TRPG.NET > シナリオ > 千字 > 1999年 >
かなり大きな街で事件は起こる。最近勢力を伸ばしていた商人レイバックが 何者かに自宅で惨殺されたのだ。この商人は街の他の商人とはあまり仲がよく なく、治安当局も怨恨による殺害なのではないかと疑っている。公開捜査となっ たこの事件に興味を持ったPCは街の中に渦巻く陰謀と裏取引に惑わされること となる。
殺されたレイバックの過去を調べようとすると、誰もこの商人の過去を知ら ず、噂では流れ者の盗賊が表向きの職として商人を営んでいるのではないかと いうものまで聞くことができる。だが、殺された商人の妻に事情を聞きに行く と、美しい妻は涙ながらにPCに真相究明を求めてくる。彼女はレイバック以上 に冷酷な盗賊団の幹部なのであるが、そんな素振りは全く見せず、PCの同情を 買おうと狼狽しきった姿をPCの前にさらす。
PCが殺されたレイバックの対人関係を調べていると、同じように最近殺害さ れた商人が何人かいることが明らかになる。また、裏情報を集めていると、レ イバックは実は大盗賊団の幹部であることが明らかになり、彼の売っていた商 品も元はと言えば盗品であることが証言により明らかになる。さらには、立て 続けの商人殺人事件に神経を使う商人組合も調査に乗り出し、捜査は各陣営の 複雑な駆け引き合戦へとなってくる。
PCが最近殺害された商人の家々を調査すると、商人が殺害された現場を目の 当たりにすることができる。PCはそこで一通の手紙を発見する。それはレイバッ クに命を狙われていると訴える書簡だった。さらにその被害者である商人は身 辺の警備を街のごろつきに頼んでいた。PCは一体どちらへ告発に行くのだろう か。レイバックの妻か、街のごろつきか。それとも、悪を許さぬ姿勢で両者成 敗をするのだろうか。
レイバックが殺された原因は、彼が殺した商人に雇われていたごろつきによ り不意を打たれたからである。一方、残された妻は夫を殺害した一派の皆殺し を計画しており、情報を集めている。PCが何もしないと、やがて街は商人ばか りを狙った連続殺人事件が起こる。これはシナリオの失敗を意味している。