿形の節足動物が海を泳いでいる。

▼オーシャンフリッシュ
 海からは消えたが、そのかわりに魚の子孫は鰭を羽根に進化させて空を飛ぶようになった。ついには肺呼吸も実現している。

▼レインボースクィド
 全長20メートルの巨大イカ。

▼シャークオパス
 さまざまな生き物が繁栄と絶滅を繰り返す中、鮫はしぶとく生き残った。シャークオパスは体表を光らせて信号をやりとりすることで、群れで狩猟をするようになったサメの子孫である。

▼スクイボン
 2億年後の地球でもっとも知性を発達させたのが、地上にあがったイカの子孫であった。1対の触腕を器用に使い、簡単な道具さえも作り出す彼らがこの先どういった道を目指すのか――それは分からない。

 オススメの一冊である。

06月20日

 広島は湿度が高い。
 北海道と比べて気温の差はあまり感じないが、こと湿気は圧倒的に多い。
 それでも朝バイクに乗るとそれなりに涼しい。フィットネスプラザでトレーニングしながら先輩に北海道旅行の土産話をする。
 せっかくなので、ここでいくつか紹介しておこう。

■稚内は北方領土を求めない
 北海道といえば北方領土である。いまだに日本で発行される地図には択捉国後が堂々と日本国の領土であると描いてあるが、まあこんなもんは可愛い方である。

 何しろ、あのディプロマシー(外交ゲームの傑作。かつてニクソン大統領時代にキッシンジャーはホワイトハウスでこのゲームを楽しんでいたとか)のアジア版、コロニアル・ディプロマシーでは、日本固有の領土を示す赤色に、日本四島だけでなく朝鮮半島もが塗りたくられていたほどだ。

 で、稚内といえば樺太(現サハリン)のすぐ近くである。これはてっきり択捉国後だけでなく、樺太も返還しろなどと、日露戦争もまっつぁおな要求がでかでかと看板になっているんじゃないかと思って来てみたら――

 そんなものはまるっきり存在しない。それどころか、北方領土返還を求める看板も垂れ幕も存在しない。

 逆に、標識や案内板には、日本語の下にキリル文字が書かれている始末である。

 道行く人々の中にもロシア人らしき男性がかなりいる。
 つまり、政治信条よりも経済効果の方が重要と、そういうことであるか。
 人間性というものを再認識できてほっとしたしだいである。

■バス10台
 稚内から礼文島へと向かう7時半のフェリーには、ツアー客だけでなんと8団体もいた。まだ夏休みシーズンではないので、旅行客のほとんどは学生でも勤め人でもない。
 そう、このシーズンの旅行者の主力は60代のおじいちゃんおばあちゃんなのである。
 実際、私が参加したツアー客40人の中で一番若いのがこの私であった。短時間とはいえトレッキングをするのだからそれなりに足腰は丈夫な方達であったが。
 フラワーハイキングの名前がついているように、このツアーは女性客が主力であった。男性は全員が、連れの女性(奥さんとか親類とか)と一緒である。
 ツアー客8団体は同時に観光バスも一緒にフェリーで島へと渡る。だもので礼文島の港に到着してみると観光バス10台がずらりと勢揃いしていたのだ。

■最果ての地
 天気が良かったせいで、礼文島の突端のスコトン岬からはロシアの島までが見える。
 かほどに仮想敵国(だった)に近い場所に、国防の理由から何もしていないはずもなく、フェリー乗り場には観光バスの他に自衛隊の車がどん、と居座っていた。トヨタのHMV(疾風)である。島には通信やレーダーの施設があるようだが、トレッキングの際にアンテナの類を見かけることはなかった。観光には十分に配慮しているようだ。

■祟り神
 礼文島にはアイヌが住んでいたという。ある時、部族間の戦争があった。あるアイヌの女性は出兵した夫の帰りを毎日岸辺で待っていたという。おそらくは途中で気が狂っていたかどうかしていたのだろう。ある日、その女性は石になってしまった。神話的表現であるが事実は、おそらく海に身を投げたのだろう。

 で、ここからは推測だが、その後、島内で不幸な事件が相次いだのだろう。

「これは、祟りではないのか」

 アイヌの人々はそう考え、ほこらを作り、狂女の魂鎮めを行った。そしてその祟りに触れぬよう、その神社は『見ない』ように参道から反対向きにほこらの出入り口を作ったのだろう。たぶん、祟り神となったその女性に『見られる』と帰らぬ夫の身代わりに引き込まれると心配したのではないか。
 そして、現代。
 祟りを畏れる心も何もかも摩耗しきった今なお、観光資源としてそのほこらは残っている。
 ミナイ神社という名前を与えられて。

■私はカモメ(ヤーチャイカ)
 礼文島のスコトン岬(それにしても愉快な語感の名前だ)からゴロタ岬へと向かい、そこからさらにスカイ岬へと進むコースは、海沿いの上、風を遮る木々がないので日本海を吹き渡る風がびゅんびゅん吹く。ガイドさん曰く風速10メートル以上。その日は好天であるが風は強く、へたをすると最大13〜4メートルぐらいあったのではないだろうか。お年寄りの多いツアー客にとってはかなり危険である。
 そこでガイドさんからのアドバイス。

「いいですか。強風が吹いたら、それに背中を向けてはいけません。
カモメの気分です。空を飛ぶカモメの気分で風に対抗しましょう」


 なるほど、カモメになったよーに……あああっ! 浮力がついてお年寄りが次々と空高く舞い上がっていくっ!!

■30万円也
 この時期、礼文島に咲く花、レブンアツモリ草。
 礼文島は国立公園であるから草花を勝手に採取してはならない。これはまあお約束であるからして、礼文島の多くの場所ではだからといって立ち入り禁止の柵などはしていない。
 しかし、一部、柵がしてあったり監視員がいたりする場所がある。
 レブンアツモリ草の群生地である。
 柵や監視員がいるからといって肉食であったり人を襲ったり毒花粉攻撃をしてきたりはしない、ごくふつーの草である。
 だが、この草、出すところに出せば1株あたり30万円の値段がつくのだという。
 なるほど、そりゃー、監視もするわなー。

■サロベツ原野
 道北はサロベツ原野にもちょびっとだけ行ってみた。湿地帯だが、近年はすっかり乾いてきて笹が増えているらしい。とにかく笹はどこにでも生えるからなあ。中国山地にも人の背丈ほどもある笹がうぞうぞと生い茂っておるし。山歩きをするときには見通しがきかなくて困ったものだ。強風の吹く礼文島では膝丈しかなかったが、ここではどうなるのだろう。なお、サロベツ原野の風景は、もしも日本で大祖国戦争の映画を撮るのであればここほど相応しい場所はあるまいという景色であった。雄大かどうかは置いておいて、目に楽しい風景ではあった。

06月21日

 我が友人には、碩学の徒が多い。
 面白い事に、そういう人間ほど、なんかこー、常識の斜め上を突っ走っていたりなんかするのだ。

 とある友人との会話の中で――

「グルメな食材とか、そういうのはどうも好きになれない」
「ははん」
特にトリュフ。あれは生理的にダメだ
「はて? おまえさん、別にキノコは大丈夫だったろう」
「いや、食った事はないが、栽培方法がな。どうにもよろしくない」
「……?」
「トリュフというキノコを育てるには、なんでも生きたガチョウを苗床にするそうじゃないか」
「????」
「フランスでは全身に胞子を植えられ、キノコに体液を吸われながら、ひたすら宿主のガチョウは穀物(トウモロコシ)を食って、干からびていくという。実にむごい話だ」
「……待て」
「なんだ」
「それはフォアグラと混ざってるぞ」

 どっとはらい。

■本日の読書:『スクールランブル 5』小林尽
 表紙は一条で、内容も序盤は一条かれんのデート話。ほのぼの。
 播磨と天満のふたりの主人公は相変わらず勘違い街道を驀進しているのだが、もっかその最大の犠牲者がお嬢こと金髪ツインテールの沢近愛理である。いわゆる、気に入らないバカ(播磨)とのイベントが次々と発生しているのだ。播磨が惚れている天満よりも多いほどである。次点で八雲。

 だがまあ、もっと問題なのは。

 最近とみに烏丸の出番がねーのが気になる。いや、あそこまで意味不明なキャラだと不条理ギャグ以外に使いにくいのは事実なのだが。

06月22日

 昨日は我が友人の勘違いっぷりをここに紹介したが、思えば私だって他人の事をどうこう言えるわけもないのである。
 今日も、このような事があった。

 タムール記を読んでいると、次のセリフがあったのだ。

「ねえスパーホーク、エレニアへ戻ったらファランを放牧場に出してやったほうがいいですよ。こいつはもう若駒じゃないんだから」

 スパーホークは聖騎士で、ファランはその愛馬である。
 で、そのファランであるが、前シリーズのエレニア記開始時点においてすでにスパーホークの愛馬であった。

 これが7年前。

 で、エレニア記で語られるスパーホークの過去では、10年間、異国に追放されていたという表記がある。いくつかの描写から、追放時にスパーホークがすでにファランに乗っていた事も明らかである。

 7+10=17

 当時ファランが3才だったとして、タムール記開始時点では20才。これはなんぼなんでも年寄りすぎやせんだろうか?

 だが、そう言うと何事も裏付けをおろそかにしないsf氏がインターネットで調査を行い、

 「指輪物語」の馬と乗り手に関する考察 というページを紹介してきた。

 引用しよう。

 競馬のダービーは3歳馬のレースで、4歳をすぎると競馬用語で「古馬(こば)」と呼ばれます。文字の感覚から「老馬」のようですが、さにあらず。どちらかと言えば体力的には充実期なのですが、一番値段の高いところで引退すると、種付け料が高くできるので、強い馬ほど早いうちに引退する傾向があるようです。競技馬や去勢馬になるとまた変わってきます。イギリスの固定障害競馬は6歳以上でなければ出場できません。美しい古典馬術で有名な、スペイン乗馬学校の調教は6歳から始めるそうです。世界選手権やオリンピックで勝つような馬はだいたい15歳前後が多いようです。馬場馬術でアナウンサーが、10歳のヤング・ホースと言っているのを聞いたことがあります。

なんとびっくり、馬が心技体共に充実するのは10才以降なのだそうだ。これは勉強になった。
 だとすると三国志演義の赤兎馬もあれはあれでありなのかのぉ。

06月23日

 むしむしむし。

(脳内チャンネル)
 蒸し>虫>アレクニド>宇宙の戦士>スターシップ・トルーパーズ(映画)

 映画スターシップ・トルーパーズの2が公開されるが、相変わらず原作とは何の関係もないどころか、パワード・スーツすら出ないのはいただけない。

■本日の読書:『火星の土方歳三』吉岡平
 五稜郭の攻防で戦死した土方歳三が火星へ行くという話である。
 SFファンであれば誰もが知っている、かのエドガー・ライス・バロウズの傑作、『火星のプリンセス』の世界を借りた作品である。
 火星世界の設定といい、登場する人種やクリーチャーといい、たいへん原作の雰囲気を大事にしている。
 また土方歳三の活躍も鬼の副長ならかくあらんという、とても納得のいく作品である。

 作品を、減点方式で採点するとしたら、瑕瑾の見つからない丁寧な作品であると言えよう。

 もう、ここまで書けばおわかりいただけただろう。
 この作品の最大の欠点はただひとつなのだ。

 ぶっちゃけ、面白くない。

 そうだ!
 面白くねぇんだよ!
 物語がとにかく平板なのだ。そりゃ、確かに土方は次から次へと危機や苦難に巻き込まれるが、これがもう、ちっとも盛り上がらない。魅力的なはずのキャラクターも、これまたちっとも魅力的に見えない。

 もって他山の石とさせていただこう。

06月24日

 なんか梅雨らしい天気である。

■本日の読書:『剣客商売』池波正太郎 を、あちらこちら
 ちょっとつまみぐい。
 1巻の『剣客商売』などではたいへんかくしゃくとしていた小兵衛が、16巻の『浮沈』あたりになるといかにも精彩を欠く場面が多かったり、ああ、時の流れは作者だけでなく小兵衛にも影響を与えているのだなぁ、と慨嘆することしきり。
 人は等しく老いるものであり、日々を是どう過ごすか、時に思いを果たす必要があるだろう。
 ともあれ、先週北海道旅行でさんざっぱら飲み食いしたので週末のトレーニング時に計ると体重が1kg増えていたから、がんばって減らさないとな。
 などと考えるのはやはり小市民。

06月25日

 雨本降り。
 梅雨前線大活躍。

 ……で、思ったのだが、なぜ『梅』なのだろうか?

 梅の時季というわけではあるまい。
 思い立ったらすばやくjammingで電子辞書である。いやー、学生の頃にパソコンと常時接続とコレがあったら、人生変わったよなー。

 いや、パソコンはあったが。
 FM−7が
 メモリなんか64KBもあったよ。ベーシックで少々長いプログラムを組んだ日にはたちまちメモリいっぱいになったね。で、揮発性だから電源落ちるとプログラムも全部消えちゃうから、カセットテープレコーダーをつないで、テープにプログラムをぎゃりぎゃりと録音したりとかして。
 その後、パソコンショップで知人からフロッピーディスクドライブ(5インチだ)を仕入れてまずやったのは……そうそう、ウィザードリィだ。今でもtiltowaitとかteleporterとか指先が覚えてるよ。地下10階だと、とりあえず罠感知してナニが出てもとりあえずteleporterで解除してたよ。

 じゃあ、感知しなきゃいいじゃん。

 それはさておき、梅である。

広辞苑第五版
 梅の実の熟する時期に当るからとも、物に黴(かび)が生じやすいからともいう


三省堂大辞林
 梅の実の熟する頃に降る雨の意。また、この時期に黴(カビ)が生じやすいことから黴雨の意ともいう


 あふん。うーん、後は妄想力だよな。
 えーと、最初に発音があったんじゃないかな。「ばいう」っていう。で、じゃあどういう漢字をあてるんだというんで、黴だったんだが、黴雨ではどうにも字面がよろしくない。降りすぎるのは困るが、かといって恵みの雨でもあるし、そこはほれ、自然崇拝、八百万の神ってんで日本人の心の花、梅をあててみた。

 梅の実が熟すってのは、まあ後付の設定なんじゃないかな。ガンダムを長くたしなんでいると日本人というのはそういう民族なんだというのがよくわかる。

06月26日

 夕方近く。少し雨がやんだ頃を見計らい、妹夫婦が子どもを連れてやってくる。
 久しぶりに甥と姪と遊ぶ。
 遊んだ帰り道、「競争しよう」というので、けんけんしたり、スキップしたり、カメのようにのろく動いたりとまあ、いろいろ姪の指示通りのやり方で競争する。
 姪の指定した

「スキップしながらウサギさんになるの」

 というので両手を頭のわきに伸ばしてウサギ耳をつけてスキップをしていると、近所のおばさんが突如出現。

 おばさん、誤解しないでください。
 小学一年生の女の子の後ろを中年のオヤジが怪しい動きで追いかけていますが、決してやましい心があるわけでも挙動不審なわけでもありません。
 叔父と姪の可愛らしいスキンシップです。
 そう、目で強く訴えかける。
 ウィンクなんかしてみる。

 おばさんは納得していただいたのか、すばやく姿を消した。

 ……通報、されてないよな?

06月27日

 フィットネスプラザでトレーニングをする。
 体重を量る。
 トレーニング前:71.0kg
 トレーニング後:69.4kg
 おお、1.6kgの減量!
 ……わかってるってば。
 単に水分が抜けただけだよ。

06月28日

 のへのへと過ごす。
 日経サイエンス7月号をぺらぺらとめくっていると、書籍紹介で、

『骨単(ホネタン)』

 などというのが紹介されていた。
 はて? ナニかこー、頭にひっかかると思ったら、そうそう。
 去年話題になった『もえたん』とたいへん語呂が似ているのだ。

 もっとも、こちらは『語源から覚える解剖学英単語集』とあるので、きわめてまっとうな本のようではあるが。

06月29日

 たぺたぺと過ごす。

 そういえば、週末に『バーバリアン・キングス』をプレイしようと誘われているのであった。
 剣と魔法の架空大陸で王となり、互いに覇権をかけて争うゲームである。
 森を支配していないとエルフは雇えないとか、それっぽいのも特徴。
 さてさて、ルールブックはどこだったかしらん。

06月30日

 のぼのぼと過ごす。

 それにしても暑いのぉ。

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