千字シナリオ:ゴブリンの呪い

作者
枕上 想
題名
ゴブリンの呪い
対象分野
ファンタジー

あらすじ

ある日、PCたちの元にゴブリン退治の仕事が舞い込みます。依頼はゴブリンの被害に遭っている村からのもので、斡旋所が仲介している確かな仕事です。報酬もそこそこの額が保証されているとあって、PCに依頼を断る理由はありません。

ところがいざ依頼を受けてみると、前任者が退治に向かったまま消息不明になっている、曰く付きの仕事であることが分かります。知らなかったとはいえ、一度引き受けてしまった以上、後には退けず、PCたちは不吉な思いを抱いたまま、ゴブリン退治へと出発します。

依頼のあった村へ赴いたPCたちに、しかし、村人の反応は冷ややかです。村人たちは前任者がゴブリンを退治できなかったことで落胆しており、PCたちに対しても不信感を露わにします。報酬も成功時にしか支払われず、しかも、退治したことを裏付ける物的証拠の提示を求められます。

ゴブリンが住処にしている洞窟の場所は村人が教えてくれますが、ゴブリンを恐れて案内はしてくれません。

PCが自力で洞窟を探し当てると、確かにそこにはゴブリンの姿がありました。しかし、そこに居たゴブリンたちこそ、呪いによってその姿を変えられた前任者たちでした。

彼らは、依頼どおり洞窟に巣くっていたゴブリンを退治したが、その途端、自分たちがゴブリンになってしまったと説明します。呪いの元凶を探るべく、洞窟の最奥部へと足を踏み入れたPCたちは、そこで粗末な祭壇に祀られた不気味なゴブリンの彫像を発見します。

彫像に秘められた謎を解き明かし、彼らに掛けられた呪いを解くことができればシナリオ終了です。

初期状況

PCが仕事を探せる(もしくは斡旋してもらえる)状況と場所の都合上、中規模以上の街があった方が良いでしょう。

解決方法

彫像に纏わる呪いの詳細については、使用するルールを参考にマスター各自が設定して下さい。

手っ取り早い方法として、彫像はゴブリンの神を祀った御神体であり、殺されたゴブリンたちの怨念を呪いに変えている、というのはどうでしょうか?

この場合の解決策は、とにかく彫像を破壊してしまうことです。無論、仮にも相手は御神体ですから、すんなりと壊されてはくれないでしょう。とびっきりの障害(ボス戦闘など)を用意して下さい。

注意点

前任者たちを元の姿に戻すことが目的ですので、PCがゴブリンの正体に気付かず、戦って殺してしまうような事態は避けて下さい。

あえて悲劇的な結末を演出するなら、前任者たちをPCの親しい友人にするのも手です。人間に戻れないなら一思いに殺してくれと、涙ながらに懇願する親友を、果たしてPCたちは殺すことができるでしょうか?


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