千字シナリオ:廃城の君

作者
SOW
題名
廃城の君
対象分野
 ファンタジー(洋の東西を問わず(笑))
主題
 アンデッドの悲しみなんか表現してみる?
全体の軸

豪雨の中を旅するPCがうち棄てられた城館に雨宿りすると、次々と不可解な 現象が起きる、というのが導入。その後、館の中の探索、あるいは館からの脱 出が行われると思われる。
 館の探索の場合、日記、手紙などを見つけ、この館で過去に凄惨な事件があっ たことが分かる。同時にこの館の姫が幽霊となってこの館に棲んでいる事がほ のめかされる。ここで、姫の霊に対して何らかのアプローチか、脱出するかの いずれかが行われると思われる。
 姫の霊に対してアプローチする場合、名前を呼びかけられるとすぐに現れる。 子細を尋ねると、過去の事件の折に犯人を倒しはしたが、自らの命も失い、さ らに強力な呪いによってこの城に縛り付けられている事を教えてくれる。
 PCに対して姫は永い孤独の日々を嘆いて、城に居留する事を懇願する。
 PCが居留を承諾すると、喜んで何くれとなく世話してくれるが、毎日少しず つPCの生命力は失われていく。いずれPCはこの事に気付く。
 PCが居留を拒否したり、生命力が失われるのに気付き出て行こうとすると、 ひどく落胆して嘆き、悲しげに微笑みながら送り出してくれる。
 館から脱出する場合、何の障害もなく脱出でき、近くの集落、または民家に 辿り着く。集落の人間に話を聞くと、

と言った話が聞ける。集落の人間の中には城の姫の事情を知っている者もい るが、自らはどうする事も出来ないのであまり、詳しくは話さない。
 PCが彼の姫を救う事が出来るかもしれないと知れば、人知れずPCに近づいて、 詳しい事を話すだろう。PCが館に戻るなら、館の探索をした場合以降に準ずる。

解決すべき課題と悩みどころ
 導入の怪奇現象は怪奇な雰囲気で行い、PLの注意をうまく逸らして意表を突 くようにしたい。中盤以降、姫の境遇は同情を引けるように演出し、見捨てる 事に罪悪感を持つように誘導するといい。悲劇的結末を求めるなら、PCの手に よる最後も味わいがあってよさそうだ。
障害と制約
 姫を成仏させたり、消滅させたりしようとすると“呪い”による攻撃を受け る。
 使用するシステムに「死の呪文」系がある場合はそれを利用し、ない場合は 即座の生死判定を行なったりするのが良い。
解決方法
 基本的には「世の中にはどうしようもないほど悲しい出来事があるのだ」と いう認識をPC(およびPL)に与える事で、物悲しく終わるのが良いと思う。あく まで、解決しようとするなら、“呪い”を解くか、姫の霊を消滅させる事が出 来る。ただし、解呪は極めて高いレベルの能力を要するようにしたい。
不可解な現象例
補足

本来、一般的なファンタジー物のシナリオのつもりでしたが、良く考えてみ ると中国幽霊譚的な内容なので、急遽、「(洋の東西を問わず(笑))」を付け足 しました。


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