天羅万象掛け合い:妖編 LOG 003

天羅万象掛け合い所:妖編の1998年02月23日から1998年03月22日までのログです。


1998年03月22日:03時25分31秒
出立 / 月夢
 幾つもの声に送られて葉嬢がついに森を出る。
(いってくるね)
 目に見える物たち、見えない物たち、ほとんどが周りには聞こえないが葉嬢に見送りの言葉を伝えてくる。
(大げさにしないでよ、出かけてくるだけなんだからちゃんと帰ってくるわよ)
 葉嬢がそう返事を返すが心配する様子は消えない。
(ほんとにもう、あたしを信用してよ、ね?)
 初めて葉嬢は少しだけ振り返りにこりと微笑む。
(大丈夫、あたしはきっと成長して帰ってくるよ、ここにね)
 しばらくざわめいていた声が止まる、葉嬢はこくりとうなずく。
「いってくるね、みんな・・お土産話でも持って帰ってくるからね」
 森に向かいその言葉を残すと葉嬢はくるりと前方だけを見つめて再び歩き始めた。
1998年03月21日:20時17分21秒
絆の印 / ジョーカー
 「そうなのか?」
 
 少々意外だったらしい、言葉が途切れる。だがいつまでも呆けているわけにもいかない。
 気を取り直して、常磐は咳払いをする。
 
 「では、始めよう」
 
 簡潔な合図と共に右腕を捲る。そこには鬼としては当然のように
 絆の印(シャ・ラズ)がびっしりと彫られている。それが端から光を放ち始め
 光が満ちると動きだし、再構成されていく。凝集、離散を数回繰り返した後に
 絆の印は一つの形を為し、掌の上で薄紅色の燐光を放つ。
 
 「これが目印となる」
 
 そう言って、常磐は眼赤の額に掌を押し付ける。すると呪紋は眼赤の額で
 ぼんやりと光った後、すぅっと消えていった。
 
 「これで終わりだ」
 
 始まりも簡潔ならば終わりも簡潔だった。
 
 「では、そろそろお別れだな」
 
 言葉通り森もそろそろ切れてきている。
 
 「道中気を付けてな」
 
 その言葉を一同に贈り、常磐は彼らが見えなくなるまでその場に佇んでいた……
1998年03月19日:19時40分17秒
菜稚 / Dr.李
 「ありがと、巳鏡にいさま。」
 にっこり笑う。
 「何はともあれ、今この場を動くのは得策ではないもの。
 だからといって、すぐに動けないのも問題あるし。
 だからここにいるのが一番。」
 
1998年03月18日:12時02分50秒
巳鏡 / せりざわ
 「姉様、奈稚の言うとおりですよ。奈須華は目立ちますよ。」
 奈須華を見上げながら、少年が言った。
 「大体、姉様、今回の養父さまの言っていたこと、わかってらっしゃるのですか?」
 それだけを言うと、奈稚のほうへと目をむけた。
 「式札だね。こればっかりは僕は菜稚には及ばないね。」
 菜稚の作りあげる式札の出来栄えに巳鏡は感心していた。 「姉様も、陰陽の術の基礎ぐらい心得てくださいよ。」
1998年03月17日:22時03分10秒
突っ込む菜稚 / Dr.李
 「少なくとも、お日様の下で見張ってる閃光よりはましだと思うけど。」
 ぼそりと言う。
 「奈須華を隠すには一番いい場所だわ。」
 そう言って、再び白紙の札を出し、何かを書き始める。
 「それに、静かだもの・・・。」
1998年03月17日:20時16分25秒
暇その3 / 狂兵
 「そんな事分かってるわよ!!」
 
 火京は、背中にかかる、長い髪を振り乱しながら、叫んだ。
 
 「私が言いたいのはねえ、待つなら待つで、もっとすごしやすい環境でもいいじゃない・・・・てことよ!」
 
 火京はツカツカと、三人の後方、木々で覆われた、空間に向かって、歩み寄ると、こう言った。
 「奈須華だって、いつまでもこんなとこにいたら、可哀想じゃない・・・・・・」
 愛おしげに、見つめるその先には、木々に隠された、巨大な物。
 それは、巧みに隠された、巨大なヨロイであった。
 
 
1998年03月17日:03時08分42秒
眼赤 / 蒼
>「勿論、依り代と言っても主導権はそちらにある。拒絶すれば自由になる。
>また此方から力を貸すことも出来る。これは双方にとって利益の有る事
>だと思うのだがどうだろうか?」

 「そこまで言われるならば・・・・・いいでしょう。
  ただ、一つだけ訂正させて頂きます。我はこの森の妖にあらず。あなたと同じ森の客人に過ぎないのです。」

 眼赤より常磐へ
 
1998年03月17日:01時41分23秒
その頼み / ジョーカー
 「その心配は無いだろう。森に害するような事にはならないはずだ」
 
 常磐には眼赤が紫と交わした約定の存在を知る由も無い。
 だから「森の妖」としての眼赤の禁忌に触れることを例に持ち出した。
 
 「眼赤殿にも約定があるように、俺にも交わした約定がある。
 それの絡みで俺は雷吼を手助けせねばならぬ。だが別の約定もあって
 着いて行くわけにもいかぬのだ。それでもしもの時や、連絡を取りたい時のために
 依り代となって貰いたいのだ。厚かましいのは重々承知だがどうにか頼めないものだろうか?」
 
 常磐の話は続く。
 
 「勿論、依り代と言っても主導権はそちらにある。拒絶すれば自由になる。
 また此方から力を貸すことも出来る。これは双方にとって利益の有る事
 だと思うのだがどうだろうか?」
 
 常磐より眼赤へ
 
 常盤じゃなくて常磐ね。細かいけど。
1998年03月17日:00時29分51秒
つっこめ、菜稚 / Dr.李
 「それで?」
 静かに促す。
 「標的も分からず、この奈須華を動かして注目を集め、なんの手柄も立てぬまま養父様の耳に入って連れ戻されたいの?」
 最悪の事態を冷静に言う。
 「養父様・・・怒るでしょうね・・・。」
1998年03月17日:00時20分40秒
暇その2 / 狂兵
 「菜稚ぃ、あんたって、ほんとに愛想ないわねえ」
 赤い着物の少女が、菜稚と呼ばれた少女にくってかかる。
 「大体、なんだって、こんなジメーっとした、陰気な森なんかで、待ってなきゃなんないのよ!」
 すっくと、立ちあがると、胸(無いに等しい)をそらせて少女が激昂する。
 「この、天才ヨロイ乗りの火京様が、こんなとこに、いつまでも、ボーっとしてられる訳無いじゃない!!巳鏡じゃあるまいし!!」
1998年03月17日:00時10分51秒
影の首謀者 / Dr.李
 「普通の行き倒れよりはね。」
 首のあたりで切りそろえられた髪。
 白い着物と白を基調とした模様の描かれた陣羽織。
 見れば手に筆を持ち、札に何かを書き連ねている。
 「少なくとも、腕は確かよ。それに・・子供連れでそんなに移動できるはずないもの。
 時間がかかって当たり前。
 今は連絡がくるまでゆっくりしてればいいわ。」
 一番年下であろう小柄な少女は、静かに言葉を紡いだ。
1998年03月16日:12時29分27秒
眼赤 / 蒼
 常盤と名乗った妖はふいに眼赤のほうを向いた。
>「眼赤殿、一つ頼みがあるのだが聞いて貰えるだろうか?」
 ・・妖の頼み事となれば・・因縁がらみと相場が決まっておる。・・よほどのことでなければ・・
 しばらくの間を置いて肯く。
 「我が約定に反するもの以外ならば・・・聞き入れましょう。」

 眼赤より常盤へ。
1998年03月16日:11時20分11秒
少年 / せりざわ
 「姉様、少しは落ち着いてください」
 声変わり前の少年の声が、赤い着物の少女をたしなめる
 声の主は、青い着物に身を包んだ線の細い華奢な少年。
 「奈稚、その閃光という人、本当に大丈夫なの?」
 少年は傍らにいる、まだ幼い少女に声をかけた。
1998年03月16日:07時41分46秒
出立? / 月夢
 ほんとーーーーに今度こそ出立なんだろうね?(笑)
1998年03月15日:08時56分24秒
去りゆくもの / ジョーカー
 「これで良しと…」
 
 独白しながら常磐は大木の幹を撫でた。足下には地面の割れた跡がある。
 手に心珠が無い事から察するにこの樹を墓標と決めたのだろう。
 
 「それじゃ、俺も失礼することにするよ」
 
 振り返りながら常磐は森の面々に声を掛けた。
 
 「ここは居心地が良さそうだが、俺の居場所は無いような気がする。
 それに約定があるしな」
 
 そう言って常磐は雷吼と森の外にちらりと目を向けた。
 
 「何かあったら顔見せに来るよ。その時は酒を持参してな」
 
 歩き出し、背中を向けながら常磐はひらひらと手を振った。
 
 「片隅を貸してくれた礼はするよ。じゃあな」
 
 僅かな真剣味を覗かせて、常磐はゆっくりと雷吼達の後を追った。
 
 ‐‐‐――――――――――――――――――――――――――――――――――‐‐‐
 
 「森の外まではご一緒するよ」
 
 そう言って横に並んだ常磐に雷吼は戸惑い気味に対応した。
 
 「それは構わないんだが……なんと呼べばいいのか。常磐殿か?
 しかし貴方は姉さんの父上でもある…」
 
 父親という物に縁が無かった雷吼には接し方が分からないようだ。
 知識として知らない訳ではないが接し方というものは所詮実践しないと身に付かない。
 
 「好きなように呼ぶと良い。常磐殿でも何でもな。ただ贅沢を言わせて貰えれば
 お前は俺の娘の弟。ならば俺の息子と言うことだ。義父上、とか義父さんとか
 呼んで欲しいところだが・・・・はっはっは、何もいきなりそこまでは要求しない」
 
 面食らった様子の雷吼を見て常磐は呵々大笑する。
 
 「慣れてからで構わない。今は『常磐殿』で良い」
 
 「俺を息子と呼んでくれるのか?……さっきも言ったが俺は…」
 
 手を延ばして常磐が遮る。
 
 「俺の育てた娘がお前を許し、尚かつ弟と呼んだ。ならば俺が許さぬ道理が、認めぬ道理があるか?」
 
 「俺は…」
 
 「守るものが出来たんだろう?ならばまずはやるべき事をやる事だ。
 昔に目を向けるのは余裕が出来てからで良い。物事に真剣に取り組んでいる内は
 振り返る余裕など出来はしないし、振り返ったら蹴躓くだけだ。
 だから今はそれで良い。時間はまだまだあるんだからな」
 
 そうは言った物の気に掛からぬ筈がない常磐。
 
 (リィ・アゼルとの約定もある……)
 
 その時、ふと傍らを歩く眼赤が目に入る。
 
 「眼赤殿、一つ頼みがあるのだが聞いて貰えるだろうか?」
 
 その様子はとても真剣なものだった。
1998年03月15日:08時27分59秒
出立 / ジョーカー
 「ああ、そうだな。悪かった。じゃ、行こうか」
 
 ようやく笑いが納まったようだ。雷吼は謝罪して歩き出す。
 
 (……?)
 
 先頭に立ったために一行からは見て取れない雷吼の面に、一瞬陰が浮かびそして消えていった。
1998年03月14日:18時01分34秒
/ 狂兵
 森の中に、三人の子供達がいた。しかし、彼らは普通の子供達とは違うようだ。
  
 「・・・・・おそーーーーーい!!!!」
 赤い、体に密着した着物に、同じく、赤い陣羽織をはおった、
 三人の中で一番年長らしい少女が、叫んだ。
 
 「閃光はまだかーーーーーーーーー!!!!」
1998年03月14日:17時36分45秒
「黒沁、続き」 / みだれかわ枕
「なに笑ってるのさ」
 まだ少し、顔が赤い。
「さ、いい加減、行こう。先に行った連中とだいぶ離れちまっただろうし」
 
 
 黒いしみを、さのえは懸命に隠そうとしている。
 だが、隠し切れるものだろうか。
 人は生きていれば、さまざまな想いが生まれていく。
 それが実際の力となり、人を生かし、成長させるのだ。
 黒いしみは、そんな、人を動かす素の、一つ。
 いやでも、露呈する。
 
 
 さのえ。
1998年03月14日:02時10分10秒
新たな影 / Karma
 
 
 「んー、まだ来ていないようだねぇ」
 そんなことを呟きながら宿場の門の方を見ている少女が独り。
 年の頃17、8、まだまだ育ち盛りと言った感じではあるようだが・・・体に珠を埋め込んであるところを見るとサムライであろうか。
 
 「さっきのやつは違うだろうな、何せ白拍子と楽師だったし・・・・」
 「まだ来ていないのかなぁ・・・・あの子達そろそろしびれきらしそうなのになぁ・・・」
 えらくサムライにしては気弱そうなことを呟いている。
 
 「まあ、いいか。まだ門が閉まるまでには時間があるし、戻るのはそれからでいいや。」
 呟いて、背にしょっていた背嚢の位置を直す。
 
 「ジャラリ」
 鎖がふれあうような音が背嚢から聞こえた。
 鎖鎌でも使っているのだろうか?
 
 
 
 
#と、言うわけで、二人目の方書かせていただきました。
1998年03月13日:01時05分56秒
その年月 / ジョーカー
 「くっくっくっく」
 
 奇妙な音がする。誰かが必死に笑いを堪えているような、喉に籠もったような音。
 ようなも何もその通りだったのだが。雷吼が笑っていた。それも声を上げて。
 
 (随分と久しぶりだ……)
 
 雷吼は笑いながら(それを噛み殺しながら)そんな事を考えていた。
 さのえは笑っている雷吼を見たことはない。
 ―この場合の笑いとは声の無い物ではなく声を上げて笑う物を言う―
 苦笑するのは見た事が有る。微笑むのも見た事は有る。
 だが楽しそうに笑っているのを見た事は…一度たりとて無い。
 それは然無も同じ。この三ヶ月の間、雷吼が声を上げて笑った事は一度も無かった。
 
 (最後に笑ったのはいつだっただろう)
 
 雷吼はそうも思った。答えはすぐに出た。
 
 (そうだ、あの時以来だ…)
 
 あの日、あの時が最後だった。だからもう十数年ぶりにもなる。
 それがどれだけの昔だったか、雷吼は笑いながらそれを噛み殺しながら
 初めてその駆け抜けてきた年月の重みを感じていた。
 実に楽しそうに笑いながら。紫、さのえに悪いと思いながら。
1998年03月12日:08時20分01秒
旅立つ前の出来事 / タイガ
 ばさばさと奇妙なものが飛んでくる。
 相模は放った式だ。
 「ヨロイともなると、結構量があるものだな……」
 ポツリと呟く。
 みんなから少し外れた場所に移動し、式を迎える。
 (心珠は無しか……誰が持っていったのだろう?
  戦場あさりが持っていったにしては、他のものには手をつけていないようだしな……)
 珠や砕けたヒイロカネを検分し、質のよいものだけを荷物袋の中に移す。
 
 異端陰陽師「相模」
 
 ちなみに荷物袋は袖の内側にあります。
 甲蟲の糸で質量を全身に分散していますので、大分重くなっても気になりません。
1998年03月11日:20時23分33秒
/ Dr.李
 「いたた。」
 頭を抱えて、座り込む紫。
 「うん・・・分かった。」
 
 
1998年03月11日:07時58分10秒
「節穴」 / みだれかわ枕
「おばちゃん?」
 拳を堅く握る。中指の関節のところを紫のこめかみのところに添える。手首をまわす。しっかり力を入れて。
 ぐりぐりぐりぐり……
「だ・れ・が、おばちゃんだって? あんたの目は、ふ・し・あ・な・か?」
 ぐりぐりぐりぐり……
 手を放す。
「さのえ。それでいいよ。わかったね?」
 そっぽを向きながら、確認する。
 
(はぁ。お子様たちのお守り、か……いやじゃ、ないけどね)
 
 なんとなく、さのえの頬は緩んでいた。
 
 
 さのえ。
1998年03月11日:07時12分19秒
葉嬢 / 月夢
「気楽な方があたしも好きだけどねえ、でも」
 にっこり笑いながら一言、
「ちびすけはやめてくれないかなあ、お・ば・さ・ん」
 顔を赤くしていたさのえの顔が一瞬ぴくっとし、別の意味で顔が赤くなると、葉嬢はさっと身を翻し紫の影にさっと隠れる。
「紫、顔の赤い理由はあんまりきいちゃ駄目だよ、おばさんの年になると恥ずかしいんだから」
1998年03月10日:20時13分39秒
/ Dr.李
 「おいらもそれでいいよ、おっちゃん。」
 大きくのびをする。
 「あぁ、でもヒメちゃんはヒメちゃんかなぁ。」
 軽く首を傾げる。
 
 「夫婦・・・・」
 さのえの顔を見る。
 「おばちゃん顔あかいね。」
 不思議そうな表情で紫はさのえに聞いた。
1998年03月10日:17時48分46秒
「黒沁」 / みだれかわ枕
「夫婦……」
 少し顔を赤くしながら、さのえはそう呟いた。
 小さな声のつもりだったが、地声の大きなさのえである。同行者たちには、しっかり聞こえていた。
 
 さのえも、不満はない。
 不満はないが、いまいち乗り気ではない。
 ひとえに、雷吼の姉と自分の姿形が似すぎていたことが、さのえの心に黒いしみをつくった。小さな、小さなしみだったが、はっきりとわかる、黒いしみ。
 
「ま、敬称はあたしもとっぱらっちゃっていいよ、気にしないし、なーーんかみんなあたしには気を使うけどね」
「は。なに言ってんのさ、チビ助が。大体あんたに「さま」付けするなんて、この森の連中がどうかしてんだよ」
 そう言って葉嬢の頭を軽く、ぽんと叩く。さのえに大きな怪我を負わせた炎の猪、火猪が見たら、さぞかし憤慨したであろう……いや、同行者のひとり、眼赤もあまりいい顔をしていない。
 
 
 さのえ。
 
 うーむ。傭兵夫婦とその一族という設定……ち。またしても大魔王にラブコメをしろとおっしゃるか(笑)。
1998年03月10日:01時56分17秒
葉嬢 / 月夢
「うん、あたしはそれでいいよ」
 あっさり葉嬢がうなずく。
「と、言われてもあたしにめんどくさいこと期待されても無駄だけどねえ」
 ひと事のように気楽なことを言う葉嬢。
「ま、敬称はあたしもとっぱらっちゃっていいよ、気にしないし、なーーんかみんなあたしには気を使うけどね」
 くすっと笑い神奈備たちの方に微笑みかける。
「そんあとこかな?うん、じゃあ、ほんと、そろそろ出発しようよ、先いったひとと完全に別れちゃうよ」
1998年03月10日:01時53分16秒
眼赤 / 蒼
 真面目に聞く雷吼にたいしてあくびしながら答える猫が一匹。
 「我の役所は自分で見つけろということか?」
 そして身を翻し、雷吼の脇へ着地する。
 「まあ、猫が喋れば怪しいにもほどが有る。そこで道中我は心話を使うようにする。
  もっとも、主らの考えをこっそり読んでほくそえむなどと言う真似はせんから安心するがいい。」
1998年03月09日:16時57分06秒
そして出立の時 / ジョーカー
 「そなたにはこれを、雷吼。姉君との約定もあり、吾には見届ける義務があるが故。」
 
 雷吼の掌で、渡された“珠鱗”は雪が溶ける様にその形を失う。
 雷吼は手を開き握り締めるが違和感は無い。重みが増えたようにも感じない。
 
 「そなたが自ら縛り付けていた過去は最早無い。迷う事無く先へ進むが良い。それこそが姉君の望みでもあった筈であろう。」
 
 「ああ。でないといつまで経っても姉さんは安心できないからな」
 
 手をぐっと握り込み、雷吼は力強く応じた。
 
 「出来の悪い弟だがその程度はやって見せないとな」
 
 そう言って笑った雷吼の顔は爽やかだった。
  ‐‐‐―――――――――――――――――――――――――――――――‐‐‐
 「それでは、そろそろ良いだろう。第二陣、出発するぞ」
 
 暫く休んでから雷吼が号令を掛ける。
 
 「俺達の役所は旅の夫婦。生業は傭兵で良いだろう。その得物と俺の珠では隠しようがない。
 で、ムラサキは俺の兄貴の息子、つまり甥だ。葉嬢殿はさのえの妹と言うことでどうだろう?」
 
 そこで区切り、一同を見渡す。
 
 「それから旅の間はさんとか殿は無しで行く。少々不自然だからな。
 もちろん礼儀の範囲内ならば構わないが。反論、意見があれば受け付けよう」
 
 雷吼  第二陣一同に向かって
1998年03月09日:16時56分48秒
狼狽 / ハリ=ハラ
「どうしたんだ!?」
 
 突然涙を流し始めた祇王に、思わず駆け寄る琥白。
 九郎の方も、事態が分からずおろおろしている。
 
「何かあったのかい?
 私が何かいけない事を言ったのか?
 嗚呼・・・ごめんよ祇王・・・」
 
 祇王をそっと抱きしめ、呟くように言葉を続ける。
 
「ごめんよ・・ごめんよ祇王・・・
 私の無遠慮な言葉が君を傷つけてしまったなら、どうか気の済むまで責めておくれ・・・
 だから、涙を止めておくれ・・・
 お願いだ・・・君の涙は見たくないんだ・・・」
1998年03月09日:16時18分18秒
「ヒトと人でないもの」 / 夜光
 「九郎さん。ですか。よろしくお願いしますね」
  母から姉へ姉から友へ。その笑みの種類を変えていく。ころころ変わる表情はまだ少女の
 面影を残すその顔と相まって。ほほえましい感情を呼び覚まされる。
  それも無邪気な笑みを浮かべる女性が目の前にいるのならばなおさらのこと。
 「ヒトに接して、そんな表情をするのを見るのは久しぶりです。」
  それはたぶん他意の無い一言だろう。けれども彼女に劣ってはそれは違った。この世の怪 
 異を背中合わせに知っている彼女にとっては。
  その瞳にかすかな翳りが現れる。ほんのかすかな普段では気づかないほどの。
 「私は....」
  その瞳から頬にかけて紅い紅い痣が浮かび上がる。それはまるで血の涙のよう。
 「私は....」
  その筋の上を今度は極上の宝石にも劣らない透き通った涙が流れていく。
 
1998年03月09日:15時19分31秒
九郎 / ハリ=ハラ
 名前を問われると、嬉しそうに笑って答える。
 
「はい、九郎と申します。」
 
 それは、外見よりも存外幼い声。
 丁の手を、嬉しそうにきゅっと握り締める。
 話している事自体が楽しいらしい。
 
「姉は、見かけよりもずっと幼いのですよ・・・
 人見知りをする質なのですが、同じ格好なので安心したのでしょう。」
 
 ほっとした表情で、琥白がそう告げる。
 
「ヒトに接して、そんな表情をするのを見るのは久しぶりです。」
1998年03月09日:14時54分50秒
「鏡」 / 夜光
  そっと手を伸ばせばふれられる。昔はよく見ていた光景。
 「琥白様の妹御ですか?道中では見かけませんでしたが」
  そっと疑問を言の葉に乗せてみる。答えは期待してはいない。
 「綺麗な瞳をしておりますね」
  ふっと柔らかい笑みを浮かべてみせる。優しいけれども悲しい笑み。どこも似たところが無いのに
 何故か姉妹達のことを思い出してしまう。
 (心が壊れてしまっているのでしょうか。それとも)
  自分の心の中の鍵が閉まった部分を探る。答えはここにあるかもしれない。
  その手をとりこう訪ねる。
 「私は祇王。今は諸処の事情で琥白様と旅をしている白拍子です」
  それは自分にも言い聞かせているのかもしれない。
 「あなたの名前をあなたの口から教えていただけますか?」
  ふっと笑みの形に崩れた口元は。何故か幼い娘を見る母親のようであった。
 
      祇王 より   琥白 および 九郎へ
  
1998年03月09日:14時38分05秒
きょうだい / ハリ=ハラ
「あ・・いや・・遊びだなんて。
 変な事は言わないで下さい。」
 
 ”遊び”の意味をどうとったのか、赤くなって琥白が駆鳳に言う。
 
「おとなしく待っているように言いつけたのですが、勝手に・・・
 あ、別に、部屋に待たせていたわけじゃありませんからね。
 いや、そんな事よりも、まず紹介を・・・」
 
 慌てて、入ってきた娘を紹介しようとする琥白。
 だが、さっきまで居たところにすでにいない。
 
「あれ?九郎?」
 
 見ると、娘は祇王の前にちょこんと座って祇王を見つめている。
 
 何のことはない、娘・・九郎はさっき琥白がわめいている間に移動したに過ぎない。
 
 お辞儀をした後、しばらく珍しそうに部屋を見回していたが、祇王の姿を見つけると嬉しそうにとことこ近づいてきたのだ。
 まるで、子どもがおそろいの服を見つけて喜んでいるかのような雰囲気で・・・
 そのまま、祇王の前にふわりと腰を下ろすと、じー・・と祇王の瞳を覗き込むように見つめる。
 
「ああ、えーと、その娘は私の妹で、名を九郎と言います。」
 
 汗をかきつつ琥白がそう紹介すると、九郎は祇王を見つめたままにっこりと無邪気な笑みを浮かべた。
1998年03月09日:03時23分46秒
少女 / Karma
 「つぅ・・・・・」
 左の二の腕に痛みが走る
 「どこぞで大掛かりな法術でも使われたか・・」
 腕を押さえながら独り呟く
 「この傷は《呪》によりて生まれしモノ『法術』とは相容れぬものであるのはとうにわかっておったが・・」
 「彼奴があれをお来ないしところに居るとは考えられぬ。」
 「日も暮れつつある、そろそろ町まで戻るか・・」
 
 
 天馬を街道へ歩ませる・・・・
1998年03月09日:01時06分56秒
「受領・然無」 / みだれかわ枕
「ほう、大きさも丁度だの。有り難く、頂くこととしよう」
 そう言いながら、数珠をほどき、受け取った珠を加える。
「ふむ、いい具合だ。たまの数にもちゃんと意味はあったような気がするが、ま、御仏もお許しくださるだろう」
 実はこの数珠、珠の大半が本当に珠(オウジュ)だったりする。爆発させるための仕掛けも施してあり、使い捨ての白熱掌や珠手榴弾の代わりに使えるのだ。欠点としては、仕掛けに欠陥があって暴発しやすいことと、持ったまま使うと腕が吹き飛ぶことぐらいだろうか。
「これから何が起こるか、それは御仏にもわからん。もしかすると、そなたたち妖には見えるのかも知れんが、それすらも、起こってみなければ本当なのかどうか、わからんよ。人間には、せいぜい御仏の教えの中で、足掻くことしか出来んのかも、知れんのぉ」
 
 
 然無から、神奈備へ
1998年03月09日:01時06分43秒
「受領・さのえ」 / みだれかわ枕
 さのえは、その櫛を見て、顔をしかめた。
「それを、あたいにどうしろってのさ」
「さのえよ、そなたにはこれを。……そう露骨に嫌な顔をするで無い。嫌味でも何でも無いのだから。」
「嫌味にしか、思えないよ。そんなもの、使ったこともないのに」
 正確には、ここ十年ほど、使っていない。
「己が“絆”を見失うで無いぞ。そして過去との折り合いを付ける事だ。“ヒト”は、何時までも同じ場所に居られはせぬのだから。」
 櫛を受け取り、少し見つめて、懐に入れた。
「……わかんないんだ。ほんとに気持ちがそうなのか……あたいの気持ち、あいつの気持ちが」
 うつむき、顔を上げる。形だけでも、笑っていた。
「ま、このチビどもの事は、任せときなよ。悪さしないように、見張っておくからさ」
 ぱちっと片目をつぶってみせる。
「あんたと飲んだ酒、結構美味かったよ。またな」
 味を楽しむ前に、絡んでいたような気もする。まあ、本人がこう言っているのだから、そうなのだろう。
 
 
 さのえから、神奈備へ
1998年03月05日:16時47分58秒
駆鳳 / 蒼
 傍目から見れば、宿の部屋にあげるくらい可愛がっている犬と思われちまうんだろうなあ。
 宿屋の親父のぽけーっとした面と顔を赤らめながら交渉する琥白を眺めつつ、そんなことを考えていた。

 そして現在は部屋に入り、雑談・・・もとい今後の相談中だ。

 俺は部屋の隅で耳だけをあちらに向け、寝転んでいる。
 小犬が喋る姿はあからさまに怪しいのだ。町中ではなるべく黙っていたほうがいい。
 ま、琥白と祇王の会話に付き合ってられんというのも有る。

 しばらくして・・・・・襖の向うで気配が湧く。
 そして襖がからりと開き、俺は目を開けた。

 若い白拍子の娘、外見はそんなもんだ。
 だが奇妙な気配を漂わせている。それは敵意も無く、好意も無く、ただ・・そこにあるのだ。
 その気配は人にして人にあらず。むしろ・・妖か。

 「遊びが過ぎるな。宿の親父がみたらどこから入って来たかといわれるぜ。」

 駆鳳、琥白と九郎に対して。
1998年03月05日:16時03分57秒
琥白 / ハリ=ハラ
「祇王の方こそ、お疲れ様でした。」
 いたわるような優しい笑みを浮かべる。
 
 ここは、祇王の部屋。
 琥白が気を使って、部屋を別々にしてもらったのだ。
 琥白の部屋は隣り、ふすまを隔てた向こうである。
 今は、話をするために祇王の部屋に来ているというわけだ。
 
「しかし・・・・」
 くすくすと、思い出したように笑う。
「後ろの方々は、どんな風に入ってくるのでしょうね。」
 雷吼達の事を指しているらしい。
「宿場の周囲は確かめて有りますし、当面はまず無事なようですから・・・」
 
 そこまで言った時、琥白の部屋との境のふすまがからりと開く。
 
「失礼いたします・・・・・」
 
 そこには、若い白拍子の娘が三つ指をついてひかえていた。
1998年03月05日:15時25分00秒
「宿」 / 夜光
 「ご苦労様でした」
  そこは大きくもなければ小さくもない街道沿いにあるごく普通の宿場町の
 ごく普通の宿。部屋には琥白と祇王それに犬に化身した眼赤。今は駆鳳と言
 う仮の名で呼ばれている。
  広くもなく狭くもない。ちょうどいい空間を保っている。
 「目印も残してきましたし。第二陣の皆様方は少し目立ち増すもの。宿場町
 につかれればいやでも噂を耳にいたしましょう」
  首を傾げ微笑んでみせる。
 
 宿にて  祇王 より 方々へ
1998年03月05日:14時31分12秒
追補 / タイガ
 権力や財力も売る、というのは、それ自体を直接与えるのではなく、
 それを手に入れるのに協力する、と言う事です。
 一応念のため。
1998年03月05日:08時16分04秒
反応 / タイガ
 「これは……?」
 それは一枚の式紙。
 何も、書かれていない白紙の式札。
 (昔は、誰もがこんな風に『白紙』だった……。
  何時からなんだろう……そこに、呪紋を……自分を描くようになったのは。
  何故、白紙のままでいなかったのだろう……)
 誰かが答える。
 (決まってるじゃないか……白紙のままではつまらないからだ……)
 (そう……、何だろうか……?
  本当にそうなんだろうか……)
 ふと我にかえる。
 (こんな事は、今考えても仕方ない。
  もはや誰も戻る事はかなわぬのだ……誰も……。
  『真なる自由』の時代には……)
 「これは、普通の式紙と同じように使えばいいのですか?」
 『使い方』が分からねば、それがどれほど便利で役に立つものであっても、何の意味も無い。
 (識る事は始まりでしかない……か。
  そんな事はとうに分かっていますけどね……。
  忠告は、ありがたくうけとるべきですね)
 双我宗は力を売る組織だ。
 権力、知力、体力、時には財力やその他もろもろの「他人に影響を及ぼせる何か」を売る組織。
 ゆえに、識ると言う事も大事にするがそれだけではなく、それを使う事も重要視する。
 いかなるものであれ使って初めて意味があるのだから。
 その意識は相模にもしっかりと染み付いていた。
 しかし忠告をする、と言う事は、いかなる意味であれ、それだけ気にかけている、と言う事だ。
 それは、『縁』を大事にする彼らにとって、喜ぶべき事なのだ。
 
 異端陰陽師「相模」より「神奈備」へ
1998年03月05日:07時41分47秒
葉嬢 / 月夢
「うーーーん、あたしあんまり式って好きじゃないんだけどね」
 わがままなことを言いつつ式札を受け取る葉嬢。
「使わないですめばそれに越したことないんだけど」
 そして懐にしまう。
 その間に神奈備が一人一人に言葉を送り、そして葉嬢の番となる。
「・・・どうか良い旅を」
「うん、いってくるね」
 にっこり笑って葉嬢がうなずく、神奈備が複雑な表情をしているのをみると軽く手を振り。
「だいじょーぶよ、神奈備も鳴羊も心配性なんだから、あたしになにかあるわけないでしょう、それに護衛が何とかしてくれるわよ」
 あくまで他力本願なことを押し通す葉嬢、ある意味よく自分のことが分かっているとも言える。
「さ、て、出発しようよ、あたし辛気くさいのは苦手よ」
 
1998年03月05日:02時18分50秒
眼赤 / 蒼
>「さて、苦労を掛けて済まぬな、眼赤よ。」
>その首に、布状に変化した“珠鱗”が緩く巻かれる。
>「“子供達”の事、宜しく頼むぞ。……まあ、言うまでも無い事ではあろうが、な。」
>神奈備は古馴染みに向け、微笑みながらそう告げた。
 目を一瞬きらりと輝かせ、ニヤリと笑い返す。
 「神奈備様。妖に苦労はありませぬ。それに以前にもいったでしょう、『子供の世話は得意だ』と。」
 所詮、”我”はこの森の客に過ぎぬ。それにいつまでも時を止めてはいられぬのだ・・・。
 「彼らは我が存在を賭けて護りましょう。そう、凍り付きし魂が動き出してしまった故に・・・。」
 眼赤は気付いていない。自分が薄らと微笑を浮かべていることに。
 そしてそれが、かの城主と乳母がみせた最後の微笑にそっくりであったことに。
1998年03月04日:23時19分31秒
贈る言葉 / Ray
 遅くなりましたが、旅立ちへ向けた神奈備からの簡単な(思わせ振りな)一言です。
 
「さて、そなた達にもこれを渡して置くとしようか……。」
 そう言って歩み寄る神奈備の掌の中で、新たな“珠鱗”が形を為す。
 
「然無とやら、そなたにはこれを。穴を空けておくが故、数珠にでも仕込んで置くが良かろう。」
 言葉と共に投げ掛けられた“珠鱗”は、然無の持つ大ぶりの数珠の珠と、一見しただけでは違いが分からぬ程、良く似せてあった。
「必要とされる代償は大きい。されど与えられる報償もそれに見合った物となろう。守るべき物を見失うで無いぞ。」
 感情を露わにせぬ声で、神奈備はそう告げた。
 
「相模よ、そなたにはこれを。必要とされる時には、これが支えとなろう。」
 手渡された“珠鱗”は、式札へと形を変える。……何も書かれていない白紙の式札へと。
「識る事は始まりでしか無い。その上で何を為すべきか……それこそを大切にするが良い。」
 相模の疑問をはぐらかす様に、神奈備はそんな言葉で返すのだった。
 
「さのえよ、そなたにはこれを。……そう露骨に嫌な顔をするで無い。嫌味でも何でも無いのだから。」
 神奈備の手にした“珠鱗”は、美しい櫛へとその姿を変えていた。
「己が“絆”を見失うで無いぞ。そして過去との折り合いを付ける事だ。“ヒト”は、何時までも同じ場所に居られはせぬのだから。」
 限りない時を見続けて来た瞳は、意外な程優しい視線を向けていた。
 
「そなたにはこれを、雷吼。姉君との約定もあり、吾には見届ける義務があるが故。」
 雷吼の掌で、渡された“珠鱗”は雪が溶ける様にその形を失う。
「そなたが自ら縛り付けていた過去は最早無い。迷う事無く先へ進むが良い。それこそが姉君の望みでもあった筈であろう。」
 様々な色合いを帯びた視線は、ムラサキとはまた違った意味で『狭間に在る者』に向けられていた。
 
「さて、苦労を掛けて済まぬな、眼赤よ。」
 その首に、布状に変化した“珠鱗”が緩く巻かれる。
「“子供達”の事、宜しく頼むぞ。……まあ、言うまでも無い事ではあろうが、な。」
 神奈備は古馴染みに向け、微笑みながらそう告げた。
 
「ヒメ様……。」
 言葉は続かない。想いが大き過ぎるが故に。万感の想いを込めて、ただ深々と頭を垂れる。
「……どうか良い旅を。」
 
 神奈備 より 各人 へ
 
1998年03月04日:17時20分45秒
式札の能力 / タイガ
 葉嬢に渡す式札の能力です。
 多少中途半端なので切り札と言うよりは、「一時凌ぎ」です。
 
 緩やかな弧をえがいた刃が肩から背中のほうへのびている、熊のような姿をした式。
 ただし吠える事で衝撃波を発し攻撃する事が出来る。
 消費作成ポイント30
 消費霊力1/使用珠数70
 能力値5(9)/活力18/成功値3
 爪・打撃修正2
 吠え声・打撃修正2射程10m/射率2
 戦闘能力4
 飛翔能力4
 射撃能力3
 打撃能力2
 感知能力1
 憑依能力1
 
 以上。
 今なら修正可能です。要望があれば今のうちに(笑)
1998年03月04日:14時46分06秒
はてな / ジョーカー
 何で葉嬢に渡すの?狙われンの紫じゃん。
 それから内容説明もぷりーづ。別にこれは式札に書いてある物だと判断するので
 相模の科白は要りません。
 
 >>宗派を名乗る必然性が見えないので双我「衆」に改名したらどうです?
 >
 >だめです。(以下略)
  
 まぁ、そこまで言うのでしたらご自由に。
 
 >その他の式は式作成ポイント10までの範囲で自由に決定しちゃってかまいません。
 >#26枚も考えてらんねぇよ〜(笑)
 
 考えられないンならそんなに渡すなぁ!(笑)
1998年03月04日:07時59分11秒
ん〜 / タイガ
 切り札と言うと語弊があるかもしんない。
 万が一の時に使うべき一時凌ぎ、のほうが、あってるかな?
1998年03月04日:07時53分16秒
説明 / タイガ
 「その式札は、要するに切り札です。
  葉嬢さんに渡しておいてください。
  護衛と言う関係上、誰かがそばにいるでしょうが、万が一と言う事もありますからね」
 相模が簡単に説明をはじめる。
 「ようは、戦闘用の式ですが、いろいろと組み込んであります。
  少々中途半端なんですが、間を稼ぐには十分でしょう」
 
 異端陰陽師「相模」より「雷吼」へ
 
 つーことです。
 能力は……具体的に書きますか?
 その他の式は式作成ポイント10までの範囲で自由に決定しちゃってかまいません。
#26枚も考えてらんねぇよ〜(笑)
1998年03月04日:07時45分01秒
無いかぁ…… / タイガ
 ま、それはそれでもいいんですけどね。
 
>宗派を名乗る必然性が見えないので双我「衆」に改名したらどうです?
 
 だめです。
 「衆」というのは、単なる「集団」でしかありません。普通は、ある目的で集まったものでしょうが、実際にはそれ以上の意味はありません。
 対して「宗」はある教義を奉じている集団と言う意味があり、これは双我宗にふさわしい意味と言えます。
 ですから、双我「衆」ではなく双我「宗」を名乗っているわけです。
#それに双我衆だと、なんか別の組織の一部みたいでしょ?
#双我宗はあくまで独立した組織ですからね。
1998年03月03日:19時07分41秒
雷吼 / ジョーカー
 「随分と大盤振る舞いだな」
 
 苦笑気味に雷吼は答える。
 
 「なら、一応貰っておこうか。陰陽師ほどには頭が廻らんから宝の持ち腐れになるかも知れんがな」
 
 受け取ってざっと吟味する。
 
 (飛翔式は紫に渡しておこう。その他のは……どれも大した大きさではないのなら
 それ程役には立つまい。後は身代わり式をそれぞれに、か。
 この大量に珠が埋め込まれている式札は何だ?)
 
 黙考していた雷吼だったが最後の式札を眺めて怪訝そうな顔をする。
 その式札は……
 
 と言う訳でタイガさん、そのごっつい式札の説明をお願いします。
1998年03月03日:17時54分59秒
無いってば / ジョーカー
 ギルドって包括的な存在だからGS協会の入る隙間が無いねん。
 
 「免許の発行」=ABCのクラス制による傭兵達の管理。
 「スイーパー(傭兵)の紹介」=書くまでもない、傭兵組織なんだから当然やっている。
                  傭兵はみんな個人営業だ。
 「組織を通した相互協力」=ギルドの開発した技術(モローの機甲兵、耐魔装甲など)は
                当然フィードバックされて商売に使われるはず。
                  優先的な顧客は当然メンバーだろう。
 
 まぁ切りがないやね。この辺にしておきましょう。ところで双我宗の説明見ていると
 宗派を名乗る必然性が見えないので双我「衆」に改名したらどうです?
           
1998年03月03日:07時56分06秒
一応、あります(^^;) / タイガ
 GS協会との関連は、
 
 「免許の発行」……「傭兵」たちの把握や管理が容易になる、など。
 「スイーパー(傭兵)の紹介」……「個人営業」中の傭兵を紹介する。
 「組織を通した相互協力」……双我宗の傭兵が開発・発見した技術・事象などは、
 例外もあるものの双我宗に報告されて、他の傭兵が利用できる。
#基本的に門外秘で、関係者以外には利用できない。
#また、傭兵が個人的に利用するものでなければならない。
#つまり、ある国の情報がある場合、その国と敵対する国(組織)に雇われている時は、
#その情報を使う事が出来ず、自分で入手しなければならない。
#これは、双我宗の独立性のために必要な処置です。
 
 ……など。
 他にもあるはずですけどね。
 それから、個人営業中の傭兵とは基本的に独立した存在と言うのも、似ています。
 紹介はするけど、その行動にまでは責任を持ちません。
 (そのかわり、普通に傭兵を頼むよりも安く済みます)
1998年03月03日:02時58分31秒
いや、全部知ってるけど / ジョーカー
 光覇明宗が御役目様の結界の守護と白面の者との交戦時における獣の槍伝承者の援護を
 主目的とした対妖怪組織であり、GS協会が民間のGS達が加盟する
 相互補助(及びGS認定等の公的続き)を行う組織であることを考えて
 そこに傭兵(人材派遣)を主産業とする国家(ギルド)が入ってきたので訳が分からなくなったの。
 
 で、まぁ三つの内の二つが対妖怪(光覇明宗)、対超常現象(GS協会)であることを考えて対妖組織かなと。
 
 そう言う事ね。分かりました。
 ……ある目的のために(光覇明宗)人材の養成(光覇明宗)と派遣(ギルド)を行う組織。
 GS協会は関係ないんじゃあ?
1998年03月02日:14時36分24秒
「幽境」 / 夜光
  夕暮れがすぎ闇がやってくる。それは夜のとばり。暗きもの。魔のものたちのための
 時間の到来。
 「空もあなた方を読んでいます。夜のかいなにいだかれて眠りなさい」
  その瞬間から舞の質が変わる。清める舞から浄める舞へ。
  腕のひとふりごとに何かがきらめく、それは命の鼓動。
 ((我らは眠っていたのだ....まどろむ夢のうちに))
  その声を怨嗟の声と割り切るにはあまりにも悲しい。けれども光は闇を切り裂くのに
 容赦はしない。膿を出しきらなければ傷はまた悪化するのだから。
 ((体が溶ける....))
  凍てつき凍り付いた心に日の光は痛い。その身を削るかのごとき荒々しき光はその心
 を少なからず傷つける。
 「怒りも憎しみも悲しみもあなたがたを縛り止めるだけ。ならばすべてここにおいてい
 きなさい」
  その声は命令するもののそれ。支配するもののそれ。痛みも苦しみも知る。けれども
 ゆるがずに前を見据え進むもののそれ。仮面の下に隠されている素顔。
  しゃらん
  鈴のねと共に舞は最高潮に達しようとしていた。
 
 祇王 幽境にて。
1998年03月02日:07時24分19秒
一つだけわかんなかったのね…… / タイガ
 「おざなりダンジョン」のギルドってのは要するに傭兵組織です。
 んで、「ある目的のために」人材の養育と派遣を行う組織が双我宗であると言いたかったわけです。
#まだ、細かい点が決まってないので、具体的に書く事が出来んのです。
 
 ちなみに、別に対妖組織ではありません。
 依頼があれば、何処にでも大抵の事に力を貸します(もちろんそれに応じた報酬はもらいますが)。
 ……たとえ、相手が人間でなくとも。
 
 ちなみに「個人営業」をしてる者もいます(相模なんかはその一人)
 ただし、双我宗からの命令にはそれ相応の理由が無い限り逆らえませんが。
1998年03月01日:23時19分26秒
さっぱり分からん(笑) / ジョーカー
 なんなんだその例えは?(苦笑)要は対妖組織であるって事か?
1998年03月01日:08時25分54秒
双我宗の設定変更 / タイガ
 前に双我宗は忍軍の表の顔としましたが……。
 忘れてください。
 
 え〜と、「うしおととら」の光覇明宗と、
 「おざなりダンジョン」のギルドと、
 「GS美神」のGS協会を、
 足して、3で割って+αしたものが双我宗だと思ってください。
1998年02月28日:14時15分33秒
葉嬢 / 月夢
「はいはい、泣かないの、大丈夫だから」
 ぽんぽんと肩を叩きながら葉嬢が言う。
「あたし1人に森の守護全部割くわけにいかないって分かってるでしょう?そんなことしたら宵闇姉様に全員たたき出されるよ」
 宵闇なら本気でやりかねなかったりする辺りが恐ろしい。
「どうせいずれはあたしも一度は森の外を見ないといけないんだもん、それがちょっと早まっただけよ、ね?」
 葉嬢がにっこり笑う、心配してくれる相手に悪いが、葉嬢の心はどちらかと言うともう森の外に向いている。
「何とかなるよ、だいじょーぶ、あたしは宵闇姉様とか鈴鳴とかにいじめられながら生活してたんだから、ちょっとやそっとのことじゃびくともしないわよ」
 そう笑って言うが一瞬冷たい視線を感じて思わず笑いがひきつったりもする。
「ま、まあ、とにかくさ、いずれあたしは戻ってくるんだからそれまで森の方をお願い、帰る場所がないと悲しいからね」
1998年02月28日:02時00分05秒
見送りにきた妖 / 蒼
 ムラサキが神奈備の「贈り物」を受け取ったあたり。

 その時、森の奥からどだだだだという地響きが聞こえて来た。
 「葉嬢ざまぁぁぁ、森からでていがれるですかぁー」
 地響きの原因は涙をぽろぽろふりまきながら走りよる頭に羊の角はやした大男。
 外陣の守護が一つ、鳴羊である。
 「葉嬢ざまぁああ、も、森のモノはみな、葉嬢ざまが、森がら、離れる、聞いて、悲しんでいるですぅ。」
 鳴羊は涙を流ししゃっくりをしながら喋る。
 「も、森のモノは、みな、心配しているです。葉嬢さまが旅の間不自由しないか、危ないめ、あわないか。ほんとはみなついてきたいです。」
 葉嬢は、護衛がついているから大丈夫だと鳴羊をなぐさめたが、それでおさまるものではない。
 「それでも、心配ですぅぅ・・。」
 鳴羊の涙は当分止まりそうにない。

 鳴羊より、葉嬢へ。

 その場にいる方々へ、鳴羊、面倒だったら無視してください。ほっとけば泣き喚くだけですから。
1998年02月28日:01時08分59秒
駆鳳 / 蒼
>「駆鳳。あなたは外にいた方がいいかもしれませんね」
>「もしかしたら、あなたでは辛いことになるかもしれません」
 祇王はそういって俺の頭をそっとなでた。
 まあ、別に構わない。どうせ霊に対してはたいしたことは出来ないからな。
 村に向かって行く祇王の背中に声を掛けた。
 「おれは見物させてもらうさ。おめえらが彼らにどう”対処”するのか・・。」

 駆鳳。祇王の言葉に対しての呟き 
1998年02月27日:23時36分03秒
/ Dr.李
 笑い出す神奈備をきょとんとした顔で見る。
 そして、呪鱗を手にする。
 「始めてみるもんだ・・・。」
 そりゃそうだろう、紫が見たことのあるものなんてたかがしれているのだから。
 珠鱗を受け取る。
 紅玉のきらめきは不思議な美しさを持っていた。
 「よくわかんないけど・・・ありがとう。」
 素直に礼をいった。
1998年02月27日:23時26分20秒
餞別 / Ray
「でも友達って、なるっていってなれるもんじゃないと思う。」
 ムラサキの何気ない一言は、実に珍しい反応を引き出す事となる。一瞬の空白の後、神奈備は“笑い出した”のだ。
「ククククク、フフフ、アハハハハ……面白い。実に面白い。まさに好意に値するものよな。」
 常の彼の姿とは凡そ懸け離れ、目尻に涙まで浮かべて大笑する。
「これは一本取られたのぅ。確かにそなたの申す通りであろ。
 先の言葉は、如何なる意味でもそなたを拘束する物では無い。そは、只吾が身を縛るのみ。故に、そなたが気にする事は何も無い。
 唯一つ、吾が好意の印として、この程度の餞別は受け取って貰えようか?」
 なお、其処かしこに笑いの残滓を残しながらも、真面目くさった表情を造り上げた神奈備は、虚空より“何か”を取り出した。
 それは、大人の掌にも余る程の巨大な鱗。淡い輝きを放つ、透き通った真珠色のそれは、神奈備自身の蛇身を覆っていた物に相違ない。
 見る者が見ればそれが、複雑に絡み合い刻々と変化を続ける『呪紋』の集合体である事に気が付いたかも知れない。
「こは、吾が“呪鱗”。使うべき時は自ずと知れよう。
 先程読み取った限りの未来の内で、必ずやそなたの選択の助けと成るであろうよ。
 良いか? 今は忘れても良いが『右と左とを選ばねばならぬ時、真ん中を選びたければ』これを思い出す事だ。
 ……ふむ、このままでは大きすぎて不便か。なれば……。」
 見る見る間に、手の中の呪鱗が縮んで行く。やがてそれは紅みを帯び、紅玉にも似た指の爪程の大きさの切片へと姿を変える。
「うむ、これで良かろう。今は眠って居る故“珠鱗”とでも呼ぶべきかの。」
 相変わらずなムラサキに、押し付ける様にそれを手渡し、何やら満足げにそう呟く神奈備であった。
 
 “やっぱりまいぺーすな” 神奈備 より ムラサキ へ
 
1998年02月27日:16時47分07秒
琥白 / ハリ=ハラ
 祇王の舞いによって、「気」が清められてゆく中・・・・
 
 幽鬼たちは、琥白の元にも向かってくる。
((滅滅滅滅〜!!!!))
 
「許してください・・・・・」
 
 先頭を切ってきた幽鬼に、先ほどの光の帯が突き刺さる。
 それは、経文が浮かび上がった帯。
 その帯が幽鬼に突き刺さる。
 
((があぁぁああぁぁあぁ・・・・・!!!))
 
 煙を上げながら、苦しみもだえる幽鬼。
 その幽鬼に向かい、第二、第三の帯が更に突き刺さる。
 
「私には、こんな事しか出来ない・・・」
 
 耐え切れ無くなったのか、幽鬼のからだが焼滅する。
 後に続く幽鬼たちにも、光の帯は襲い掛かる。
 
 どこか悲しげな表情のまま、幽鬼たちを焼滅させてゆく琥白。
 祇王の舞いが高まりつつあるのを感じると、一時的に幽鬼からはなれる。
 そして、経文に氣を送ると、周囲の地面に突き立てる。
 周囲に八本。
 簡易的な結界を作ったのだ。
 
 その中央に座り、懐から笛を取り出す。
 
「音曲があれば、舞いも引き立つでしょう・・・・」
 
 そう呟き、静かに笛を口に当てる。
 紡ぎだされる曲は、舞いに合わせた静かで清冽な調べ・・・・・
 
 周囲の経文と反応しあうように、それは村のすみずみまでも響いていった・・・
1998年02月27日:16時06分20秒
「幽玄」 / 夜光
 ---シャンシャンシャンシャンシャン
  鈴の音が鳴り響く。柔らかな音色。まるで子守歌のような。
  大地を一歩踏みしめる。
  シャン
  軽やかな鈴の音がまた一つ響く。
 >「貴方は、貴方の出来ることを精一杯やってください。」
  琥白の紡ぐ優しい言霊に背を押される様に舞は軽やかにそして美しく飛び立つ。
  その一歩ごとに空気は澄み清浄な何かが流れ込んでくる。
 「黄泉の神へと捧げる神楽舞。私にはこのような事しかできませんけれども」
  その瞳に写すのは虚空。こことは違ういつかどこか。
 ((忌まわしき物忌まわしき物...消えろ消えろ〜.....!!!!))
  鬼人の魂が少女へと近づいてくる。けれどもふれることさえ。できない。いや、それどころか
 その手すら消えようとしている。
 「冥府があなた方を待っています」
  それは悲しみに彩られた美しき舞。
 
 祇王 より 
 
 プレイヤー:祇王は舞う事によってその地の地霊を鎮め
      清浄な力を呼び込もうとしています。そのた
      め。彼女の周りにはある種の聖なる結界のよ
      うなものが存在しています。またその影響か
      ら。法術の威力が増される副作用が起こって
      います。
       ただし、彼女は舞い続けなければならない
      ので。このままでは法術は使えません。
  
1998年02月27日:15時32分57秒
琥白 / ハリ=ハラ
「夢はいつかは醒めなければなりません・・・」
 
 静かに祇王に話し掛ける。
 
「いかに心地よき夢だとて、醒めぬ夢はない。」
 
 周りには怨霊が取り巻き、苦悶の声を上げ続けている。
 その様子を少し苦しそうに見ながら、言葉を続ける。
 
「ならばこそ、この夢は醒ましてあげなければなりません。
 それが、私たちがこの方たちに出来ることです。」
 
 優しく微笑んで、祇王の涙を指でぬぐう。
 
「貴方は、貴方の出来ることを精一杯やってください。」
 
 静かに印を組む。
 
「私は・・・・」
 
 瞬間、琥白の袖口から光の帯が飛び出し、怨霊の数体を吹き飛ばす。
 
 怨霊たちに脅えと動揺が走る。
((おのれおのれおのれおのれ・・・・・・・))
((集え集え・・・・))
 怨霊たちが固まりだし、いくつかの個体を成しはじめる。
((滅ぼせ・・・殺せ・・・))
 それは、まさしく幽鬼。
 哀れな魂たちが集った鬼。
((滅滅滅滅滅・・・・・・・・・・・・・))
 
 自分たちを取り囲む十数体の「鬼」を見やりながら呟く。
 
「私の出来ることを精一杯やりましょう。」
1998年02月27日:14時50分13秒
「幽境」 / 夜光
  ざわり.....ざわり.....
  何かがさざめく。眠っていた何かが確かに眼を醒ます。
  眠りは破られ、夢は終わる、うたかたの幻は水に帰る。
 (人だ。人が来る。我らを死に追いやったもの)
  きっかけは些細な影。
 (いやだ、もう死にたくない....)
  流れ落ちる水はとどまることを知らず。
 (奴らさえいなければ....)
  憎しみの炎は消える事なくさらに大きな悲しみの大河を呼ぶ。
 
  風が吹いた。乾いているのに。どこかねっとりと絡み付くようないやな風。
 「いやな風」
  乱れた髪がまるで外套の様にその背を隠す。
 「琥白様。この村はやはり....」
  肌で感じるままの答えを傍らの青年に声をかける。
  ふと、眼を向ければ夢の残滓がそこにはある。かつて平和にくらした家々の幻影。
  そうそれは幻影。確かにそこにあると思えるのにそれは実体ではあり得ない。
 「悲しい泣き声が聞こえます....」
  耳の奥にこだまするのは怨嗟の悲鳴よりも悲しきものたちの嘆きの声。
 ((見つけた.....我らを滅ぼしたものたち.....みつけた....))
  どこか遠くどこか近く。判然として解らない。けれどもそれは感じることができた。眠りにつけない
 ものたちの苦悶の叫び。
 ((みつけた〜!!))
  一つ二つ三つ四つ。数え切れない数の炎が空に揺らぐ。それは命の残り火。
 「かわいそうな方々.....」
  その頬を一筋の涙が伝わり地に落ちる。
 
 
 祇王 幽境にて。
1998年02月27日:13時10分19秒
琥白 / ハリ=ハラ
「ええ・・・」
 祇王の言葉に軽く返す。
 
(いつか歩いた路・・・・・)
 
 村の様子がはっきりとみえてくる。
 平和な・・穏やかな生活。
 
(秩序の破壊者・・・・・)
 
 あの時自分は、何を考えていたろう・・・。
 何を考えながら・・・・。
 
(だが。)
 
 それももう過ぎたことだ。
 今はあの事を思い出すものも居ない。
 自分と、あと一人を除いては・・・・
 
(今は・・・)
 
 正面の村に更に近づく。
 村と外界との境も近い。
 
 偽りの平穏ならば破壊しよう。
 虚しき遊戯を続けても、魂に安らぎは来ない。
 
「出来るだけのことをしてあげましょう。」
 
 自分に出来ることは・・・・・
1998年02月27日:11時55分45秒
「幽境」 / 夜光
  ほむらが舞い降りる。死と滅びをまとった。凄絶でそれ故に美しい。
  滅美をまとったほむらが舞い降りる。
  聞こえるのは死の苦痛と哀訴の嘆き。耳を閉ざしたくなるような悲しみ怒り憎しみ
 諦め、妄執。
  夜のとばりは決して降りることはない。永遠にさいなまれ続ける苦痛の中。
  安息に見捨てられた彼らは夢を紡ぐ平和だった頃の夢を。退屈で光り輝く思い出というなの夢を。
 
 「いきましょう。私たちで彼らの気持ちがはれるのならば」
  その瞳に宿るのは決意の炎。しっかりと大地を踏みしめる。その足取りはどこか幽玄の世界をさま
 よっているかのような不確かさを感じさせる。けれども、それ故に近づきがたい神秘さを少女に与え
 ることにもなる。
  一歩一歩確かに踏み出していく。その足取りに迷いはない。羽毛のように軽い足取りなのに奇妙な
 力強さを感じさせる。
 「駆鳳。あなたは外にいた方がいいかもしれませんね」
  その瞳に翳るのは優しさかそれとも冷酷さか。どちらにも見える。どちらともとれない。
 「もしかしたら、あなたでは辛いことになるかもしれません」
  子犬の頭をそっと撫でる。その姿はどこか寂しげで孤独を感じさせる。
 「琥白様。では参りましょうか」
  少女は誰よりも誰よりも前を一人で歩く。
  そして村の姿がだんだんと大きくなってくる。一見平和な村。日常の繰り返す暖かな日差しの
 絶えることのない。暖かな村。
 
 祇王 より 駆鳳 琥白へ
1998年02月27日:08時09分24秒
式の種類。 / タイガ
 「モノですか?
  いろいろありますよ」
 にっと笑う。
 「爆裂式、変幻式、戦闘式、偵察式、飛行式、身代わり式、監視式……」
 身代わり式はそれぞれの分があるほかに変身能力を持ったモノが二つある。
 「まあ、それぞれに用途を字と絵で書いてありますから、見れば分かるでしょう。
  消費は、大目のモノで……そう、珠手榴弾五つ分ぐらいですか。
  ほとんどは三つか四つ分ぐらいにしてありますが。
  それとこれは僕に打てる最高の式で、珠を使って消費を最小限にしたものです。
  ほかはともかくこれだけは持っていってください」
 
 異端陰陽師「相模」より「雷吼」へ
 
 「雷吼へ」と書くのを忘れていてすみませんでした。
1998年02月26日:20時03分07秒
雷吼 / ジョーカー
 「式札?モノは何だ?」
 
 雷吼は陰陽師程には霊力に余裕がない。下手に浪費するよりは無い方がよい。
 
 雷吼  相模に向かって
1998年02月26日:08時06分42秒
忘れられてたのか…… / タイガ
 哀れな奴だな(笑)>相模
 
 「では、そういう事にしておきましょう。
  そうそう、僕の宗派の名前は『双我宗』です。
  一応覚えておいてください」
 言い終えた後、ふとあたりを見回す。
 何を、あるいは誰を探していたのかはともかく、この場にはいないようだ。
 「さて……、そうだ、わすれてた。
  雷吼さん、いくつか式札を作っておきましたが、持っていきますか?」
 
 異端陰陽師「相模」から「然無」へ
 
 雷吼達はまだ出発してないよね?
1998年02月26日:02時53分04秒
「行李」 / みだれかわ枕
 ぐあ。申し訳ない。然無が返事してませんでしたね。
 
 
「ほう。そちらの手形は、まだ期限が残っておるのか」
 少し、考える。
 期限切れよりは、少しでも残っていた方が、いい。
 結論は、出た。
「では、そちらの手形を使うことにしようかの」
 自分の手形を、行李の奥にしまう。
「さあて、そろそろ、出立しようかの?」
 
 
 然無。
1998年02月25日:03時02分24秒
眼赤 / 蒼
 出発前に騒ぐヒメを眺めていたが、ふと顔を上げ眉をひそめる。
 「ほう、先遣ではさっそく面倒が起きたか。まあそれも良し。」
 独り言のように呟くとふたたびうたた寝をはじめる。

 眼赤、出発を待ちながら。
1998年02月24日:23時13分38秒
/ Dr.李
 「べつにいいよ。」
 相変わらずなにも考えてないような、と言うよりこの場合、事の重大さに全然気づいていないのだが、口振りで言う。
 「でも友達って、なるっていってなれるもんじゃないと思う。」
 
 −−−−−−−−−−−−−−−−−
  
 意図的か、紫? 
1998年02月24日:22時56分12秒
あるの!? / ハリ=ハラ
 >さて、残るは皆の見送りと餞別だけかな?
 
 か・・神奈備の選別ぅ!??
 そんなもんがあるなら、こっちにもよこさんかいぃ!!(笑)
 しかも
 >先行組には必要無さそうだし(^^;
 とは、どーゆーことじゃー。
 
 選別ほしーよー。
 ずるいや、ずるいや。
 先行の二人は、護衛をする事に、その存在すらかけていると言うのに・・・
1998年02月24日:22時48分57秒
誓約 / Ray
「そろそろお戻りになられたら、姫様がじれておいでよ。」
 鈴鳴の声に、ムラサキを取り込んだ“陣”に向き合う神奈備が、笑みを返す。
「必要な事象は視る事が出来た。
 今、『紫』の中に居た“吾の欠片”を昇華させた処だ。
 ……しかし、ヒメ様の“性急さ”も困り物だな。まるで「人の如くに」“限りある時を生きる者達”の様ではないか。
 そうは思われませんかな、鈴鳴殿?」
 尤も、本気で言っている訳では無いのは、その表情を見れば一目瞭然であった。
 
 その眼前で、ムラサキを取り巻く“陣”は陽光に照らされた朝露の如く、薄れる様にして消えて行った。
 金縛り状に固定され、強張ったムラサキの筋肉と関節が、突然の解放に軋みをあげる。
 よろけたその躰を支えたのは、神奈備の腕であった。
「そなたには礼を言わねばならぬな、ムラサキよ。
 先ずは何よりも、ヒメ様と友垣になって呉れた事に感謝する。
 この森のモノが“友”となるは、些か難事での。最も“それ”に近い眼赤でさえ、“仕えるモノ”としての壁は越えられぬ。
 そなたにとってはヒメ様がそうである様に、ヒメ様にとってもそなたは“始まりの者”なのだ。
 そして、こたびの吾が“未来視”に協力して呉れた事に対しても礼を言わせて貰う。
 吾は必要とあらば「どの様な事でも」する心算であった……たとえそれが、そなたの存在その物に関わる事だとしても。
 結果として、吾はその必要を認めなかった。ただ、そなたを含めた余人に、事前にそれを報せなかったのは公正を欠いた遣り方であった。
 許されよ。」
 言葉と共に、頭を下げる神奈備。辺りに漂う怖ろしい程の“違和感”が、その行為の稀少性を物語っている。
「ヒメ様の事、そなたに呉々も宜しく頼む。
 代わりと言っては何だが、吾に出来る事であれば、いつ何時であれ何処であろうと力を貸す事を誓おう。
 吾も、そなたの“友”として認めて貰えようか、ムラサキよ?」
 
 “まずはお友達から(笑)” 神奈備 より ムラサキ へ
 
 流石に、プログラム本体はムラサキに入り切れませんので(と言うか誰にも無理だ)、中に行ってたのは『探針』だけです。
 尤も、最悪「書き換え」をやれるだけの“力”は付与していました。(その時は、ムラサキ君は“眷属”にされてた事でしょう(^^; ) 
 まあ、その必要は無かった訳ですが、神奈備が頭を下げたのはそれに対するけじめです。
 (因みに、神奈備が「人(更に言うなら“男”)に対して」頭を下げる事自体、ほぼ前代未聞の出来事)
 しかし代償とは言え、こんな誓約して良いのかねぇ。(^^;
 幾ら『管理者』としての『責務』の大半を放棄したとは言え、“出来る事”の範囲が半端じゃないものなぁ。(苦笑)
 
 さて、残るは皆の見送りと餞別(先行組には必要無さそうだし(^^; )だけかな?
 
1998年02月24日:19時13分27秒
妖の森(過去) / 月夢
「なにごとよ」
「宵闇様」
 宵闇の姿を認めて眷属の1人が頭を下げる。
「はあ、実はこの人間がまるでいうことを聞きませんで、この森の中へどうしてもはいらせよと」
「わらわが口出しするべきことではないのう、追い払うのは外陣の役目、統括は神奈備殿じゃ、それに警告を無視するならば」
 笑みを浮かべるとすっと地面にひれ伏している人間の首に扇をあて、囁くような声で
「死ぬだけじゃ」
 人間の背がびくっと震える、それを見て宵闇はくすくす笑い。
「分かったであろう、そうそうにさるがよい、今度だけは見逃してやろうぞ」
 宵闇はそれだけいって去ろうとすると、人間が顔を挙げて初めて口を開く。
「そ、そうはいかないのです、どうか、どうか今度だけはお見のがしを」
 切羽詰まった声に宵闇は足を止め振り返る、妖気を押さえてはいるが、それでも普通の人間が気後れするぐらいの存在感は確実にそこにあり、現に見つめられた人間の全身は震えが止まらない、だが、
「どうか、どうか森に踏み込むことをお許し下さい」
 それでも相手は目を逸らさなかった、裏のない真摯な瞳に宵闇は興味を持ち問いかける。
「ここは妖の森であることは知っておろう、それでも踏みいる理由があるというのか?」
「は、はい、薬草を、この森にある薬草を頂きたいのです」
 初めて話を聞いて貰えて、その人間、どこにでもいそうな農民の娘らしき相手は少しだけ表情を明るくして勢い込んで言う。
「ほほう、この森に入ってきたと言うことはよほどの薬草か」
「は、はい、この森にあると聞いておりました・・・」
 そこで娘は再び視線を伏せ、言いよどむ。
「言うてみい、とって食いはせぬから」
「あ、は、はい」
 妖が言うと洒落にならないような台詞に後押しされて娘は思い切って口にする。
「久遠の涙を・・・・」
 辺りが一瞬静まり返る、側にいた妖までが絶句して宵闇を見上げる。
「よ、宵闇様・・・」
「面白いことを言うではないか」
 対して宵闇の方は本当に楽しげな顔をする。
「あれがどれだけ貴重な物か知っておろうな?」
 一応の確認をとるかのように宵闇が聞くと娘が何度も首を縦に振る。
「も、もちろんでございます、修羅となりし鬼たちの報われない痛みの涙を糧にして育つ、数十年、数百年に一度しか実をつけない・・」
「そは砕けた鬼の心の欠片、そは砕けた鬼の願いの欠片、その実はいつの日か報われぬ修羅の心を解き放ち、彼と彼の同胞をやすらぎの里へと導こう」
 歌うように宵闇が付け足す、娘は一瞬立場を忘れ聞きほれるほどの深さを持った声。
「分かるか、娘?」
 宵闇が再び声をかけると娘がはっと我に返る。
「は、は、はい」
 何のことか分からないがとりあえず返事をする娘に、
「あの実の価値は値千金などと言う下らない物ではない、あの実がなるまでにどれだけの涙が流されたと思う?」
 宵闇に問いかけられ娘は返事に迷う、人の身でしかない娘に理解しろと言うのは限りなく酷な質問であるかも知れない。
「分からぬかもしれんな、だが簡単に譲る訳にはいかんということは分かろう、諦めて帰るがよい」
「そ、そうはいかないのです、母が母が・・・」
 また立ち去りかけた宵闇を娘が再び引き留める、ある意味、側にいた妖の顔がひきつるほどの暴挙である。
「聞き分けのないものよのう、それほど命が惜しくないのか?」
 淡々と宵闇が口にすると娘は恐怖に震えながらもそれでも口を開く。
「い、いまは死ぬ訳には参りませぬ、ですが、ですが母の命が救えるのでしたら、私の命など・・・」
 真摯な瞳、一遍の曇もない真摯な瞳、長い時を生きた宵闇でもなかなかお目にかかれない瞳。
「母が病魔にでも置かされてそれを治すために命がけでこの森に入ってきたか」
 娘はこくりとうなずく。
「気持ちと理由は理解した、それでも・・」
 譲る訳にはいかないと言おうとして宵闇は途中で切る、そして森の奥に視線を送ると、しばしして苦笑を浮かべる。
「本当に人が良すぎる方・・」
 口の中でそうつぶやくと、いままでとはまた違う笑みを浮かべて娘に言う。
「良かろう、そこまでいうならばわらわと賭をしよう」
「賭でございますか?」
「そうじゃ、わらわがぬしを久遠の涙の元まで道案内してやろう」
「ほ、本当でございますか?」
 満面に喜色を浮かべる娘を止めるように扇をぴしっと差し出すと、その後を宵闇は続ける。
「ただしわらわと眷属たちがいくつか難題を用意しておく」
「難題でございますか?」
「そうじゃ」
 楽しげに宵闇はにこっと笑ってうなずく。
「それを全てとければぬしに久遠の涙をくれてやろう、ただし、失敗すれば無駄死にも有り得るがの、どうする?」
「やります」
 娘はきっぱりと迷わずに答える。
「このまま母の死を黙って待つつもりはありません」
「そうか、では賭の始まりよの、せいぜい楽しませて貰おう」
 そういうと宵闇の目の前に一つの狐火が生まれる。
「それがぬしの道案内をしてくれる、それだけはぬしをだますことはない、後は何が起こるかわからぬがな」
 娘の目の前で宵闇の姿がかすれていく。
「覚悟が決まれば前へ進むがよい、もっとも後ろへはいつでも戻れるがの」
1998年02月24日:16時09分20秒
琥白 / ハリ=ハラ
「なるほど・・・・」
 祇王の掌にある塊を取り上げる。
 
「それじゃあ、行きましょうか。
 服も乾かさなきゃならなくなりましたからね。
 それに・・・・」
 
 祇王の苦しげな表情を払うかのように、にっこり笑いかける。
 
「私たちが行くことできばらしが出来るなら、村の人達も喜ぶでしょうしね。」
1998年02月24日:15時48分36秒
「祇王」 / 夜光
  そっと首を左右に振る。
 「いえ、気にしないでください」
  そう言ったところで「おとこのひと」の腕の中にいることに気づいて頬を赤らめる。
 「えっと...その」
  今度は頬が紅潮して良い言葉が思いつかない。
 
 「へえ、そういうことかい。お二人さん、はやく村にいかねえか?ヒメ達が来る前になんとかしてえ」
  
  背中から声をかけられる。駆鳳はどこか遠くを眺めるように空を見上げていた。
  何をはかっているのかは解らないいや、解っている。彼女ではない彼女は。
  仮面の下に眠る少女はそれを知っている。
 「傷は気にしないでください。それよりもこのようなものが」
  ふと見ると掌の傷はいつの間にか消え去っていた。いまのいままで血が流れていたとは
 信じられない綺麗な手。
  その掌にちょこんと白い固まりがあった。牙?いや、牙ではないこれが牙なら大きな動
 物かもしれないが。こんな牙は見たことがない。近いものがあるとすれば....
 「鬼の角でございましょう」
  その顔に少し苦しげな表情が浮かぶ。
  
 祇王より 方々へ
 
1998年02月24日:15時31分50秒
駆鳳 / 蒼
 どうした?惚れたはれたはしたこっちゃねえが、先遣として危険を取り除くのはやって置こうぜ。
 「只の夜盗に村が教われたってもねえようだしな。」
 危険を知らせるだけでもいいんだが、こいつらの力をはかりてえ。
 「もしかしたら、霊を相手にってこともありうるぜ。きいつけな。」

 駆鳳、琥珀と祇王に
1998年02月24日:15時17分21秒
駆鳳(眼赤)の警告 / 蒼
 バランスを崩したのか祇王が川に転げ落ちる。
 当然抱えられていた俺も落ちる。
 小犬の体では川から上がるのはちと面倒。
 すこしばかり”ちから”をつかい岸に飛び上がった。
 祇王も琥珀に引き上げられている。
 琥珀に抱きかかえられる格好になった祇王だが、どこか様子がおかしい。
 腕に刺さった何かを見ている。
 ・・・そして、俺の感覚も”ナニカ”を伝えて来た。
 「へえ、そういうことかい。お二人さん、はやく村にいかねえか?ヒメ達が来る前になんとかしてえ。」

 駆鳳(眼赤)より、琥珀、祇王へ
1998年02月24日:15時15分19秒
琥白 / ハリ=ハラ
「!」
 やはり、少しばかり勢いが強かったらしい。
 川から上がった祇王が、琥白の胸に飛び込んでくる。
 正確には、琥白が引き寄せた形だが・・・
「あ・・・いや・・その・・」
 真っ赤になりながら、弁明の言葉を捜す。
 そのくせ、祇王の身体を離すことに思いがいかないらしいのは御愛敬か・・・
 
  「角.......?」
 
「え?」
 祇王の呟きで、現実に帰る。
 見ると、祇王が掌を見つめている。
 
「どうしたんだい?祇王。」
 琥白も覗き込むと、其処には小さな傷が・・・
「大変じゃないか!早く血止めしなきゃ。」
 慌てて祇王を離すと、荷物を探り出す。
 
 だが、祇王の様子がおかしい。
 傷を見つめたまま動こうとしない。
 
「祇王?どうかしたのかい?」
1998年02月24日:15時04分45秒
「祇王」 / 夜光
  勢いよく引き戻される。
 「え、きゃ」
  ただ、残念なことに。琥白にとっては幸福なことかもしれないが。
  勢いが少しつきすぎたようだ。水から引き出されるだけでは慣性の法則は
 中和されることがなく。祇王の体がよりそってくる。
  暖かなぬくもりはどこか母のようで。けれどもその華奢なからだは確かに
 年頃の娘のもので。
 「痛っ」
  慌てて琥白の体を突き放そうとする。けれどその前に腕を痛みがおそった。
  川の中で何かに傷つけられたのだろう。鋭い傷が掌についていた。
  赤い赤い血の中に白い何かの欠片。
 「角.......?」
  無意識につぶやくような小さな声。琥白を突き飛ばすのも忘れしばし、それ
 に見入っていた。いや魅入られていた?
 
 祇王 より 琥白 へ
1998年02月24日:14時49分54秒
琥白 / ハリ=ハラ
「ああっ!大丈夫かい!?」
 慌てて駆け寄る。
 どうやら、びしょぬれにはなったが怪我はないらしい。
 
 ほっとして、祇王の求めに応じて手を伸ばす。
「しっかり掴んで・・・よっと!」
 勢いをつけて祇王を川から引き上げる。
 もっとも、祇王の体重に比べて、ちょっと力が入りすぎているような・・・
1998年02月24日:14時41分50秒
「祇王」 / 夜光
 「本当に。こんな所に村があるなんて」
  ほんわかとしたついつられて笑みを浮かべてしまいそうな笑みを
 琥白に返すと。ついっと視線を先に戻した。
 「さ、足下に気を付けて」
  細やかな気遣いを見せる琥白。それは鴉の抜け目なさななのかそ
 れとも自然な流れなのか。それは簡単には解らない。
 「ありがとうございます」
  琥白の手をとって、滑りやすい足下に気を付けて進もうとした矢
 先に....
 「あっ」
  祇王の姿は川の中に転がり込んでいた。
 「すいません、手を貸していただけますか?」
  少し照れたように祇王が琥白に手を伸ばす。
 
 祇王 より 琥白へ
  
1998年02月24日:14時26分59秒
琥白 / ハリ=ハラ
 先行が、森を出てしばらくした頃・・・
 
「おや・・・」
 前を歩いていた琥白が声を上げる。
「ご覧、祇王。あそこに村が見える。
 あそこの村で少し休むことにしようか?」
 
 琥白が示す方向・・・
 山間の谷間に、ひっそりと隠れるように集落が見える。
 街道から少し外れてはいるものの、そう距離はない。
 
「さ、足元に気を付けて・・・」
 
 祇王を連れてその村に向かう・・・
 その口元は、うっすらと微笑んでいる。
 
「誰かいるといいのだけれどね・・・」
1998年02月24日:14時15分18秒
「廃村」 / 夜光
  そこには誰かが住んでいる。耳をすませばほら聞こえてくるじゃないか。子供たちが
 駆け回る声も。にぎやかな昼の喧噪も。
 「今日のご飯は何にする?」
 「今日はいい魚が釣れたんだよ」
  日常がそこにはある。
  そこは谷間の小さな村。暖かな光に満ちた平和な風景。
  ただ、何か違うとすれば。それはそこにすむのは「人」ではないこと。ただ、それだけ。
 「今日はいい天気だね〜」
  老爺の声に子供たちが戯れる。
 「うん、いい天気だね。母ちゃんが外でたくさん遊んできなさいって」
  にこやかに答える子供。
 「気をつけるんじゃよ」
  老爺の声はどこまでも穏やかだ。
  おとなう者がいなければそれはいつまでもいついまでも続いたかもしれない。
  そう、いつまでもいつまでも.....
1998年02月24日:11時14分50秒
「夜業」予兆 / 夜光
 「私が悩んではいけませんか?」
  その顔は涙に塗れ普段の面影も遠い。まるで童女のような純粋で傷ついた表情。
 
 暗転
 
 「わかっているならおやめなさい。いつまでも昔にすがっていては前に進むことなんて!」
  どこか怒気のはらんだ声。けれどもそれはとても優しい。
  そのかんばせに一筋の涙が落ちる。
 
 暗転
 
 「死とは簡単にやってくるものなのですね。あなたは死なないと思っていました」
  それは虚空に投げ出される言葉。
 「けれど、私はいかなければなりません。それが約束でhしたから」
  その顔から涙の痕は消えなかった。
 
 暗転
 
 「然無様。お一人でお仕事をなさるのはずるうございます」
  快活に笑う少女がそこにはいた。
 
 曇天
 
 「お父様。いえ、無明様。お許しください」
  祈るように、謝罪するように立ち止まる。あたりを彩るのは緋と紅。
 「修羅となります」
  能面の様に美しき心無き刃が宙を舞う。
1998年02月23日:20時20分44秒
/ Dr.李
 暗黒の海の中を様々な光が駆け抜ける。
 
 目の前の強大な何かに向かって誰かが叫ぶ
 「おいらが相手だ!」
 
 手に槍を持っていた。
 「体が小さいからな、こっちの方がいいだろう。」
 あつらえたようにしっくりくる槍。
 
 「「私は紅・碧」」
 「「あなたを守護するモノ」」
 「「あなたとともに生きるモノ」」
 「「生きましょう、あなたが共にいる限り」」
 
 「結局、戦う理由なんて人それぞれさ。おまえはおまえだよ。」
 
 その時、神奈備は見た。
 深い海の底に輝く何かを。
 だが割ってはいることは出来ない。
 そうすれば、紫の深層心理に神奈備がとけてしまうから。
 紫ではなく、神奈備でもない、何かになってしまうから。
 
 声が聞こえる。
 「そろそろお戻りになられたら、姫様がじれておいでよ。」
 ちりーん
 涼やかな音を伴う声だった。
 
1998年02月23日:16時27分38秒
「断片・然無」 / みだれかわ枕
 神奈備の脳裏に浮かぶ、光景。
 これから起こりうる事象の、断片。
 
 
「これはこれは。わざわざおいでになるとは。それほど……拙僧が信用できませんかな?」
 僧の目前には、覆面をした武家が立っている。
 一言も発せず、覆面の男は背後に合図した。
 僧を取り囲む、シノビ達。
「さすがに、これは……冥土に送られるかのぅ」
 
 
 関所の役人を前に、僧は巻き物を取り出し、読み上げ始めた。
 彼の同行者は、その巻き物が白紙だと知っている。
 この僧、役人を謀るつもりなのだ。
 
 
「あの子供たちに、お主を会わせるわけにはいかんなぁ……命に代えても!」
 突き出した右腕には、大きな数珠が巻き付けられている。
 爆発する数珠。
 千切れる右腕。
 吹き飛ぶ君側の奸。
 
 
 然無。
 
 
 ええと、『役人を謀る』っていうのは、歌舞伎の『勧進帳』をやってみよう、ということです。源義経が京から奥州に落ち延びる際に、現在の石川県小松市にあった「安宅の関」を通過するため、武蔵坊弁慶が一芝居打ったという、故事に基づいています。詳しくは、それなりの資料をお調べ下さい。私も詳しいわけではないので。
1998年02月23日:16時26分35秒
「断片・さのえ」 / みだれかわ枕
 神奈備の脳裏に浮かぶ、光景。
 これから起こりうる事象の、断片。
 
 
「ふうん。あんたも、人並みには悩むんだねぇ」
 そう言って、女は目前の少女に、笑い返した。
 普段は豪快に笑う女だが、この時は、娘を見守る母のような、笑みだ。
 
 
 涙を流していた。
「話せるか? そんなこと、話せないだろ。くだらないことだって、あたしも判ってるんだ」
 涙、とまらない。
「判ってるけど……判ってるけど!」
 
 
「この、クソガキャ! 人の飯まで食っといて、なに言ってやがる!」
 満腹感に浸っている少年に向かって、獣が吠えるように叫ぶ。
「今日という今日は、絶対許さねぇ。三枚に下ろして、醤油つけて食ってやるから、そこ動くなっ!」
 
 
「おいおい、坊さん……ここまで来て、実は敵でしたって言うつもりかよ」
 目の前の、大柄な男。相変わらずの笑顔。
 
 
 さのえ。
1998年02月23日:06時48分02秒
ふう(嘆息) / Karma
 何か『深淵』の夢歩きみたいな書き方になったなぁ
 
 申し訳ありません<関係者一同
1998年02月23日:06時46分09秒
出会い、それとも・・・ / Karma
 「護りたいものがあるんだろう?」
 そう尋ねる男が居た・・・・・
 
 
 「妾には何も残らなかったのじゃ」
 そう呟いた少女が居た・・・・・
 
 
 「貴方の思う通りにすればいいのですよ」
 そう言って微笑んだのは誰だったろう・・・・
 
 
 「大丈夫。あたしが何とかしてあげる」
 彼女はそう言ってともに歩いてくれた・・・
 
 
 
 
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
 過去の残滓か未来の欠片か
 くるくるとただ何かが回っている
 狂々と・・・
 ただ狂々と・・・・
1998年02月23日:06時30分33秒
灯火 / Karma
 誰かが歩いている
 
 闇の中明かりも持たずに・・・
 
 
 その目には何が写っているのだろう?
 
 
 遥か遠く、そしてまたすぐ近くでもあるところに灯火が一つ
 
 その人影を護るように、導くように灯火が一つ
 
 
 気づいているのだろうか?
 気づいてないのだろうか?
 
 人影はただ歩き続ける・・・・・・
1998年02月23日:01時17分49秒
欠片 / ジョーカー
 「紫、刀の使い方を覚える気はないか?」
 
 それは旅の途中。
 
 「お前の友達は確かに強い。だがな、それだけに危なっかしいんだ」
 
 父親のような笑い。
 
 「護りたいものがあるんだろう?」
 
 ちらりと逸れる視線。
 
 暗転
 
 「色々と頭が痛いよ」
 
 苦笑する雷吼。
 
 「そう思わないか?眼赤」
 
 雷吼は猪口を傾け、眼赤はちびちびと小皿に入った酒を舐める。
 
 暗転
 
 「行けるか?」
 
 背中を預けた相手への確認。
 
 「・・・・・」
 
 返ってくる声は何故か聞こえない。
 
 「抜かせ、この程度じゃくたばらねぇよ」
 
 悪態だがどこか楽しそうだ。
 
 暗転
1998年02月23日:01時17分10秒
告! / Ray
 神奈備による未来予知をご利用なさりたい方はお急ぎ下さい。(笑)
 一応、2/24の夕刻以降には、『神託』を終えた神奈備の場面に移らせて頂きますので、その点ご注意願います。
 
1998年02月23日:01時00分12秒
断片 / ジョーカー
 月の元、どこかの道端での野営風景。既に紫、葉嬢は寝息を立て
 さのえ、眼赤も今は番ではないようだ。ただ雷吼だけが焚き火を眺めている。
 
 「さのえ・・・・俺は・・・」
 
 掠れてよく聞こえない。独白もいつしか終わり風景も霞んでいく・・・
 
 暗転
 
 「何故だ、何故なんだ!?」
 
 必死に問う雷吼。その相手は朧になってやはり見えない。
 
 「・・・・・・・・・・」
 
 相手が何かを言ったようだ。雷吼の顔が僅かに顰められる。
 
 「・・・・、俺は・・!」
 
 雷吼の叫んだ名前は聞き取れない。
 
 またも暗転。
 
 「なぁ、出来ることなら話してくれないか。何を悩んでいるんだ?」
 
 それはどこかの宿の一室。窓の外からは子供の笑い声、威勢のいい声。
 壁を通して聞こえる人々のざわめき。だがその一室は静かだ。
 まるで世界から切り離されたかのように。
 
 「なぁ、・・・・」
 
 やはり名前は聞き取れない。
 
 暗転
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