天羅万象掛け合い:激走編 LOG 009

天羅万象掛け合い:激走編の1999年05月09日から1999年09月21日までのログです。


1999年09月21日:20時00分54秒
橘 まゆ / tomy
「あ、ちょ、ちょっと」

「えっ?」
モーターホームからピットに向かう途中で、呼び止められるまゆ。

「あの、ハヤテグランプリの……そう、関係者、ですよね?」

「えっと、はい。そうですけど」
見たところ女性ドライバーらしい。
(桂さんでもフレアさんでもないし、後女性ドライバーっていうと…)
頭の中で相手の名前を検索し始めるまゆ。

「STSのドライバーが来てるって、監督に伝えて欲しいんだけど、お願いできますか?」

「あ、はい。わかりました。少し待ってて下さいね。ミーティングルームなら空いてますし」
(STS、STSっと…………………、確か、綾垣 花憐さんだよね)
やっと相手の名前を思いだし、ピットに向かって走りだす まゆ。

ミーティングルームの場所を花憐に説明することなどすっかり忘れて…(爆)。

「長か〜ん! STSの綾垣 花憐さんが見えてますよ〜。来て下さ〜い」
ピットにたどり着いた まゆは、説明になってない説明をすると、有無を言わせず長官を ミーティングルームの方に引っ張って行った。

tomy:Forestaさん、お待たせしました。
ちょうど通りがかる理由もありましたし、まゆが行きました。
長官はNPCなんで、面会の際は勝手に動かして下さいね。

話しは変わりますが…

>スタート直後にフロントローのブースト合戦があってたので、てっきりバンバン使っていいんだと解釈してたんですけど……

あやや、そういえばそうでしたね(汗)
とりあえず、グリッドが下の様に左右にずれているので、ブーストするスペースがあるということでいかがでしょうか?

■■■■1■■
2■■■■■■
■■■■■■■
■■■■■3■
■4■■■■■
■■■■■■■
■■■■■■5
■■6■■■■
■■■■■■■
■■■■7■■
8■■■■■■

   ・
   ・
   ・

>それにしたって只でさえ団子状態になるスタート直後でのブースト使用は危険かと思いますが……

これに関してはそのとおりですね。
ロジャーが危険走行で訴えられなかったのは運良く真後ろにマシンが来なかったからでしょう。
1999年09月21日:01時31分13秒
約束 / May

「・・・・・・えっ?」
彼女の目には蒼雷が突如バンスを崩し、コントロールを失ってサンドトラップに突き刺さる光景が強烈に焼き付けられる。
その光景に思わずルークのクラッシュシーンがフラッシュバックする。
 
「・・・・・・あっ・・・」
心の動揺から、ブレーキポイントが早くなってしまう。
高いコーナリングスピードを武器とするエリーシャが自ら速度を落としていては意味が無い。
その隙をついてスターゲイザーが後方から急速に接近してくる。
 
「・・・・・・・・・」
それと同時にエアリアルがコーナーで頭を押さえてくる。
普段の冷静な彼女なら対処の使用もある(それ以前にこんな状況にはならない)が、
今の彼女には手の施しようもなく、完全に頭を押さえられ、スターゲイザーの先行を許してしまう。
 
「・・・・・・・・・」
一度途切れた集中力はなかなか戻らない。
必死に心を落ち着けようとするが、頭の中ではルークのクラッシュシーンがエンドレスで流れつづける。
エアリアルに抑えられるまでもなく、ずるずると引き離されていく。
 
「・・・・・・・・・」
 
「おい、アンジェ、どうした!」
インカムから監督の叫び声が聞こえてくるが、彼女の耳には入ってこない。
 
「・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・」
 
 
「・・・・・・アン・・・・・・」
とその時、結希の声が聞こえたような気がする。
「・・・・・・えっ」
気を取り戻すと、いつのまにか腕に巻いたスカーフに触れているのに気がつく。
 
(・・・約束だよ・・・姉さん・・・)
 
「・・・・・・・・・!
 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・ふぅ、
 そうね、そうだったわね
 約束・・・だからね」
 
(ありがとう・・・・・・結希)
本当に結希の声が聞こえたのかはわからないが、アンジェには確かに聞こえたように思えた。
 
再びステアリングをしっかりと握り締める。
(エアリアルとは3秒・・・
 次は逆バンクの270度コーナー・・・まだ行ける)
 
「HMモード起動・・・行きましょうエリーシャ」
HMモードによって得られる驚異的なコーナリングスピードでエアリアルとの差を一気に詰める。
 
・・・・・・55周目
エアリアルにぴったりとつきながらエリーシャはストレートを駆けていった。
1999年09月17日:14時49分33秒
サポート / 御影


 蒼雷の爆発的な加速によるマシン六台の牛蒡抜きと、その直後の壮絶なクラッシュに開場は沸き上がった。
 蒼雷の行動は、それほどインパクトがあったのだ。
 ドライバーにとってもそれは同様であった。
 超高速でサーキットを走るドライバーにとって、本人は慣れているつもりでも他者のクラッシュを目にするとほんの一瞬そちらに注意が奪われる。
 そのクラッシュを通して死を意識するためだ。
 そして、隙をうかがっていた桂にとって、蒼雷のクラッシュは(Mr.龍には悪いが)またとないチャンスであった。
 第一コーナーに差し掛かる直前、桂はブレーキをかけ、エリーシャの左前方からイン側に押さえ付けるように接近した。
 昨日の予選、そして今日の走りからアンジェリカの目が良く、自分と同じタイプのレーサーであること、そしてエリーシャは低速域での走りが苦手なことは見抜いていた。
 しかし、蒼雷のクラッシュに注意を奪われているこの状態では、彼女の反応はワンテンポ遅れる。
 桂にとって、それだけの隙があればエリーシャの動きを封じることは難しくないのだ。
 そして、その一連の行動を予期していたかの様にアウト側からスターゲイザーがエリーシャ、エアリアルを追い越し、ウィンドメアへと迫る。
「さて、ここから先、あなたのお相手は私が致しましょう。アンジェさん」
 再びエリーシャの前方に出てブロッキングを行いながら、桂はそう呟いた。
 それは彼女に対する挑戦であり、自分に対する戒めでもあった。


#以後、桂はエリーシャの邪魔とフレアのサポートに徹します。

1999年09月13日:21時02分30秒
モエ(ツキ)ルオトコ / Dr.李
 「54周目入りました。」
 ピットの誰もが奇跡を信じた。
 皇帝・皇帝の影・ウインドメア・七御先の二人組・エリーシャ。
 誰が見てもそこには、厚い壁があった。
 その後ろに、彼はいた。
 
 「ロイ、頑張れ。」
 「わかってるさ。」
 キレた状態からかなり冷静な状態に戻る。
 いつキレるかがわからないが、今はその一瞬に向けて、力をためているのだろう。
 
 54周め、シケインを抜けた直後、それはおこった。
 ライトニングカタパルト。
 蒼雷の唯一にして、絶対の武器。
 他のマシンの追従を許さない光の帯・・・。
 
 おそらくは、フレアも、アンジェリカも、桂も、皇帝さえも、
 考えられるかぎり、低い確率の時、龍は仕掛けた。
 その走りは、虚をつき、一気に前の強敵達を抜き去り、
 そして、蒼雷は、飛んだ・・・。
 
 「蒼雷、右前輪シャーシに亀裂発生!」
 「シーサンメイ、パワーコントロール間に合いません!」
 「おまけに、バーストしてます、タイヤ。」
 「あぁ、ボクの蒼雷がぁ〜〜!」
 
 第一コーナーのサンドトラップにつきささる蒼雷。
 わずか0.2秒のトップであった。
 
 「し・・死ぬかと思った。」
 ロバート龍がうめくように通信マイクに話す。
 派手に蒼雷から煙が上がる。
 思いのほか落ち着いた動作で、蒼雷からおり、彼の機体を見つめた。
 
 「まぁ、しょうがないか。」
 それですまさない奴が一人いそうだが。
 彼は、蒼雷の回収を見届けると、ピットへともどっていった。
 
1999年09月13日:18時21分48秒
花憐(ハヤテグランプリピット裏) / Foresta

「……………………」

 花憐はハヤテグランプリのピット裏に立っていた。

「……………………」

 ……だいぶ前から、1人で。
言うまでもなく、ピットアウト時の接触について謝りに来たのだ。
が、時としてこう言うときの最初の一歩は千里よりもよっぽど辛い。
彼女の足はあと一歩の所まで来てすっかり固まってしまっていた。
だが、ずっとここでしょぼくれていても埒があかない。

「なんて言って謝ろう……」

 そうだね、まずはそこから考えて。

「きっと皆さん怒ってるんだろうしなぁ……」

 まあ、そうかもしれないな。

「首根っこ掴まれて吊し上げられたりするのかな……」

 ……そ、それはないと思うぞ。

「ひょっとしたら今晩帰してもらえなかったりとか……」

 それはないだろう。絶対
もっともこのあと誰かや誰かに会った場合は保証の限りではないが。

 彼女がそんな無意味な妄想をしているときだった。
パスを首からぶら下げた少女がピット内へと入っていく……

「あ、ちょ、ちょっと」

 反射的に声を掛ける。見知らぬ相手に突然声を掛けられ、きょとんとする少女。
その姿を見て、しまった、もう逃げられないと今更後悔する。

 逃げんでいい。

「あの、ハヤテグランプリの……そう、関係者、ですよね?」

 さすがにハヤテのスタッフには見えなかったので別の単語を探した花憐。
(しかし、そういう君の身長はまゆ+1cm、利奈と比べても+12cmだぞ)
一つ深呼吸し、思い切ってそれに言葉を続ける。

「STSのドライバーが来てるって、監督に伝えて欲しいんだけど、お願いできますか?」


#まゆさんか利奈さん、どちらかお相手よろしくお願いします。

#ところで、接近ブースト自粛の件。スタート直後にフロントローのブースト合戦が
#あってたので、てっきりバンバン使っていいんだと解釈してたんですけど……
#私が知らないだけで、グリッドって列毎に距離が結構あるんでしょうか。
#それにしたって只でさえ団子状態になるスタート直後でのブースト使用は
#危険かと思いますが……

1999年09月06日:15時55分13秒
再点火にはニトロを添えて / りる

「フレアさん、桂です。これからウィンドメアを足止めします。すいませんが、ここまでなんとか上がってきてください」

「・・・と、流石に言うだけの事はある・・・」
前方でウィンドメアを確実に足止めしているエアリアルを見てフレアは呟いた。
「さてと、ここまでお膳立てされたんじゃあ上がらない訳にもいかないか。親父っさん達もやかましいし」
『誰のせいだと思っとる!』
不意に、耳元で野太い声が響く。
「あら、親父っさん、元気〜?」
『「元気〜?」じゃねえ!てめえはまがりなりにも七御崎のナンバー1ドライバーなんだ、もう少しシャキっと走りやがれ!』

『ナンバー1ドライバー』

このセリフに、フレアは苦笑する。
「あのねぇ親父っさん、その『ナンバー1ドライバー』っての止めてって言ってるでしょうが。
 それは登録順があたしの方が早いだけで、ドライバーとしての腕は桂ちゃんの方が立つんだから」
事実である。
確かにフレアは並のドライバー等よりかは優れたドライバーであるが、技量を比べた場合、明らかに桂の方が上なのだ。
一時期、「何故桂ではなくフレアが七御崎のナンバー1なのか」等という議論がクルー内で本気で起こったぐらいだ。
が、権蔵は事も無げにこう言った。
『てめえの方が上だからだよ』
「はい?」
素頓狂な声で答えるフレア。彼女自身も、権蔵からこんなセリフが出てくるとは思わなかったらしい。
『確かにドライバーとしての腕を見る限り、ムラっ気のあるてめえより桂の方が遥かに上なのは事実だ』
「・・・誉めるのかけなすのかどっちかにしてよ・・・」
『最後まで聞け。ただしだ、ドライバーとしての「勘」と場数、そして何だかんだ言っても走る事への闘争心と使命感はてめえの方が上なんだよ』
「・・・」
『いいか、てめえは誰が何と言おうと七御崎のナンバー1ドライバーだ。俺を含め七御崎のクルーは全員そう思ってるはずだ』
「親父っさん・・・」
『わかったか?わかったらチンタラ走ってねえでさっさと前のマシン抜いてみやがれ!今のてめえに出来ることはそれぐらいだろうが!』
「・・・だから誉めるのかけなすのかどっちかにして・・・」
通信を聞きながらマンガ調の涙を流すフレア。ただ、先ほどの状態より幾分落ち着いた気がするのは気のせいか。
2秒ほど落ち込んだ後、通信に向かって怒鳴るフレア。
「わーかった、判りましたよ!前のあれをすぱっと抜きゃいいんでしょうが!」
アクセルを踏み込む。もう先ほどのような迷いはどこかに吹き飛んでしまった。
今のフレアの思考はただ一つ。

『覚悟を決めろエリーシャ!』


#再び全開モードのフレアをお届けします(爆)
#ただ、余り活力と霊力が残ってないので、持ってあと判定3回分くらいでしょうか。
#Mayさん、全開フレアを3回止めたらアンジェの勝ちですぜ(笑)
#・・・というわけで(?)また暫く潜伏期間を置くかも知れません。皆様ご迷惑をお掛けしますぅぅぅ・・・
1999年08月25日:03時37分11秒
花憐(ヘアピン脇にて停止後) / Foresta

『マシンチェック・スタート……
 燃料系統・簡易チェック完了。電気系統・一部遮断。火災回避。
 現在位置確認・危険度A。
 要・即時撤去。ドライバーは速やかに退避してください……
 マシンチェック続行中……クランクシャフト……カムシャフト×4破損の可能性……
 Tメタル・トランスミッション制御系統応答なし……
 オートマチック・トランスミッション・プログラム応答なし……』



ヘアピンのサンドトラップに捕まったセイレーンからフェンス際へと避難し、ヘルメットを脱ぐ。
かつて耐久戦で実績を積んだSTSのこと、ベンチレーションなどコクピットの居住性――
ドライバーの負担軽減は得意分野のはず……だが、それでも勿論、外気と比較すれば十分、暑い。
花憐の顔も髪も、汗にまみれていた。

「ふぅ……っ」

風が顔を冷やしてくれる。僅かな風だが、とても心地いい。

 涼しい……しばらく、ここにいようかな?

そんなことをぼおっと考えていると、背後の歓声が大きく盛り上がった。
何事かと振り向いてみる。が、ただ一人の観客とも、視線が合わない。
観客の視線は花憐の上を通り、その先を向いていた。
コースに目を戻すと、ヘアピン入り口に向かって上位のマシンが火花を散らしている。

 みんなの視線と歓声……
 ……全部、私を素通りしてく……

「ピットに、帰ろう」

サンドトラップに埋もれたマシンをマーシャルに任せて、花憐は歩き出した。

「私の居る所じゃないみたいだから……」


#そうだ、ハヤテグランプリに詫び入れに行かなきゃ……
#因みにATプログラムはクルージング用限定の実験装備です。
#さすがに普段からATで走ってるわけじゃありません。

1999年08月24日:11時40分18秒
それぞれの役割、それぞれの仕事 / 御影

-----日本、七御先フォーミュラ本社社長室-----

「・・・またか」
スターゲイザーが蒼雷の真正面でブースターを起動した瞬間、七御先フォーミュラ社長、七御先 蔵摩(なみさき くらま)は呻いた。
現行のレギュレーションでは、マシンの後方一定距離内に他のマシンが存在している状況でブースターを起動することは危険行為と見なされる。
七御先では参戦当時より事故の発生を防ぐため、ブースターをジェットエンジンのような噴射式のものではなく、ターボエンジンの延長線上にある加速装置として開発を進めてきた。
そう、あくまで事故の発生を防ぐためであって、決して他のマシンの真正面でブースターを起動しても死人は出ない、だから好きなだけやれという意味合いのものではない。
実際、過去にも何度か同様の抗議を委員会に提訴されたことがあった。
幸いにも七御先のブースターは他のドライバーの生命を危険にさらすような物ではないとのことで事なきを得ている。
しかし、これはあくまで御目こぼし的な措置であり、次もそうとは限らない(ライセンス剥奪などといった措置を免れているだけで、罰金は支払っているのだ)
「今回提訴されたらただでは済まんかもしれんな・・・」
親父はよくもまあ胃潰瘍程度で済んだもんだ、などと考えながら、蔵摩は抗議に対してどのような返答をするべきか検討を始めた。


-----韓国グランプリ、七御先ピット-----

「スターゲイザー、スローダウンします」
「・・・もうちょい持つかと思ったんだがな。やはり蒼雷のプレッシャーのせいか」
亮の報告を聞いて、権蔵は苦々しく呟いた。
フレアの体調が万全ならば残りは何の問題もなく走りきることができるだろう。
しかし、自業自得とは言えフレアは二日酔い。残りを走るにしても今のままでは蒼雷に抜かれてしまうのは火を見るより明らかだ。
「しゃあねぇ、桂をサポートに行かすか。・・・にしても、ナンバー2ドライバーに面倒見てもらわなけりゃならんナンバー1ドライバーなんぞ聞いた事ねぇぞ。亮、フレアに連絡しろ」
ぶつくさ言いながら、権蔵はインカムを取り出した。


-----エアリアル、コックピット-----

「・・・と、いうわけだ。すまんが頼む」
「了解しました。エアリアル、スターゲイザーに通信を」
『了解』
権蔵からの指示を聞いて、桂は素速く行動に移った。
『回線、開きます』
「フレアさん、桂です。これからウィンドメアを足止めします。すいませんが、ここまでなんとか上がってきてください」
そうメッセージを送りつつ、桂はウィンドメアに対して猛然とアタックを開始した。
右から抜くそぶりを見せつつ左に回り込み、ウィンドメアが反応した瞬間、右に切り返す。
タイヤ交換時に比較的ソフトなタイヤに履替えているため、グリップがよく、切り返しもスムーズに行える。
トラップとフェイント、この二つのテクニックを駆使してアタックを仕掛けることで桂はウィンドメアのスピードを殺し、タイヤやマシン、ドライバーを消耗させる方法を選択した。
こちらの狙いが分かっていても、抜かれまいとするならばこちらの作戦に乗るしかない。無視しようとすれば即座に抜かれてしまう。
自分のマシンにも負担はかかるが、相手のマシンのスピードを殺すにはベストな方法であった。


#と、いうわけです(どういうわけやねん(爆))
#頑張って桂の所まで上がってきてください(笑)>フレアさん
1999年08月22日:14時55分10秒
皇帝 / tomy
「ふん、無茶なことをする」
ウインドメアの無理なオーバーテイクの感想を口にする皇帝。

「次は我々の番というわけか。ではこちらはフェイトの奴が追い付いてくるまでは余分な力を使わないことだけを心がけよう」
カイゼルシュトルムはボディに負担のかかる走り方を極力避け、経済走行に徹する。そうするうちに徐々にギガントとの距離が縮まってゆく。

「例えマルチブーストがあろうと、我々の2台を一気に抜き去ることができるかな、若造」
6周後の54周目、カイゼルシュトルムとギガントの2台はワルツを踊るかのようにぴったりと張りついて走っていた。
1999年08月22日:00時10分02秒
次の標的は? / Karma
 「アエロー、起動」
 『了解シマシタ』
 声とともにウィンドメアのエンジンが再び吼え加速を開始する。
 
 
 「・・・・・・・・・・・・・くっ」
 晶の口から一瞬声が漏れる。
 さすがに辛かったのだろうか?
 
 
 だが、そんな事とは無関係に時間は流れ、マシンは加速して次の相手を捜し求める。
 血に飢えた妖鬼のごとく・・・・・・・・・
 
 
 
#実はダメージ受けまくりです、ハイ(爆)
#見えない(致命傷はない)けどね。
#あと2台・・・・・・・・・・・もつのかなぁ?
1999年08月16日:05時00分31秒
STSピット(ウィンドメアにツッコミ) / Foresta

「うおぉっ、すげぇ!」
「中身生きてんのかァ?」

ピット奥にいるスタッフたちの間でどよめきが起こった。
セイレーンは他車のピットストップで順位を上げ損なってからはクルージングに入り、
淡々とラップを重ねている。タイヤもガスも限界に近く、彼らをどよめかせる走りなど
今更出来ようはずもない。

「どうしたね? テレビ観戦中の天羅ファン諸君?」

スタッフの様子に気づいた野上が、おどけてそう問いかける。

「監督、見てくださいよ……これ」

そう言ってスタッフの1人がモニターを野上に向ける。
テレビ放映そのままの画像だろうか。先ほどのどよめきの原因とおぼしきシーンが
スローで映し出されている。先行・エアリアル、後続・ウィンドメア。場所はヘアピン手前。

 距離はまだ開きがある。オーバーテイク失敗のシーンか?

そう思った次の瞬間、ウィンドメアがブースト加速を始める。そしてインの苦しいラインへと
迷わず飛び込んでいく。それは常識から考えれば多分に暴走じみた走りであった。

 ブーストの誤動作……違うな。マシンの動きに迷いがない。分かった上でやってるんだ。
 だが、 減速しないとエアリアル共々吹っ飛ぶぞ。ここから間に合わせるなら……

画像の中で、ヘアピンの中で、ウィンドメアのマルチブースターが吼える。

「バカな」

絶句し、硬直する。
直線でチャージしてヘアピンの突っ込みで並んだ。続くヘアピンの中で抜くのは、
予想通りと言えば予想通りの展開ではある。
問題はそのスピードだ。ブースト加速したかと思えば、そのままブースト・ターンとも言うべき強引な転回。
しかも、一度スローを見た程度では理解しかねるほどの恐ろしげな機動をこなしながら、だ。

ブースト加速したウィンドメアのスピードはいかほどのものだろう?
フック/ワイヤーを用いた空母着艦でも230→0km/hというが、陸上への緊急着陸でそれをやり、
激しすぎる減速Gでパイロットが死に至った例すらあるという。
彼は停止どころかそのまま正反対の方向に突っ走っていった。
ましてやウィンドメアを操るのは、まだ年端もいかない子どもだというではないか……

「想像もつかないほど進んだ技術の結晶か?
 それとも、想像もつかないほど恐ろしいマシンなのか……ん?」

スロー映像の端で白煙を噴いているマシンに目が引きつけられる。
それは、彼が一番よく知っているマシンだった。
セイレーン、HTメタル・ミッションの誤動作によるオーバーレブ・エンジンブローでレースを終える。
トップが48周目(だと思うんですが。違ったらごめんなさい)を走行中の出来事であった。

#すみません、えらく遅いツッコミになっちゃいました。
1999年08月12日:03時45分40秒
エリーシャ / May

コーナリング速度はどうやって決まるか?
答は簡単。横方向のグリップと遠心力が釣り合う速度である。
それが一般的な常識・・・少なくとも、天羅グランプリ以外では・・・
 
ブーストを起動し、わずかなストレートを駆けるエリーシャ。

>Afterbaner:30%
>Thrust Vectoring:READY
>Side Thruster:READY
 
ブーストを絞りながらも、そのまま右コーナーへと飛び込む。
その速度のために、アウト側へと機体が振られようとした瞬間、
 
>Thrust Vectoring:ON
>Side Thruster:LEFT,OPEN
>Thrust Balance:Main,Side=30,70
 
機体側面のスリット状のスラスターが開いて、アフターバーナーからバイパスされたジェットを側面へ噴射する。
また、後部のメインノズルもアウト側へ目一杯曲がって、推力を、側面へと偏向する。
 
アフターバーナーの推力を自在に偏向する、Tメタル−セラミック傾斜材製の可変ノズルと
推力を側面へとバイパスするサイドスラスター、
それはエリーシャの二つ目の・・・そして、最大の武器である。
マルチブーストでは重量のあるブーストポッドそのものを振り回すため、
制御と即応性にに問題を抱える場合が多いが、
エリーシャのこのシステムは、ノズル以外の可動部分が無いため、素早く繊細な機動を可能にする。
結果、マルチブーストの爆発力な機動力には劣るが、安定した機動を可能にしていた。
 
端から見ると、まるで機体の側面から火を噴いたようにも見える。
しかしその結果、コーナーのアウト側への噴射により機体にかかる遠心力の一部が相殺され、
通常では明らかにオーバースピードと言える速度で右コーナーを曲がりきってしまう。
 
>Thrust Vectoring:OFF
>Side Thruster:LEFT,CLOSE
 
わずかな、ストレートを経て、次の左コーナーへと進入する。
 
>Thrust Vectoring:ON
>Side Thruster:RIGHT,OPEN
>Thrust Balance:Main,Side=30,70
 
そして、左コーナー、逆バンクの270°コーナーと、恐ろしい速度で攻略していくエリーシャだった・・・

1999年08月10日:02時20分48秒
アンジェリカ / May

「・・・・・・やっぱり、遊ばれているのかしら。
 まぁ、まだ機体が重いから、その方が嬉しいのだけれど
 ・・・・・・でも、複雑な気分ね。」
 
先ほどから、フレアは再三アタックを仕掛けてくるが、抜く素振りは見せずに
つかず離れずの位置を占めている。
そのため、HMモードをスタンバイしたものの、使用タイミングを掴めずにいた。
 
「さて・・・どうしたものでしょう・・・フレアさんもこのまま済ませるつもりは
 無いでしょうし、私も可能な限り前との距離を詰めたいですから・・・」
 
と、突然、スターゲイザーがよろめく。
 
(・・・・・・こんなところで、一体?)
 
しかし、それも一瞬、スターゲイザーは姿勢を立て直し、今度は本気で迫ってくる。
それはデータからも明らかだった。
 
(・・・・・・まぁ、いいでしょう。考えるのは後で。
 機体も少しは軽くなった所ですし、一気に行きましょう)
 
「エリーシャ、HMモード起動、G-limit+.40。行きましょう。」
そして、ヘアピンを立ち上がる。
 
「アフターバーナー起動。」

#ひとまず、さらに続く(予定)
1999年08月09日:00時11分15秒
四龍ピット / Dr.李
 ロバート・龍があきらめ悪くスターゲイザーの尻を追っかけてる頃。
 
 「翠蘭君、君の言い分はわからないでもないでもないが・・・・。」
 部長、ギルバート楊が目の前の才媛の説得にかかっていた。
 「いえ、部長、明らかにフレア・ナイトメアのあの走行は、レース中の走行妨害に当たると思います。
 また、故意に相手をクラッシュさせようとする行動だと思います。」
 呉 翠蘭は、レーサーの命を、チームの財産を守るためにいる。
 事実、そのために配属されたし、自分もそのつもりだ。
 
 「しかしだね、翠蘭君。
 七御崎に抗議する程度ならともかく、いきなり委員会にかけて、処罰の対象にするのはやはり行きすぎではないかな?」
 部長としては、今ここで七御崎に恩を売っとくのも悪い話ではない。
 将来的に技術提携を考える対象は多いほどよく、その時の切り札も多ければそれにこしたことはない。
 
 「しかし・・。」
 あきらめの悪い才媛が何か言おうとするのを部長は片手で制した。
 「分かっている、君の立場も気持ちも。
 しかし、結局はこっちの被った損害はない。
 危険な走りであることは承知のうえだが、そこまでするほどではないと判断する。
 今回は、七御崎に直接抗議すると言う形で、なるべく穏便にすましておけばいいだろう。
 もちろん、次は君の思うようにすればいい。
 3回待つほどうちは穏便じゃないからね。」
 とりあえず、一回大目に見ようということで、翠蘭を説得する。
 「そのように進めてくれ、翠蘭君。」
 しぶしぶと言った感じで、呉翠蘭は頷いた。
 「分かりました、抗議文書の作成に入ります。」
1999年08月08日:23時53分00秒
あきらめはレーサーと街金の敵 / Dr.李
 42周目 蒼雷ピットイン
 
 「おし、いくよ野郎ども。」
 タイヤをはきかえ、燃料を入れる。
 一秒でも早くレーサーを戦場に送り出すために。
 
 「いけるか、ロイ?」
 主任が聞く。
 「当たり前だ、落とし前はつけてやる!」
 切れかかってるロバート龍が半分怒鳴るように答える。
 
 そして、ピットロードを駆け抜け、矢のように第一コーナーを立ち上がる。
 
 「でもロイ、どうやって抜く気なんだい?」
 主任が通信を入れる。
 「方法は一つ、フレアを抜くために、エリーシャを抜く!」
 
 「「「はい???」」」
 主任・姉御・その他がみんな目をまるくする。
 どう考えたって、言ってることが無茶苦茶じゃないだろうか?
 
 怒濤の勢いで、スターゲイザーに再び迫る蒼雷。
 「あのやろ、絶対泣かす!!!」
 フレアは女だ。
 野郎ではない。
 
 「逃げれると思うなよ、この蒼雷から!!」
 ロバート龍は待っていた。
 フレア・ナイトメアがリタイアするのは珍しいことではない。
 だがそれはレース前半ではなく、後半にほとんど集中してる。
 もちろん、レース開始直後のクラッシュも無いわけではないが、フレア自身に起因するクラッシュではない。
 
 なぜか?
 前半まで、恐ろしく無茶な走りと奇跡的な曲芸走行を行っているのに対し、
 後半はどちらかと言えば控えめに、セーブした走りに変わる。
 その時にロジャーや、皇帝、桂にあっさり抜かれるのだ。
 
 結論、フレアは何らかの原因でレース中必要以上に消耗している。
 
 だから、龍は延々プレッシャーをかけつづけた。
 無駄に思えるほどの長い間、延々と。
 マシンの性能を考えれば、スターゲイザーが蒼雷を抜かさないようにするには立ち上がりに頭を押さえるしかない・・・。
 
 「今、前にエリーシャがいる。そして後ろに俺だ。
 ライン取りの違うマシン2体を止めれるか、フレア・ナイトメア?」
1999年08月07日:12時02分19秒
限界までは何マイル? / りる

『うーん、鼠花火』
これは、前方のヘアピンでくるくる回転しているウィンドメアを見たフレアの評である。

「・・・っと、今はそれどころじゃなかった」
フレアの駆るスターゲイザーは今、目の前のエリーシャの真後ろ付かず離れずの位置にいた。
両者ブースター起動時にも関わらず、である。
「次は・・・右か?んじゃ右に行こ」
先ほどから、スターゲイザーはエリーシャに再三アタックをかけている。が、アタックをするだけで抜くような素振りは見せない。
まるで、『その気になればいつでも抜ける』という意思表示のように。

「ふう、それにしても・・・」
ちらと後方を見る。引き離しはしたものの、相変わらず蒼雷が追いかけてくるのが見える。
心なしか、操縦が少しだけ荒くなったのは気のせいだろうか(^^;
「さすがにありゃ驚いたかな?・・・いや、怒ったか、いきなり目の前でブースター起動した訳だし(笑)」
全然悪びれた風もなく、さらりと言ってのけるフレア。
もともと七御崎のブースターポッドはエンジンの爆発的な過熱を押さえる強力冷却装置のようなもので、ジェット噴射のように
後方に強力な推進力を吐き出すものでは無い。
まあ、やはりマシンの急加速による多少なりの衝撃波は後方に襲い掛かるのだが・・・

「さて、そろそろ前の邪魔なのを片付けようか・・・」
と、フレアがスロットルを踏み込もうとした瞬間、

くらっ・・・

突如、それはやってきた。
一瞬視界がぼやける。と同時に、忘れていた頭痛が再び蘇ってくる。
「くっ・・・こ、こりゃちょっとやばいかも・・・」
少しよろめいた機体を、根性で無理やり立て直す。だが、今の走りには数刻前の精彩は感じられない。
フレア自身もわかってはいたのだ。自分の『限界』が近づいていることに。
だが、こんなにも早くやってくるとは・・・

「あと僅か数週・・・何とか・・・なるか」
きっ、と前方をにらんで意志力を集中する。
・・・大丈夫。感覚を酷使しなければ、残りは現状のままで行ける!
意を決したように、フレアはスロットルを踏み込んだ。

「いくぜぇぇぇぇっ!女は根性ぉぉぉっ!!」


#というわけで、久々のカキコです。
#何か一行掲示板の方で話題になってましたが、スリップストリーム状態からのブースト。やばかったですねー、自分ながら。
#御影さん曰く、『七御崎のブースターはジェットエンジンではなく冷却装置』との事でしたので、大事にはならないと思うのですが。
#いやあ、後で読み返してみて冷や汗出ましたよ。何書いてんだ、俺。

#追記:夏休み中は頻繁に書きこみできません。止まったらごめんなさい。
1999年08月03日:10時57分47秒
六堂 桂 / 御影


「正気か!?」
思わず桂が叫んだとしても無理からぬ事だ。
ウィンドメアはヘアピンに入った瞬間、マルチブースターを使用して自分のマシンをスピンさせたのだ。
この状態は、例えるなら鼠花火に似ているだろうか。
これがただのスピンというのならば別段問題はない。しかし、今は状況が違った。
ヘアピン直前までブースターを使用し、オーヴァスピードで無理矢理ヘアピンに突入した挙げ句、ブースターを使ってマシンを強制的に、それも常識では考えられない程のスピードでマシンをスピンさせる。
無茶を通り越した自殺行為だ。
現在のウィンドメアには、通常より高速でヘアピンに突入したことで、3Gに近い横Gが掛っているだろう。
この横Gは、そのままドライバーにも掛ることとなる。
それに加えてマルチブースターを使用してマシンに高速の回転を加えたとなると、マシン及びドライバーには想像を絶するGが、あらゆる方向から襲い掛かる。
掛った横Gが3Gだとして、人間の頭の重さを6キログラム、ヘルメットを1.5キログラムとすると、頭の片側に約22キログラムの重りをぶら下げているのと同じことである。
これだけのGが掛っている状態では、仮にコーナーを抜けたとしてもその後まともに走ることなど不可能である。
最悪の場合、体の自由が利かないままコースアウト、フェンスに激突という事態を招きかねない。

「くっ、ブースト!!」
ヘアピン中盤を越え、マシンを直線と平行な向きに向ける作業と同時にブースターを起動する。
冷却ポッドがはね上がり、ブースターが起動するまでの僅かなタイムラグの間にマシンをストレート入り口に向ける。
加速Gが桂の体に掛る。
この時点で位置だけ見るならば、ウィンドメアはエアリアルの斜め前方に位置していた。
その2台の差は、マシン半分程の差だった。



#う〜む・・・凄いことになってますね(^^;)
#もしもウィンドメアがコースアウトするとなればそれに巻きもまれるのも面白いかと思っていましたが・・・。
#これからどうなるのでしょう。
1999年07月31日:02時04分27秒
綱渡りとその代償 / Karma
 「ポイント4−1から開始。制御をAIに72%移行。タイミングはこちらから。」
 『了解シマシタ』
 
 スピードを落とさぬままヘアピンに入る。
 エアリアルにコースを制限されている以上通常はインべたのコースを取るかスピードを落とすしかない。
 
 
 そう、通常は・・・・・・・・
 
 
 次の瞬間、ウィンドメアが『吼えた』
 マルチブーストの一部をアウト側斜め前に吹かすと同時に、イン後ろ側のブーストも吹かす。
 そして、半ばスピンするような勢いでヘアピンカーブを高速で回り切る。
 誰ひとりとして予想していなかったほどの速度で・・・・・・・・・・
 
 無論進路妨害になるような位置で吹かしているわけではないから『ルール上』は問題ではない。
 だが、その走り方がドライバーに負担をかけないはずはない。
 
 
 そう、負担をかけないはずが決して無いのだ・・・・・・・・・・・・・・
 
 
 
#って事で種明かし(笑)
#マシンの対角線上に存在する部分のブーストを逆方向に吹かすとマシンはくるくるまわります。
#(テンキーの9と1、あるいは7と3のように)
#たとえとしてはおもちゃの火をつけるとくるくるまわる花火でしょうか?
#無論、こんな走り方がドライバーの健康にいいわけ無いっすね(苦笑)
#突っ込みよろしく(爆)
1999年07月27日:10時06分49秒
六堂 桂 / 御影


「来たっ!」
桂の予想通り、ウィンドメアはエアリアルが内側に空けた隙間にに入り込んできた。
そして迫るヘアピンカーブ。
ヘアピンに突入する瞬間、桂はインを締めた。
桂の本当の狙いはウィンドメアのマルチブーストを封じることではなく、ヘアピンでの走行進路を制限することにあった。
エアリアルがインにマシン一台分の隙間しか空けずにヘアピンに突入したため、内側に入り込んだウィンドメアはインベタのコーナリングをするか、スピードを落とすしか道はなくなる。
しかし、桂にはまだ不安があった。
(ブースターを起動してヘアピンに入ろうと考えているくらいならそれなりの用意はするはず・・・。
 しかも、私が空けた隙間に何の躊躇もなく飛込んできたところを見るとよほどの自信があるのか、もしくはこちらの手の内を読んでいるのか・・・。
 何にせよ、彼はまだ底を見せていない)

そして、勝負の時・・・・・・。


#簡単には抜かせませんよ(笑)
1999年07月27日:03時15分15秒
アンジェリカ / May

「警告:後方、スターゲイザー、ブースト」
後方で、蒼雷と争っていたスターゲイザーが蒼雷を抑えつつ、ブーストで急速に迫ってくる。
 
「エリーシャ、アフターバーナー起動」
ブーストに対抗するにはブースト・・・それが、天羅グランプリの常識である。
しかし、ブーストの起動タイミングから、スターゲイザーはその距離を詰めてくる。 
 
(残り、10周と少し・・・燃料は目一杯積んだから問題は無いわね)
 
「・・・それから、HMモードスタンバイ。そろそろやりましょう」
 
「・・・了解・・・HMモードスタンバイ。自動制御モード。
 システムへ動力伝達。待機状態へ移行します。」
 
「・・・さて、行きましょうか、エリーシャ」
(私の作ったエリーシャ・・・その本当の力を見せてあげます・・・)
 
そして、3台はストレートを駆けていった・・・
 
#そろそろ終盤ですし、本気(?)でいきますか・・・
#抜かせないよん(笑)
1999年07月26日:23時39分39秒
タイトロープカーブ / Karma
 前方のエアリアルの内側にちょうどマシン1台分の隙間が空く。
 無論、普通のドライバーなら絶対に手を出さない隙間だ。たとえ鼻先をいれる事ができたとしてもヘアピンでその行動は死を招く。
 マルチブーストで曲がる事も考えられるが、この状態での側面ブーストの使用は隣接車に危害を加えかねないため、一般的には自重され、禁止される。
 
 だが、ウィンドメアは迷わずそこを取るコースを取った。
 
 「AI、アエロー、オキュペテの起動準備を」
 『了解シマシタ。起動準備2・・・1・・・まーく』
 ウィンドメアの前後のブースト部分がそれに応じて配置につく。
 
 ウィンドメアがそのコースに入り・・・・・・そしてヘアピンが近づく。
 
 コンマ1秒のタイミングでも狂えば、マシンもドライバーもほぼ確実に命を落とす。
 悪夢のようなタイトロープが始まった・・・・・。
 
 
 
#うちのマルチブーストはそれぐらいの『小細工』じゃ封じれませんぜ旦那(笑)
#対応策はみっつぐらいかんがえているんのさ(ニヤリ)
1999年07月26日:14時08分54秒
「悪夢」と呼ばれる女 / りる

「なあ、これでブロック何回目だっけ?」
『今ので25回目になる』
「そっか、んじゃこれで26回だ・・・なっと!」
相変わらず後ろからオーバーテイクしようとする蒼雷を、ぎりぎりのところでブロックするスターゲイザー。
それを操るフレアの口元には、笑みが浮かんでいた。
「ロバート龍、か。その執念は認めたげるけど、今のままの走り方じゃあたしにゃ勝てないねぇ」
自身の超感覚をフルに使って、蒼雷の行動の「一歩先」を「視る」。

・・・問題ない、行ける!

「あたしに勝ちたかったら、一度自分をブッ壊してから来るんだね!!」
蒼雷の頭を押さえたまま、ブーストを起動する。
次のターゲットは・・・エリーシャ!


#現在順位はおそらく6位。龍君が後ろにいるから必然的にそうなるでしょう。
#それにしても今回のレース、大荒れですね。すでにリタイアが4〜5台は行ってるでしょう。
#そのうちの2台をクラッシュさせたのはフレアだけど(苦笑)
1999年07月23日:15時34分41秒
六堂 桂 / 御影

後方の映像を映しているモニターの中で、ウィンドメアの姿は恐ろしいほどの勢いで拡大されていった。
(くぅ・・・ヘアピンまで持つかどうか・・・)
圧倒的な速度で迫るウィンドメアと、何かに耐えるかのように現在の速度を維持しているエアリアル。
二台はその先に待ち受けているヘアピンに向けて突き進んでいく。
エアリアルはヘアピンに差し掛かると時を同じくしてその進路を僅かにアウト側に向けた。
コース内側に空いた隙間。
それは、通常のマシン一台が僅かに通過可能な程の間隔だった。
1999年07月21日:22時26分04秒
ファイティングスピリッツ / Dr.李
 「スターゲイザー捕捉!次こそ獲る!」
 何回この言葉を口に出しただろうか。
 そのたびにまるで分かってるようにコースをブロック。
 そのまま頭を押さえつづける。
 あるいは抜かされたように見せかけて、次のコーナーで
 あっさりとオーバーテイク。
 そうすべて、どのライン取りをするか分かってるように。
 
 「こいつ、やっぱりただ者じゃない!」
 皇帝のような、あるいは皇帝の影のような、経験に裏打ちされた間合いの取り方でもなく、
 あるいは天才の見せるひらめきでもなく、
 ロジャーのような感性の走りでもなく、
 ただ、フレアはそこにいる。
 
 「くぅ、またか!」
 オーバーテイクポイントでぎりぎりのブロッキング。
 充分な加速のできない蒼雷に勝ち目はなかった。
 
 「あれが煉獄の悪夢か、今ので何回目だ?」
 部長が静かに訊ねる。
 「かれこれ23回目ですね、あらゆるパターンを試しましたが、その全てに反応してます。
 まるで、分かってるように。」
 主任があきらめにも、なんともつかない声で答える。
 「ロイは下手にミスをしないからねぇ・・。
 余計イレギュラーが発生しにくいしねぇ。」
 
 プレッシャーにもならないのか?
 四龍は重い雰囲気に飲まれていった。
 
 「この、いいかげんに落ちやがれ!」
 ピットとは逆に意気がますますあがるドライバーロバート龍。
 あきらめは結構悪いほうだったりする。
1999年07月19日:14時54分04秒
六堂 桂 / 御影

『警告。ウィンドメア急速接近』
アラーム音とともにウィンドメアとエアリアルの相対距離、速度差が表示される。
「・・・ブースター加速? この位置での加速となると狙いはヘアピン・・・。
 ・・・なぜ、ヘアピンを?」
確かに、ヘアピンではどのマシンも例外無く速度を落す。
そこが狙い目と言えば狙い目ではあるが、しかし、加速力のあるマシンならヘアピンなどではなく、直線で抜いてしまえば良いことだ。
そして、ウィンドメアにはその加速力があるはずだった。
(・・・ヘアピンでなければならない理由でも・・・? ・・・いずれ判るか。
 あの加速でヘアピンに突っ込んでくるとなると、間違いなくオーヴァスピード・・・
 手とすればマルチブースターやエアスラスター・・・)
「エアリアル、次のヘアピンを脱出後、即ブースターを起動。
 起動タイミングは音声で行います」
『了解』
「さあ、勝負と行きますか」


#さあ、いざ、尋常に勝負(笑)
#ちなみに桂はヘアピン前でちと小細工をします。
#お楽しみに(邪笑)
1999年07月19日:00時24分00秒
勝利の女神に捧げる代償とは? / Karma
 ピットアウトからサーキットを2/3周もするとマシンの状態が完全にクリアーになる。
 もっともタンクをフルチャージしてある以上走りが少々重くなるのは仕方の無い事だが。
 
 『えありある、こーすAヨリこーすBニ移行中。ぽいんと4ニオケルこーすノ修正ハ以下ノトオリデス』
 AIが周囲の状況を分析し、適切なデータを送信してくる。
 「了解した。ポイント4でアタックをかける」
 
 九津見のデータにおけるポイント4。それはサーキット内のヘアピンカーブである。
 基本的にヘアピンの『中』ではアタックは行われることはない。
 なぜなら、急カーブ中にアタックを無理矢理かける事は双方に、ひいてはレース自体に多大な被害を及ぼす事になるからだ。
 それをあえて行う、という事は何か策があるのだろうか、それとも・・・・・・・・・・
 
 「ケライノー、起動準備・・・3・・・2・・・1・・・マーク」
 ウィンドメアの左右にスラスターが展開される。予選でも一度使用されたシステム:ケライノー。
 確かにそれを使用するのならアタックは可能かもしれない。だが・・・・・・・
 
 「ケライノー、起動。」
 晶のその合図とともに左右のブースターが火を吹く。
 ヘアピンカーブという普通は想像だにしない状況の中で、エアリアルへのアタックが開始された。
 
 
 だが、その代償は・・・・・・・・?
 
 
 
 
#みなさんご想像の通り血を吐く一歩手前です(笑)
#いまからこんなんでこれから先の2人抜くまで身体がもつのかなぁ?(苦笑)
1999年07月11日:23時51分01秒
STSピット・野上監督 / Foresta

(すっかり大人しくなったな……狂犬ぐらいの荒療治がやはり必要かもな)

モニターを見ながらそんなことを考えている野上の後ろを、いくつものエンジン音が
続けざまに通り過ぎた。
モニターから頭を上げ、周囲を見渡す。
他チームのピットエリアはマシンを受け入れ、或いはその準備で活気づいている。
対するSTSのピットは……待機状態のままだ。マシンを入れる様子は少しも見られない。

「タイム差は?」

手近なスタッフに問う。
STSの作戦は車体の特徴を活かした2ストップ。アクシデントはあったものの、
2度目のピットインを33周目に既に終えている。
新タイヤに履き替えて出られると、攻守が入れ替わる。そうなったらもう、敵わない。
他車がストップする今しか、チャンスは残っていない。

「前のマシンとは42秒。ピットインの仕方によっては望みがあります」

半周弱のタイム差。序盤の度重なるピットインを考えれば、よく詰めたと言うべきか。
だが、ここで追いつけなければあとはジリ貧しかない。
インカムを握り、指示を出す。

「花憐、ペースアップだ。モードはノーマル。現在、前走車とは42秒。
 ピット出口でなんとしても捉えるんだ」

『了解です、監督。ノーマルモード……チェンジします』

今ひとつ覇気のない返事。野上はインカムをおいて、呟いた。

「こりゃ、初戦は、最下位かな……」


#直接の相手が誰もいなくなりましたし、このまま最後までおとなしく走りましょう。
#順位は、今生き残っているマシンの中で最下位、ということで。
#(開幕戦で完走率低そうですし、14位前後でしょうか)

1999年07月11日:01時51分14秒
九津見ピット / Karma
 「データもそれなりに集まりましたしそろそろですかね?」
 ピットクルーがせわしなく動く中を見ながら、芦屋博士はディスプレイに目を走らせる。
 (ほぼ思った通りの結果ですか・・・・・・・・まぁ、第一戦ですからね)
 
 「セットアップ完了!」
 「燃料タンク、フルチャージ!」
 「システム、オールグリーン!」
 手早くピットクルーが作業を終わらせる。
 「晶、ここからはノンストップにします。マシンの負担はあまり考えなくていいですから、全力でいきなさい。」
 「了解した。各部パーツの予想疲労度の送信を頼む。」
 「判りました。」
 
 「システム、モードCに。『ハピュルイアシステム』スタンバイ」
 そしてマシンが速度制限ラインをすぎた後、一気に加速する。
 
 ストレートから第1カーブに入る当たりでSSAIにデータが送信されてくる。
 (疲労度・・・・OK。現在の耐久力から考えると、そう多くは使えないな)
 頭の中で送信されたデータからこれからの戦略を再構築する。
 
 
 ピットの中では収集したデータの再チェックと記録を続けられていた。
 (まだ、このスペックでは足りませんね。どのチームもマシンをリファインする事を考えると・・・・・やはりセカンドドライバーが必要になりますか・・・・)
 (しかし、『ホーム』の方の候補生はいまいち使い物になりませんし・・・・・)
 芦屋博士のデータを見る目が険しくなる。
 
 サーキットの中の高揚とは異なり、ここのピットの中は冷徹な雰囲気に支配されていた・・・・・・・
 
 レースは残り11周。
 短いようで長い、緊張した時間はまだ続いていた。
 
 
 
#現在順位は・・・・4位ぐらいかな?
#こっから上に入ろうとすると、血反吐を吐くとか骨が軋む、とかいう事になりそうですが(笑)
#きっと10秒の差を埋めるためには血を吐かないといけないのでしょぉ。
1999年07月10日:15時30分21秒
皇帝 / tomy
「ふむ、ようやくトップか」
桂、フェイトがピットインし、皇帝が一位に浮上する。

ちなみに皇帝はその前の周で既にピットストップを終えている。3ストップのチームが多い中、皇帝は2ストップだ。エアリアルとギガントにトップを争わせ、カイゼルシュトルムはその後方からプレッシャーをかけ続けるというレース運びによって、マシンの負荷も最小限に抑えられている。

「2位以下との差は10数秒。マシンの状態も十分だ。後はどうこれを守りきるか、だ。気にすべきは、マルチブースト。‥だが、皇帝に同じ手は二度と通じはせぬ!」
1999年07月10日:14時57分51秒
橘 まゆ / tomy
「‥かける、入るよ」
そう軽く呼びかけると、まゆはお盆を手にモーターホームに入り、ソファーに横たわる翔の方に向かう。

「あ、起きてたんだ。 ‥気分はどう?」
ソファーに近づいたところで、翔が目覚めていることに気づき、そう声をかける。

「まったく、も〜。かけるってば向こう見ずなんだから。あんまり心配かけないでよね。
愛美さんも利奈ちゃんも、ホントに心配してたんだよ・・」
わざとふくれっ面になって、怒ってみせる まゆ。これでもかけるが落ち込んでいることに気づいて気を使っているのだ。

「輝兄さんの代わりに頑張りたいっていう気持ちもわからなくはないけど、かけるはかけるで、輝兄さんじゃないんだから‥‥、かけるなりに頑張ればいいんだよ」
濡れタオルを取り替えながら、優しく諭すように言う。

「今日心配させた分は、私と愛美さんと利奈ちゃんと一緒に伊祖屋のクリームあんみつ食べに行くことでで勘弁したげる。もちろんかけるの奢りね☆」
最後にそう付け加えると、まゆはその場を後にした。

まゆから、かけるへ
1999年07月06日:22時13分31秒
凪澤翔 / ぺぇ
覚えているのは、マシンの怒号。
そして、人々が放つ熱気・・・

『さあ、日本のアユミ・ナギサワが最終コーナーを立ち上がってきた!!
キリマンジャロGPXよりニューマシンを導入、4戦連続ポールトゥウィンという快進撃。
女性ドライバーでありながらレース史上タイ記録を樹立。
そして間もなくその記録も更新されようとしてる!!

2067年、第14回天羅フォーミュラーGPX。
ドイツGPX、エンジェリックDNAサーキット最終ラップ。
2位以下を大きく離して・・・・いや、スローダウン!!
どうしたんだ日本のナギサワ!!
チェッカーを目の前に、マシンが止まってしまったーー!!』

そこで、目が覚める。

ぼんやりとモーターホームの天井を見つめる翔。
しばらくして、モーターホームのソファーに寝かされている事に気がつく。

”リタイヤしたんだ・・・”

頬が痛む。
濡れたタオルがあてられているが、その上からでもはっきりわかる程、腫れていた。

だがそれは、リタイヤした時の怪我などではない。

「真奈美さん、本気で怒ってたな・・・」

ピットに戻った翔を待っていたのは、オペレーター宇津木の鉄拳であった。
そして、そのまま気絶してしまったのである。

起きあがろうとしたが、腕に力が入らない。

そう、マシンをねじ伏せた強引なドライビングは、翔の腕力、握力を一気に奪っていった。
誰もがエリーシャをオーバーテイクしたと思った瞬間、スピン、そしてリタイヤ。

起きあがるのを諦め、翔は再びソファーに身を沈めた。
レースもいよいよ大詰めなのか、観客の歓声がより一層大きく聞こえる。

「まゆ、怒ってるだろうな・・・」

ゆっくりと、目を閉じる。

”バカっ!! 何故あんな無茶したの!! あなたにまで何かあったら・・・”

真奈美の目からこぼれる大粒の涙を、はっきりと覚えている。

「・・・・・・・・僕は・・・」

小さく、呟く翔。
その声は、少し涙まじりのようであった。

1999年06月26日:01時35分24秒
アンジェリカ:ピット内 / May

「総員・・・かかれ!」
監督の合図と共に、ピットクルーが最後のピット作業を行う。
 
「メイン、サブタンク共に目一杯積ませるが・・・それでいいんだな?」
監督はインカムでアンジェリカに話しかける。
「はい・・・残りの周回は全開で行ってみますから。
 燃料はいくらあっても足りないくらいです。」
 
各ピットクルーが、作業を終え、作業完了の合図を送る。
「・・・・・・よし、行け!」
 
「了解・・・」
エリーシャはピットロードへと滑り出る。
 
(残り12周・・・さすがにきついわね、レース本番は。
 でも、やれるだけやりましょう。結希も見に来てくれているのだから。
 だから・・・・・・ルーク、見守っていてね。)
左腕に巻いたスカーフにそっと触れ、呟く。
そして速度制限ラインを超えると同時にアクセルを目一杯踏み込んだ。 
 
「・・・行くわよ、エリーシャ」
 
 
#ピットアウト後で、5位と言ってみることにします。
#場合によっては6位でも構いませんよ・・・
1999年06月25日:13時00分50秒
七御先ピット / 御影


「タイヤOK!」
「燃料まだか!?」
「もうちょい・・・OK!」
「よっしゃ! 桂、行けっ!」
クルー達がマシンから離れると同時にスロットルを踏み込み、制限速度ギリギリでコースにもどる。
レースも残り18周。ここからが本当の勝負。
桂はそう自分に言い聞かせると、各車のピットでの順位変動の把握をはじめた。


#桂の順位ですが、1から3位のどこかです(爆)
#ああっ、石を投げないで!
#・・・冗談は置いといて。
#桂、フェイト、皇帝は差があまり開いていないと思うので、ピットワークでこちらが抜かれる可能性はあります。
#ですから、ピットワークがこちらより速ければ桂は抜かれてしまいます(因にこちらの停車時間は約10秒です)
#桂の順位は皇帝、フェイトの順位次第ということでお願いします。
1999年06月23日:09時00分13秒
リタイアしたロジャー / tomy
「ん、ここは………」
ロジャーは病室のベッドの上で目覚めた。いたるところに包帯が巻かれ、痛めた右腕は三角巾で吊られている。

「…ああ、そういえば…」

(ここから回想)

「へっ、面白ぇじゃねぇか。つきあってやるよ」
前方のカーマイン・レイがバンク頂上にアタックするのを見て、ロジャーは次の、そしてこのレース最後の獲物に狙いを定める。
そしてケルベロスはカーマイン・レイの後ろにつけ、追いたてるかのようにスピードを上げた。

グリップを失い、インに外れてゆくカーマイン・レイ。ドリフトを使うも、曲率が低いバンクの最終コーナーでは、さほどの意味はない。

「まだまだあめぇ……何っ」
軽い振動とともに左のジェットが火を吹いた。そしてその直後、推進力の平衡が失われたケルベロスのボディはコンクリートフェンスに叩き付けられる。

ギリュルルルルルルルルルッ

瞬時に右のジェットを止めたロジャーだが、一度失われたバランスはそう簡単には戻らない。慣性はケルベロスをフェンスの方向に押しやろうとし、ボディとフェンスとが擦れて不気味な不協和音を奏でる。

「びびんな、相棒。俺が必ずピットに連れ帰ってやらぁ。
…だから安心して俺に任せな」
ロジャーはマシンに向かってそうささやくと、被害が少なくなる角度からわざとフェンスにボディをぶつけ、その反動を利用して姿勢を立て直す。

そして最終コーナーを抜け、満身創痍のケルベロスはピットに戻る。


「ケルベロス入ります」
「修理に急ぐぞ」
「あ〜あ、派手に壊しちまって」
「熱っ、…こりゃ冷まさにゃ話しにならん。冷却剤準備だ!」

クルー達が作業に入ろうとする所を、ロジャーがケルベロスを降りて押しとどめる。

「退きな、まだレースは終っちゃいねぇ」
ロジャーはいまだにレースを、いや走ることをあきらめていなかった。

「誰の手も借りなきゃ、美咲さ、オーナーとの契約はまだ有効のはずだぜ」
そう言って一人ケルベロスのピットワークを始めようとするロジャーの顔前を、美崎の秘書の剣崎が遮る。
「ミスターマクバード、これ以上のレースをオーナーは望まれてはいません」

「止めてもむだ………っ」

言い返そうとしたロジャーのみぞおちに剣崎の当て身が命中し、ロジャーはそのまま意識を失った。

(回想終り)

「…ちっ、あのまま気を失っちまったのか。
………んで、レースはどうなった?」

部屋には誰もおらず、病室にはポツンとテレビが転がっている。
ロジャーは病室のテレビをつけてレース結果を調べることにした。
1999年06月22日:00時56分24秒
四龍ピット / Dr.李
 「現在40周目にはいりました。」
 主任の声が響く。
 「次が最後のピットインだな。」
 部長が確認するように聞き返す。
 「はい、残り12周ですから、最後の10周でピットイン。
 燃料80%、最後のタイヤをつけて出します。」
 
 「キツいな・・・。」
 「あぁ、先行している連中が手ごわい。
 なかなか突破できんなぁ。」
 孫&金が準備を進めつつ、状況を観察する。
 
 「さすが皇帝、というべきなのだろうな。」
 部長の目が細められる。
 「ひよっこでは、まだまだか・・・。」
 
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 現在 龍君は7位です。
 後の方は書き込み後、順位を明らかにしてください。
1999年06月03日:23時10分47秒
リタイヤ 3秒前 / ぺぇ

「ス、ステアリングがっ!!」

バンク頂上付近のコースコンディションの酷さは、翔の予想を遥かに上回っていた。

オイル、埃等により極端にグリップ力が低下、マシンが左右に暴れ出す。

『コースコンディション・レッド、スピンに注意。』

「わかってる!!」

バンク頂上手前に差しかかり、そして下方にエリーシャが見える。

”並んだ!! もう少しだ・・・”

その時、カーマイン・レイのリアがコースアウト側に滑り出る。

「しまった!! エアロ・・・」

『エアロエフェクトファンは使用不可。』

「ちぃっ!! ブースト・カット!!」

瞬時にカウンターステアをきる翔。
姿勢を崩し、ドリフト状態のままバンク頂上をコーナーのアウト側ギリギリを走るカーマイン・レイ。

しかしエフェクトファンが破損し、トップスピードにのったこの状況である。
ブーストカットによる減速だけでは体制の立て直しは不可能に近い。

”もうちょっとなんだ、諦めてたまるか!!”

アクセルを踏み込みトラクションを強引にかけ、さらにステアリングをきる!!

次の瞬間六つのタイヤから白煙が上がり、
カーマイン・レイがドリフトのラインをコーナーアウト側からイン側に変え、
一気にメインストレートへと駆け下ってくる!!

「つぁりゃああああっ!!」

スピン寸前のマシンを強引にねじ伏せ、最終コーナーを立ち上がったエリーシャのイン側を差す!!



#トライジェットターンに対抗する技、名づけてターンAターン
#・・というのは嘘です。
#ま、偶然できたダブルのドリフトってとこですか。

#で、この後公約通りリタイヤしますね(T_T
#スピンにするか、タイヤがバーストにするか、エンジンブローにするか・・・
#スピンが有力ですね。
#天羅なんだから1が成功にしとけばよかったと、ちょっと後悔(バカ)

#あとは皇帝が本物を見せてくれるのを希望(^^
#”ひさし”もありますよ。
1999年06月03日:00時55分57秒
花憐:後方マシンのカメラからの映像を…… / Foresta

「ここでブーストを!?」

バンク前のストレートでブースト加速するカーマイン・レイ。
せめてバンク出口までは着いていこうと目論んだセイレーンだが、結局1台だけ置き去りにされる。

 確かに、2周遅れでは燃料の心配どころではないけれど。
 ブーストカットしてエリーシャのインにノーズをねじ込みますか?
 でもこっちは……

ステアリングのスイッチの一つを操作する。
チャージモード・オフ。加速度が鈍り、カーマインレイがますます遠ざかっていく。
今回は別に戦意喪失したわけではない。

 もう水温がここまで。まあ、あれだけ高温の噴射を浴びれば当然かな。
 ウイングの立てすぎで冷却効率も……あれれ?

HUDの表示からコースへと視線を戻し、眉を潜める。
カーマイン・レイがブーストをカットしないのだ。アウトからエリーシャに並ぶ。
そしてブーストを掛けたまま、バンクの汚れた部分を構わず駆け上がっていく……
そこまできて、花憐はやっと翔の意図に気がづいた。

「そんな無茶苦茶な!?
 そこは……皇帝にしか、許されていない道なのに……」

1999年06月02日:23時46分37秒
ロバート龍 / Dr.李
「さて、だいぶ暖まってきたかな?」
 ピットから飛び出した後、ロバート龍は冷静にレースの流れを把握しようとしていた。
 「トップは七御崎の桂か。その後は実力通りの順番といったところか。
 九津見はレース慣れしてないのか、それとも何かいじったか?
 意外と遅いピットワークだな?」
 だが、前のほうにはその九津見。その先にはフレア・ナイトメアがいる。
 「さて、どうするか?
 勝負をかけるなら、ブースト勝負だな、それで相手の疲労を誘おう。
 昨日のデータからいって最も有効そうだ。」
 先の相手の事ばかり考えていてもしょうがない。
 一機づつ確実に順位をあげることにした。
 
 「シーサンメイ、シケイン後から仕掛けるぞ。」
 「了解。」
 
 ゆっくりと確実に龍は風を捕えようとしていた。
1999年05月18日:03時03分21秒
アンジェリカ / May

「アフターバーナー、予備燃焼。メインストレートで行くわよ。」
アフターバーナーの立ち上がりをよくするためにアイドルモードでアフターバーナーを立ち上げる。

「了解・・・
 ピッピッ、カーマイン・レイ、ブースト加速。ラインに注意して下さい。」
 
ショートストレートでカーマイン・レイはアウト側からブースト加速を行う。
その先にあるのは最終コーナー・・・最大85°に達するバンク
 
「ちょっと、翔くん、それは・・・無茶はいけないわ、無茶は!」
 
そして2台は並んで最終コーナーへと進入した・・・
1999年05月11日:00時59分07秒
残った武器は・・・ / ぺぇ
「は、はやい!!」

あっという間にカーマイン・レイをオーバーテイクしていくエリーシャ。

それが腕の差であることは、誰の目にも明らかであった。

「加給圧をコンマ5アップ!! なんとしても食らい付いて行くぞ!!」

再びエリーシャのスリップにつくカーマイン・レイ
そのまま逆バンクへ入っていく。
しかし、抜ける余力も、スキもみつからない。

「ついていくだけで精一杯か・・・」

次の瞬間、後方で激しいタイヤとブースト音が響き、ケルベロスがセイレーンをオーバーテイクする。

「マルチブースト・・・か・・・」

このままでは、後方の2者に成すすべも無く抜かれてしまうのは目に見えている。


「残った武器はブーストのみか・・・」
ほかに何かないのか、と必死に頭を巡らす翔。
シケインを抜け、翔の視界に最終コーナーが入ってくる。

「・・・あれだ・・・」

最大85度のバンクを持つ最終コーナー、その手前のショートストレート。
カーマイン・レイが再びブースト加速でエリーシャの横、アウト側に並ぶ!!

「まさか!!?」

ハヤテグランプリ・ピットで監督が叫ぶ!!


#と、いうことでレッツチャレンジ!!
#この成否判定は一行サイコロで決めましょうかねぇ(^^
#6が成功、5・4・3が失敗 2・1がリタイヤくらいで。

#ちなみに晶君が6、7位ということはロジャーの後かフレアさんの周囲。
#どっちを向いてもエヘヘってカンジだね(爆) 
1999年05月09日:07時25分42秒
ウィンドメアの現在順位 / Karma
 大体6、7位当たりです。
 ここから地獄(笑)を突破してトップまでかけあが・・・・・りたいなぁ(爆)
 
 
 やっぱ無理かな?(爆)
1999年05月09日:04時44分37秒
花憐 / Foresta

『走行ライン パターン3 姿勢制御スタート』

イン側の縁石をかすめながら、逆バンクへと飛び込んでいくセイレーン。
しかし、その試みはうまく運んではくれなかった。
ノーズが縁石から離れていく。トライジェットを噴かし、迷わずインを占めてくるケルベロス。

 来る。やっぱり、彼らには敵わない?

警告音と共に、HUDに走行予測ラインが赤く表示される。
制御しきれず膨らんでいくラインは、コーナー出口でコース外へ、
そしてその先、オーバーブリッジの壁面へと向かっている。
続いて回避ラインが数本表示される。

 オーバーブリッジに激突して終わるわけには行かない。
 SSAIの分析はスピンでの停止かアウトへの逃げ……

ミラーを確認する。スピンに入ってもケルベロスに衝突しては意味がない。

 トライジェット噴射をくぐり抜けてから、イン側に巻き込んで……噴射?
 失敗したらどうなることやら……でも、これ以上レースから脱落するわけにはいかない。
 今更言えるような立場じゃないけど、みんなのためにも……

「アクティブウィング、マニュアルモード」

 さあ、来てください……早く

トライジェットの噴流が近づき、セイレーンを捉える。
超高速の気流の中でウイングが、ダウンフォースを求めて展開する。
車体が強烈に路面へとねじ伏せられ、グリップが増加。呼応して唸るFLAT12。
コースアウト寸前のところで、マシンは突如進行方向を変える。
コーナー出口でケルベロスが前を抑える。目の前の、自分を恐怖のどん底に陥れた相手に、
花憐は微笑みながら呟いた。

「あなたのお陰で助かったみたいです。感謝しますよ」


#思わず、ただでは抜かれず頑張ってみたりなんかして。
#にしても久しぶりな……遅くなってしまってすみません。
#それと順位表、助かります。
#まさに「そろそろ確認しなきゃ」と思った矢先のばっちりなタイミングだったので
#ちょっと驚きました。(^^;
天羅万象掛け合い:激走編ログ / TRPG.NETホームページ / Web管理者連絡先