千字シナリオ:同盟の価値(仮題)

(題名がついていなかったため、仮題をつけました)

作者
Novita
題名
同盟の価値(仮題)

物語の背景

主人公である冒険者一行は、山岳地帯にある小国の軍隊に傭兵として雇われ ている。山の中腹には小さなドワーフの集落があり、小国とドワーフは交易な どを通じて比較的平穏な関係を築いていた。しかしドワーフの集落からさほど 遠くない洞窟にゴブリン・シャーマンをリーダーとするゴブリンの一団が現れ た。ドワーフは人間の力を借りることなくゴブリンを殲滅しようと躍起になっ ており、また小国の軍隊のほうでも別個に軍を派遣することとなった。

ドワーフは人間を敵視しないまでも頼りにならないと考えており、あくまで 単独でゴブリンを殲滅しようと考えている。また軍隊の指揮官は自身の手柄の ためにこれも単独でゴブリンを強襲しようと考えている。ドワーフ達はそれぞ れに勇敢な戦士ではあるが、いかんせん人数が少なく、また人間の軍隊は数こ そそこそこ揃ってはいるが、洞窟での戦闘経験に乏しく、どちらも一長一短を 抱えている。

またドワーフの長と軍隊の指揮官は過去の遺恨で頑なになっており、共同戦 線を張るのは非常に難しい。

両軍1度ずつ派兵し、敗れて帰還する。そして一行が出兵するときに、同じ くドワーフの軍も出兵する。ここで人間の軍とドワーフの軍の小競り合いがあっ ても良い。いずれにせよ、お互いがお互いを必要としているということを痛感 させる必要がある(ドワーフは恐れを知らない戦士だがやみくもに突進するが、 ゴブリンの仕掛けた罠にはまってしまう。一方人間の軍は罠などは工作部隊の 手で解除できるが、闇の中でゴブリンの奇襲に遭う、など)。

一行が取るベストな判断は、人間の軍とドワーフの共同戦線を張らせること である。その際、ドワーフの長と軍隊の指揮官の過去の遺恨を晴らさなければ ならない。それは以前に人間の軍隊とドワーフ達の間で共同演習が行われたこ とがあり、その際若かりし頃の指揮官が誤ってドワーフの長の愛用の斧を谷ぞ こに蹴り落としてしまった、ということだった(それは古参の傭兵が知っている)。 売り言葉に買い言葉で、それ以来人間とドワーフの間で共同演習は行われない ようになった。

まず一行はドワーフの斧を探さなければならない。その現場はゴブリンの洞 窟からさほど遠くないところである。次に指揮官と長を会見の席に着くように 仕向けなければならない。二人は酒豪が自慢であり、作戦会議と称して酒宴を 開くことにする。

人間とドワーフの協力があればゴブリンの掃討はたやすい。ゴブリンのリー ダーは奸智に長けており、追い詰められると人間とドワーフの同盟を批判する がそれをドワーフの長と指揮官が声をそろえて一蹴するというような演出があ ればよりほほえましい大団円が迎えられるだろう。


2000年分のリスト / TRPG.NETホームページ / Web管理者連絡先