■銅大の読書万歳(42) 作品名:『Gの影忍 完璧版』 著者名:こやま基夫 出版社:メディアワークス ISBN:4-07-302238-5 イロモノ系ガンダムその2である。今回紹介する作品のコンセプトは。 「ガンダム+忍者」である。 ……タイトル読めば分かるか。 だがタイトルと表紙を見てあきれて買わずに帰るのはちょっともったいない。 モビルスーツの外観が忍者っぽいというだけではない。中身はもっととんで もないのだ。何しろモビルスーツで忍法を使うのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ご存知の方も多いだろう。 ミノフスキー粒子はレーダー波拡散を目的として当時もちいられた。 忍者はこれを使用する際、トリカブト、マツの実等を混ぜ粉末状にすること を好んだ。 兵法帳に記される“ミノフスキー隠れの術”がこれである。 「レーダーがきかん!」 「たよるな!」 「まずいぞ兄者 ここは風下じゃあーっ!」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ……って、あんた。ここ真空やがな。 他にも、数多くの「それはちゃうやろ、あんた」というツッコミどころが満 載な作品である。もちろん作者は確信犯だ。兵器=機能的な存在でありながら 巨人型という不条理さを併せ持つガンダムに、もう一つ不条理な忍者という要 素を加味し、それだけではなく立川文庫の忍者物の講談のようなかっこよさも 演出しているのだからただごとではない。 しかしながら、この作品を読んで楽しいと思うのはおそらく洒落の分かる人 に限られるだろうことも事実である。ガンダムや忍者についてマジメに、大上 段から構えて「かくあるべし」と断じるタイプの人は近寄らない方が無難であ る。「これもあり、あれもあり、なんでもあり」なタイプの人であれば問題は ない。きっとニヤニヤ笑いながら読むことができるだろう。 また、まったく忍者物を読んだことがない人は、あらかじめ山田風太郎か、 司馬遼太郎の忍者が出てくる歴史小説あたりを読んでからの方がいいだろう。 元ネタが分かっている方が勘所をつかめて良いはずである。
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