天羅万象掛け合い:凶星編 LOG 001

天羅万象掛け合い所:凶星編の1998年03月06日から2001年04月24日までのログです。


2001年04月24日:23時01分59秒
法師崩れ”夜叉” / Dr.李
「兵(つわもの)どもの夢の後・・・・か。」
伸びた無精ひげの感触を感じながら、あごをさする。


周りは血の池、肉魁の破片。


「南無。」 熊のような巨体をゆすり、殺戮の現場を後にする。


1998年07月25日:19時47分20秒
莱覇 / MARS
 十魔の哄笑が莱覇の中で反響し…やがて消える…
 莱覇の中の炎は燃えさかっていた……
 しかし……それを愚かなことと思う自分も莱覇の中に存在していた……
 「俺は…妹を傷付けるもの全てを…殺す…」
 そして天外に顔を向ける……
 「天外…お前もその一人だ…」
 欠片とはいえ…そう…たとえ欠片だとて妹を傷付けることは
 彼にとって許せることではなかった… 
 「だが…今は礼を言おう…奴を討つ前に死ぬわけに行かなかった……」
 じっと天外を見つめる…
 「ここで別れよう…」
 そっとつぶやくように天外に背を向ける
 『いつかは…俺も滅ばなければならない…俺も…俺自身も妹を傷付けたのだから…そして傷付けなくてはいけないのだから…』
 心の中で噛みしめるように言葉を繰り返す……
 『でもそれもまた弁解だ…もう…エルナは戻らない…なのに…それでもまだ死を求めるのか?』
 二つに割れた心のまま…修羅は歩みだす…
 
1998年07月22日:23時22分59秒
狂兵 / 十魔
 「天外君か。覚えておこう」
 先程までの凶行をまるで問題にしないかのように、春の木漏れ日のような微笑を浮かべる。
 先程までの凍てつくような妖気が、薄くなる。
 「全ての人間が、君のように情の欠片も無い、殺すことを毎晩の夕餉を喰らうが如くに行う者ばかりならば、
 我ら九鬼の一族も生き易かったものを・・・」
 相変わらずのアルカイックスマイルを浮かべながら、十魔がつぶやく。
 「私は君が気に入った。私の仲間になるつもりがあれば、いつでも来てくれたまえ・・・歓迎するよ」
 それだけを、天外に言うと、やおら莱覇に向き直る。 
 「ライハ。今日はこれで引き上げるが、これからがお前の本当の地獄だ。死してなお修羅として生き、
 狂いの中で絶望するが良い・・・・ハハハハハハハハハハハハ・・・・・・・・・」
 そして、十魔は哄笑を残して、何処かへと消えていった。
 
1998年06月24日:21時39分59秒
天外 / ハリ=ハラ
「天外‥‥と覚えておいてもらおうか」
 
 鼻を鳴らし、応える。
1998年06月01日:22時07分24秒
十魔 / 狂兵
 「ふん・・・観客の飛び入りか・・・」
 
 娘を斬った男に向き直りながら、右手を水平に伸ばす。
 と、塵が寄せ集まり、その掌に集積されていく。
 
 「・・・・応心刀・・・・・か?・・・・噂には聞いたが・・・・・・」
 
 その塵はやがて、一つの形・・・「娘の生首」に変わった。先程のオニの娘の首である。
 
 「もう少し、魂を戻すのが遅れれば、消滅していたな」
 
 そして、その生首を愛おしそうに抱き寄せて言った。
 
 「座がしらけたな・・・・・私は去る事にしよう・・・」
 
 「その前に・・・君の名前を聞いておこうか?
 私は九鬼十魔・・・・九鬼一族が当主・・・・」
 
 
1998年05月31日:10時58分21秒
虚無 / MARS
 「エルナ…」
 『防御システム解除…先ほどの消去システムを解析します…なお制御システムに異常あり…存在が薄れています』
 急速に莱覇の中の炎が薄れていく…
 そして…
 
 「やっかいですねえ…あまりショックを与えすぎると制御…いや魂の安定を図るのが難しいのですが…」
 鏡の中にある図形に触れるとその図形が様々な光を放つ
 「まあ…こっちからも少しショックを与えてみましょう…もしそれでダメなら…」
 
 「エルナ…エルナ…」
 『ははははは!!』
 哄笑…莱覇の頭の中だけに響く声…数々の無惨な映像…
 そして…
 「殺す…」
 莱覇の凶眼に鬼火が再び灯る…
 『制御システム安定…感情のバランスを安定させます…』
 再び彼の中で無機質な声が響く…
 莱覇は自身の中にある怒りの炎をしっかりと把握する…
 
1998年05月31日:02時41分40秒
天外 / ハリ=ハラ
「けっ」
 
 一閃
 
 娘の身体が、びくりと痙攣しその動きを止める。
 
「ふふふ‥くだらないですね‥‥」
 
 娘の胸からは柄が伸び、天外の手元に‥‥
 背中からは、突き出た刃が見えている
 
「おもしれぇ芸だが‥‥」
 
 ぐっ‥と娘の身体が持ち上げられる。
 
「「目障りだ」」
 
 次の瞬間、空中のに串刺しにされた娘の身体輪郭がぼやける。
 全身の像がぶれると、空気の振動が伝わってくる。
 
「「塵に還れ」」
 
 ブワッ‥‥とひときわぶれが大きくなると、娘の身体はまさしく灰塵へと変わっていた‥
1998年05月31日:02時31分05秒
叫び / MARS
 「エルナー!!!」
 手を伸ばす…しかし…その手は消して二人をつなぐことはなかった…
 『防御システム展開…攻撃深度3レベル…早急な撤退を要します…早急な撤退を要します…』
 無機質な声が莱覇の中で響く…
 
 
 「…どうやらちょっかいをかけてきたようだな…」
 顔を仮面に隠し髪を黄金色に染めた男が木の陰でなにやら鏡のような物を覗きながらつぶやく
 「……ここで私の組んだシステム…いや…機構がつぶれるならそれもまたよいか…」
 無機質の笑みが口元に浮かぶ
1998年05月31日:02時23分00秒
エルナ / 狂兵
 「駄目!・・・離れてぇ!!!!!!!」
 
 訳の分からない力が、エルナの体から放射される。金剛機といえど、その「力」に一瞬、体勢を崩される。
 
 「・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
 エルナの悲痛な叫びと共に、妖しく青い光を放つ刃が、
 莱覇の体を捉えようとしていた。
1998年05月31日:02時14分16秒
莱覇 / MARS
 莱覇は優しく受け止めるようにエルナ…いや人形を迎え入れる
 「エルナ…」
 その声は深く優しい…
 まるで懐くように…人形を抱きしめる
 震える肩をそっと抱きしめる…
 そこには妹を思いやる兄の深い愛情があった…
 「お…にい…ちゃん…お兄ちゃん…お兄ちゃん………」
 「…………お帰り…エルナ…」
1998年05月31日:02時02分27秒
十魔 / 狂兵
 「どうした?莱覇?・・・人形だろう?殺せよ・・・・殺してみせろ」
 
 嘲りの表情を浮かべながら、十魔が言う。
 
 「ただ、お前の妹に似ているだけの、化け物だぞ?」
 「ただし、・・・・私はお前の妹の死体を見せてはいないがな・・・・・」
 
 「殺せ!莱覇!!そして苦悩するが良い!・・・お前の苦しみは我が喜び!」
 
 「おにい・・ちゃん・・・怖いよ・・・・・」
 
 エルナの腕が、腰の小太刀を抜き取ると、その刃を莱覇に向けた。
 
 「・・・いや・・・体が・・・・動かせない・・・・助けて・・・助けて・・・・お兄ちゃん・・・・・・」
 熟練の剣士のように、莱覇の急所を目指して、的確に攻撃を行う。
 その動きと正反対に、その表情は、深い悲しみに満ち
 そして、その瞳からは止めどなく、赤い、血の雫が流れ落ちた。 
 
 
1998年05月31日:01時47分18秒
躊躇(ためらい) / MARS
 動から静へ…
 全ての動きが止まる…
 「おにいちゃん…」
 「エルナ………エル……グゥ…」
 ギシ…ギシギシ…
 『敵…だ…敵だ…人形だ…人形に過ぎない…あのとき…俺は…お前を救えなかった…』
 
1998年05月31日:01時41分22秒
十魔 / 狂兵
 「人形・・・人形か?・・・・フフフフフ」
 
 「なら・・・・殺して見ろ・・・」
 
 莱覇の攻撃を避けながら、十魔は、傍らの娘を莱覇の眼前に突き飛ばした
 
 「キャ!!」
 
 その声、その表情、妹に瓜二つだった。
 いや、本当に他人か?・・・・あるいは・・・・・
 
 しかし、そんな事を考える間も無く、娘の体に、莱覇の攻撃が命中しようとしていた。
1998年05月31日:01時31分50秒
舞踏 / MARS
 蹴りを避けられた…そうあのときと同じように…
 怒りにまかせこの男へと襲いかかったときと同じように避けられた…
 しかし一度火のついた怒りはどうしようもない…
 まるで踊るかのように放たれる拳と蹴り…そのことごとくが避けられる…
 「話を聞く気など毛頭ない!!貴様は殺す!!」
 「そしてその人形も…貴様の全てを壊してやる!!」
1998年05月31日:01時23分10秒
十魔 / 狂兵
 莱覇の背後に居る、十魔に向けて放たれた、必殺の蹴りは、しかし、
 何もない空間に風を起こす事しか出来なかった。
 
 「危ないな。莱覇君」
 
 その声は、やはり、莱覇の背後から聞こえた。
 「瞬間移動」空間から空間へ、直接移動する能力。
 十魔の持つ妖力であった。
 
 「今日は話をしにきただけさ・・・なあ、エルナ・・・」
 
 十魔の傍らには、一人の・・・いや、人とは呼ばないのかもしれない・・・少女
 ・・・・オニの娘が立っていた。
1998年05月31日:01時11分04秒
莱覇 / MARS
 凍り付く…そこにある風…影…光…そして時さえも…
 「久しぶり?……ふざけるな!!」
 予備動作のない蹴りが首へと延びる
1998年05月28日:23時09分21秒
再会 / 狂兵
 朝岐へと続く街道筋。戦が続いている事もあり、ここを通る人影も、全く無い。
 いや、二つだけ、影があった。莱覇と天外である。
  血なまぐさい臭いを放ちながら、一路、街への道を急ぐ彼らを、呼び止めた者があった。
 
 「久しぶりだね・・・莱覇君・・・いや、ライハと言った方がいいかな?」
 
 声は、二人の真後ろから聞こえた。
 
 莱覇にとって、忘れる事の出来ない声だ。
 
 
 
1998年05月20日:21時54分11秒
月女 / 狂兵
 「ア・・・アアアァァァァァァ」
 「うう・・あああああ」
 
 朝岐城の一室から、そのような声が聞こえる。一方は男、
 もう一方は女のものだ。
 
 その室内は暗く、ただ、奥にある行灯の光のみが、室内を照らし出している。
 
 「フフフフフ・・・イヤですわ・・・お殿様・・・」
 
 不意に一つの影が立ちあがる。
 行灯の薄い明かりに、白い、女の裸身が浮かびあがった。
 
 「良いではないか・・・月女ぇ」
 
 それを追うように、もう一つの影も立ち上がる。
 中年の男だ。
 病人のように、落ち窪んだ眼は濁りきり、だらしなく開いた口許からは、涎が垂れている。
 
 「もう・・・先程、お種を頂いたばかりじゃありませんか・・・」
 
 裸身の女が、男から逃げるように後ずさりしながら、微笑を浮かべる。
 
 「まだまだ、これからだと言うておろうに・・・」
 
 にやにやと、いやらしく嗤いながら、男が中腰で女に詰め寄る。
 
 「・・・・フフフフフフ・・・・・・こちらですわ・・・・・」
 
 「・・・まて・・・まて・・・・・ははははは・・・・・・」
 
 
 狂宴は続く・・・
 
 
 
 
 
 
1998年05月14日:23時15分26秒
妖の城 / 狂兵
 朝岐城・・・その美しさをもって、恨むべき象徴となった城である。
 
 かつて、名君として人々に慕われ、敬われた、かつての城主であり、朝岐の国の主である者は、
 今や、欲にまみれ、己の保身の為になら、不善を成す、ただの俗物となっていた。
 
 彼は、市井の民に重税を課し、税を払えぬ者には、強制労働をさせた。
 そうして出来たのが、この、朝岐城である。
 金銀をふんだんに使い、各地から腕の良い職人の手による精緻な装飾を施されたこの城は、城主から、ただ一人の女の為に造られた。
 その女こそ、朝岐国の主を狂わせた元凶であった。
 
 女の名は、月女・・・後世、絶世の美女として、知られるこの女について、書かれた文章が残っている。
 
 「その髪、月光を思わせる白銀にして、絹のごとき繊細さを持ち、
 その瞳、水の碧、天の碧を思わせる、澄み切った碧。
 肌は白磁のごとき、冷たさと、白さを有し、穢れをよせつけぬがごとき、香気を発する。
 されど、その性、自由奔放にして、傲岸不遜。残酷無情。
 人の嘆きを愉悦し、断末魔を聞きて微笑せり。」
 
1998年05月09日:00時08分23秒
莱覇 / MARS
 「…………」
 莱覇は火塚を見つめていた…いやその瞳はすでに人のものではない以上
 見つめているという表現はふさわしくはないのだろうが…
 「…悪いが…俺はお前につきあう時間はない…もし…まだ俺を討つ気でいるなら街に追いかけて来るんだな…貴様にまだそんな勇気があるならな……」
 そういい残すと莱覇は火塚を無視するかのごとく街に向かい始めた…
 
1998年05月08日:20時55分19秒
少年が一番!!さんへ / 狂兵
 火塚のおじさんに、こんなものを渡そうかなぁと思っているのですが、どうでしょうか?
 
 狂いの刃 「死狼」
 
 志朗の魂を妖刀にしたもの。火塚にしか使えない。
 両刃の刀で、その重量は、火塚には羽根のごとき軽さと思えるが、
 それ以外の者には、山を動かそうとしているような錯覚を起こさせる程、重い。
 この刀からは、常にその材料となった、志朗の囁きが聞こえる。
 「苦しい・・・痛い・・・・」
 
 能力は考えてないけど、たぶん凶悪でしょう(笑)
1998年05月04日:00時28分40秒
少年が一番!!さんへ / ジョーカー
 緋怨は二人の存在に気付いていないので行動はそちらからどうぞ。以上です。
1998年05月02日:11時34分54秒
九鬼 / 狂兵
 火塚の部隊が、莱覇達と戦闘をしている間、そこから離れた場所で、なりゆきを見ている者達があった。
  「お前の父は、力を欲しているようだな・・・」
 
 その中の一人、白磁を思わせる、冷たい表情の青年・・・九鬼十魔がつぶやいた。
 「・・・・はい・・・・」
 
 その傍らに立つ若者が、抑揚のない声で答えた。
 ・・・死んだはずの火塚の息子、志朗である。
 生きていたのか?しかし、その肌には血の気が無く、
 意志の力も感じられない。
 
 「お前の父が、それを望むのならば・・・私が力を与えよう・・・妖の力を・・・」
 
 「ご苦労だったな、もう戻るがいい」
 
 そう言われた途端、志朗の体が霧のように、散り散りになり、十魔の体にまとわりつく。
 そして、その霧が、消えていくにつれて、十魔の体の一部に、一匹の鬼の入れ墨が浮かび上がり始める。
 霧が完全に消え失せると、その入れ墨は、鮮やかな真紅 に染まった。
 よく見ると、十魔の入れ墨は、全て、様々な化け物の姿をした絵柄であり、
 それが数百に分かれて、体の表面に刻まれていた。
 
 「式」・・・ではない。
 
 それは、人の魂。十魔は、入れ墨として魂魄を捕らえ、
 それを妖として使役するのだ。
 
 「獣兵衛・・・お前は先に城に戻れ」
 
 「あれ?兄貴はどうするんだい?」
  
 「食事中」だった九鬼獣兵衛は、その手を休め、己の兄に尋ねた。
 
 「私にはまだ仕事がある・・・・」
 
 獣兵衛は、鮮血で真っ赤に染まった口許をぬぐいながら、うなずいた。
 
 「それじゃあ、オレは先に帰るよぅ」
 
 そう言って、のっそりと立ち上がる。
 
 「兄貴も早く帰ってきなよぅ」
 
 そのまま去っていく獣兵衛。
 その姿を見届けてから。十魔は再び、視線を、莱覇達の方に向けた。
 
 
 「やはり、莱覇を野に放ったのは正解だったようだな。・・・・あやつの修羅は
 ・・・強き魂の持ち主を呼び寄せる・・・・・」
 
 ギラリと、その目が黄金色に染まる。・・・人の目では無い。それは間違いなく、妖の目・・・
  
  
 「莱覇よ・・・・・これからが・・・・本当の地獄だぞ・・・
 ・・・くくくくく・・・はーっはっはっはっはっは!!!!!!!!!!」
  
  
    
  
 そして・・・十魔の姿も消えた。後に残ったのは、屍の山だけだった。
1998年05月01日:20時42分20秒
動かないなら、動かしてしまえ(笑) / Dr.李
 「ううん?」
 ぎろん。
 本堂の後ろに目線を注ぐ。
 左手にはとっくり、右手には金剛杖。
 
 何かを打ち付けるような音。
 
 「ふふ、若いのう。」
 
 にやりと笑う。
 
 「やれ、逃がすのを手伝うとするかのう。」
 
 クマのような巨体をゆすりながら、ゆっくりと、裏手に向かう。
1998年05月01日:15時23分54秒
うおおっ(笑) / 少年が1番!!
狂兵さんへ
構う事はありませんよ。がんがんやって下さい(笑)。

・・・まあ、火塚は仮死状態になった息子を死んだと思ったのかも。
う〜ん、ロミオ(爆)。

1998年04月30日:00時22分22秒
九鬼 / 狂兵
 戦場跡・・・今だ、累々と屍が横たわるこの地に、二つの影があった。
 
 「くくく・・・・莱覇・・・・計画通り、目覚めたか」 
 人影の一つが、ぽつりと呟いた。痩身の若者で、色が白い。
 パッと見ただけでは、男娼とも思えるような美貌を持った青年だった。
 よく見ると、着物から出ている部分に、まんべんなく、様々な化け物の入れ墨が施されている。
 これだけの彫り物を入れるからには、この青年が外見通りの、優男では無いということだろう。
 
 「兄貴ぃ・・・オレは腹がへっちまったよ」
 
 もう一人の男がぼやいた。こちらの男は、対照的に、巨漢である。
 そして、色が黒く、そのギョロリとした目は、それだけで人を萎縮させるような迫力があった。
 その外見の割に、その言葉には迫力が無く、まるで子供のような印象を与える。
 
 「我慢しろ獣兵衛」
 美貌の青年が大男に一瞥をしたあと、さらりと言う。
 「わ、わかったよぅ・・・・」
 ことさら、強く言った訳ではない。しかし、その一言で、獣兵衛と呼ばれた、大男は萎縮してしまった。
 
 獣兵衛の気が弱いのか?・・・・それとも・・・・
 
 「うぅぅぅぅ・・・・・・」
 その時、かすかに苦鳴が聞こえた。
 
 「・・・・ほう・・・・生き残りがいたか・・・・」
 
 声のした方に向かって、美しい若者が近づいた。
 見ると、屍の下に、若武者が埋もれていた。
 まだ息はあるようだ・・・。
 
 「・・・・ほう?・・・確か、火塚殿の子息だったな?」
 
 「あ・・・あなたは・・・・新城 当麻様・・・」
 
 「・・・・・・・確か・・・・・初陣だったな・・・・」
 
 「・・・・・・はい・・・・・・・」
 
 若武者は、苦痛を堪えて、返事を返した。しかし、その表情には、
 味方に助け出されたという、安心感が見て取れた。
 
 「・・・・獣兵衛。出してやれ」
 
 のそりと、巨漢が屍を掻き分けて、若武者を助け出した。
 
 「かたじけない・・・・」
 
 肩で息をしながら、礼を言う若武者に向かって、当麻は言った。
 
 「いや・・・これから世話になるのは、私の方だ・・・」
 
 「え?」
 
 怪訝な表情を浮かべる。
 
 「獣兵衛・・・腹が減ったと言っていたな・・・・」
 
 「おう」
 
 獣兵衛が嬉しそうに答える。
 
 「・・・・喰え」
 
 次の瞬間、若武者の断末魔の叫びと共に、ボリボリという、骨の砕ける音が辺りに木霊した。
 その光景を無表情に見ながら、青年は言った。
 
 「君の父親は、なかなか優秀な武士だ。そこで、莱覇を追いつめるエサになってもらいたいのだよ・・・」
 
 腕がもがれ、脚が砕かれる。
 
 「なに、君の代わりは私が創り出そう。そうだな・・・彼の性格では、
 莱覇にやられましたとでも言えば、すぐに火がつくだろう・・・」
 
 「安心して私に魂を預けたまえ・・・・」
 
 そして、頭蓋が砕かれる
 
 「そうだ、死にゆく君への手向けに、私の本当の名前を教えてあげよう。」
 
 この世から消滅した若者に向かって、その青年は言った。
 
 「九鬼十魔・・・・それが本当の名前だよ・・・」
 
 
 
 
 
 少年が一番さんへ、勝手に設定をいじってしまいました、申し訳ないです。
 事後承諾になってしまいました(笑)
1998年03月30日:02時26分38秒
力無き者 / ジョーカー
 「ふぅっ。どうやら逃げ延びたようだな……」
 
 詰めていた息を吐くと、緋怨はそんな独り言を漏らす。
 二人にはどうやら気付いていないようだ。気配を感じ取れなかったのか
 それとも他に気に掛かることがあるのか……
 
 「くそっ!!!」
 
 ガシィッ
 
 やおら緋怨は側の立木に拳を打ち付ける。
 揺れで木の葉が舞い落ちる中で脳裏に浮かぶ物は
 包囲を抜ける間際に見た、夜叉の天外のそして莱覇の「力」。
 背筋が寒くなると同時に臓腑の底から熱い物がこみ上げてくる。
 
 「くそぉ…俺も力が欲しい……。あれだけの力があれば………」
 
 炙られるような熱い思いの籠もった独白だった。
1998年03月11日:12時52分56秒
新たな影 / 少年が1番!!
「――来るよ」
瞳を閉じ、じっと集中していた女が隣にいる青年へ声をかける。
青年の方は黙ったまま、珠刀を抜く。

「それにしても、禍威様はなぜ……」
「黙れ。来るぞ」
戦いを前にした緊張から多弁になる女――まだどことなく幼さが
残る――を、青年は一言で黙らせた。
ガサ……ガサガサ……。
草の揺れる音。あらかじめ知っていなければ、風に揺れているもの
と勘違いするくらい、かすかな気配。
古寺から逃げ延びた緋怨の姿が、そこにあった……。

謎の二人組から緋怨へ
この二人組ですが、緋怨を狙っているのかどうかは決めていません。
ジョーカーさん次第です。
もし緋怨狙いでなければ……天外?(な、何か無謀)


1998年03月06日:13時50分42秒
火塚 〜狂気〜 / 少年が1番!!
「……お前の怒りはその程度か? ……大切な者を奪われた怒りはその程度か!!
この身を焦がすような怒りはお前にはないのか!!」
莱覇の声が怒りに震えていた。

「俺の心は怒りと憎しみで狂っているだろう!! 確かにそうだ!! だからこそ
俺は非力ではない!! そして……狂えぬお前は非力だ!!」
火塚は無理矢理に立ち上がらされる。

「俺は力を得られるならば狂いもしよう!! 貴様も狂わなければ俺を倒すことは
できん!!」
降り注ぐ雨が、莱覇の血の通わぬ顔を濡らす。
まるで、泣いているかのように。

「悔しければ力を手に入れてみろ……」
投げ捨てられた火塚は、しばらく動けずにいた。
力。強さ。奴を倒す何か。
それは狂わなければ手に入らないのか? 自分がまだ捨てていないもの――心すら
捨てなければいけないのか?
すべてを捨てて、狂気に身を浸さなければ……。
奴には勝てない。

「うおおおおおおっ、うおおおおおおおおおっっ!!」
ぬかるんだ大地を殴る。殴る。ただ、殴りつづける。

「俺はっ、俺はっ!」
血が吹き出してなお、火塚は拳を打ち付けていた。

火塚より莱覇へ

他の人の書き込みがない……。様子を窺っているんだろうか。


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