0.イントロダクション ◎北方開拓領アルベインにようこそ 北方開拓領アルベインは「北陸」の一国ルイリーの更に北方にある開拓自治領です。この世界での一番標準的な冒険者のホームタウンであるといえるでしょう。 開拓自治領とは、厳しい開拓地での生活を自ら志願した人達によって運営される、このような封建的な社会にあっては唯一例外ともいえる市民たちの自治領です。 ここには様々な冒険が待っています。北方から常に南下を狙う凶暴な遊牧民エシュン族とのいざこざ、雪に埋もれた飛び地への物資輸送(もちろん極北トロール達の襲撃を避けながら)、更に山奥に居を構える白竜の襲撃・・。いくらでも冒険は転がっています。北方開拓軍の名物男、“影歩きの”ジャスパーの言によれば、「酒場から兵営に戻るまでの間に命の危険に遭遇できるところ」とか、「俺はこの土地が好きだぜ、例えもの好きと呼ばれようとな」といった台詞に端的に現れているといえるでしょう。 しかし、その危険に見合うだけの見返りもここにはあります。入植志願者達には、夢にまで見た自分の土地、そして開拓軍士官には名誉と地位、そして、一般の冒険者達には氷河に埋もれた過去の帝国の財宝があります。 そう、ここはまさにフロンティアと呼ばれる土地のことなのです。 目次 1.アルベイン付近の地勢、気候 2.アルベイン付近の動植物相 3.北方の居住者たち 4.ルイリーとアルベイン 5.ちょっとした歴史 6.信仰、および神話 7.魔法について 8.北方の暦、および年中行事 9.アルベインの街の様子 10.アルベインでの生活 11.開拓軍について 12.兵営での生活 1.アルベイン付近の地勢、気候 ◎アルベイン、そしてルイリーの位置 ルイリーは「北陸」(クシュ・エルド)の南東部に位置し、北陸六国のなかでは一番小さな国家です。八頭河三角州の最東部に位置し、ミスライ河でエイムリン商船連合と国境を接しています。首都エルイリーは黒河がシューミッシ河と合流する位置にあります。そして、ルイリーはエルイリーからほぼ真北にあります。 ルイリーから黒河を約70マイル上ると、大きな湖、テュージ湖に出ます。テュージ湖には灰川、大川の二つの川が注ぎ込んでおり、灰川の河口には北方の拠点、デイルがあります。アルベインはデイルから灰川に沿って45マイルほど上ったところにある開拓領です。 アルベインは北陸の主峰テステイオーから伸びている二つの峯に挟まれています。詳しいことは地図を見ればわかりますが、アルベインの集落そのものは真東に剣ヶ峰があり、日当たりが悪く、麦の出来はあまりよくありません。なぜここにアルベインが位置しているかといえば、それは交通の便を意識してのことです。実際の耕作者達は中原やアルベインのさらに北、地峡の辺り、果ては剣ヶ峰を越えた夢ノ原、瞳ヵ岡(このひどいネーミングセンスは初代アルベイン偵察部隊隊長イリアッド・フルーランによるものです)で耕作を行っています。 ◎古き戦野 夢ノ原の西、一ノ川、ニノ川、三ノ川、それに赤川、黒川、緑川の注ぎ込むのが大湿原の「古き戦野」です。古き戦野は南部エシュン族の言い伝えによればそこで昔に南北両エシュン族、鬼族による大いくさが行われ、そのときにエシュン族(南、北どちらかは不明です)の呪術師の要請に応えてでてきた危険な炎の祇「赤き塔のイルラ」が同じく要請に応え出てきた氷の祇「青き輝きのキュヅファン」と戦い、ともに倒れてできた湿原だといわれています。この戦いにおいて、双方の人間もかなりの数が倒れ、その遺体はこの湿原に埋まっているといいます。そのためか、エシュン族の人間は決していくさ野から流れ出る大川の水を生で飲もうとはしません。(沸かしてもあまり飲みたがりません) 春先になると雪解けの水でこのいくさ野の水位はひどく上昇します。 ◎エシュン族の集落 夢ノ原にある、スゥ、タクシャ、リャシは南部エシュン族の集落で、夏場には遊牧を続けるエシュン族も冬にはこの地に集まってきて、共同生活をしています。月山の中腹にあるアインシャエはそのエシュン族の聖地で、ここでいくつかの部族の祇を祭っています。 今のところ、月山、柏岳の向こうの地勢はおぼろげにしかわかっていません。 ◎アルベイン付近の土地の特徴 アルベイン付近のみならず、北陸の他の地域にも共通していえることですが、アルベインの土地はかつて氷河に覆われていたため、痩せています。さらに、月山、柏岳、竜山は現在活動を休止しているもののかつては盛んに活動を続けていた火山であり、緑川流域、瞳ヵ岡は溶岩大地であることが確認されています。 ◎アルベインの気候 この地域は、霜降の月から大雪、小雪、陽炎、霞、春来のほぼ半年に渡って雪に覆われる豪雪地帯です。冬場は大雪、小雪のころにまとめて多量の降雪があり、陽炎、霞、春来の三月をかけて雪解けを待ちます。春来の末頃には種蒔が始まります。 清明の月は新緑の美しい季節で、霞、春来と続けられた暖かい陽気が雪の無いことで、ようやく感じられる季節です。海風の月は、南からの暖かい風が吹き込み、アルベインではとても過ごしやすい季節です。しかし、夢ノ原盆地付近ではダッカ山を越えてくる、熱く、乾燥した風が吹きます。 陸風の月になると、耕作者達は落ち着かなくなります。北からテステイオーを越えて来る冷たい乾いた風が麦にとっては不作の原因となるからです。そしてこの陸風の月が過ぎると北風と南風の常に拮抗する月、雲峰の月がやってきます。この月は不安定な気候が続きますが、この月のうちから冬支度をはじめます。たまに、ひどく冷たい雨が降ります。 刈穂の月になると、それでも晴れることが多くなります。刈り入れです。この頃から冷え込みがひどくなります。そして山眠の月になると冷え込みはひどくなり冷たい雨が降り、朝晩にはもやがかかり、竜山の山頂付近には初冠雪が見られます。 この地方では水に悩まされるということはあまりありません。それよりも、海と陸の二つの風の月が人々の悩みの原因となるようです。 2.アルベイン付近の動植物相 ◎植物相 夢ノ原、中原などの低地ではおもにシラカバ、カエデ、ブナ、サクラ、が確認され、山を上るにつれ、ツガ、トウヒ、モミなどにかわる。竜山連峰の中腹にはエゾマツ、シラビソが生えています。山頂部にはハイマツぐらい。 前述したとおり、アルベイン付近には溶岩台地が多いのですが、急激に遷移が進んでいます。それは、この地方独特の群駒草によるところが大です。 この群駒草は岩割駒草とも呼ばれ、強靭な生命力を持ち、溶岩性の土地にいち早く植生し、僅かな水分と栄養に乏しい溶岩岩石の上に群をなして繁り、急速に岩を崩し、土壌を形成します。皮肉なことに、この群駒草はほかの植物との競合に弱いため、土壌が出来たあとは他の植物にその場を追われるという運命を負っています。 他に注意すべきこととしては屍蘭の群生地についてでしょう。この蘭は非常に強い麻薬成分をもっており、特に春先にはその成分(甘い香をしています)を強く放って群生地に入った生き物は麻痺したままやがて全身が弛緩して死んでしまうようです。いくつかの知的生物の場合、この麻薬成分は強力な幻覚作用を起こします。 幸いにして屍蘭の群生地は春先の柏岳中腹部のしかも一地域だけに限られておりこの頃では被害者はほとんどでなくなっています。 ◎動物相 全域に見られるものとして、ハイイログマ、イノシシ、オオカミ、シカ、イワヤギ、などがあります。また夢ノ原一帯には大草トカゲが生息しています。この地方の厳しい気候のせいかエルイリーから連れて来た牛、豚などは皆長続きせず、結果として、主な家畜はこの地方原産の大岩山羊、角羊などになっています。 兜岳山頂付近、月山中腹部にはグリフォンが生息し、特に三ノ川付近では柏岳山頂に群棲するスモールロックと境界を接しており、清明の月の繁殖期などには縄張争いの華麗な空中戦が見られます。また、そのグリフォン達の生息地に付随する格好でヒポグリフの群が確認されています。 山岳部に多いいくつかの動物を紹介します。アルベイン付近の開拓者に最も恐れられているのが大雪イタチです。隊長は240cmから270cmまで。確認されているうち最大は290cm程のもので、その毛皮がアルベインの酒場「馬酔木屋」の壁に飾られています。ただし、狩人達の目撃によればそのイタチよりも一回り大きい額に金色のたてがみをもつイタチがおり、南部エシュンの伝説にちなんで「白王」と呼ばれています。 ただし、この大雪イタチはそれほど個体数が多いわけではなく、実際によく眼にするのは大白イタチでしょう。この大白イタチは体長100cmほどで、四匹ほどの群をつくっていることがあります、また穴ウサギを狩るために人に飼われている場合もあります。 中原、夢ノ原の大型肉食動物は雪豹ぐらいのものです。これも、夏の間はオオカミ達にその座をあけわたします。 たまに思い出したように人々に恐れられるのがフクロウグマです。このくちばしを持った体重680キロに及ぶ熊に似た生物(厳密にいえば熊ではないだろうといわれています)このフクロウグマは常に空腹であり、更に肉食性であるため、現れたときにはよく家畜が襲われます。 古き戦野で恐れられているのが谷地坊主です。普通は湿原にぽっかり開いた50〜70cmの水のたまった底無しの穴のことをいうのですが、人々が気をつけろというのは、その穴にカモフラージュし触手を持った人食い植物のことです。見た目は全く普通の谷地坊主と変わらないのですが、この穴にはまると、足に触手が巻き付き、更に奥に引きずり込まれます。そしてすっかり飲み込まれてしまうと、穴は塞がり、ゆっくりと消化をはじめます。 他には半ば伝説となっているものとして、雪ヒヒ、吸血ウサギなどがあります。 そして、伝説にもなり、且つ存在がはっきりと確認されているのが竜山にすんでいる白竜です。 3.北方の居住者達 ◎人間 アルベインにすんでいる人間には大きく三つの系統があります。原住民族であるエシュン族、大陸から北陸に渡ってきたマルウォータ人、そしてこの二系統の混血です。 ○マルウォータ人 マルウォータ人はこの「北陸」(クッシュ・エルド)と迅速海を挟んで向い合う「大陸」(オーリャン・ド・パンデ)からやってきた人々で、もともとは「大陸」のリュイヴィシア地方の産だといわれています。 白色から褐色の肌、彫りの深い顔、筋肉質の身体、赤や茶、黒の髪。瞳の色は茶色から鳶色という特徴が、純粋なマルウォータ人の特徴といわれています。身長は成人の男で175〜185ぐらいです。ただし、このマルウォータ人はこれまでに多くの民族と混血が進み、今では純粋なマルウォータ人と呼ばれる人々は珍しくなっています。純粋なマルウォータ人は中央の貴族階級に多いようです。 一般にマルウォータ人の気質は、明るく活動的で、あまり迷信などに囚われることはないようです。そして、この世界では珍しく、科学という概念があります。(錬金術師達がその担い手です)彼らにとって、魔法と同じく、科学もいくつかのしっかりとした理論によって系統立てられるものなのです。北陸に渡ってきたのもその優れた航海技術によるものです。 ○エシュン族 エシュン族には大きく分けて二つの系統があります。一つは常に放浪を続けて過ごす北部エシュン族、そして冬は一部に定住する南部エシュン族です。 エシュン族一般の特徴は、白い肌、青の瞳、高い鼻に、筋肉質の身体そして癖のない黒い髪というものです。身長は165〜175くらいです。 彼らは四方王大戦の前にこの地に栄えた古帝国ラクグーンの氏族の末裔であると言われていますが、そのラクグーン帝国が北方からの氷河に文字どおり飲み込まれたとき、自然の猛威に人間の浅知恵で抵抗することの虚しさを感じ、今まで築き上げた様々な技を捨て、自然の中で生きることを決めたと言われています。 彼らにとって、自然は偉大な存在でありながら、人間に対し友好的でも敵対的でもなく、ただ大きな存在であると言うように認識されています。 北部エシュン族は、その精神に一番忠実に生き、農耕をも否定し放浪の生活を続けています。そして、食料が足りなくなると南下して略奪を行います。正確には彼らには略奪しているという自覚はありません。ただその場にまとめてあるものを取ってくるぐらいにしか思っていないのでしょう。 南部エシュン族は北部エシュン族に比べれば、まだマルウォータ人に近い生活様式を持っています。彼らは夏の間はおもに月山、柏岳の向こうにある平原で遊牧を行っています。そして冬場になると夢ノ原に戻り、そこで集落を形成します。そして、そこで秋につくった保存食を食べながら春を待ちます。マルウォータ人とは比較的友好な関係を保っています。 エシュン族の家畜は、大岩山羊、角羊、大ヘラジカ、そして丈夫なことには定評のあるエシュン馬です。そして、そうした家畜の群を銀色の毛皮を持つ何頭もの犬が率いるのです。 エシュン馬は非常に丈夫で、寒さに強く、夏場にはこの馬にのって遊牧を行いますが、冬場には豪雪のため、犬ぞりが移動手段となります。 ◎森人 (この世界におけるゲーム上のエルフは森人と呼ばれています) 知性を持つ植物です。あまり科学的な表現ではありませんが、ミドリムシが多細胞化した進化の最高傑作とでもいいましょうか。外見的な特徴から述べると、針葉樹系と広葉樹系の二系統があります。 針葉樹系は細いあごと体つき、切れ長の眼を持ち、肌は極薄い緑色をしています。瞳の色は茶、緑、黄色などがあります。髪の毛は常に美しい緑色で細くまっすぐです。 広葉樹系は針葉樹系に比べ、がっしりとした体付きで、大きな瞳をしています。髪の毛は一般にカールしていて太く、秋には美しい紅葉を示します。冬場になると、それまで貯めた養分を体内に溜め込み、更に食料を家に保存し、それを食べては寝るという生活パターンを繰り返します。 彼らは本来、森の中で祖先の樹のもとで過ごしています。そして成長すれば一本の木に変わってゆきます。そして滅多に森の外に出ることはありません。 それではPC達が森の外で出会う森人はいったいなんなのでしょう? 森人達は前述したとおり滅多に森のそとには出ません。しかし、子孫を残し、繁殖する必要があります。そこで自由に行動できる、配偶子を外世界に放出します。そしてそれが一般に森の外で出会う森人なのです。 彼らは、生殖のために外世界に出てきます。しかしその長い寿命をフルに活用して、人生を楽しみます。そしてある時不意に他の森の森人とともに一生を過ごすにふさわしい気持ちのいい場所を探すとそこで接合し一本の樹になります。 彼らはほとんど人間と変わらない身体をしています。(少なくとも外見上は)身長は170〜180の間でしょうか。そしてたいていの場合線の細い、繊細な容貌をしています。これには次のような理由があります。森人は非常に環境に対する適応力があります。そして、まわりの人間達のイメージにあわせた外見、望ましいと思う外見をとってしまうのです。そのため、たいていの場合は前述したような容貌をとるのです。(因みに耳が尖っているというのは、最も普遍的な「異人」の風貌の特徴です) 森人は植物なので、髪の毛で光合成を少しですが行うことができます。しかし、それでもやはり食物をとる必要はあります。ですが、彼らの消化器官はあまり発達していないので、あまり硬いもの、消化に悪いものは避けたがります。普段はシチューやスープ、かゆなどを食べるようです。 大変生存が困難な状況(水がない、食料がないなど)に陥ったとき、森人は「冬眠」を行います。この場で森人の生命活動はほとんど停止します。そして、仲間の森人に見つけられる、もしくは十分なだけの水が得られるようになるまで「冬眠」します。 森人はその長い寿命をフルに活用し、魔法の使い手となることがよくあります。その中でも、彼らが得意とするのは、自然精霊を使う精霊術と真音の響きを使ういくつかの幻術です。また、いくつかの草木にたいする膨大な知識は何も知らないものにはまるで魔法のように見えます。 彼らはあまり腕っぷしが強い方ではありません。しかし、いざ戦うとなれば勇敢に戦います。好みの武器は弓矢、槍、杖、戟、短鉾、長槍などです。また、剣、小剣も使います。とくに、戟、短鉾は彼らの英雄“竜殺しの”リンドウが用いた武器であり、森人にとっては特別な思い入れのある武器であるようです。 彼らはあまり金属性のものは好みません。それは武器についても同じで、鏃などには石を使うことが多いようです、また槍の穂先には竜の牙を使うこともあります。しかし、人間界に来るとそんなことは言ってられないので特に文句も言わず金属性の武器を使います。 気質はそれこそ人間と同じように千差万別ですが、総じて言えるのは森林の破壊にはいい顔をしないと言うことです。 ◎穴師 (この世界でゲーム上のドワーフは穴師と呼ばれています) 人間の中でも、はるか昔から鉱山で生活をするようになりもはやその環境に完全に適応してしまった系統があります。それがここで紹介する穴師です。 彼らの身長は135から150ぐらいですが体重は75〜85ぐらいで非常にがっしりとした体付きをしています。黒、茶褐、赤といった髪と髭をしており赤ら顔で、彫りの深い厳しい顔つきをしています。彼らは非常に強壮で、それはセービングスローの値にも如実に現れています。 彼らがいつごろから、鉱山にはいるようになったのか、それは明らかではありません。PC達が知るはずはありませんが、彼らはこの世界での東方世界、火水の八十島(ほみなのやそしま)においては土蜘蛛として知られているようです。もともと山岳において、穴にすみ、鉱産資源を加工していたのでしょうが年月を経るに従いこのように鉱山生活に適応したものと思われます。 彼らは別の種族として扱われているものの、人間とは遺伝的に近いので、混血もあり得ます。ただし、人間の方で洞窟での生活をいやがることが多く、混血はそう多くないようです。 山岳部に、岩作りの家をつくり、炭を焼いたりもします。鉱産資源の加工はお手のもので、鍛冶、冶金、金属細工、さらにトンネル掘りのノウハウを活かした石造建築なども行います。 一つの鉱山に一つの氏族がおり、氏族は氏族長と祭司長に率いられています。(最終的な決定権は氏族長にあります)また、氏族の軍事的な面での指揮者として氏族守護者がいます。 彼らは頑固で現実的で、飲み食いが大好きです。誇り高くちょっとした侮辱で憤慨します。個人差はありますが少々貪欲で、あまり親切ではなく、短気で、あまり人付き合いを好みません。 彼らは強力な戦士で、斧、ハンマー、鶴嘴などを好んで使います。剣はその身長と、四肢の短さのせいかあまりうまい使い手はいないようです。 ◎道行人 (この世界におけるゲーム上のハーフリングは道行人と呼ばれます) 道行人は穴師と同じく人間と非常に近い種族であるようです。しかし、伝承によれば道祖神の私生児の末裔である等ともいわれています。 身長は110〜120cmほどで、体型は個人によりいろいろあります。すばしっこくけっこうタフです。肌の色、髪、瞳などの特徴は全て人間と同じように千差万別です。常に動きまわり、一日に13回軽いものも含めて食事をとります。甘いものが好きです。ある学者の説によれば、体温を保つためにしょっちゅう動きまわり、エネルギー価の高いものを食べなければならないのだそうですが・・。ダンジョンのなかで「三時のおやつの時間だよー」等といってくれたりして、まぁ、その、参ります。 彼らはその名のとおり常に旅をしています。というのも、道行人は道の祇の末裔だと信じており、新しい道を探し、通るのが自分達の使命だと考えているからです。そのせいかどうか知りませんが、彼らの中には使命を拡大解釈するあまり盗人になるものも多いようです、曰く「扉は開くもの通すもの、鍵などかけては扉に失礼」というわけです。 彼らはそういうわけで、たいていの場合一人で行動しています。成人すると一人で旅をするようになるからです。その後彼らが会うのは五年に一度それぞれの地域で行われる、「スミソニアンの大祭り」で、この祭りでその五年間に生まれた子供、夫婦がまとめて祝福を受けます。 道で会うときは彼らはターバンやつばひろの帽子を好んでかぶり、みすぼらしいマントを纏います。そして杖を持っていることが多いようです。しかし、北方領ではそのマントの下に鎧をつけているものも珍しくありません。 彼らは、ダガーや小剣を好みます。またエキゾチックな投擲武器も好みます。(ボーラやアフリカンスローイングナイフ、手裏剣など)そして白兵戦となったときにはその身体の小ささと敏捷性を活かして戦います。 彼らの気質は、お祭り好きで、のーてんきで、悪戯好きです。兵営での騒動はたいてい彼らが引き起こすものですし、三人よればすぐ宴会になっってしまいます。 ◎巨人 アルベイン付近には、家族単位で巨人がすんでいます。彼らのうち何人かはアルベインの開拓者や、元のエシュン族と友好な関係をもっており、力仕事が必要なときに雇われたりもしました。しかし、ここ最近はあまり人里に下りては来ないようです。今まで確認された巨人には、丘巨人、石巨人、山巨人などがいます。 また、エシュンの伝説には、雪巨人や、竜山の火口にすむという火炎巨人、そして柏岳の山頂の更に上にある雲の宮殿にすむ巨人などの伝説が残っています。 ◎鬼族 南部エシュンの伝承によれば、様々な鬼族の内いくつかは元は人間だったといわれています。強い哀しみや怒りのあまり鬼に変わった人間の伝説や、飢えにたえかねて人を喰い、鬼となってしまった伝説までたくさんあります。 しかし、その伝説はこう締めくくられます、元がどうであれいまや浅ましい生を生きている鬼どもには情けをかける必要はないと。そしてもはや誰もそれを疑うものはいません。現に人が鬼に変わったことなどはここ数十年聞かれたことはありません。もはやそれは伝説に過ぎないと見るのが普通です。 鬼族は人食い鬼(オーガー)や洞窟鬼(トロール)がいるといわれています。残念なことにそれらの鬼の巣穴はまだはっきりとわかってはいません。人食い鬼は小鬼(オーク)に混ざっていることがあります。 ◎小鬼族 堕落した妖精の一族と呼ばれています。堕落の罰として、醜い肉体に縛られることになったとも、肉体を持った故に堕落したともいわれています。鬼族と違うのは、比較的知能が発達しており、魔術を使うものもいるということです。街道筋に現れ、よく追い剥ぎをするようです。アルベインの近くに一氏族があるといわれています。 黒小人という名でしばしば昔話にでてきます。 4.ルイリーとアルベイン ◎開拓自治領とは 開拓自治領とは、新しい土地に入植者を募集するに当たり、支配者がその地で市民による自治を認めた領土のことをいいます。つまり相した魅力的な餌で釣らないと、誰も入植などしたがらなかったわけです。(犯罪人を送るというのも手ですが、下手すると虎を野に放すことになります) この他にも、アルベインでは自警団として傭兵を雇う権利や、ある程度税収を軽くすることなどがルイリーとの間で約束されています。しかし、あくまでもルイリーの領土ですのであまり勝手なことはできません。仮に謀反の企みがバレでもしたらまず北方軍が守ってくれませんし、自治権は取り上げられ、住民は農奴とされて中央に送られてしまうでしょう。 しかし、今のところアルベインではそうしたこともなく、また首都エルイリーでもあまり北方に興味を持ってはいません。北方は荒れた土地ですし、ルイリーはもともと海洋貿易が主体の国だからです。 ◎エシュンとの関係 唯一エルイリーが気にかけているものが有るとしたら、それはエシュン族とのことです。昔から、北部エシュンは度々南下し略奪を行いましたし、何よりも南部エシュンをエルイリーでは警戒しています。スムーズに入植が進んだといったら嘘になります、現にいくつかの別の北方領では南部エシュン族の反乱が起きているのです。 しかし、今のところアルベインでは比較的友好的な関係を保っています。兵営にも南部エシュンの若者は数多くいます。 ◎母国ルイリー ルイリーはもともと「大陸」の海洋国リュイヴィシアの植民地でしたが独立し、今のように国家を形成しました。首都はアルベインの南にあるエルイリーです。 ルイリーの政治形態は多くのマルウォータ系の民族のそれに漏れず、家婦長制で一番知恵があると認められた年長の女性と、それを補佐する各部門の筆頭により行われます。 北陸でも一二を争う船団を持っているのですが、面している氷晶海は冬場に流氷が押し寄せるため。思うように貿易ができないでいます。 隣国のエイムリン商船連合とはミスライ河で国境を接しており、この川を巡って対立しています。特に最近エイムリンの冒険家達がルイリー領の遺跡を荒し、深刻な問題となっています。 アルベインにもいくらかの軍備はありますが、いざというときには北方軍に頼るほかありません。これがアルベインの、首都に頭のあがらない理由の一つです。 ◎ルイリー、アルベイン間の貿易 ルイリーとアルベインでの商業活動は河川での商用船によって行われます。中継にはデイルをはじめとした沿岸の街があります。 アルベインからルイリーに運ばれるものは、木材、税としての大麦、ライ麦、毛織物、毛皮、薬草、タール、硫黄などで、たまに遺跡からの発掘品があります。 ルイリーからアルベインに運び込まれるものは、高級な武器、衣服、装身具、乾物、医薬品、いくつかの金属、郵便物、植物油、塩、そして旅芸人や開拓者、役人などです。 木材などは筏にして運ばれますが湿気を嫌う特殊な鉱産物などは陸路で運びます。 ◎開拓軍の部隊編成と、区分。 開拓軍は、アルベイン付近で雇われた人員による、半ばは傭兵部隊に近い部隊です。彼らは、その様々な技能や、働きにより、いくつかの部隊に区分されています。 彼らはその部隊に所属する証として、一揃いのマントを身に着けています。そのマントには各々の部隊の旗印が刺繍され、同時に彼らの身分を証明するものともなっています。 またこの旗印は、他勢力の侵略や自然災害などの非常時には別のものに変わり、この旗印を称して「裏刺繍」といっています。 有名なところでいえば、一番隊の三頭竜が暴れ竜に変わったり、五番隊の散り桜などが有名です。   5.ちょっとした歴史 ◎北陸に於ける年号について あの恐ろしい四方王大戦のことを覚えているものはほとんど(少なくとも竜族を除いて)いない今でも、人々はそのことを忘れようとはしません。多くの地域で歴史の年号として大戦後、大戦前という区分を用いています。 大戦の終わりを大戦後0年とし、それ以前を大戦前とします。従って、大戦中の名のある戦いは全て大戦前の出来事となります。 大戦の終わりは、魔術師マサルにより、はるか北の氷河にむけ幾百もの星屑が落とされ、天が暗雲に包まれてから、初めてボイルケッシュ山の山頂で朝日が確認された時をもって大戦の終わりとされています。 ◎星の樹がまだあった頃 四方王大戦の最終激戦地となった「北陸」は魔術師マサルの七大魔法の一つ、天星雨の法によりしばらくは人のすめるところではありませんでした。彼の落とした何百もの星屑ははるか北の氷河にむけ落とされたものでしたが、いくつかはこの北陸にも落ちたのです。そして、「大陸」ボイルケッシュ山頂にそれ以来初めての朝日が射すまで、「北陸」は魔物どもの住まう土地として恐れられていたのです。 しかし、氷河に埋められた古帝国ラクグーンのかたわれ、聖双子王国の末裔たるエシュン族は暗闇の中、ここで生活を続けていたのです。過去の様々な技を捨て、自然の祇の力を借りながら。 この頃伝説に残る「星の樹」があったといわれています。しかし、その樹に降り立ったある星の起こす魔風により、エシュン族の七割は死亡、もしくはより北の方へと立ち去ってしまったといいます。 ◎マルウォータ人の入植 その後、大規模な火山活動によりその樹が倒されてからは五十年から七十年人は立ち寄らなかったのですが、再びエシュン族が戻り、冬の間ここに定住するようになり、今の南エシュン族となりました。 また、時を同じくして海岸部にマルウォータ人が入植し、次第に北の方に進出してきました。 ◎現在に至るまで 南部エシュン族とマルウォータ人の接触は幸いにしてここアルベインでは友好的にいきました。しかし他の地域では争いとなったこともありました。また北部エシュンとの大規模な争いは今まで二回ほどあり、北方軍は強化されています。 穴師達は、マルウォータ人とは別にエシュン族と非常に有効な関係を結んでいます。また、北陸全土に渡る聖王の約定により、彼らとルイリーは互いに内政に関与しないことで友好的な関係を保っています。同様のことは森人、道行人についてもいえます。 アルベインが置かれたのは、今から約五年前。大戦後四百四十五年のことです。 6.信仰及び神話 ◎祇と神 この世界においてカミと呼ばれるものには二種類あります。 一つは、自然界の働きなどを神格化した。どちらかといえば強力な精霊とも呼ぶべきもの「祇」。そしてもう一つは大覚ラス・トウェルにより格化された八柱の神達と聖人達の「神」です。これとは別に、宇宙の法則を格化した「外なる神」もあるのですが普段は考えません。 一般に神の方が祇よりも上位にあるとされますが、現世利益のあるのは明らかに祇の方なのでこちらへの信仰の方が多いようです。また、祇が神の教えに入信したという伝承を元に、ある祇が神の眷属になっていることもあります。 聖人は一応「神」といわれていますが、実際の働きは祇に近いものがあるようです。 ◎北陸における神祇 時神 アーケルインシェ 「時神」、「偏らぬもの」「動的平行」そう呼ばれることもあるのが神学上最も重要な神であるとされながら、ほとんどその信仰を知られていない神アーケルインシェです。民衆にはほとんど知られていないといってよいでしょう。しかしPC達や、冒険者達は耳にすることがあるかもしれません。 「外なる神」三つ神の「綾を見つめ纏うもの」がこの世に垂迹し、格化された神です。「アーケルインシェ」は竜の島に住むという、偉大なる民「星の君」の言葉で「綾を織るもの」を意味します。「外なる神」の「シュリヤヴァールタ」のもつ時の力を受け継ぎ、さらに「歴史」を織り成すその原動力としての力をもつといいます。 幾つかの古伝によれば、自らの男根と女陰を切除し、自分の無性を確立した後に、その二つを交わらせて「三女神」を創造した。とも、法と混沌の戦いによって流された血の中より生まれたとも言われています。その姿が表されることはほとんど無く、数少ない例として、「紡ぎ車」と呼ばれるシンボルがあるだけです。 「三柱の運命と歴史の神」 綾女・織女・紡女 時神アーケルインシェの娘の三女神です。この「世界」の実質的な運営は彼女らの手によって行われているといいます。彼女らは「歴史」と言う四次元的構造を持ったタペストリーを織っています。そのタペストリーは「平行宇宙」を縦糸とし、「魂」を横糸とするタペストリーで、このタペストリーの中で生命現象は、「魂」と「平行宇宙」の接点として表されるといいます。 紡ぎ女は「界」のなかに放散している宇宙生命を時の紡ぎ車にかけ、一筋の魂に紡ぎあげ、織女はその魂を「命」という名の杼にくくり、世界の縦糸を潜らせて壮大なタペストリーを織りあげます。そして綾女は二十四剣等を筆頭とする「綾織の杼」や「綾織針」によってそのタペストリーに「歴史」を刺繍して行くのです。 三女神の司祭は「三姉妹」と呼ばれ、この世界での出来事を三女神に上申する役目を果たしています。また「綾織針」と呼ばれる三姉妹の代理人が、各地で事件を記録しています。 法神ケアクトゥア 「綾を引き締めるもの」。「ケアクトゥア」とは「星の君」の詞で「綾を引き締める力」を意味します。この宇宙の外の力のうち「法」の力を強く受けていますが、格化されたことにより、偶然性に対して敵意を強く抱くようになっているといいます。 混沌神チョウトリュアル 「綾を解きほぐすもの」。「チョウトゥリュアル」は「星の君」の詞で「綾をほぐす力」を意味します。外宇宙の力のうち「渾沌」の力を強く受けていますが、格化されたことにより物理法則に対して強く敵意を抱くようになっているそうです。 時神 シュリヤヴァールタ 「綾を見つめ纏うもの」そう呼ばれているほかあまり詳しくは知られていません。おそらくはアーケルインシェの異称と思われます。 偶然神リヴァルティ・エシュト いったい彼の名が何に由来するのか知るものはいません。ただ明らかなのは、彼が時と運命の神がみの一族であるらしいということだけです。いくつかの神話に名前だけ登場し、信仰されている様子はありません。 日天使ラルナ・月天使サルナ 太陽と月、陰陽の守護天使。陰は柔、冷、湿、静、暗を示し、陽は硬、温、乾、動、明を表します。 時神が切除した二根からそれぞれ現れ、この世界に時の経過を知らせるため、一定周期で天空を巡るようになりました。これが太陽と月であり、後に神として格化されました。この神は祇であり、神でもある、珍しい祇です。 日天使は昼の生き物と太陽を司り、また武術、農耕の技術を教えました。月天使は夜の生き物と月を司り医術、暦学を教えました。このように信仰される場合は、月天使は女性格とされます。 後に、月天使の過ちにより人間に恐怖が芽生え、魔が生まれてからは守護天使に転生し、ラナディン、サナディンと名乗りました。この場合は月天使は男性格とされます。 北方ではたいてい二柱あわせて信仰されます。 陸祇ヴライス 陸地の自然界、生態系を格化した祇。海祇と並ぶ最大の祇。陸上の全ての植物の祇であり動物、菌類などの祇でもあります。山精、樹霊の長です。自然を司り、生命を表します。四大(地、水、火、風)の息子にして支配者です。山祇の上位神として、狩人、林業などに信仰されます。ドルイドの主祇です。 海祇マイラッシュ ヴライスと同じように、海の生き物に信仰されているといいます。ただし、人間にはカスハーンの方が信仰されています。 火王グォーダル 炎の光り輝く力を格化した祇。火霊の長。聖獣は火炎鳥。汚れを焼き払い、正常にする力を持つといいます。鎮火、防火の祇でもあり、火を使う職業にはよく信仰されます。変わったところでは舞踊の祇ともいわれます。 水の美姫カスハーン 水の包容力と流し清める力を格化した祇。水霊、海竜の長。聖獣は水竜。雨乞い、清め、海路安全、大漁、安産、豊作祈願などの祇です。 漁師、農民、妊婦に信仰されます。 地祖ハミルタン 大地の堅固さを格化した祇。地霊、地竜、砂霊、穴師の長。聖獣は一角獣。死者の魂が一時休息する他界の長。建築、鍛冶、その他の職人の祇。肥えた土地から転じて豊作の祇とされます。 風追いのディルヴァーナ 風の自在さや、大気の様々な動きを格化した祇です。風霊、風馬の長。聖獣は風馬。一部天候を司る。気まぐれな祇。道行人、楽師、農民、遊牧民に信仰されます。 紫電カイ 雷の祇。嵐、天候を司り、ディルヴァーナの悪友でもあります。嵐馬の長。陰陽二天使に仕えることもあります。また、ディルヴァーナとハミルタンの間の飛脚と呼ばれます。カイが盛んに両者の間をいったり来たりするときは作物のできがよくなります。 天の光イクシュヴェルヅ 空に輝く星の祇。星間宇宙を吹き渡る風の祇の一族で、唯一動かぬ祇とも呼ばれます。陰陽二神が時を告げるのに対し、イクシュヴェルヅは方角を知らせます。 北陸の主峰の祇テステイオー 北陸の山祇。最も一般的です。後述します 八柱の神 「善の叡智への八つの道」 誠実なるライカー、勇気のキュルエリ、謙譲のテルブォエリ、信頼のイーカム、憐れみのユートゥ、礼節のカエトス、義のアイリエル、仁のニューレン。 八の徳を格化した神です。もともとは人格などなかったようですが(名前は星の民の言葉でのそれぞれの意味)、大覚ラス・トウェルの弟子達の行動が神格化されこのようになったらしいとのことです。これらの徳を治めることで、心の中の敵を封じ、善のイデアへの道を開こうとします。八の悪に対抗するもので、北陸南部、大陸西北部では最も一般的です。一つ一つの徳をそれぞれ納める「タジーノ派」や、八つの徳の実践を心がける「衆会派」、ラス・トウェルの生き方を実践し、八徳を納める「修道派」があり、一般市民は「衆会派」に属します。また、ラス・トウェルの弟子による、後世の史家のいうところの「鬼族派」「放浪派」などの少数派もあります。 四方王大戦の英雄神 四方王大戦に於ける英雄は、守りの英雄三十六人、戦いの英雄二十四人に分けられています。北陸において一般的なのは次のとおり。 魔術師マサル 四方王大戦の指揮者、言葉のわざと、歌のわざ、精霊のわざと法のわざに通じるもの、言葉を分割した男、聖獣に乗るもの、最初の風水師にして最初の薬師、星を落とすもの、獣を従えるもの。 屠殺者アックージ ラス・トウェルの影、天秤の針を担う男、殺しを許された男、最初の戦士、最後の戦士、痛み少なき死を与えるもの、決して恨まれること無きもの。 大覚ラス・トウェル 大覚、聖人、悟り人、名をつけた男、 美麗の剣士レイスウィング 守りの英雄の筆頭。魔剣を持つもの、地に降り立った明星、美しき死。 竜狩人リンドウ 森人の英雄。竜狩人、マサルの弟子、森に帰ることを諦めた最初の森人。 旅人ルース・ラ・ディーヴァ 道行人の英雄。マサルの友人、案内人、全ての道を知るもの、黄金の指先。 穴師ガルヴァ・ベレクト 穴師の英雄。武器を伝えた男、鋼を食らう男、樽を飲み干す男、岩を砕いた斧 月影のルフ 銀背のルガ 月天使の子ら、神狼族。 法士ディウンディー 法戦士、ケアクトゥアに従いしもの、輝きを背負うもの、鳳翼の戦士 弟子バイウンケー ラス・トウェルの一番弟子、神通第一、悟を捨てたもの。 鉄と精霊を使うものチェルアッツォイチ エシュンの英雄。一番最初に精霊と心を通じたエシュン族、古き技を使いつつ、精霊と通じた男、 潮の上に踊るものツポニランツ・ガニラウ 最初に海にでた女、カスハーンと、カイ、そしてディルヴァーナに愛された娘 ◎北陸の主峰の祇”テステイオー”及び、彼の一族。 テステイオーは、北陸の中央部にそびえ立つ、高さ六千七百メートルという山脈のことです。主峰はテステイオーと呼ばれ、地祖ハミルタンと、山祇ヴライスの無数の子供のうち、五番目の息子であると言われています。因みに長男は、大地の背骨とも呼ばれる、大陸の主峰ボイルケッシュです。 テステイオーへの信仰は、たいていの場合テステイオーの息子達と呼ばれる、それぞれの地方の山々の祇を通して行われます。社では、主神としてテステイオーとその地方の山の祇を並べて祭り、その他の山の神がみを併せて祭ります。普通の信仰者は、山での活動に従事する人間が多く、それらはより下位の祇(狩人の祇、木々の祇など)と併せて信仰され、実際に純粋なテステイオーの信者は、行者と呼ばれる入峯修行者のことをさすのが普通です。 行者たちは、山の祇がみのそれぞれの面(木々の源、水源地、薬草の知識、様々な狩猟の獲物、鉱産資源、火山など)に通じ、その山の中で過ごすことによってその大いなる自然と一体化することを目的とします。 彼らの服装は、普段は短いズボンに巻ゲートル簡単な上着と結い袈裟という野良姿ですが、修行時や祭事、里に出るときなどは木綿の上下に大きめの結袈裟、頭、二の腕、脛に飾り紐を巻き、六角形の杖を持ちます。 ○テステイオーの一族 火山の祇、グォルタン。温泉の祇キャルフーン。川の三ツ祇ブライハーン、ディスハーン、マイハーン。テステイオーの息子、峠の精霊達。野の祇、テステイローン。木々の祇テステヴラン、草ぐさの祇テステヴリール。穀物の魂たるフルーラン。大熊祇タクショルグ。などの名が伝えられています。 ◎八つの徳を求める流浪の求道者「放浪派」 八柱教会の一派です。開祖ラス・トウェルがその求道において放浪をしたことは有名ですが、その放浪において得たことが悟につながるとしています。 ただ、現在では修行としての旅はもちろんですが、それとは別に各地を放浪し、独自の奇跡のわざにより人々を救済し自分のみならず、ほかの人々をも救うというようになっています。 最初からこの放浪派として修行に入るものもいますが、たいていは大きな教会での腐敗や争いに嫌気がさしてこの道を選ぶようです。そのため、大きな教会からは胡散臭い眼で見られることが多いようです。 彼らは黒地の野良着をおもに着用し、長い杖を持ちます。杖には日々の祈りの文句が刻まれています。また、私度僧との区別をするための証として、誓詞を持っています。これには求道の道に身を捧げるという誓いを、教会の元で行ったもので、もし誓いに背くようなことがあればこの誓詞の紙は燃え落ちます。 彼らは自分の自衛、及び食料とする以外の目的で生き物を殺してはならないとされています。もし殺してしまったときには速やかにその魂に対し許しを乞い償いをなさねばなりません。 ◎神話 創世神話 宇宙の創造についてはいろいろ言われていますが、んなものいまのPC達には何にも関係ないのでここでは特に述べません。ただし、「存在」と「虚無」、「法則」と「混沌」が宇宙の生成に大きく関与しているようです。 とにかく、宇宙ができ、そしてそれを見張り、育てるものとして同時に「時」が生まれたようです。 歴史の始まり 創世とともに時神が現れ、そしてその娘達、歴史を織り成す「三女神」が生まれました。(この頃はまだ人がいなかったので、神がみに名はありませんでした) 彼女らは早速歴史をはじめるために糸をとり、これらを四つの色に染めました。まず大地の黄がこの「生星」に息づき、水の青がそれをいろどりました。風の白はこの星を覆い、そして最後に火の赤が大地の奥底に点ったのです。 この四つの力ははじめ互いの存在を認めずに互いに争い荒れ狂いました。そして長い年月が立ち、ようやくその荒しが収まりかけた頃、海に4つの力の融合した命が生まれ落ちました。その色は緑。 それから再び、長い長い年月が流れ、様々な生命がこの生星に溢れ、最初の言葉持つ種族竜族が生まれました。そしてほぼ同時期に人間が言葉を持つようになりました。そして、その人間により様々な存在に「名前」が付けられ神祇としての格を得るようになったわけです。 ちなみにこの頃、先の四大の争いのときの主導精霊達は、その座を新しい精霊達に奪われました。これら古い精霊達は後に「旧支配者」と呼ばれるようになったとか。(やめんかこら)彼らの名は、火のン・クルイトウェア・ダヴァイ、水のヴォノ・ヴェシュール、風のハンマォアクチュナイ・クルライラ、土のヴォクヴン・ルグトナン・ハクシュウンという風に伝えられています。(この名を呼ぶことはたいていの場合タブーとされる) 陰陽二天使、精霊王の格化 運命の三女神はようやく、自分の考えで歴史を織り成す生き物が現れたのを見るとうれしくなり、彼らを守るための力をアーケルインシェに求めました。そこでアーケルインシェは彼の忠実な部下、太陽と月から、陽天使と月天使を形作りました。 人間は自分達が得た言葉で、この自分達を守る存在に名をつけました。すなわち、ラルナ、サルナという名です。またほぼ時を同じくして地水火風、森、山などの祇に名をつけ格化してゆきました。このとき格化された祇が現在の祇といわれています。 はじめての恐れ あるとき、人間は月夜に狼、蝙蝠、蛇、と戯れる月のラルナの姿を見、その恐ろしさに思わず恐怖の叫び声をあげました。その叫びは地上中に響き渡り、人間の心に恐怖という感情を産み落としたのです。 人間はこのときから本能的に闇を恐れるようになり、夜に対し心を閉ざしたため、夜、眼が見えなくなってしまったのです。 恐怖はこの闇に紛れ人間を襲い、いくつもの悪の源となりました。 ラルナは自分のミスにより、人に敵を作ってしまったことに責任を感じ、人類を守るため自分の身を分かち、陰の戦神ラナディンとなりました。また狼、蝙蝠、蛇はラナディンに従い、自分達の身を闇との戦いに投じたといいます。「神獣族」の誕生です。 兄のサルナは弟を助けるため同じように自分の身より、戦神サラディンを分かち、鷲、虎、熊がそれに従いました。 四方王大戦 神がみの世から幾百年もたち、この世界にもいくつかの国が現れた頃、突然それは起きました。外界からの四方王の進攻です。 この頃、そう、まだ人の言葉も、竜の言葉も、精霊の言葉もわかれていなかった時彼らは攻め込んできたのです。 遠い北の果ての海からやってきたのは「氷河」でした。彼は、東の「腐敗」、西の「死」、南の「獣」を従え全ての人間、及び生命を滅ぼそうとしました。 しかし、このとき、各大陸、各種族から幾人もの英雄が名乗りを上げ、その四つの恐怖と戦ったのです。主なところからいうと、言葉と精霊と知識の使い手「魔術師」マサル、痛み無き死を与えるもの、「屠殺者」アックージ、恐れを服した「大覚」ラス・トウェル、火の作り手「火匠」李真、森を離れた最初の森人「竜殺し」リンドウ、全ての大陸の道を歩いた男「案内人」ルース・ラ・ディーヴァ、守りに奔走した「美麗の剣士」レイスウィング、最初に鋼を作った穴師「ガルヴァ・ベレクト」、神狼族の若き狼「月影の」ルフ、同じく神狼族の老獪な戦士「銀背の」ルガ、農機具を発明し、品種改良に勤めた「農夫」耕君、英雄の勲しを歌い、伝え人の心に火をともした「歌い手」ミッシャ、法の名の元に戦った「法士」ディウンディー、ラス・トウェルの弟子、鬼族派の開祖「弟子」バイウンケー、風と大地の子「青いたてがみの」青星、「つむじかぜの」野分、「星の君」カニシカ、「嵐の中で舵をとる娘」ツポニランツ・ガニラウ、鉄と、精霊の業を使うもの「二つの手持つ」チェルアッツォイッチ。 等の、討魔二十四人、防衛三十六人の計六十人の英雄達に従って人々はこの四方王に立ち向かったのです。 まず、東の「腐敗」はこれを清めることで解決し、「死」に対してはその恐れに対抗する術を伝え、無力に震えるほかにやるべきことがあるということを伝えたのです。 次に南の「獣」を撃ち従え、最後の北の「氷河」とその配下の「地震」「野火」「雷」「嵐」「火山」をそれぞれの方法で払い、ついに、北の奥深くに氷河を追い返すことに成功したのです。 もちろんそれまでに払った代価は大変なものでした。特に氷河を払うためにマサルが行った天星雨の術により。しばらくこの世界には太陽の光が届かなかったのです。