■銅大の読書万歳(19)
作品名:『あおいちゃんパニック! 1〜3』
著者名:竹本 泉
出版社:KCなかよし/講談社
ISBN:4−06−108446−1
	 4−06−108459−3
	 4−06−108476−3

 ママは地球人だけどパパは宇宙人。
 そしてその二人の間に生まれた地球人と宇宙人のハーフが本編の主人公の早川あ
おいちゃん。正しい名前はチャチャ=モチャノチャ=ヌートの1。
 パパの転勤で地球で暮らすことになったのだけど、何しろ地球人と宇宙人のハー
フ。ものすごい力持ちで、しかも地球の常識とはちょっとズレちゃってるあおいち
ゃん。友だちを巻き込んで大騒ぎの毎日──というのが、このコミックだ。

 掲載誌が小学生ぐらいを対象としている『なかよし』なので、小難しい理屈をこ
ねたりはしていない。あおいちゃんの周りで発生するトラブルの数々も小学生高学
年ぐらいであれば分かる内容になっている。

 しかし、ところどころで“ちらっと”見せる小ネタの数々に、作者の竹本泉さん
のSFへの造詣やこだわりが見られる。
 コミカルな作風の中にかいま見えるディープな世界。本作品がかなり古い(1巻
の初版が1983年)にも関わらず、今でも熱心なファンがついているのもその辺
りにあるのだろう。

 これはコミックに限らず小説でもそうだが、10の知識しかない人間が、10の
作品を書くことはできない。10を上回る知識があってはじめて10の作品が書け、
100の知識があってはじめて10の作品を面白く書くことができるのだ。

 別に出し惜しみをしろというわけではない。

 作品の中のそれぞれの状況において、どういう知識を使えば効果的に読者へ印象
づけられるか。面白く読んでもらえるか。それを選択できるというのが、いわゆる
『100の知識』の力なのだ。言葉を変えると『引き出しは多い方がいい』という
わけである。

 そして竹本泉ワールドの魅力が、この引き出しの多さに支えられていることは間
違いない。最近の作品では『ねこめーわく』(現在2巻まで)などがそうだ。

 アイディアいっぱい、夢いっぱいのこの作品。
 もしもどこかで見かけたら、買って読むだけの価値はございますぞ。
 ※現在は文庫になってるようです※


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