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【後ろを向いて歩こう】
後ろ向きストーリー その9

 まだ高校生だった頃のことです。
 当時とある部に所属してまして、ある日部の先輩に「ゲームやらないか」と誘われました。
 学校の部室で、日曜の朝からだそうです。
 何のゲームかを問うたら、説明は難しいがやってみれば分かるとのこと。
 滅多に来ない部員サン達も来て、皆で楽しむ趣向だとか。
 やるぜ、俺はやるぜ!
 なんだか分からないけどゲームですって。
 楽しそうじゃありませんか。

 とにかく日曜に、学校行ってみました。
 会場は部室で、すでに20人以上集まってます。
 会議でも開かれるがごとく、机が並べ替えられました。
 皆でそれに着席。
 なんか部長サンと他2名が、本とか紙とか持って立ってます。
 ゲームの進行役を勤めてくださるらしいですね。
 皆に何やら、謎の表が印刷されてる紙が渡されました。
 キャラクターシートという物だそうです。
 本にある説明にそって、何かのキャラクターを作れと。
 体力やら知力やら、サイコロで決めるらしいですね。
 3人のゲーム進行役とやらと、ゲームを知ってるらしい数名がゲーム素人(半数以上が、初心者だったようだ)に指導してキャラクターとやらをなんとか作りました。
 とっくに昼が過ぎてます。

 さてさて、部長サンがゲームの開始を告げました。
 「システムはD&Dです。今日は人数が多いので、ゲームマスターは3人でやります。
 はぁ、そうですか。
 やったことないんで、何人だと少ないのかとか分からないですが。
 ここでなんとなし、ゲームの説明があって、どうやらTVゲームのRPGみたいのを、口頭でやるっぽい感じですか?
 でも私、TVゲームもマリオとかやったくらいで、RPG分かりません。

 わからなくても、ゲームは始まるのです。
 GM『君たちは冒険者です。出合いからやるのは大変だから、パーティ組んでるとしますよ。皆は冒険者が集う、宿兼酒場にいます。』

 パーティは開いたり参加したりするもので、組むものではないのでは?(初心者による初歩的な誤解。)

 GM『さぁ皆さん、やりたい事をやってください。』

 …やりたい事? んむ…酒場なんでしょう? 酒呑むよなぁ普通は。
 大勢の素人と、若干の経験者がケンケンガクガク、討論してます。
 討論の末、素人軍団は酒のんでる奴等と、早々に寝てしまう群に別れました。
 他の数名は、宿の主人から冒険のネタを仕入れたようです。
 私は何もせずに、なんか気が付いたら次の日の朝で、20数名の冒険者達は冒険開始。
 パーティのリーダーらしき人が、色々指示してくれて助かります。
 どうやら宝探しに山へ行くそうで、ぞろぞろ群れ為して歩いてたら変な生き物達が襲ってきました。
 戦うそうです。そうですか。どうやって?
 あ、武器持ってる人が殴ったりするのね。
 判定はサイコロ? ほぅ。
 こんな団体さんだと、GMさんもさすがに戦闘が大変らしく人間がどう入り組んでるか把握する為に、変な生き物役のサブマスターと冒険者達が、実際に立って場所を決めてます。
 なんかライブRPGっぽいねー(とか、当時は全然思わなかった。)
 いつのまにか2〜3匹の魔物(?)を残して他はせん滅。
 生き残りの魔物から、お宝の情報を聞き出そうってコトらしいね。
 力強い魔物(ゴブリンだかオークだか、そのへん)を殺さぬ様、でも逃げ出さぬ様に、皆で羽交い締めにしてます。
 マジで魔物役に人に、皆がぶらさがって押さえてるマネしてるのですよ。

 ひとりぶら下がり損ね、立ち尽くす私に、マスターが聞きました。
 『あ、手ぇ空いてるキミ。何かアレ(ゴブリン?)に聞いて。』
 「…何を聞けばいいんですか?(初心者発言)」
 『…。』あきれるGMさんから、それとなく質問事項を示唆され、その通りに質問しようとした、その時。
 『あ、そういえばキミ。ゴブリン語持ってる?』
 ないです。何も特技ないんです。だから立ち尽くしてたんですよ。
 いわれるままサイコロ振ったら、目がどれも小さくてね。
 体力ないからロクな荷物もって無かったし、金も腕力もなかったから、短剣1本しか持て無かったし、魔力もないから回復とやらしか出来ないらしいし、知能も低かったから共通語とやらしか話せないそうだし、魅力も低かったので魅了とかなんとかもできないらしいし、不器用なので特技とやらも無かったような覚えが。
 そんなキャラな私だったので、戦闘も何も傍観してたのよ。
 そこでいきなり「何かしろ」と言われても、どうにも。
 だだだ、誰かゴブリン語持ってる人いないの?
 いるじゃん、何人も。じゃぁ聞いてよ、私の代わりに。
 『や、ゴブリン押さえてる人は聞けないんですよ。もう「行動」起こしてるから。

 …押さえ付けながら、お話ができないんですか?

 はぁ、変なゲームですね。 
 でも私もゴブ語できない以上、なにも出来ませんよね?

 −−−−−ゲーム硬直。

 その状態をどう抜け出したか覚えてませんが、とにかくすでに夕刻で、学校から閉め出される時間が来てましたので、その日はゲームがお開きになりました。
 「続き」とやらは、後日やるとか言ってましたが、あの団体D&Dのシナリオが、どう進んでどう終わったのか、私は知りません。

 そもそも、いったい何をやりたいゲームだったのかが、当時の私には分かりかねました。

 数年後、数の子さん誘われて、コンベに行ってゲームして、やっと「あの時やろうとしてたのはコレだったのかー。」と分かったって感じ?
 今だから分かるけど、20人D&D(初心者半数以上)は無理だろ。

関東より北の方■十数年前■投稿日:2001/12/01


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