「 Blade of Arcana シナリオ作り方講座」

 この講座は「ブレイド・オブ・アルカナ(以下BoA)」を遊ぶ人を対象にした、シ ナリオ作成講座です。特に、ふだんはGMをしていないという人向けです。
 用意するものはルールブック1冊と、思いついたコトを記述するメモ帳です。
 なお、シナリオの作り方についてはルールブックに『●シナリオ』(P54〜57 参照)という節がもうけてあります。
 まずは、そちらに目を通してから、以下の文章をお読みください。

 では、講座の進行役である『聖痕者』をお二人紹介しましょう。


ディック「グラディウス=クレアータ=アダマスの人造人間D1号だ」
ルイーズ「もう! ディックったら、D1号だなんて、ヘンな名前使わないでよ。ボク
    がせっかく『ディック』って名前をつけてあげたんだから」
ディック「了解した。しかし、男でD(ディー)だからディックというのも相当に安易
    な……いや、なんでもない。私が悪かった」
ルイーズ「わかればよろしい。ボクはルイーズ、キミやディックと同じ『刻まれし者』
    なんだ。ボクのアルカナはアングルス=コロナ=ステラだよ」


■1■なぜシナリオを作るのか?

 まずはシナリオを作る目的と動機づけを行いましょう。
 ルールブックP57『●GMの目的』に明記してあるように、BoAのGMの目的は
 『PCを主人公にした、英雄伝説を作り上げること』にあります。
 そして、GMを担当してうまく英雄伝説を作り出せば、GMは経験点がもらえます。
 経験点は、自分がキャラクターを作成し、成長させる時に利用できます。これが、G Mをするための動機です。
 そして、英雄伝説を作るためには、英雄が活躍する冒険譚を用意する必要がありま す。それが、シナリオです。


ディック「GMが経験点をもらっても、GMばかりしていて、プレイヤーができないの
    では無意味ではないのか?」
ルイーズ「そうだよ。だから、この『シナリオ作り方講座』は、普段はGMをしない人
    にこそ、読んで欲しいの。そうすれば、交代でGMできるでしょ」


■2■シナリオの骨組みを決める

 冒険譚を作るにしても、RPGは実際にプレイしてみるまではナニが起きるか分かり ません。
 あんまり細かい所までシナリオで規定しても疲れるだけです。まずは大きいところか ら作りはじめ、だんだんと細かいところを決めていきましょう。


ディック「骨組みの作り方は、ルールブックP54〜55の『▼シナリオの作り方』に
    記載してある」
ルイーズ「箇条書きにすると、次の手順になるね」

▼制限

    1)“殺戮者”(悪役)を決める
    2)“殺戮者”との戦い方(対決ステージ)を決める
    3)PCの動機付け(導入ステージ)を決める
    4)導入から対決までの流れ(展開ステージ)を決める
    5)終局ステージを決める

 本講座でも、この手順にしたがって、サンプルシナリオを紹介しながら説明していきます。


■3■“殺戮者”(悪役)を決める

 まずは、倒すべき“殺戮者”(悪役)を決めましょう。
 参考となるのは、やはり映画やTVドラマです。魅力的な悪役というものは、それだ けでシナリオを動かすエンジンになり得ます。
 P94に紹介されている映画で言うと──
 スターウォーズのダースベイダー。
 レディホークの邪悪な司教。
 ウィローの悪い魔女。
 ──彼らはいずれも、強力無比な力を持つ悪の英雄です。BoAのシナリオにおいて は、このタイプの“強くて”“悪いヤツ”が良く似合います。


ディック「しかし、強くて悪いといっても、性格付けとかはそれこそ千差万別。そこが
    マスターの味付け場所だな」
ルイーズ「じゃあどんなタイプがあるか、分類してみるね」

▼邪悪タイプ

 とにかく、誰がみても「こいつ悪党!」というタイプの“殺戮者”です。システムに 慣れるまでは、このタイプの悪党を登場させるとシナリオが簡単に作れます。
 悪事を働く理由にしても、単純に『聖痕が欲しかったから』でいいでしょう。
 純情可憐なアングルス・レクトスな姫君を出して、それを“殺戮者”が狙うという展 開にすると、PCのみならずプレイヤーも必死になって姫君を守ろうとしてくれるでし ょう。


ディック「聖痕者(PC)はともかく、プレイヤーが? なぜだ?」
ルイーズ「だって、姫君を守れないと∵天真∵を3つ増やした“殺戮者”と戦わされる
    かもしれないのよ」
ディック「納得した。それはたいへんだ」
ルイーズ「……ところで、ボクにもアングルス(過去)があるんだけど……」
ディック「ふむ。だが、1個ならば予測の内だ。問題ない──」

 ルイーズ、ガントレットを装着してディックをぶん殴る。(ダメージC+2)


ディック「何をするんだ。痛いじゃないか」
ルイーズ「バカッ! もう知らない!」

▼うわべだけ善人タイプ

 一夜の宿を求めたら、親切そうなおばあさんが出てきてもてなしてくれたけど、実は おばあさんは怖い山姥だったという、童話でお馴染みの悪党です。
 このタイプは「最初は親切にする」とか「もっと悪そうなヤツを出して、PCの注意 をそっちにひきつける」と有効です。


ディック「いずれにせよ、“殺戮者”は序盤から登場させること。プレイヤーに裏読み
    されるのを恐れて、登場させないのは良くない。そうだな、ルイーズ──ルイ
    ーズ?」
元騎士の爺や「姫様は、怒ってどこかに行ってしまいましたぞ」
ディック「なぜ怒ったのだ?」
元騎士の爺や(本気で言ってるところが天然ですのぉ)「ところで、序盤から登場させ
    ておいて、本性がばれたらどうなさるので?」
ディック「敵に社会的な地位をもたせたり、美麗な外観をもたせて人の中に紛れ込ませ
    ておく。めったな証拠がない限り、いきなり戦闘にはならない──はずだ」
元騎士の爺や「それでも、いきなり戦闘になってしまったら?」
ディック「それも一興だとは思うが。こうプレイヤーに言うのも面白いだろう──」

GM    『こんな序盤で最後の戦闘をしちゃうと──』
プレイヤー『しちゃうと?』
GM    『経験点、少ないよ』(シーンごとにもらう[鎖]カード枚数が経験点になる)


元騎士の爺や「……」(笑うべきか、あきれるべきか、判断に迷いますのぉ)

▼闇に落ちた善人タイプ

 人としての良心を持ちながら、外道に落ちてしまったという“殺戮者”です。
 スティーブンスンの小説『ジキル博士とハイド氏』をイメージしていただくと、よろ しいかと思います。

ディック「ちょっとサイコな“殺戮者”だ。善の心が勝っている間は普通の人で、悪の
    誘惑におちると悪事を働くわけだ」
元騎士の爺や「何かきっかけがあると面白いですな。たとえば夜になると、とか。女性
    に誘惑されると、とか」
ディック「“うわべだけ善人”と分けるには、PCには親切にせずに、NPCに親切に
    することだ。それも、エキストラの一般人とか、スラムに住む乞食や浮浪児に
    対して」
元騎士の爺や「それを、PCが目撃するわけですな」
ディック「その後で外道になった時に、善行を施した人をくびり殺すと効果的だ」
元騎士の爺や「……イヤな効果ですのぉ」

▼大人物タイプ

 “殺戮者”は基本的に悪いヤツですが、たとえば日本史における織田信長や大久保利 通のように『大事をなすために敢えて修羅の道を行く』人もいます。
 しかしながら、闇の鎖に囚われた“殺戮者”は、やはり最後には人道を踏み外してし まいます。その人の業績を大事に思えばこそ、闇に落ちる前に討つべきでしょう。

ディック「そういう意味では、因縁としてPCの現在や過去の『主人』がこのタイプに
    ふさわしいだろう」

元騎士の爺や「ぶるぶる。冗談じゃありません(現在の『主人』はルイーズ)それにし
    ても、姫様は遅いですな。そろそろお腹がすいて出て来る頃合いかと思ってお
    ったのですが──ややっ!」
ルイーズ「……ディック」

 ぼろぼろになったドレスを着たルイーズが、腕から血を流しながら倒れる。
 ∵戦鬼∵で追加行動を得たディックが、地面に崩れ落ちる前にルイーズを優しく抱き とめた。血で汚れるのもかまわずに、ルイーズをマントでくるみ、てきぱきと〈手当〉 を行っていく。

ルイーズ「ディックのバカ。こんなところで奇跡を使う必要……ないじゃない」
ディック「必要はある。私のすべては君を守るためにあるからだ」
ルイーズ「ボクは大丈夫……でも、ライラが……髑髏の仮面の男に……」
元騎士の爺や「ライラ──ライラ・ナイヘル男爵令嬢でございますか! それは一大事!
     すぐに領主様へご連絡をせねば──」(バタバタと退場)
ディック「その銀仮面の男、“殺戮者”か?」
ルイーズ「たぶん……∵不可知∵で姿を消したから……ゴメン……ボク、がんばったん
    だけど……」
ディック「大丈夫だ。その髑髏の仮面の男には、私が必ず報いを受けさせる」
ルイーズ「それは相手が“殺戮者”だから? それとも、悪いヤツだから?」
ディック「(首を左右にふって)そんな事はどうでもいい。その男は私の一番大事な人
    を傷つけた。私にとって、理由はそれで十分だ」


●サンプル・シナリオ:髑髏の仮面

 『髑髏の仮面』の悪役は、この章の分類で言うと『▼邪悪タイプ』です。ルイーズを 襲い、ライラ・ナイヘル嬢を誘拐したのは、聖痕を得るためです。
 『髑髏の仮面』の正体は、ガモル・ドルケスです。元は国境警備の傭兵ですが、野盗 との戦いで戦功をあげ一年ほど前に騎士として叙勲されました。ただし、あくまで名称 と一時的な恩賞のみの騎士で、領地は持ちません。そのため自由都市ケルバーに移り住 み、屋敷を購入して住んでいます。
 ガモルは一年前までは幅も厚みもあるがっしりとした体格の持ち主でしたが、“殺戮 者”に身を持ち崩してからは、骨と筋の表面にしなびた皮がはりついているだけ、とい うぐらい痩せてしまいました。PCとの遭遇では死神のようなイメージを持たせてくだ さい。ガモルの傍らには醜く矮小な執事が常に控えています。
 性格は熱狂しやすく冷めやすいタイプです。挑発されるとすぐに激しますが、挑発と わかるとすぐに冷静になります。決して頭は悪くありません。
 誘拐されたライラ・ナイヘル嬢は、ケルバー市の地下に張り巡らされた下水道の中に ある秘密の部屋に監禁されています。ここでガモルは夜な夜な邪悪な儀式を行い、ライ ラの聖痕を奪おうと企んでいます。ライラのアルカナはアングルス=ステラ=マーテル で、一晩ごとに未来→過去→現在の順で聖痕を奪い取ります。そして、すべての聖痕を 奪った後で、ガモルはライラを陵辱し、殺すつもりでいます。


■4■“殺戮者”との戦い方(対決ステージ)を決める

 対決ステージは、通常のシナリオ構成においてクライマックス部分になります。
 プレイヤーも、それを期待しているはずですから、それなりに演出を考えておきまし ょう。コンピュータRPGにおけるボス戦闘などが、参考になります。

▼演出その1)舞台効果

 対決を盛り上げるには、まずそれらしい舞台を用意しましょう。
 『邪悪タイプ』の“殺戮者”であれば、邪神を祭る祭壇の前のように、いかにも悪そ うな雰囲気の場所が分かりやすくていいでしょう。
 『うわべだけ善人タイプ』や『闇に落ちた善人タイプ』であれば、上記に加えて、一 般の衆目を集める場所も相応しいでしょう。たとえば“殺戮者”が貴族であればその屋 敷の中、真教の祭司であれば教会の中といった具合に。
 『大人物タイプ』であれば、王宮などの権力の間で直接対決するのもいいですし、逆 に誰もいない所でひっそりと一騎打ちという手もあります。


ディック「まさか、地下の下水道にこのような場所があったとはな」
ルイーズ「臭い……けど、それだけじゃない。なんて禍禍しい瘴気……」
魔法使い「そういえば、半年ほど前に、邪神の信徒が討伐された事がありました。本拠
    地は不明だったのですが、ココだったのですね」
傭兵
    「おい、向こうからナニか聞こえるぞ」
ディック「よし、急ぐぞ」

▼演出その2)タイミングを計る

 次に、PCあるいは“殺戮者”がシーンに登場するタイミングを計りましょう。
 PCの場合は『真打ちは最後に登場する』という言葉があるように、ギリギリのタイ ミングで颯爽と登場するのが英雄らしくてよろしいでしょう。
 逆に先にPCが場面に出て、後から“殺戮者”が登場する場合は、あらかじめ前振り があった方が劇的でよろしいでしょう。高く響く足音や、轟く雷、吹きすさぶ風などが 悪役らしい舞台効果です。


ガモル「くっくっくっ。今宵もそなたの聖痕をいただくとするか。そして、すべての
    聖痕を奪われたその時、そなたは死ぬのだ」
ルイーズ「そこまでよ! ライラ、助けに来たわよ!」
ガモル「むむっ? 貴様たちは?」
ディック「聖痕を奪われて死ぬのは貴様の方だ、ガモル」

▼演出その3)本性を見せつける

 “殺戮者”がその闇の本性を見せると、聖痕の共振が発生します(P72参照)。
 せっかくですので、これも演出に利用しましょう。できるだけ邪悪な本性を見せ、PCとプレイヤーの双方に「ああ、こいつを倒すのは正義だ」って気分にさせるのです。

ガモル「死ぬ? ワタシが? ひぃーひっひっひっ──(しばらく笑い転げた後で、
    冷酷で冷静な表情になり)──バカか、おまえら」

 ガモルが腕を一振りすると、シャキン、という音がしてアームブレイドが伸びる。
 そして、その鋭い刃で祭壇にくくりつけられたライラの左目をえぐった。
 左目についていた聖痕“アングルス”が宙を舞って飛び去ろうとするが、ガモルの本性である巨大な髑髏が現れて、パクリ、と飲み込む。ガモル自身も、アームブレイドの先についたライラの眼球をむしゃむしゃと食い、血に染まった笑顔でニタリ、と笑う。

ライラ「うああっ!」
ガモル「くうぅぅん。いいねぇ、その苦痛に歪んだ顔。悲鳴。素晴らしいぃ」
ルイーズ「ライラぁっ!」
ディック「外道め、許さん!」
ガモル「(再び冷静になって髑髏の仮面をかぶり)許さないのはワタシの方だ。我が
    楽しみを邪魔した罪、万死に値する!」

▼“殺戮者”の力:能力値と装備

 “殺戮者”の能力値については、特に規定はありません。とはいえ、全能力値30点 というのもシャレになりませんので、ある程度の制約は必要です。ひとつの目安を、以 下にあげます。

“殺戮者”の能力値
能力値 重戦士型  軽戦士型  魔法戦士型
【体格】252015
【反射】202520
【共感】151520
【知性】151520
【希望】101010

 装備については、値段の大小や希少さに関係なく、自由に持たせるといいでしょう。

▼“殺戮者”の力:技能と特技

 技能は、戦闘でメインに使う物や、特技と組み合わせて使う物を3レベルとします。
 他は1レベルでいいでしょう。
 ただしどの場合でも〈自我〉は最低でも2レベルにしておきます。(対魔法用など)
 特技は“殺戮者”が持つアルカナから1〜3ずつ選びます。あまりたくさんあっても 管理が面倒になるだけなので、合計で5〜7個ぐらいが適当でしょう。

▼“殺戮者”の力:聖痕

 “殺戮者”が持つアルカナの聖痕に加えて、5〜7個の聖痕を追加します。
 取得しておくと便利なタイプの奇跡は以下の通り。
    ∵不死∵(フィニス)
    ∵無敵防御∵(アダマス)
    ∵絶対攻撃∵(アルドール)
    ∵拡大∵(アクシス)
    ∵天真∵(アングルス)
 特に∵天真∵は便利ですので、少なくとも1個は保有しておきましょう。  BoAのシナリオ作成で、一番GMが頭を悩ませるのが、この聖痕の部分でし ょう。プレイヤー人数が1人違ったり、聖痕をどう取得したかによって、パーテ ィ全体のバランスが異なってきます。
 筆者としては、この部分は若干少なめに設定しておき、PCが取得した聖痕を 見てから、追加(∵天真∵など)を決定してもよろしいかと思います。

▼“殺戮者”の力:手下

 対決ステージの戦闘においては、通常、“殺戮者”1人に対し4〜5人の“聖痕者” が立ち向かう形になります。このままでは、戦闘バランスはともかく、絵的に美しくあ りません。やはり、悪役側が大人数である方がよろしいでしょう。
 傭兵(アルドール)のトループ(7人)をPCの人数+1ぐらい用意しておくなどして、数を増やしておきます。


●サンプル・シナリオ:髑髏の仮面

 髑髏仮面ことガモルはケルバー市の下水道にある秘密の部屋(儀式の間)に誘拐した 令嬢を監禁しています。通常は、そこが対決ステージの舞台となるでしょう。
 また、ガモルが地下に行くのは、男爵令嬢から聖痕を奪う儀式を行う深夜だけです。

▼“殺戮者”データ:


 ◆名前:ガモル・ドルケス 年齢:30才 性別:男
  身長:185cm 体重:60kg 瞳:黒 髪:白 肌:白
  種族:ヴァルター+ウルフェン
 ◆アルカナ
  アルドール=アクア=フルキフェル
 ◆能力値
  【体格】25 【反射】20 【共感】15 【知性】15 【希望】10
  HP:56 DP:─ AP:12
 ◆技能
  〈格闘〉●●● 〈隠密〉●●● 〈自我〉●●● 〈知覚〉●●
 ◆特技
  《苦痛耐性》3Lv《憤怒》《重撃》《縮地》《矢止め》《獣の生命》
 ◆装備
  武器:アームブレイド(右手)
     ガントレット(左手)
  防具:プレートメイル(全身)
     オープンヘルム(頭)
     革マント(全身)
 ◆異形
  巨大な髑髏。口や眼窩から蒼黒い瘴気を噴き出している。
 ◆奇跡(聖痕)
  本来保有している物 ∵絶対攻撃∵(アルドール)
            ∵因果応報∵(アクア)
            ∵模造∵(フルキフェル)
  他人から奪った物    ∵無敵防御∵(アダマス)
            ∵拡大∵(アクシス)
            ∵呪縛∵(レクス)
    ※1
            ∵天真∵(アングルス)
            ∵不可知∵(ルナ)
    ※1
  男爵令嬢から奪う    ∵再生∵(マーテル)/1日目深夜  ※2
            ∵天真∵(アングルス)/2日目深夜 ※2
            ∵活性化∵(ステラ)/3日目深夜  ※2
  ※1:導入〜展開ステージ用。対決ステージまでに使いきること。
  ※2:男爵令嬢(ライラ)は、奪われていない奇跡をPCに対して使う事ができる。

▼“殺戮者”の部下:

 ガモルには、腹心の部下として邪神の司祭(マーテル・レクタ)がいます。彼はいつ もは執事としてガモルに仕えています。この司祭の手ほどきで、ガモルは下水道にある 秘密の部屋を知ることができたのです。
 他にも、邪神の信徒としてアルドールのトループ(7人編成)が4グループ、デクス トラのトループ(7人編成)が3グループいます。PCがガモルにたどり着くためには、 まずアルドールのトループを突破しなくてはいけません。


■5■PCの動機付け(導入ステージ)を決める

 ここで時間を戻して、導入に戻ります。導入ステージでは、PCに冒険に参加する 動機や理由をを与えます。同時に、各PCがどんなキャラクターなのか、各プレイヤー に認識してもらう場でもあります。

ディック「導入のパターンは四つ紹介されているな(P68〜69参照)」

    1)依頼:依頼を受ける(因縁があるNPCなどから)
    2)目的:PCの目的と合致する(現在や過去の因縁があるNPCが登場する)
    3)偶然:たまたま巻き込まれた(未来の因縁を持つNPCが登場する)
    4)トラブル:困っているNPCに会う(そのNPCと因縁を結ぶ)


ルイーズ「ポイントは、シナリオで、PCと因縁を結ぶNPCを決める事。悪縁だっ
    たら、敵の“殺戮者”本人かその仲間/部下/上司のゲストを」
ディック「良縁なら?」
ルイーズ「PCが友達にしたい人をNPCにして、敵役と対立させる。注意するのは、
    PC/プレイヤーによって『良縁を結びたい』って思う人は違うって事」
ディック「というと?」
ルイーズ「体制側に属するPCなら、権力者と良縁が欲しいよね。でもアウトローな
    PCだったら、むしろ独立独歩の好漢と良縁を結ぼうとするんじゃないかな」
ディック「いずれにせよ、因縁を結んだキャラクターがいると、登場判定がサイコロ1
    個分、有利になるわけだ」
ルイーズ「もちろん、PC間でも結ぶんだよ。(さりげなさそうに)ディックはどんな
    因縁があるの?」
ディック「私は君(ルイーズ)と──」
ルイーズ「うん、うん」
ディック「『現在:幼子』の因縁を結んでいる。守るべき対象だからな」 ルイーズ(どーせ、そんなモノよね)

●サンプル・シナリオ:髑髏の仮面

 『髑髏の仮面』では誘拐されるライラ男爵令嬢と、ケルバー領主であるリザベート (P130参照)、そして悪役である元傭兵で現在、騎士のガモル・ドルケスが重要な NPCとして登場します。PCには、この3人の誰かと因縁を結んでもらってください。
 誰とも結びたくないというPCには“リトルローズ”シャロン(P132参照)か “処刑者”コンラッド(P132参照)を選ぶようにしてもらってください。
◆シーン:仮面舞踏会(5分)
 『因縁:ライラ男爵令嬢』を持つPCが、領主の館(P119の地図参照)で開かれ ている仮面舞踏会に出席します。もちろん、武器・防具はつけていません。
 GMは、ここでPCとライラ男爵令嬢と会話をさせてください。ライラは、自分の体 に聖痕が出たことをPCに告白します。(左目に出たアングルスの聖痕を見せます)
 男性のPCであれば、この場面で一緒に踊るのもいいでしょう。
◆シーン:城塞の警備(5分)
 『因縁:リザベート・バーマイスター』を持つPCは仮面舞踏会に出席/警護をして います。
 そこへ、護衛の兵士が駆け寄ってきて『髑髏の仮面をつけた怪しい男』が城に進入し てきた事を報告します。(PCの立場は、流れ者でない限り基本的に隊長/幹部クラス です)髑髏の仮面は、鼻が曲がりそうな強い臭いを発していたと兵士は報告します。
◆シーン:裏切りの報酬(5分)
 『因縁:ガモル』を持つPCはブレダ王国との国境近くの砦にいます。(日時は、シ ナリオ開始の一年ほど前です)砦は約50人ほどの野盗の群れに囲まれています。
 砦にいる兵士は10名で、周辺の村から民間人が約100人、砦に避難してきていま す。砦の兵士の一人が、連絡と援軍要請のために野盗の包囲を突破しました……しかし、 その兵士はわざと援軍を遅らせて、野盗が砦を焼き払い、周辺の村から略奪を開始する まで待ちました。そして、略奪した物資を抱えて撤退をはじめた野盗を打ち破るという 戦功をあげたのです。この戦功により、その兵士は騎士として叙勲されました。
 その兵士の名前はガモル・ドルケス。
 野盗に焼き払われた砦の兵士で、生き残ったのはPCだけでした。
◆シーン:髑髏の仮面(20分)
 仮面舞踏会に参加しているか、警備を担当しているPCは、突然、窓を破って一頭の ヒポグリフ(P167)が突入してくる場面に遭遇します。ヒポグリフは煙幕瓶をつか んでおり、最初のラウンドにこれを舞踏会場の床にたたきつけます。
 以後、周囲にいる人間に、誰彼かまわず襲いかかります。警備役のPCは、ヒポグリ フとの戦闘に突入します。ヒポグリフはHPが半分以下なったら逃げようとします。
 (戦闘の処理を開始する前に)この騒ぎの中、ライラ男爵令嬢に髑髏の仮面をつけた 男が近寄ります。PCのうち、仮面舞踏会に出席している(非武装の)PCだけが、髑 髏仮面を阻止しようと試みることができます。髑髏仮面は鎧はつけていませんが、アー ムブレイドとガントレットを装備しています。
 このシーンの戦闘はヒポグリフvs警備PCと、髑髏仮面vs舞踏会出席PCをラウ ンドごとに交互に処理します。(システムに慣れていないPCにはルールの確認にもな るでしょう)
 PCが髑髏仮面との戦闘で気絶ないし死亡した場合(ほぼ間違いなく、そうなります) ライラ男爵令嬢が∵再生∵を使ってPCを蘇生させます。
 PCを倒した髑髏仮面は、それを見てうれしそうに笑います。
「やはり『刻まれし者』であったか。気高く優しき令嬢よ、ワタシと共に来るのだ。さ すれば、これ以上の殺戮は止めてやろう」
 男爵令嬢は首肯し、髑髏仮面の元に自分から近づきます。髑髏仮面がマントを広げ、 その中に令嬢を包み込むと∵不可知∵によって姿を消します。
 ここでGMは『因縁:ガモル』を持つPCに〈知覚〉で髑髏仮面の〈隠密〉と対抗判 定させてください。成功したら、PCは髑髏仮面がガモルに違いない、という直感を持 ったとプレイヤーに伝えます。(ただし、証拠はありません)
※注意※
 このように、序盤から悪役を登場させるのは物語構成としては正しいのですが、 RPGとしては『悪役が冒頭で倒されてしまう』という危険を常にはらんでいます。 今回は、まずヒポグリフを登場させてPCを分断し、その上で非武装状態のPCだ けが悪役と対峙するという仕掛けを行ってあります。それでも手間取りそうでした ら∵呪縛∵を使用してPCを退場させてください。

◆追加シーン:追跡(5分)
 ここまで一度も登場しなかったPCは都市の南門近くで、ドレス姿の美しい少女を抱 えた髑髏の仮面をつけた人物を見かけます。
 追跡する場合、髑髏仮面(ガモル)の〈隠密〉とPCの〈知覚〉で対抗します。PC が勝利した場合、人影が南門近くの下水溝に消えていくのを目撃します。


■6■導入から対決までの流れ(展開ステージ)を決める


ルイーズ「ここで、時間配分を考えてみるよ」
ディック「いきなり、何だ?」
ルイーズ「敵の“殺戮者”との戦いに1時間かかるとするね。ラウンド数でいくと、
    およそ3〜7シーン」
ディック「そんなもんだろうな」
ルイーズ「導入ステージで、因縁を使って冒険の動機付けをするのにだいたい、30分
    から1時間。ステージ数はPCの人数−1から+1くらい」
ディック「同意する」
ルイーズ「コンベンションや、サークルの会合で遊ぶ時間がキャラメイクや休憩・食事
    なんかを除くと4〜5時間とするね。残りは何時間?」
ディック「導入と対決に2時間かかるとすると、残りは2時間から3時間か」
ルイーズ「じゃあ、余裕を見て2時間。これが展開ステージにかけられる時間なわけ」
ディック「ふむ。その2時間で対決ステージへ向けての準備をするわけか」
ルイーズ「登場の機会を各PCに公平に与える事を考えると、展開ステージのシーンの
    数は最低でもPCの人数分は欲しいよね。つまり、最低5シーンは必要って事」
ディック「とすると、1シーンは20分以内に納めるべきだな」
ルイーズ「実際には、登場していない人の事も考えて10分ぐらいにするのが適当ね」

▼各シーンの手順

1)シーンプレイヤーを決める。
2)シーンプレイヤーが、どこで何をするか決める。
3)同行者の決定や、登場判定を行う。
4)イベントの処理や、行動の判定を行う。
5)シーン終了。[鎖]をシーンプレイヤーに渡す

ディック「1)〜3)と5)はそれほど時間がかからない。つまり、時間を短くするに
    は4)のイベント処理や行動の判定を簡単にすればいいんだな」
ルイーズ「2)でプレイヤーが迷わないように、シナリオの構造を明確にすることも大
    事だけどね」
ディック「具体的にはどうするんだ?」
ルイーズ「各シーンでPCができる行動を、原則として1回の行為判定だけにするの。
    情報収集だったら、〈交渉〉〈知覚〉〈事情通〉のどれか、とか」

 筆者がGMを担当する場合は、まず判定から先にさせることが良くあります。
 つまり、PCにまず行為判定をしてもらって、結果から、プレイヤーとGMで、 何が起こったのか相談して決めるわけです。

ディック「しかし、それだとちょっと味気なくないか? プレイヤーはサイコロを振る
    だけなんて」
ルイーズ「だから、GMが障害や制限を考える必要があるのよ。プレイヤーに悩んでも
    らうために」

▼制限

    1)時間制限−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     シーン数には限りがあります。(あらかじめ、展開ステージのシーン数は
    プレイヤーに教えておいてもいいでしょう)
     そのシーン数内に、必要な情報収集などの準備を完了させねばなりません。
    ※時間制限のペナルティの考え方※
     準備不足で対決シーンに突入した場合、PC側が不利になるような設定を
    しましょう。たとえば権力者の悪役なら、悪事を暴かないと兵士のトループ
    が毎ラウンドごとにワラワラ登場するとか。
    2)移動制限−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     1回のシーンでは、1つの場所にしかいられません。他のプレイヤーのシ
    ーンに登場した場合は、シーン・プレイヤーと同じ場所に移動する必要があ
    ります。
    ※移動制限のペナルティの考え方※
     悪役の悪事を食い止めたり、良縁のNPCに降りかかる不幸を阻止するに
    は、その場面に居合わせる必要があります。いないと、自動的に悪事が進行
    したり、NPCに不幸が発生します。
    3)行動制限−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     上述したように、1回のシーンで1回の行為判定のみを許可した場合、プ
    レイヤーは何をなすべきか自分で決めなくてはいけません。情報を集めるべ
    きなのか。装備や仲間などの準備を整えるべきなのか。それとも悪役の行動
    やNPCの不幸を阻止するべきなのか。
    ※行動制限のペナルティの考え方※
     迂闊な行動を取った場合、困るのは自分自身であると認識してもらいます。
     自分の行動の責任を自覚するというのは、英雄の条件です。

▼障害

    1)悪役の行動−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     何シーンかに1回、悪役は悪いコト=悪徳を働きます。もしPCが同じ場
    面に居合わせれば、悪事を阻止することが(行為判定か奇跡によって)でき
    るかもしれません。
    ※悪役の行動によるジレンマの考え方※
     悪役の行動を阻止しないとPCの尊厳値が下がります。阻止しようとする
    と、上述したように移動制限が発生しますし、加えて行動制限により情報収
    集などの準備の
    行動ができなくなります。
    2)NPCの不幸−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
     何シーンかに1回、『良い』NPCは不幸な目にあいます。もしPCが同
    じ場面に居合わせれば、悪事を阻止することが(行為判定か奇跡によって)
    できるかもしれません。
    ※NPCの不幸によるジレンマの考え方※
     情報や権力を持つNPCに不幸があれば、それを阻止しなければPCの行
    動の範囲に新たな制限が加わるでしょう。また、聖痕を持つNPCが“殺戮
    者”に『食われる』と、敵の奇跡が増えます。
     一方で、阻止しようとすると、上述の移動制限が発生しますし、行動制限
    により情報収集などの準備の行動ができなくなります。


●サンプル・シナリオ:髑髏の仮面

 『髑髏の仮面』は、誘拐された男爵令嬢から髑髏仮面ことガモルが聖痕を奪ってし まうと終わりです。つまり、シナリオ開始から3日後の夜までが時間制限となります。
 そこから逆算して、展開ステージを次のようにシーン分けします。
    シーン1:第1日目の調査:朝
    シーン2:第1日目の調査:昼
    シーン3:第1日目の調査:夜
    ※シーン3終了時に、ライラ嬢からマーテルの聖痕が奪われる。悪徳が行われ
    たと告げて、全プレイヤーに[鎖]を1枚渡し、DPを1下げる。

    シーン4:第2日目の調査:朝
    シーン5:第2日目の調査:昼
    シーン6:第2日目の調査:夜
    ※シーン6終了時に、ライラ嬢からアングルスの聖痕が奪われる。悪徳が行わ
    れたと告げて、全プレイヤーに[鎖]を1枚渡し、DPを1下げる。

    シーン7:第3日目の調査:朝
    シーン8:第3日目の調査:昼
    シーン9:第3日目の調査:夜
    ※シーン9終了時に、ライラ嬢からステラの聖痕が奪われる。悪徳が行われた
    と告げて、全プレイヤーに[鎖]を1枚渡し、DPを1下げる。

    シーン10:第4日目の朝
         男爵令嬢の死体が下水溝で発見される。
         シーン終了後(数日が経過した事になり)対決ステージに入る。

 朝/昼/夜の区切りは絶対というわけではありません。プレイヤーが望むのであれば、 夜→夜→昼でもいいわけです。ただし「3シーンごとに1日が経過し、シーン9までに 救出しないと手遅れ」という原則は守ってください。プレイヤーにも、そう明言してか まいません。

 次に、シナリオ目標である『男爵令嬢の救出』に必要な情報をリストアップします。

    情報A:下水道にある秘密部屋の場所を知る→対決ステージへ
        判定:〈知覚〉(ガモルの〈隠密〉と対抗判定)に成功し、さらに
           〈運動〉(ガモルの〈隠密〉と対抗判定)に成功する
        場所:ガモルの屋敷(を見張っている)
        時間:夜
        条件:情報Bがある
        ※情報Cがあると判定は自動成功

    情報B:髑髏仮面=ガモルという確信を得る
        判定:〈交渉〉(ガモルの〈自我〉と対抗判定)
        場所:ガモルの屋敷(に乗り込んでガモルと会う)
        時間:朝か昼
        条件:情報D/E/Fがある
        ※情報D/E/Fのうち2つそろっていると判定のサイコロ+1個
        ※情報D/E/Fが3つともそろっていると判定は自動成功

    情報C:下水道の地図を得る
        判定:〈事情通〉か〈交渉〉
        場所:城の図書室/〈禿鷲の巣〉/ブルーダーシャフト
        時間:いつでも
        条件:情報Gがある
    情報D:ヒポグリフの入手経路を調べ、ガモルが怪しいと知る
        判定:〈事情通〉か〈交渉〉
        場所:ラダガイト商工同盟/〈禿鷲の巣〉/ブルーダーシャフト
        時間:いつでも
        条件:なし
    情報E:煙幕瓶の入手経路を調べ、ガモルが怪しいと知る
        判定:〈事情通〉か〈交渉〉
        場所:ラダガイト商工同盟/〈禿鷲の巣〉/ブルーダーシャフト
        時間:いつでも
        条件:なし
    情報F:髑髏仮面の噂を調べ、ガモルが怪しいと知る
        判定:〈事情通〉か〈交渉〉
        場所:どこでも
        時間:いつでも
        条件:なし
    情報G:髑髏仮面と男爵令嬢の目撃談を調べ、下水道へ消えた事を知る
        判定:〈事情通〉か〈交渉〉
        場所:どこでも
        時間:いつでも
        条件:なし

 各シーンごとに、PC1人ができる判定は1回だけです。また、シーンプレイヤーと別の場所での判定はできません。
 最短3シーンでPCは情報Aに到達し、対決ステージに移行します。しかし、実際にはそこまで効率的に進むことはめったにありません。
 この『髑髏の仮面』のように、情報集めが重要になるシナリオではシーン・プレイヤーが悩み始めると、進行が停滞してしまいます。シーン・プレイヤーが悩んでいるようであれば【希望】で判定をさせ、成功すればGMがNPCの口を借りて、ヒントを出してください。この時、因縁を持っているNPCだと効果的です。

ヒントの例:
 「ヒポグリフというのは、普通の乗用馬と違って通常では手に入らないものだよ。領
 主のリザベート様も前に、『偵察用として1頭購入するのに、軍馬10頭分の値段を
 ふっかけられたわ。しかも前金で、納期は未定と来るんだもの』とブツブツ言ってい
 たのを思い出す」
 「ガモルの尾行に失敗したのは、下水道が暗く入り組んでいたせいだね。そういえば、
 〈禿鷲の巣〉のシャロンから『地下から夜な夜な、苦痛にうめく声が聞こえるって怪
 談があるんだけど、知ってる?』って聞いたことがある」

 また都市の概略図などを用意して、都市にどんな場所があるのかを明確にするのも良い手法です。


■7■終局ステージを決める

 BoAにおける終局ステージは、展開ステージ〜対決ステージがどのように進んだか によって、大きく変動します。そのため、シナリオ作成時にはハッピーエンドなどの、 おおまかな部分だけ決めておけば良いでしょう。

ディック「これで、とどめだ! ∵絶対攻撃∵!」
ガモル「笑止っ! ワタシに∵天真∵があることを忘れたか」
ディック「くっ、もう一つあったのか。ルイーズ──?」
ルイーズ「ごめんなさい、もう打ち止め」
ガモル「では、ワタシの番だな──」
ライラ「聖痕よ、私に力を貸して!」
ガモル「なにっ?! これは──∵活性化∵?」
ディック「よし、もう一度──∵絶対攻撃∵!」
ガモル「がああっ……ワタシは……死ぬ……のか……」

●サンプル・シナリオ:髑髏の仮面

▼男爵令嬢の聖痕が1つ奪われた状態でガモルに勝利した
 男爵令嬢から奪われた聖痕は、再び男爵令嬢に戻っていきます。そして、残りの聖痕 が、天へ開放されることになります。
 PCの迅速な行動に敬意を表しましょう。ボーナス経験点を3点、GMからPCにさ し上げてください。 ▼男爵令嬢の聖痕が2つ奪われた状態でガモルに勝利した
 男爵令嬢から奪われた聖痕は、再び男爵令嬢に戻っていきます。そして、残りの聖痕 が、天へ開放されることになります。
 PCの迅速な行動に敬意を表しましょう。ボーナス経験点を1点、GMからPCにさ し上げてください。 ▼男爵令嬢の聖痕が3つ奪われた状態でガモルに勝利した(男爵令嬢は生存)
 男爵令嬢から奪われた聖痕は、再び戻ることなく、そのまま残りの聖痕と共に天へ開 放されます。 ▼男爵令嬢の聖痕が3つ奪われた状態でガモルに勝利した(男爵令嬢は死亡)
 男爵令嬢の仇はとりましたが、PCにとって苦い勝利となりました。 ▼PCが敗北/撤退した
 ガモルは男爵令嬢にとどめをさし、聖痕をすべて奪った後でいずこかへ去っていきました。髑髏仮面は、今度はどこで悪事を働くつもりなのでしょうか?


■8■キャンペーン・シナリオ

 自分のキャラクターに愛着がわいた場合、同じキャラクターで何度も遊んでみたいと思うのは人情というものです。


ルイーズ「でも、サークルなんかの仲間内で遊んでいる場合、同じ人ばかりGMするの
    はあんまり良くないよ」
ディック「特にBoAの場合は、常に同じPC同士がチームを組む必要がない。だから
    交代でGMしても問題はほとんどない。経験点も、GMをした方がたくさん手
    に入る」
ルイーズ「交代でGMしている場合のキャンペーンだと、一番いいのは同じ町に全PC
    が住むか滞在していて、事件が発生する度にそのうちの何人かが集まる、って
    形式かな」
ディック「王国自由都市ケルバーが、そういうキャンペーンには一番向いているだろう」
ルイーズ「そうね。領主のリザベート様とか、シャロンちゃんとか、NPCも紹介され
    ているものね」

 サンプルシナリオ『髑髏の仮面』で、ケルバーを舞台にしたのにもそういう理由があります。

ルイーズ「そうそう、ライラだけど。もうすっかり良くなったみたい。来週には、お父
    さんの荘園に戻るんだって」
ディック「そうか」
ルイーズ「でも、気になるよね、髑髏仮面──ガモルが最後に言ってた『すでにこの町
    は滅びへと向かっている……他ならぬ竜の守護ゆえにな』って言葉」
ディック「その件に関しては、領主様に報告済みだ。何やら、お考えがあるらしい」
ルイーズ「どうしたの、その荷物? え、仕事で旅に出る? ちょっと、ちょっと待っ
    てよ! ボクも一緒に──」

 さて。この続きは、皆さんが自分で考えてください。
 では、良い冒険と。
 そして、アルカナの加護が皆さんにあることを願いつつ。
 ひとまず、幕を下ろすことにいたしましょう。


 作成者:銅 大(アカガネ ダイ)


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