※注意!※
以下に記載してある内容は、GM向けです。
プレイヤーとしてこのシナリオを遊ぶ予定のある人が読むと、
実際のプレイでの面白さが損なわれたり、GMに参加を拒否され
る危険性があります。
(特に広島TGCとテト会のメンバーは要注意)
PCの友人/知人である高潔な騎士(聖痕者)の娘が事故死します。
その後、精神に変調をきたした騎士の妻は邪悪な魔法使い(殺戮者)の言いなり
になって、娘を蘇らせるための邪悪な儀式を行います。しかし、蘇ったのは元の優
しい娘ではなく、人の生き血をすする化け物でした。
PCは、魔法使い(殺戮者)の陰謀を暴き、騎士の妻と騎士を救わなくてはいけ
ません。失敗した場合は、騎士の妻も殺戮者の操り人形となり、騎士もまた、殺戮
者への道を歩むことになるでしょう。
このシナリオにおける適切なPCの人数は4人から5人です。
プレイ時間は(キャラメイクをのぞいて)3時間から4時間です。
王国自由都市ケルバーが、このシナリオの舞台です。
シナリオ用の地図はboa_s_2mapを参照してください。
ただし、ゲームの雰囲気に合うのであれば、ハイデルランドのどこの都市を舞台
にしてもかまいません。
▼主要なNPC:
◆“墓荒らし”ドラッケンシュタイン博士(82才/外見は30代)
不死の生命にとりつかれた、フランケンシュタイン博士のBoA版です。
墓場で死体を漁り、それに様々な実験を行っています。
シナリオ開始時点では、物に封印されている聖痕を死体に付けることで、
復活をなさしめるという実験を行っています。
PCは、ドラッケンシュタイン博士と因縁を結ぶことができます。
ドラッケンシュタイン博士は、フィニス=アクシス=オービスのマロー
ダーです。(データについてはboa_s_2npc1を参照してください)
◆“贋物屋”フォービン(33才)
細面ですが整った顔立ちの男で、美術商と宝石・装飾品を扱う店を経営
しています。裏でブルダーシャフトと関連しており、故買屋まがいのこと
もやっています。ドラッケンシュタイン博士の依頼で後述する風景画を入
手しようと動きます。
フォービンはウェントス=ルナ=ルナのゲストです。
(データについてはboa_s_2npc3を参照してください)
◆“ブレンダであった”存在
ドラッケンシュタイン博士の実験によって蘇った(ように見える)かつ
てブレンダであった存在は、表面こそ愛くるしい少女のようですが、実際
には人の精気をすする魔物と化しています。ブレンダとしての記憶はあり、
それを使って夜の町で獲物をあさります。
ブレンダはアングルス=ステラ=オービスのゲストです。
(データについてはboa_s_2npc4を参照してください)
▼ドラッケンシュタインの実験場所:
ドラッケンシュタイン博士は、閉鎖された染物工場(湖に面した工業区
画ヘクス)の中で邪悪な実験を行っています。
普段は医者として生計をたてていますが、邪悪な行為(呪殺など)にも
手を染めています。
▼ドラッケンシュタインの実験に必要なもの:
死者を(アンデッドではなしに)蘇らせるという実験には、まず新鮮な
死体と、そして∵不死∵が封印されたアイテムが必要です。
特に後者は通常の方法では手に入るものではなく、ドラッケンシュタイ
ン博士は八方手を尽くして探しています。そして、見つけ出したのがエイ
ラー家にある人物画です。ドラッケンシュタインは、この絵に封印されて
いる∵不死∵を使って、死者復活の実験を行う計画を立てています。
▼主要なNPC:
◆“西門の騎士”ロック・エイラー(30才)
ケルバー領主のリザベートに仕える四人の騎士隊長の一人です。
他の三人と合わせて『四天王(カルテット・ナイト)』と呼ばれていま
す。騎乗での戦いを得意としています。
PCの中に「現在:アダマス」のキャラがいた場合は、四天王の他のメ
ンバーであってもかまいません。
PCは、ロックと因縁を結ぶことができます。
ロック・エイラーは、アダマス=アダマス=グラディウスの聖痕者です。
(データについてはboa_s_2npc2を参照してください)
◆ニナ・エイラー(28才)
ロック・エイラーの妻です。楚々とした美人で、普段は穏やかな人です
が、娘の事故死に、精神的にまいっています。
PCは、ニナと因縁を結ぶことができます。
ニナはクレアータ=ステラ=アングルスのゲストです。
(データについてはboa_s_2npc3を参照してください)
◆ブレンダ・エイラー(9才)
ロック・エイラーの娘です。活発でおてんばな少女で、いつも外で元気
いっぱいに遊んでいました。シナリオ開始時点では死亡しています。
PCは、ブレンダと過去の因縁を結ぶことができます。
◆ドラッケンシュタイン博士(30代?)
※注意※
あらかじめドラッケンシュタイン博士と因縁を結んだPCだけが、以下
の情報を知っています。
ドラッケンシュタイン博士は、呪い小路に住む魔法使いの医者です。
常に薄汚れた白衣を着ており、仕事がないときも何やら実験を繰り返し
ているようです。酒癖が悪く、馴染みの焼き鳥屋で酔っ払うと「自分は天
才」だと言いだし、周囲の客に同意を求めてきます。
▼エイラー家の絵『常盤なる乙女』:
※注意※
あらかじめロックかニナ、あるいはブレンダと好意的な因縁を結んだP
Cだけが、以下 の情報を知っています。
エイラー家には、代々伝えられている『常盤なる乙女』と名づけられた
絵があります。
この人物画は、春夏秋冬の季節の移り変わりにともない、絵の中の背景
が変わっていきます。(春の新緑や秋の紅葉、冬の積雪など)しかし、絵
に描かれた乙女はまったく変化しません。
▼シーン1:葬儀
◆登場するPC
ロックかニナと因縁を結んだPCが登場します。
他のPCは、登場判定を行います。
◆場所
墓地(ウェルティスタント教会のヘクス)
◆描写
空が黒い雲に覆われ、冷たい雨が霧のようにふる中で、司祭による祈り
が聞こえてきます。ブレンダ・エイラーの葬儀が行われているのです。
埋葬される少女は白いドレスを着、花に包まれてまるで眠っているかの
ようです。(おてんばでいつも登っていた樹から“なぜか”落ちて、首の
骨を折って死亡したのです)
参列者は、父親であり喪主のロック・エイラー、その妻でブレンダの母
親であるニナ・エイラーの他に、ロックやニナの友人・知人がいます。
やがて、少女が納められた棺桶に土が盛られ、葬儀は終わります。
まだ雨は、止む気配すらありません。
◆情報
〈知覚〉や〈交渉〉の判定に成功すると、ニナがかなり精神的に不安定
であることが分かります。
▼シーン2:過去の日々
◆登場するPC
ブレンダと因縁を結んだPCが登場します。
他のPCは、登場判定を行います。
◆場所
緑地帯(ぶどう園のヘクス)
◆描写
シーン2はシーン1の過去、まだブレンダが元気だった頃の話です。
休日に教会に行った帰り、エイラー家のメンバーとPCは郊外のぶどう
園にピクニックにでかけました。快活なブレンダはお気に入りの友達(あ
るいは下僕)であるPCを連れまわしてあちこちを駆け回ります。
◆情報
〈事情通〉の判定に成功すると、PCはエイラー家に代々伝わる『常盤
なる乙女』を欲しがっている美術商の話をロックとニナから聞きます。
二人ともこの絵は気に入っているので──というよりは、ロックとニナ
のなれそめとも関係が深いので──売るつもりはまったくないと言います。
▼シーン3:黒塗りの馬車
◆登場するPC
ドラッケンシュタイン博士と因縁を結んだPCが登場します。
◆場所
まじない小路(広場・市場のヘクス)
◆描写
フードで顔を覆った女性が、布で覆われた四角い包みをかかえて、二頭
立ての馬車に乗りこみます。
馬車の中に、ドラッケンシュタイン博士と、もう一人、洒落男が乗って
いるのが一瞬だけ見えます。
◆情報
〈知覚〉の判定に成功するとPCは四角い布の包みが絵画のであること
に気がつきます。(額は外されてキャンパスだけです)
展開ステージは大きく分けて二つのパートに分かれます。
最初は、死んだはずのブレンダが蘇り、同時に奇怪な事件が発生する「蘇った少
女」のパートです。ここでのPCは事件の観察者です。
次のパートが「死者を呼び戻すもの」で、ここでPCは事件の背後に『常盤なる
乙女』の絵とドラッケンシュタイン博士の邪悪な実験について調べます。
このパートは、3つのシーンから成ります。シーンの順番は特に決まっていませ
ん。シーン・プレイヤーの因縁に合わせて決定してください。また、時間の流れも
シーンによって前後することがあります。
3つのシーンすべてが終わったら、次の「死者を呼び戻すもの」で調査のパート
に移行してください。
▼シーン:馬車の中の少女
◆シーン・プレイヤー
ブレンダと因縁を結んだPCを持つプレイヤー。
他のPCは、登場判定を行います。
◆場所
ブレンダが通っていた学校の近く(公共施設のヘクス)
◆描写
ある日没直後の宵の口のことです。
PCは、二頭立ての馬車が走り去るのを見ます。
馬車には、少女が二人乗っています。そのうちの一人は、たいそう驚い
た様子で、もう一人に話しかけていますが、相手は青白い顔をして黙って
います。
翌日、PCは昨日目撃した少女(驚いていたほう)が、行方不明になっ
ていることを知ります。
◆情報
〈知覚〉の判定に成功すると、馬車に乗っている二人のうち青白い肌を
した方が、ブレンダにたいへん良く似た少女であると気がつきます。もう
一人の少女は、ブレンダと仲が良かった少女です。
さらにクリティカルで成功したPCは、ブレンダに似た少女が着ている
白いドレスが、死装束であると気がつきます。
▼シーン:壊れゆく心
◆登場するPC
ロックかニナと因縁を結んだPCを持つプレイヤー。
他のPCは、登場判定を行います。
◆場所
エイラー家の屋敷(軍・公安施設のヘクス)
◆描写
PCは、ロックに呼ばれています。屋敷に入ると、妙に明るい笑顔のニ
ナに案内されてロックの書斎に入ります。ロック自身は、かなり焦燥した
表情をしています。
ロックは、最近、ニナの様子がおかしいと語ります。死んだブレンダの
ために食事や衣服を用意してやったり、まるで『もうすぐブレンダが帰っ
てくる』かのような言動をしているのです。
「本当にそうだったら、どんなに……」とロックは呟いて首を左右に振
ります。そして、PCにニナを助ける手伝いをしてくれ、と頭を下げます。
◆情報
〈知覚〉の判定に成功すると、居間に飾ってあったはずの『常盤なる乙
女』の絵がないことに気がつきます。ロックに聞くと、ニナがどこかに貸
し出したのだと説明します。
ニナと会話をして〈知覚〉か〈交渉〉の判定に成功すると、ニナの精神
状態は極度に不安定で、強い躁鬱の傾向が見られます。
▼シーン:本日休業
◆登場するPC
ドラッケンシュタイン博士と因縁を結んだPCを持つプレイヤー。
他のPCは、登場判定を行います。
◆場所
ドラッケンシュタイン博士の診療所(広場・市場のヘクス)
◆描写
PCはちょっとした用事(回復薬を購入するなど)でドラッケンシュタ
イン博士の診療所に行きます。
しかし、診療所は閉まっており、全身傷跡だらけの無口な大男が『しば
らく診療を休みます/署名:ドラッケンシュタイン』という紙をもって現
れます。それ以外については、大男は何を聞いても答えません。
◆情報
〈知覚〉か〈事情通〉の判定に成功すると、大男の左手の傷跡に、フィ
ニスの紋章らしきものが見えます。
このパートは、シーン・プレイヤーのPCの行動に合わせて、シーン数が可変し
ます。調査には二つの流れがあります。
一つは、ニナ・テイラーを中心とした調査です。ニナは娘を失ったショックに加
えてドラッケンシュタインの処方した薬物や、娘が蘇るかもしれないという希望な
どがごちゃまぜになり、精神が極度に不安定になっています。
この流れを把握してニナへ適切なフォローをしておかなかった場合、対決ステー
ジでニナ・エイラーもまた娘(だと彼女は思いこんでいます)と共に敵となってP
Cの前に現れます。
もう一つは「消えた子供」事件の調査です。ブレンダの友達やその兄弟が、次々
に姿を消していきます。これはドラッケンシュタイン博士による復活が不完全で、
ブレンダは人の精気をすする邪悪な化け物に変じているせいです。
この流れをPCが把握しておかなかった場合、化け物と化したブレンダを倒すの
はPCではなくロック・エイラーとなります。自分の愛娘の死に二度も直面したロ
ック・エイラーは、対決ステージでPCがドラッケンシュタイン博士を倒した直後
に登場し、天に返されるはずの聖痕を奪って殺戮者へと墜ちていきます。
このパートに入ってからは、3シーンに1回の割合で、マスター・シーンを挿入
します。マスター・シーンでは、ブレンダがかつての友人・知人や町で見かけた獲
物を襲い、その血をすするシーンを演出します。その後、殺された被害者はドラッ
ケンシュタイン博士の研究材料となります。
マスター・シーンに登場したPCは、ドラッケンシュタイン博士が研究材料とし
て使った『素材』から出たゴミ──はらわたなどの身体の一部──を、野良犬や、
烏があさっている場面に遭遇します。PCは悪徳に遭遇したことになるので、鎖を
一枚得ます。
GMはチットや駒などを使って、被害にあった人の数をカウントしておいてくだ
さい。プレイヤーにも見える場所にチットは置くと効果的です。(この数が、対決
ステージでの『ドラッケンシュタインの怪物』の数になります。
▼ニナ・エイラーを調べる
◆場所
エイラー家の屋敷(軍・公安施設のヘクス)
◆描写
ニナ・エイラーは、精神の均衡を失っています。原因は、心を落ち着か
せるため、としてドラッケンシュタイン博士が処方した薬にあります。
また、ドラッケンシュタインとの密約(ブレンダを蘇らせる)があるの
で、消えた『常盤なる乙女』については決してしゃべりません。ただし、
ウソは上手ではないので、すぐに何か隠してあることがばれます。
◆情報
〈事情通〉か〈知覚〉に成功すると、ニナが服用している薬が怪しいの
ではないかと勘付きます。薬はドラッケンシュタイン博士の処方です。
さらにその後で、〈手当〉に成功するか〈事情通〉ないし〈知覚〉にク
リティカル成功すると、ニナが服用している薬に精神に良くない成分が含
まれていることに気がつきます。
▼風景画(の所在)を調べる
◆場所
画商(商業区のヘクス)または
ブルーダーシャフト支部(繁華街のヘクス)
◆描写
エイラー家の季節の移ろいを映し出す人物画は、画商たちの間では有名
です。PCは、画商/ブルーダーシャフトに話を持ちかけて情報を聞き出
すことができます。
◆情報
〈交渉〉か〈事情通〉に成功すると、“贋物屋”フォービンの噂が手に
入ります。噂によると、フォービンは呪い師と手を組んでエイラー夫人を
だまし、絵を持ち出すことに成功したということです。
▼“贋物屋”フォービンを調べる
◆場所
フォービンの店(商業区のヘクス)
◆描写
フォービンの店は、洒落た美術品・貴金属取り扱い店で、フォービン自
身も仕立ての良い服を着こなし、手入れの整った口髭を伸ばしています。
(カイゼルひげを想像してください)
PCがフォービンにとって面倒の種になりそうならエキストラの用心棒
が登場します。しかし、エキストラなのでたちまちKOされてしまい、そ
れからはフォービンの口は軽くなります。
◆情報
フォービンとの〈交渉〉対〈自我〉の対抗判定に成功すれば、フォービ
ンが仲介役となって、ニナ・エイラーから受け取った絵を、ドラッケンシ
ュタイン博士に渡したと白状します。その時に、ドラッケンシュタイン博
士が「ブレンダを蘇らせる」とニナに約束した事も話しますが、フォービ
ン自身はこれが駄法螺であると考えています。
さらにもう一回、フォービンとの〈交渉〉対〈自我〉の対抗判定に成功
すれば、ドラッケンシュタイン博士の秘密の実験所が元染物工場(湖側の
工業区画ヘクス)にあることを白状します。
▼ブレンダの交友関係を調べる
◆場所
学校およびその周辺(公共施設のヘクス)
◆描写
調査を始めたPCは、すぐにブレンダの友人のうち何名か(展開シーン
に入ってから今までのシーン数÷2/端数切り上げ)が行方不明になって
いることに気がつきます。
◆情報
〈事情通〉に成功したPCは、行方不明になった子供の家族や友達から、
「死んだブレンダにとても良く似た少女を見かけた」という噂を聞きだし
ます。そしていずれの噂でも、少女が現れたのは日没から夜にかけての時
間帯です。
▼墓地を調査する
◆場所
教会裏の墓地(ウェルティスタント教会のヘクス)
◆描写
墓地は墓守と教会によって管理されています。しかし、墓守のじいさん
はヨボヨボで、夜の見張りの役には立ちそうにありません。
◆情報
PCが墓地の中にブレンダの遺体があるか確認したいと考えた場合、表
立って行動するには教会の許可が必要です。
現在がマーテルかコロナ、アダマスのPCであれば〈交渉〉判定に成功
することで、墓地を管理している教会の許可をもらう事ができます。
ただし、この場合、ブレンダの父親であるロック・エイラーを説得しな
くてはいけません。十分な説明がない限り、ロックが墓を暴くような真似
を首肯することはないでしょう。また、説得された場合は必ず同行者とな
って、PCと一緒に墓を掘り起こす場面に立ち合います。
こっそり夜闇に隠れて墓を暴くのであれば〈隠密〉判定に成功する必要
があります。ただし、尊厳値(DP)が−1D10されます。
いずれの場合でも、墓の中にはしおれた花以外、何も入ってないことが
分かります。ブレンダの遺体は、どこかに消えてしまったのです。
▼町をパトロールする
◆場所
市街地のどこでも
◆描写
ケルバーの町は、いつもとほとんど変わらない喧騒を示しています。
ですが、目に見えない部分で確実に何かが進行しているのです。
◆情報
・通常の調査:〈事情通〉判定に成功すると、行方不明になった子供のう
ち何人かが、白いドレスを着た少女に連れられて二頭立ての馬車に乗りこ
むところを目撃されています。
・墓地を調査した後:〈知覚〉判定に成功すると、宵闇の中を走る二頭だ
ての馬車をPCは目撃します。そして、その扉が開いて一人の少女が降り
てきます。少女は白いドレスを着ています。シーン1の葬儀の場面に登場
したPCと、ブレンダと因縁があるPCであれば、少女がブレンダそっく
りであると分かります。
少女はPCのうちの一人(ブレンダと因縁があるなら優先的にそのPC。
いなければシーン・プレイヤー)に近づき《童顔》《無垢》《星の瞳》
《洗脳》+〈交渉〉で自分と一緒に来てくれるようにお願いしてきます。
〈自我〉での対抗に失敗した場合、PCは半ば夢遊病者のようになって馬
車に乗りこみます。
PCが(自ら進んでか、あるいは誘惑されてかは別ですが)馬車に乗っ
た場合、ブレンダは楽しげにPCとおしゃべりをし、郊外にある工業区画
(湖側)ヘクスへと向かいます。そして、人気のない場所で「もう……我
慢できないの……お願い……」とPCにすがりつき、首筋に長く伸びた牙
をつきたててきます!(《吸血の牙》+〈秘儀技能〉で1D10の実ダメ
ージがきます。《洗脳》はこの時点で切れます)
PCが、少女の誘惑に対抗できた場合、PC側から攻撃をしかけない限
り(町中で、しかも相手は少女の姿をしていることを忘れずに!)馬車は
立ち去ります。PCが騎乗しているか、∵神移∵を使用しない限り、尾行
は必ず失敗します。騎乗しているPCは〈騎乗〉と〈知覚〉の両方に成功
すれば、馬車が閉鎖された染物工場(工業区画ヘクス)に入るまで尾行で
きます。∵神移∵であれば、判定は不要です。
いずれにせよ、もしもPCがブレンダ(であった魔物)と戦闘になった
場合、GMはニナとロックの登場判定を行ってください。少女は両親に助
けを求め、ニナとロックはそれに応えます。(そして、その隙に少女は逃
げ出そうと試みます)
▼ドラッケンシュタイン博士の秘密実験所を調査する
◆場所
閉鎖された染物工場(湖側の工業区画ヘクス)
◆描写
今でも染料の臭いが残る建物の地下室に、ドラッケンシュタイン博士の
秘密実験所があります。
◆情報
PCが中に踏みこんだ場合、傷だらけの大男が現れて、PCを止めよう
とします。戦闘が始まり、すぐにドラッケンシュタイン博士が登場します。
次の対決ステージへと移行してください。
PCが外での監視に重点を置いた場合、日没と共に少女が乗った馬車が
外へ出かけ、夜になるとまた戻ってくる、という光景を見かけます。少女
は2晩に1回、自分と同じくらいの大きさの、黒い包み(犠牲者です)
を抱えて建物に入ります。
また、ドラッケンシュタイン博士も3日に1回ぐらいの割合で、馬車に
乗って自分の家まで戻ります。(その後ですぐに研究に戻ります)
このステージに到達するまでの間に、PCの行動や反応の如何によって、展開は
かなり異なっていると思います。
可能性の高いパターンを以下に掲載しますので、状況に応じてGMは対応してく
ださい。
対決ステージでの敵は、ドラッケンシュタイン博士と“ドラッケンシュタインの
怪物”です。怪物はブレンダ(であった魔物)が精気を吸い取った死体をつぎはぎ
して作り出されています。元が子供であるため、かなり不気味です。
怪物の数は『これまでのシーン数』÷3で、最低で3体です。そのうちの1体は
シーン『本日休業』で登場した無口な大男です。(これが『常盤なる乙女』の聖痕
を転写して作った実験体1号です)
他にも、ドラッケンシュタインは錬金術師(デクストラ)のトループを部下とし
て用意しています。PCの人数分、登場させてください。
(デクストラ・トループ『火力支援部隊』のデータはboa_s_2npc4を参照してください)
ドラッケンシュタイン博士は『常盤なる乙女』の聖痕を使った実験を邪魔される
と、狂気に満ちた瞳をPCたちに向けます。
そして次のようなセリフをPCと交わします。
「ブレンダを見たかね? 素晴らしいだろう? あれこそが芸術だよ!」
「わしは創造の秘密に迫っておる! わしの実験を邪魔することは神の意志にそむ
くことだ!」
「そうか、諸君らもワシの実験に協力してくれるというわけだな。ならば、その肉
体だけを残して立ち去るが良い。必要なのはそれだけじゃからな」
お分かりいただけると思いますが、もはやドラッケンシュタイン博士は“あっち”
の世界にいっちゃてるので、まともな会話は成立しません。
▼ブレンダ(であった魔物)を既に倒しているか?
対決ステージでまだブレンダ(であった魔物)をPCが倒していない場
合、二通りの展開が考えられます。
展開1:ブレンダが博士と共にいる場合
ブレンダが博士と共にいる場合に対決ステージに突入した場合、ブレン
ダはPCと戦う前に両親を呼びます(登場判定をします)。
そして、両親にPCを攻撃するように〈交渉〉で懇願します。もしPC
がブレンダを攻撃した場合は、判定なしで両親はそのPCを攻撃します。
展開2:ブレンダが博士と共にいない場合
ブレンダ(であった魔物)は町で獲物を探しているときにロックに遭遇
し、精気を吸おうとして返り討ちにあいます。いかに肉体だけとはいえ、
愛娘であった存在を殺したロックの心は砕けてしまいます。
PCがドラッケンシュタイン博士を倒した次の聖痕の解放シーンに、ロ
ックが登場し、聖痕を奪って殺戮者に落ちます。
▼ニナへのサポートは十分だったか?
PCがニナに友人として十分なサポートをしていない場合や、まったく
放置していた場合(たとえば、フォービンの自白をニナに伝えていない、
など)、ニナはドラッケンシュタイン博士によって洗脳され、敵としてP
Cの前に立ちふさがります。ニナは人造人間(クレアータ)であり、それ
なりの戦闘力を保有しています。
ドラッケンシュタイン博士が実験所を出たところをPCが奇襲するなどして戦闘
になった場合は、ドラッケンシュタイン博士の部下は無口な大男(実験体1号と、
ドラッケンシュタイン博士は呼びます)だけです。ドラッケンシュタイン博士は、
状況が不利であれば∵神移∵で逃げ出します。
ドラッケンシュタイン博士がニナを洗脳している場合は、ニナの登場判定を行っ
てください。
ドラッケンシュタイン博士の追加聖痕は、原則として以下の通りとします。
PCが3人の場合:なし
PCが4人の場合:アングルス(∵天真∵)×1
PCが5人の場合:上記に加え、エフェクトス(∵大破壊∵)×1
▼ドラッケンシュタイン博士を倒した(ロックは殺戮者ではない)
ドラッケンシュタイン博士の身体から飛び出した聖痕は、博士の実験室の奥にあ
る奇妙な機器へと向かいます。そして、機器にがっちりと固定してある『常盤なる
乙女』の絵の周囲を巡ります。機器を破壊しない限り、絵を外すことはできません。
機器を破壊すると、爆発と共に炎が巻き起こり、『常盤なる乙女』の絵を燃やし
ます。
この時点でブレンダがまだ生き残っていた場合は、ブレンダはもまた炎に包まれ、
一握の灰と化します。
そして炎の中でそれまで不動であった絵の中の乙女が悲しげな微笑と共に消え、
代わりに、ブレンダの顔が浮かびあがります。ブレンダはPCと(もしいればロッ
クやニナに)手を振って、そして聖痕のかけら(フィニス)となってドラッケンシ
ュタイン博士の聖痕と共に宙へと消えていきます。
聖痕の解放により、PCの尊厳値(DP)が回復します。
▼ドラッケンシュタイン博士&殺戮者になったロックを倒した
聖痕が解放され、PCの尊厳値(DP)が回復します。しかし、どちらかという
と苦い結末です。
▼PCが全滅した
ドラッケンシュタイン博士が生きている場合、PCの肉体は博士の実験材料とな
ります。ロックが殺戮者となっている場合、PCの聖痕をも吸収したロックは、い
ずこともなく旅だっていきます。
これでこのシナリオはおしまいです。
では、良いプレイを!
作成者:銅 大(アカガネ ダイ)