GMN流「夢歩き」について
『深淵』のルールで一番厄介なのがこの「夢歩き」だろう。これがあるが故にGMするのをためらっている方もおられるかと思う。またプレイヤーの中にも「夢歩きはよく解らない」、といまいち生かしきれない方もいるだろう。
今回はそんな方のために「夢歩き」について解説してみたいと思う。
夢歩きには2種類ある
まず最初に、夢歩きには2種類あることを覚えておいてほしい。その2種類とは
1:PCの行動指針についてプレイヤーからGMへのアプローチ
2:GMからプレイヤーへの情報提供
である。ではこの2種類についてそれぞれ見ていこう。
PCの行動指針についてプレイヤーからGMへのアプローチ
オープニングの夢歩きがその典型的なもので、プレイヤーがその時点でPCに何をさせようとしているのかをGMと他のPCに示す為の夢歩きである。
例えばプレイヤーA君がオープニングの夢歩きで
(83番)
というカードを提示したとしよう。この場合、GMも他のプレイヤーも「おお、A君はこのセッションで自分のPCを華々しく死なせるつもりなのか」と思うわけである。GMも他のプレイヤーもA君のPCを美しく死なせるために協力は惜しまないだろう。
逆にA君は自分のPCを死なせるつもりがないのなら、こういったカードは出さないほうが良いだろう。
夢歩きを解釈するのはあくまでもGMである。プレイヤーがどんな意図で出そうが、最終的に判断を下すのはGMなのだ。例えば
(81番)
という夢歩きを出されたとしよう。この場合、素直に解釈して
1:待ってるのはPC
2:待ってるのはPC以外の存在
の2通りあると思う。そこら辺はシナリオに応じてGMが好きなように解釈して構わない。プレイヤーの考えと違っていた場合には
「待っていたのは私ではなく、奴であったか・・・」
などとカッコイイ台詞の一つも吐いてくれるだろう。
また、他のPCやNPCに対して夢歩きを使用する(させる)場合もある。その場合にどう解釈すればいいのか。これまた
(1)相手に対する立場表明
(2)相手とのイメージ共有
の二通りある。
(1)相手に対する立場表明
(40番)
騎士が美少女NPCに出会った瞬間に「今決めた! アンタがワシの心の姫や。ワシはアンタを命をかけても守るでぇ」というようなアーサー王物語や『ペンドラゴン』でおなじみのアレである。
もちろん「アンタこそルハーブ様への生贄にふさわしい娘や。シナリオ終了時までにぶっ殺してルハーブ様に捧げたるで〜」でも構わない。
(20番)
平安時代、一目惚れした相手に送る和歌みたいなモンだと考えてもいいかも。
(2)相手とのイメージ共有
これは富野アニメを考えてもらうと非常に解りやすい。ガンダムの「光る宇宙」でアムロとララァが語り合うシーンがあるが、ちょうどあんな感じである。共通のイメージの中で意識が交錯するといった所か。アムロのように図らずも相手を殺してしまった時に初めて意識を通い合せることができる、というのも盛り上がるかも(引くかもしれんが)。
(4番)
(60番)
(25番)
またこれとは別にZガンダムの「宇宙の渦」でのカミーユとハマーンとの共鳴のような結果にするのも面白い。心の奥底に秘めた誰にも見られたくないモノを相手に見られてしまう。それ故ハマーンは激怒したのである。
深淵的には自分のPCの目的や縁故等他のPC(プレイヤー)に知られるとマズイ情報を相手に知られてしまう事になる。その結果話はさらにややこしくなり、プレイヤーは苦悩し、GMは楽しめる。
(59番)
(64番)
そして最後に例外処理の話を少し。実はこれが夢歩きをややこしくする元凶であり、ベテランGMも苦労している問題である。例えばオープニングで
(77番)
を出された場合で、これなんかはどちらかと言えばエンディング向きのカードである。
カードを見てもらえば解る通り、語り部欄にはオープニング向き、エンディング向き、なんかよう解らんの3つがある。詳しくは夢歩きの解釈というテーマで後述するが、何が出てくるのか期待しているプレイヤーのためにもとにかく何らかのビジョンを提示しておいた方がよいだろう。
GMからプレイヤーへの情報提供
GMが夢の中で何かヒントや予兆のようなものを与えようという時に使う。寝ている時でもいいし、封印の前に立った時や衝撃的な光景を目にした時、PCに過去の光景をフラッシュバックさせるのにも使われる。ひょっとすると夢の中で大いなる存在が耳元に囁きかけてくるかも知れない。
(90番)
(13番)
直接的に見せてもいいし、普通に考えては解らないくらい遠回しにするのもよいだろう。
どちらか片方だけではなくて、うまく使い分けることができれば最高である。
どちらを使うかはGMの判断
というわけで夢歩きを2種類に分け、それぞれについて解説したが、最後に重要な項目が1つ残っている。それは、プレイヤーが出したカードを行動指針として扱うか情報提供として扱うかを最終的に判断するのはGM、ということである。例として
(42番)
を出されたとしよう。プレイヤーのA君は、PCの妹であるNPCの少女に対しての想いをこのカードに託したのだが、夢の中に出てきたのは事件に関係のある両腕を切り落とされ、鎖につながれたアヌビス神モドキ(ティオールじゃなくてタンキンです。すいません)だった、で構わないのである。
だから、プレイヤーも出したカードがどう解釈されるかを考えて出す必要がある。確信犯でない限りうかつに「死」とか「滅び」とか書いてるカードは出さない方がいいだろう(それによって死ぬのもまた一興だが)
夢歩きの解釈
夢歩きを2つに分けたところで、それを解釈できなければ意味はない。プレイヤーに何をどう伝えるか。GMの腕の見せ所である。
とは言うものの、無から有は生まれない。何もベースがないのに解釈などできるわけもない。そこで普段から本を読むなりTVを見るなりなんなりしてイマジネーションを鍛えておく必要があるだろう。最初は真似でもなんでも構わない。とにかく恐れずに一つ一つこなしていこう。
また、夢歩きは第一印象を大切にしよう。出されたカードの語り部欄を読んでごちゃごちゃ考えるよりも最初に浮かんだイメージをそのまま伝えた方がよい。試験でもう一度考えて書き直したけど最初の答えの方が正解で悔しい思いをしたことは誰にでもあるはずだ。
最後に、どうしてもビジョンが見えてこないこともあるだろう。一休さんでも頓知が浮かばない時があるのだ。失望することはない。困ったときのためのとっておきのビジョンを1つ教えよう。
見渡す限り一面の砂漠。その真ん中に一本の電柱が立っていて砂の上に長い影を落としている。電線は張られていない
何の事やらさっぱり解らないと思うが、もちろん私にも解らない。それでいいのだ。大事なのはとにかく何かを見せる、ということなのだ。プレイヤーも期待しているのだから。
まとめ
0.夢歩きはPCではなく、プレイヤーが行うもの
1.夢歩きには2種類ある
2.普段からイマジネーションを鍛えておこう
3.第一印象を大切に
4.困った時は「砂漠に電柱」
最後に
ここで提示した手法はあくまでもGMN流であり、万人に受け入れられる方法でもないし、通用する方法でもない。その事を理解した上で役立ててくれれば幸いである。
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