天羅万象掛け合い:修羅刀編 LOG 008
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天羅万象掛け合い所:修羅刀編の1999年09月30日から2001年12月23日までのログです。
2001年12月23日:01時13分34秒
宿場にて / 月夢
「なあ、きいたか?」
「ああ」
とある宿場、どんな時代であっても人は流れ、言葉は流れ着く。
「双方痛み分けだって?」
「そんな生やさしいモノじゃねーらしーぞ、双方半死半生、生きて帰った連中の方が少ないって話だ」
流れの商人たち、体が資本の彼らにとっては情報はまさしく命綱、自然と集まり、自然と情報がかわされる・・・それが本当に命取りな情報となり得るならなおさら。
「ただの一辺境にそこまで戦力傾ける意味があるのか」
「拠点というわけでもないだろうし、価値はあまりないんじゃないのか、それとも隠れたお宝でもあったのか」
「偶発的なものだろう、戦力がかち合って戦闘になだれ込んだんだろう、小競り合いはずっとあったんだし」
いくつかの推測が並べられ、商人たちが、これからさきについて予測を立てる・・・・・・彼らが思う以上に深い闇のなかに答えがあるとは知らず。
「見失ったと言うことですか」
夜具に身を包み、布団から半身を起こし、琴音がぽつりと呟く。
「はい、全線に張り付けてあったものたちからの連絡がすべて途絶えた隙に」
いくつかの薬草を煎じていた薬師が琴音に背を向けたまま、何事もないかのように答える。
「失策ですね」
「申し訳ございません、まさかこれほどの手際とも思わず、我が方にも手痛い損害となってしまいました」
どちらも声を荒げない、感情をださない、淡々とした会話、患者と侍医が日常的に行う会話と同じ調子で続けられる。
「生き残ったものたちの内、重要な役者は次々と幕の外に隠れてしまいましたか」
「はい、まるで示し合わしたかのように皆」
沈黙、薬草をすりつぶす音だけが流れる室内で、どこか遠くを見つめる。
「まだ足りない」
「は?」
初めて薬師の姿をしたものが手を止める。
「足りないのですよ、必要な駒が盤が成立しないのです」
琴音は誰に言うとでもなく、それだけを言うと疲れたかのように布団に横になる。
「捜索を続けてください、誰でも構いません、今回の盤で残った駒のどれでも、関わってしまったものたちに逃げ道はありません、今は離れてもいずれ帰ってきます、望む望まざるに関わらず」
「現在も引き続き行っておりますので時間の問題かと」
「お願いします、できる限り駒の所在を掴んでおいてください、まだ盤に戻ってきていない駒も含めて」
「今回の戦の後始末はどうなさいますので?」
「私の仕事ではありません、無能な指揮官の首の一つも飛んで決着が付くことでしょう」
戦の趨勢にはまるで興味がないと暗に口にする。
「いずれにしてもこれは序幕に過ぎません、本当の戦いはこれから・・・・もっとも戦などと呼べるものとなるのであればですが」
琴音が目を閉じると、薬師はその枕元に煎じた薬草を起き、部屋を出る、音も立てずに。
「勝ちも負けもなく、ただ血のみ流れるものを戦と呼べるか、か・・・・因果なもの」
薬師は影に向かい手を振ると、その影より新たな影が生まれいずこかに立ち去る。
「せめて王がとらても終わったときには盤面に残っていたいものよ」
一時の静けさは嵐の終わりではなく、嵐の前触れしか感じさせなかった。
ということで、後日談っぽくうやむやにしてみました。できるかぎり、なにがあったかとか対応できるようにしたつもりですので、思いついたらぽーっとひっくり返してください。
2001年12月18日:17時21分51秒
崩れゆく者達 / tomy
「ちぃっ」
襲いかかる敵兵を肉塊に変えながら、南雲のサムライ大将 鳳堂礼鎖は奥歯を噛みしめ唸る。
鳳堂の周囲に部下はもうわずかしか残っておらず、その周囲を数多くの鰐裔兵士が取り囲んでいた。
(くっ、俺とした事が…)
*
鳳堂率いる南雲サムライ隊は、完全とはいえないまでも越影がいるはずの本隊に奇襲を仕掛け、初手で幾千もの鰐裔兵を屠った。
だが、壊滅させた本隊には越影の姿はなく、逆にいつの間にか彼らを包囲するように突如姿を現した鰐裔の部隊から奇襲を受けてしまう。
ここまでなら、まだ鳳堂の計算の範囲内だった。
手痛い反撃を受けたとはいえ、鰐裔にも大きな損害を与えたし、敵の練度も知れた。あとは被害が大きくならないうちに退くだけでよかった。
彼の部隊にはそれだけの力はあったはずなのだ。…そう、修羅刀に惑わされる事がなければ。
鳳堂が違和感を感じ始めたのは、撤退を命じてすぐの事だった。
鳳堂の指令に対するサムライ達の反応が鈍い。
常ならば鳳堂の号令の下で一丸となって動いていたサムライ達は、目の前の戦いに目を奪われ鳳堂の声さえなかなか届かない。
一部の者が鳳堂の命令に従い動き出し、他の者達もそれに追従するように動き出すが、そんなノロノロとした動きでは鰐裔の包囲網を抜け出す事はとうてい出来ない。
鳳堂自身も迫る敵兵への対処に気を取られ、指揮も次第に滞ってゆく。
修羅刀の影響、鳳堂がそのことに気がついた時には、もはや南雲サムライ隊は散り散りになろうとしていた。
「修羅刀に惑わされるな! 各自散開して逃げ延びろ! 解ってるな、死ぬんじゃねぇぞ!」
崩れゆく部隊に対して鳳堂に出来た事は、そう叫び逃走を促す事と、まだ彼の近くに残った兵をまとめて脱出の指揮を執る事だけであった。
*
「あとちょっとだ。あとちょっとでこの包囲網から抜けられるぜ。てめぇら、気ぃ抜くなよ!」
混乱する戦場をようやく脱する事が出来る、そう彼らが確信したその時、鳳堂達の眼前に彼らの死が姿を現わした。
修羅刀とそれを握る黒きヨロイの形を借りて。
「修羅刀…、誘って、やがったのか」
2001年11月03日:00時17分38秒
破滅の刻 / tomy
「ここか、修羅刀が運ばれたという場所は」
小高い丘の上から、黒いけむりを上げながら未だ燃えさかっている街を見下ろしながら、南雲のサムライ大将 鳳堂礼鎖はつぶやいた。
そこに背後から副官の報告が入る。
「乱糸殿の遺体が確認されたと報告が入りました」
その副官の言葉に礼鎖は静かにうつむく。
「そうか…、まったく、親不孝の馬鹿息子どもが。親より先に逝きやがって」
礼鎖はしばらくの間考え込むと、配下のサムライたちに向かって声を張り上げた。
「おう、てめえら。今回の戦の目的は威力偵察だ。
命令違反をした馬鹿息子どもの弔い合戦なんぞ考えるんじゃねえぞ。
いいな、無駄死にだけはするな」
* * *
同じ頃、暗堵丸、修羅刀、そして鳳堂礼鎖ら南雲のサムライ隊の情報が越影の元に届けられていた。
「そうですか、ようやく南雲のサムライ隊が。ならば…」
ほんの一瞬考え込むそぶりをする越影。
「他の物は全て犠牲にしてかまいません。捨丸様を回収してくるのです」
* * *
そして、南雲サムライ隊と鰐裔軍が激突しようとする中、暗堵丸は修羅刀を手に一歩ずつ戦場へと近づいてゆくのであった。
2001年05月10日:21時37分41秒
沙夜 / tomy
忍びの放った術によって肌や着物を焼かれながら、式を暴走させた玄業の方を見つめる、沙夜。
(玄屋様と同じ過ちを犯しますか…)
玄屋の弟というのもあながち嘘ではないのかもしれない、沙夜はそう感じた。
「沙夜」
玄業が沙夜に呼びかける。
何を問われたかは分かっていた。
わずかにうなずく沙夜。
一瞬鵺に視線を向け、玄業の方に向かう。
(一時…、ほんの一時自由に暴れなさい。…全ての恨みが修羅刀の元に集う、その時まで)
2000年11月02日:00時08分48秒
玄業 / 月夢
「くっ」
それが形をなした瞬間、自分の制御をすぐにはずれたことを悟る。
それは純然たる殺意か、飢えか、言葉にしなくてもわかる者を込めて、こちらを向く。
(ちっ)
距離が近い、引くにも仕掛けるにもあまりにも近い距離、とられると思った瞬間、クナイがそれに突き刺さる、助けるつもりはなかったのだろうが結果的にそれが玄業の寿命を延ばす。
(今しかない!)
予想を上回る破壊力、一個の肉塊ができるまでに数瞬、戦闘の専門家たちですら一瞬事実を認識できなくなるほどの存在、少なくとも玄業とは比べるまでもないほどの危険物がそこにある。
「沙夜」
敵の目は引きつけられている、もっとはっきり言えば目を離せない、玄業は自分にそれの注意が向かないことを祈りつつ式を発動させる。
(頼むぞ、ごねるなよ、お前にはまだ生きてもらわないといかんのだ)
2000年10月26日:13時40分01秒
麗しき魔物の復活(その2) / tomy
その刀を手にするまで、夕霧は本当の意味で“こころ”を持っていなかった。夕霧の製作者(ちち)煉鵺は、こころなど教えてくれはしなかったから。
心珠刀…、後に修羅刀と呼ばれるその刀は、元々は夕霧が殺された煉鵺の仇を討つために陰陽刀鍛冶玄屋に打たせた永続式にすぎない…はずだった。
だが、煉鵺の仇…南雲の領主壬元典烈を討つために、刀を振るううちに夕霧は奇妙な“痛み”を感じるようになる。
自らが切り捨てた相手の感じる恐怖が、絶望が、憎悪が、苦痛が、夕霧の中に流れ込んでくるのだ。…手にした刀を通じて。
南雲の兵の血をすするうち、心珠刀はいつしか別のモノへと変化していたのだ。…修羅刀と呼ばれる妖刀に。
皮肉にも、夕霧は修羅刀によって初めてひとのこころに触れた。…恐怖と絶望と怨恨に満ちたこころに。
重かった。ひたすらに重く苦しかった。
触れたこころから押し寄せる闇の奔流に押し潰されそうだった。
そして刀から流れ込んでくるひとのこころの闇はいつしか夕霧を侵し始めていた。
そんな夕霧を支え、暖かいこころを初めて教えてくれた人物、…それが静弥だった。
2000年10月25日:04時00分16秒
退却 / 夜光
「やれやれ。お偉方の狙い通りになってしまったね」
大仰に大きく溜め息をつく。
「嵐武様これ以上ここにとどまるのは」
そう進言する従者の言葉に耳を傾ける。
「この子は私を傷つけたりしないよ。優しい子だからね。けど。そう、このままでもいけないね」
その口元にうっすっらと嫌な笑みが広がる。
「街へ行こう。お客人たちが待っているよ」
従者の少年を引き連れてゆっくりと歩み出す。兵達があふれ出てくるその方向へ畏れげもなく・・・
2000年10月24日:10時51分21秒
鵺(ぬえ) / tomy
「目を覚ませ!お前に体をくれてやる!望むだけ血をすすれ!!」
そしてソレは目覚めた。
ソレはまず目の前の男の血をすすろうと、身じろぐ、…が。
キンッ
男を狙ったものが逸れたか、それとも男の式を破壊しようとしたか、ソレと男を囲む忍びの放ったクナイがソレに突き刺さる。
食事を邪魔されたソレは、身を翻し忍び達に向かう。
「ぎゃぁぁっ」
ソレが軽く触れただけで忍びの肌は裂け、傷口はジュクジュクと膿み出し…、後には嫌な臭いを残した、とても人間のものだったとは思えない死骸が横たわる。
…殺戮の舞台の幕が上がった。
2000年10月24日:09時30分54秒
亜夜 / tomy
「知ってるか?……死んだ奴ってのは生き残った奴の
心の中で“絶対”になっちまうんだぜ」
知っているような気がする。
玄屋を失い沙夜を許せないと口にした琴音の姿を亜夜は目にしていたから。
…だが、それが何を意味し、どんな結果を招くのか、までは亜夜にはわからない。
「死んだ奴の無念ってのは生き残った奴を縛るんだよ。
特にそいつに思い入れがあれば尚更なぁ」
亜夜の脳裏に琴音や沙夜の姿が浮かぶ。しかし、亜夜にはその言葉が彼女達のことを指しているようには思えなかった。
「誰の…事」
亜夜は掠れた声でつぶやく。炎の言葉は、一般論や関りの薄い沙夜の事を語っているようには聞こえなかったから。むしろ…
「だがそれよりもだ。てめぇは何をしている?
妹を助けるにせよ、修羅刀を滅ぼすにせよ――
ここで死んだら只の寝言だ。お前の命を
奪おうとしている奴に何故抗わん?
それとも生き抜く気概すら無いか?」
それまでとは比べ物にならない力で締め上げられ、“殺意”そのものが叩き付けられる。
「だとしたら殺す。妹も、修羅刀も、母親も、全て置き去りにして死ね」
殺される…と感じた時、突如として未分化な感情の奔流が亜夜の内部から湧き上がる。不思議とその中に恐怖だけは存在していなかった。
熱くどろどろとした抑制の効かない、否、亜夜から全ての抑制を奪いとろうとするそれらの感情は、炎と亜夜自身と亜夜を取り巻く全てのものに対してその矛先を向けようとしていた。
それらの感情を何と呼んだらいいのか、亜夜にはまだわからない。だが、“憎しみ”とは異なるような気がした。…むしろ“悲しみ”に近いかもしれない。
「…勝手な事をいわないで」
亜夜は残された霊力を右手に込めると、首を絞めている炎の手に向けて放つ。
「私は…、あなたのために存在してるんじゃない」
亜夜自身はあずかり知らぬことだが、その激情に震える姿は煉鵺と戦った時の夕霧の姿によく似ていた。
tomy:ども、すっかり遅くなりました、tomyです。
色々悩みましたが、こんな風にまとめさせてもらいました。
亜夜の激情については、書いてる僕にもうまく説明できませんし、ましてや亜夜に自己分析出来ようはずもありません。とりあえず怒り+苛立ち+自己嫌悪+悔しさ+悲しさ+α、って感じですね。
亜夜が炎に反発したのは、炎の台詞から『亜夜と誰かの立場を置き換えたような』それでいて『炎の美意識で裁こうとするような』部分を感じとったからです。
僕もすっかり忘れてましたけど、“亜夜は鏡”ですから。
2000年10月07日:00時23分32秒
玄業 / 月夢
重低音とともに、体を強く打つ突風。それに巻き上げられる土塊が、玄業の体をはじき飛ばす。
「かはっ……」
数秒ほどの暗黒が意識を覆う。
「ぐっ……がっ………」
よろめきながら玄業がたち、当たりを見渡す。
「沙夜!」
目的の品の安否を確認、最悪、中枢だけでも回収する必要がある。
だが、周りはそんな悠長なことを許すはずもない、一気に片を付けるべきときを心得ている。
(ちっ…こうなれば)
時間がいる、それも逃げ出すのに必要なまとまった時間が、玄業は式札を一枚とりだし、そして懐に納めていたものにはりつけ、呼びかける。
「目を覚ませ!お前に体をくれてやる!望むだけ血をすすれ!!」
ということで心珠にはってみました、起きてください。ちなみに形はご自由に。
2000年09月29日:19時08分40秒
黒の暗堵丸 / tomy
グォォォォォッ
暗堵丸が吠える。
雄叫びとともに周囲の物に手当たり次第に力をぶつける。
アッ・ヂィィィッ
触手を喰い終えた後、暗堵丸は内部から湧き出る力の奔流に苛まれていた。
それを苛立ちとともに、周囲に撒き散らす。
ギンッ
修羅刀から、いくつもの巨大な気の塊が嵐武に向けて放たれる。
…が、嵐武がかわしたのか、照準が定まっていないのか、それらは一つとして嵐武に当たらず、周囲の地面や建物をえぐり取るに過ぎない。
暗堵丸も修羅刀も、喰った力を持て余し、暴走していた。
その暴走の最中、…誰か気付いた者はいるだろうか?
ちぎれた触手のほんの一部が、暗堵丸の体の亀裂から内部に入り込んだことを。
2000年09月29日:18時43分26秒
麗しき魔物の復活(その1) / tomy
永き永き夢の中…、
夕霧はたった一つの記憶を探していた。
夢から抜け出すための鍵となる記憶を。
何十年もの記憶の中からあてもなくたった一つの記憶を探すこと…、
それにはやはり何十年もの時間がかかる…、はずだった。
だが…、南雲と修羅刀をめぐる人々の意思は、互いにぶつかり合いながら運命を加速させ…、
夢の奥底に鍵への手がかりを運んで来た。
「……この気配は」
地の底から霊気を吸い上げる黒き刃の放つ気配は、闇の森の奥底にまで届いていた。
「修羅、刀…」
その言葉に幾つかの記憶が反応する。
そして…、彼女が追い求め、そして逃げ続けてきた記憶も、その中にあった。
2000年09月29日:14時41分18秒
沙夜 / tomy
沙夜の前に残る忍びは二人。だが、忍び達は沙夜を警戒してか、近付かず目を合わせぬ様に一定の距離を保っている。これでは、沙夜にも手の出しようがない。
そのうちに、玄業が沙夜の側にやってくる。…彼を牽制していた忍び達を連れて。
「…いけません、まだ」
せっかく数の優位を覆したのに、これでは補充されてしまう。しかも、一箇所に集まっては…。
ドーーン
沙夜と玄業のちょうど中間あたりで、突如爆発が生じた。
tomy:ども、tomyです。
玄業が沙夜の方に移動したため、まとめて爆雷包の術の標的になりました。
何とか、フォローしてね>月夢さん
2000年09月28日:00時13分51秒
炎 / ジョーカー
「知ってるか?……死んだ奴ってのは生き残った奴の
心の中で“絶対”になっちまうんだぜ」
首を締め上げる手とは裏腹に
炎の言葉は酷く静かだ。
「死んだ奴の無念ってのは生き残った奴を縛るんだよ。
特にそいつに思い入れがあれば尚更なぁ」
不意に腕に力が籠もる。片腕一本で
亜夜を吊り下げる。
「だがそれよりもだ。てめぇは何をしている?」
首を締め上げる手が熱を持ち、産毛をちりちりと焦がす。
「妹を助けるにせよ、修羅刀を滅ぼすにせよ――
ここで死んだら只の寝言だ。お前の命を
奪おうとしている奴に何故抗わん?」
みしりと骨が軋む。鳴ったのは首か、腕か。
「それとも生き抜く気概すら無いか?」
轟風と錯覚するほどの殺気が溢れ出る。
風すら凍らせる殺気が。
「だとしたら殺す。妹も、修羅刀も、母親も、全て置き去りにして死ね」
声は大きくもなく高くもない。
だが酷くよく通り、臓腑を重く撃った。
2000年09月25日:17時22分50秒
亜夜 / tomy
「お前の『止める』とは何を指す?」
「それは…」
炎の台詞に返す言葉が見つからない亜夜。
あの時沙夜と約束したことは、沙夜を守るために沙夜に殺されないこと。
…だが今はそれが全てではない。
「修羅刀がある限り止められず、修羅刀が無ければ止められる?
お前の妹は、自分自身の意志で、修羅刀を手にしたんだろうが。
賛同した訳だな。修羅刀を滅ぼした処でお前の妹の意志は変わるまいよ。
それとも何か、修羅刀が無ければ妹を力で押さえ付けられるとでも?」
(私は…)
沙夜の意志を否定して、沙夜に独り善がりな想いを押しつけようとしているだけなのだろうか?
炎の腕が自らの首に掛かろうとしても、心の迷宮に堕ちようとする亜夜には、それを受け止めることも避けることも出来なかった。
「ぅくっ…」
息が苦しくなる。頭が重く感じられる。
薄れゆく亜夜の意識の中で、一つの記憶が甦る。
亜夜はかすかな声でつぶやく。
「…違う。…それならあの時、沙夜は刀を止めなかった」
tomy:凄く分かりにくいと思いますが、
“あの時”ってのは、修羅刀が玄屋の作った幻覚に惑わされた時に沙夜が修羅刀を幻覚から覚まさなかった事で、
“違う”と言うのは『修羅刀を滅ぼしても沙夜の意志が変わらない』という言葉に対する否定です。
…しかし、肝心な所に答えてないな、この娘は。
2000年09月22日:23時44分29秒
玄業 / 月夢
式の早打ち、陰陽師である玄業に直接戦闘力は皆無である。一時的な時間稼ぎがこの状況では関の山。
幸いというか、当然というか、沙夜に戦力は傾いており、玄業の相手は片手間であるおかげで何とか凌いでいる。
(…………ちっ、逃げる機会をつかめんな)
式に迎撃をさせつつ横目で沙夜を見れば、すでに3人倒している。
(思ったよりやる、か、これなら)
飛行式を後ろ手に用意する。
周りを見渡す、見える範囲にいるだけとは限らないが、見えないところにいると言うことは初期動作が遅れると言うこと、式を一撃2撃盾にすれば逃げ切れないこともないだろう。
式の位置を徐々に変え、沙夜に少しずつ近づく。
(さて、もう少し頑張ってくれよ、私のためにな)
2000年09月19日:12時07分36秒
沙夜 / tomy
ゆっくりと、ゆっくりと、沙夜は荒地を進む。
周囲を見渡せる開けた場所までたどり着いたところで、不意に周囲に視線をめぐらす。
ひ、ふ、み、よ、いつ
姿を隠すことは無駄と悟ったか、5つの影が沙夜を取り囲む。
無論、これで総てではあるまい。
ヒュッ、ヒュッ、ヒュヒュッ
影から4本の鎖が放たれ、沙夜の四肢を捕縛する。
さらにそれだけでは不確実と考えたか、残る一人が印を組み、沙夜に向き呪言を唱えだす。
…その慎重さこそが余計だった。
沙夜は首をめぐらし、忍びと視線をあわせ、…ただ、静かに微笑んだ。
…どのような舞よりもあでやかな艶を秘めた微笑で。
忍びの顔が見る見る青ざめる。
「うわぁぁぁっ」
自らの命すら道具として使い捨てるはずの忍びが、恐怖に錯乱し、沙夜の方に向かって切りかかる。
沙夜がわずかに体をひねり、その刃をかわすと、狂える忍びはそのまま突進しつづけ、その先にあるものへ刃を突き立てる。…沙夜の右手を拘束していた忍びに向かって。
「なっ」
別の忍びがうめきをあげる。
わずかに自由になった沙夜の右手から、いつの間にかクナイが放たれていた。
「…まずは3人、ですね」
tomy:沙夜が使ったのは胡蝶の夢っす。内容がちょっと特別なだけで。
忍びは8人1チームで残り3人はバックアップと玄業への牽制をしている、というつもりで書きました。
2000年08月15日:23時42分16秒
天狼 / つきなみなつき
「いいんですか……本当に?」
亜夜を残していくことについては、流石に不満のようだ。
だが、天狼は亜夜の眼差しの中に、何か余人の踏み込めぬものを感じていた。
この娘には、並々ならぬ覚悟がある。おそらく、全て納得ずくのことだろう。
「かまわんさ。自分からどうしてもあの化け物を追いかける、止めても無駄と来たものだ。
これ以上付き合う筋合いもないだろう。
それよりも、早く街を出るぞ。だいぶ火の手が回っている」
ならば、今はより自分の力を必要とする方に助力するべきだろう……。
と、背中で微かな声が聞こえた。ついで小さく身じろぎ。
「……起きたか」
と、背負い直した応太が微かに声を上げる。
2000年08月13日:10時47分27秒
応太 / KID
ぼんやりと、闇に包まれていた意識が少しずつ明確に
なっていく。それと同時に、まだ完全には消えぬ痛みも
疼き出し、応太は思わず小さな呻き声を上げた。
「痛え……」
同時に、自分が何者かに背負われていることに気が付いた。
大きく、暖かい背中だ。応太が思い出したのは、幼い頃に戦
に駆り出され、そして二度と帰ってこなかった父親。
「くおぉぉん」
鋼が目を覚ました応太に気づいたのか、嬉しそうな鳴き声を
発した。
2000年08月12日:22時23分31秒
炎 / ジョーカー
「お前の『止める』とは何を指す?」
返す言葉は酷く静かだ。
「修羅刀がある限り止められず、修羅刀が無ければ止められる?」
ゆっくりと口にする。
「お前の妹は、自分自身の意志で、修羅刀を手にしたんだろうが。
賛同した訳だな。修羅刀を滅ぼした処でお前の妹の意志は変わるまいよ」
微かに冷笑が浮かぶ。
「それとも何か、修羅刀が無ければ妹を力で押さえ付けられるとでも?」
言い切るや否や、炎の腕が、亜夜の首へと伸びた。
#冗談や振りではなく掴みに行ってます。
#避けるなり捕まるなりご自由に。
2000年08月12日:17時14分37秒
亜夜 / tomy
「諦める?笑止だな。“俺”が護るものは此処にある。
諦める余地など何処にも無い。
ただ、お前を見ていると不思議でな。
手段と目的を取り違えていないか?」
「手段と、目的…?」
炎の言葉に困惑し、うつむきながらその台詞をただ繰返す亜夜。
自分が間違ったかどうかさえ定かではないままに。
「道を間違えれば幾ら駈けようとも
辿り付けはしないぞ」
そう言いながら、修羅刀ではない方に顔を向ける炎。
「手段は…、修羅刀を滅ぼす事。
目的は…、家族を、沙夜を、取り戻す事」
わずかに顔を上げ、上目遣いに炎の方を見やる。
「…沙夜が、いるの?」
おずおずと問いただす亜夜。
(…でも、)
「…でもきっと、修羅刀がある限り、私は沙夜を止められない」
しかし亜夜の口をついて出たのは、呆れるほど気弱な台詞だけだった。
2000年08月03日:01時00分11秒
アゲハ / 狂兵
「あら?」
急に背中が軽くなる。振り返ると、先程のサムライが立っている。
一瞬けげんな表情を浮かべるが、単に自分を気遣っているのだと気づき、表情を和らげる。
「まだ兵士の姿もあろう。その犬がサムライであろうと、護衛がそれだけでは危ないだろうからな」
そして、サムライは視線を背後の娘に向けてから取って付けたように言った。
「それに……俺ももう、この街に用はない」
つられてアゲハも振り返る。
「いいんですか・・・」
その娘からついと視線を外して、サムライに問いかける。
アゲハとしては、危険な場所にかよわそうな娘一人を置いていくのが、良いことだとは思えなかったのだ。
「本当に?」
2000年08月03日:00時41分07秒
天狼 / つきなみなつき
「娘。街の外まで送ろう」
そう言って、彼はアゲハの背から応太を取り上げる。
「まだ兵士の姿もあろう。その犬がサムライであろうと、護衛がそれだけでは危ないだろうからな」
それから、視線だけでちらりと亜夜を振り返る。
「それに……俺ももう、この街に用はない」
2000年07月25日:23時59分26秒
アゲハ / 狂兵
「・・・・・・困ったわね〜」
あらあらと言った感じでのほほんとつぶやくと、
アゲハは自分が膝枕をしてあげている、気絶した少年の顔を覗き込んだ。
傷口はアゲハが投与した再生蟲によって完全に塞がれている。が、少年の意識は以前として戻らなかった。
「なにがなにやらわからない間に大事になっている気がするし、
ここにいつまでも居ると危ないようなきもするわね」
「ねえ、犬さん。ちょっとこの町から脱出しましょうか?」
先程から、応太を心配そうに見ている犬に向かって訊ねてみる。
「うん。そうしましょ。危ない事は無理にするものじゃ無いわ」
よいしょと、少年を背負って立ち上がる。
「あら〜以外と重いのね〜でも大丈夫。世の中なるようになるのよ」
不安げにアゲハを見ている犬に向かってアゲハはそれだけ言うと、街の外に向かって歩き始めた。
2000年07月20日:16時05分28秒
思惑という糸が織り成す宿命 / tomy
鰐裔軍本陣内の某所
「修羅刀と暗堵丸が接触したですってっ!?」
忍びの報告に思わず声を荒立ててしまう怨麗。
「くっ、早過ぎる。せめて私の目の届く場所なら…」
あるいは、越影に捨丸と暗堵丸を預けたのは間違いかもしれないと悔やみつつも、今怨麗にできることは全てが何事もなく過ぎ去る事を祈る事だけだった。
*
やぐらの上にて
「なるほど…、予定は多少狂いましたが、その代わり怨麗殿の“切り札”とやらが拝見できるかもしれませんね。
“目”をそちらに向けておきなさい。何も知らされず、黙って怨麗殿の捨て駒にされるのも芸がないですからね」
修羅刀を暗堵丸が手にしたと報告を受けた越影は影に向かいそう命じた。
彼とて全ての事象を知りうるわけではなく、全ての運命を操る事もまた出来ない。…彼自身がそう望んでいないがゆえに。
*
凶風の向こう側
“それ”は永い永い、もしくは一瞬の時を“そこ”でたゆたっていた。
“それ”は“そこ”でたゆたいながら、ただ1つを望んでいた。
帰還。
“それ”がかつて存在していた場所への帰還を。
まれに、“そこ”と“それ”がかつて存在していた場所とが繋がる事があった。
だが、“それ”が裂け目を抜けて向こう側に行くことはかなわなかった。
器無きがゆえに。
器を失いしがゆえに。
ゆえに、裂け目より向こう側を望む事しか出来なかった。
だが、今“それ”は見付けた。
“それ”に近しい存在、“それ”が利用しうる器を。
“それ”は“そこ”と外とを繋ぐ裂け目の方に、その存在の一部を向け伸ばした。
*
炎と凶風の舞う中で
「今。君とその刀に融合して貰うわけにはいかなくて
ね。それでは私が祖父に叱られてしまう」
何処とも無く現れた青年が暗堵丸の方に向かって刀を振り下ろす寸前、実体を持たぬ何かが触手のように暗堵丸と修羅刀に絡み付く。
刀が振り下ろされるとともに、少女のよって生み出された裂け目は閉じ、こちら側に現れた部分は本体と分断される。
だが、その状態になっても“それ”は執拗に大太法師と修羅刀に絡み付き、その内に潜り込もうとする。
ウヲォォォォォッッ!!
暗堵丸は“それ”に向かい、あるいは修羅刀を振るい、あるいは自らの口で喰い千切ろうとする。
その存在を賭けた戦いが火蓋を切って緒とされた。三者は互いに喰い合い、主導権を得ようとする。
そして勝ち残ったのは……。
*
どことも知れぬ場所にて
闇…
闇があった。
一切の光は無く、それがどこなのか、その闇がどこまで続くのか、誰にも想像できない。
………、
闇のただなかにほのかなあかりが灯る…。
面。
面だった。
蛍のごとき淡い光を自ら放つ面がひとつ、ふたつ、みっつ、……。
……いつのまにか数え切れぬほどの面がその場に集っていた。
それらの面は、特徴なき印象の薄い顔つきと口元に浮かべたわずかな微笑は一致していたが、それ以外はまるでバラバラだった。
老人、子供、男、女、中には鬼の面までも混じっている。
「ご覧頂いた通りです」
突如陰陽師の面の方から言葉が発せられる。
「近しき存在は引き合い、強きは弱きを喰わんとす、か」
武将のごとき面から厳格そうな低い声が響く。
「まことに。核を失っても存在し続けている事、主なくしては存在できぬ事、修羅刀と大太法師が一つになりせば、かの存在によく似ておりまする」
白拍子の面から柔らかい女のものとおぼしき声が届く。
「ようやく、アレの尻尾を掴めたということですね」
童の面から少年特有の甲高い声が聞こえる。
「これで怨麗があんの妖刀にこだわっていた理由も、大太法師を作った理由も明らかですなぁ」
農夫の面から間延びした声が形作られる。
「この程度でわたくしたちを欺こうなどと、愚かな事ですこと。それを明らかにした功は見とめましょう。…なれど、あの地上に現れた一端はどう処理するおつもりでしょうや?」
奥女中の面から陰陽師の方に向け、中年女性の声で問いがぶつけられる。
「ご心配なく。いかに力を得ようと、大太法師は大太法師。贄を失えば存在は出来ませぬ。そして修羅刀単独ではあれを支える事など出来ません。再び事象の裏側に引き戻されるのみ」
再び陰陽師方から言葉が発せられる。
「我々はただ待てばよいのです。怨麗があれと同じ事を南雲城で起こすつもりなのは明白であるがゆえに」
「よかろう、後は君に一任する事にしよう、刻凪の面よ」
最後に老人の面がそう締めくくると、一斉に周囲の面から光が消える。
そして突如明かりが灯り、そこには陰陽師の面を付けた男だけが残されていた。
「だが…、一つだけ気がかりが残りますね。彼女はあれだけの業を背負いながら未だにアレに乗れるのでしょうか?」
最後に誰にも聞こえぬ呟きを残し、男もまたその場から姿をかき消した。
tomy:えっと、おそらく今までで最大のネタバレの回です。情報を手に入れられる立場の方は、有効活用してください(爆)
2000年07月20日:15時28分31秒
炎 / ジョーカー
「諦める?笑止だな。“俺”が護るものは此処にある。
諦める余地など何処にも無い」
何を指し示すことなく、炎は立っている。
「ただ、お前を見ていると不思議でな。
手段と目的を取り違えていないか?」
その静かな目に亜夜が映っている。
「道を間違えれば幾ら駈けようとも
辿り付けはしないぞ」
ふと炎は目を離し、ある方向へと顔を向けた。
修羅刀が消えたのとは違う方へと。
2000年07月20日:12時22分30秒
亜夜 / tomy
「そうか。ならば勝手にするがいいさ
この街ももうおしまいだ。俺も炎に巻かれる前に立ち去るとするよ。
せいぜいあの妖刀に食い下がってみるんだな」
サムライは冷たくそう言い放つと、亜夜に背を向ける。
「そうしてください。あなた方まで巻き込まれる必要はないのですから」
亜夜はそう言い放つと、サムライの反対側、修羅刀と太法師の向かった方へと立ち去ろうとする。
その言葉は天狼だけでなく、応太やアゲハ達にも向けられていたのかもしれない。
「本当に、必死だな、娘」
呼びとめる言葉に足を止める。
その声を発したのは、あの時に森で出会った男。
「全てが無駄だとは思わないのか?
修羅刀を折れば全てが上手く行くと思っているのか?」
そう語る男の口調には、悪意も皮肉も感じられない。それゆえに亜夜の心を深くえぐる。
「…そんなの、そんなのわからない、…知らない。
でも…、だからといって、だからこそ…、あきらめたくない」
亜夜は、苦しげに偽りなく本心を語る。
「そう言うあなたは…、もう、諦めてしまっているの?」
炎の口調の中に何かを感じ取った亜夜は、最後にそっとそう付け加えた。
tomy:この期に及んで他のPC遠ざけ様としてどうすんだこの娘(苦笑)。
しかし亜夜ではこれ以上は無理よのぉ…(^^;
みなさん、制止は推奨って事でお願いします(自爆)。
2000年06月15日:03時05分48秒
巡りし輪の中 / 夜光
街の中。
少女が凶風を吹き荒せし場。
そして、アヤカシの力持ちしヨロイの来る場所。
そこに彼らはふらりと現れた。
雅なる姿はそのままに。刀を携えし侍従たる少年を引き
したがえて。
「越影くんもなかなか面白い趣向をこらしてくれます
ね。それともこれは怨麗嬢の思惑かな?」
雅たる姿をした青年は口元に笑みを浮かべながらも無
造作とも言える歩調で妖ヨロイ。暗堵丸へと近づいてい
く。その所作にはためらいというものが欠如している。
そして侍従たる少年の持つ刀をすらりと抜き放つとそ
れに強烈な念を送る。
その刀は総珠でできた式である。だが、彼が念を込め
るとそれは一瞬にして効果を発揮し微塵に消え去る。
「今。君とその刀に融合して貰うわけにはいかなくて
ね。それでは私が祖父に叱られてしまう」
圧倒的な霊力に支えられた法術が。少女が崩した空間
をまっさらなものへと変えようとする。
陰陽師 嵐武 より 妖ヨロイ 暗堵丸へ
2000年06月11日:23時34分47秒
絶えぬ炎 / ジョーカー
「本当に、必死だな、娘」
ふいに第三者の声がする。
倒れた応太の介抱をするアゲハの前に
声の主は立っている。
天狼にとっては見知らぬ、亜夜にとっては
僅かに一度、あの時に見掛けただけの男。
「全てが無駄だとは思わないのか?」
着流しに中背、中肉の平凡な姿。
ただ目だけが不思議な光を湛えている。
鋼のようで柔らかさを持つそのような。
「修羅刀を折れば全てが上手く行くと思っているのか?」
2000年06月06日:15時51分54秒
天狼 / つきなみなつき
「そうか。ならば勝手にするがいいさ」
意識して冷たく、天狼は言い放つ。それは、むしろ自分に言い聞かせるように。
「この街ももうおしまいだ。俺も炎に巻かれる前に立ち去るとするよ。
せいぜいあの妖刀に食い下がってみるんだな」
そして彼は、亜夜に背を向け、歩き始める。
2000年05月12日:17時03分40秒
亜夜 / tomy
「今は、追うな。どのみち、追いついたとてその傷では何も出来まい」
亜夜を抱きかかえたサムライは制止の言葉を放つ。
「こんな…、こんな傷なんてたいした事じゃない。私は、私は行かなきゃならないんだからっ!」
亜夜が珍しく激昂したかのようにきっぱり言い放つ。…天狼の知る由も無い事ではあるが。
「沙夜を、妹を救い出せるのは今しかない。それにぐずぐずしていると、時間を稼いでくれてる迅雷さんの身だって…」
後半部分は既に間に合わない事を亜夜はまだ知らない。
亜夜は痛みに構わず四肢に力を込めると、天狼の体を突き放すような勢いで立ち上がる。
「見ず知らずの私を手当てし、心配して下さった事には感謝します。でも、私を止めても無駄ですから」
亜夜から天狼へ
2000年05月01日:00時31分07秒
天狼 / つきなみなつき
「…っ、いけない修羅刀を、修羅刀を止めないと」
助けた少女は、目を開くなりそう呟いた。
「修羅刀?」
この娘も、あの凶刃を追う者か。だが……
「今は、追うな」
ヨロイの去っていった方角を一瞥してから、亜夜を抱き起こす。
「どのみち、追いついたとてその傷では何も出来まい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
えー、長らく止めてしまって申し訳ありません(^^;
それと、アゲハと応太はほっぽる形になっちゃいますがご了承下さい(^^;
2000年04月22日:14時49分51秒
闇を啜る刃 / tomy
「ココ、カ」
暗堵丸は瓦礫の山の中の少し開けたところに立ち止まった。
それに応えるかのように、手にした刃がわずかに震える。
「喰ラエ、ゾン・ブンニ」
暗堵丸は修羅刀を地面に向かって突き降ろす。
漆黒の刃は地面ではなくその上…、何もないはずの虚空に突き刺さる。
ゴキュッ、ゴキュッ
何かを啜る様な音と共に、修羅刀は律動を始める。その刀身はいつのまにか一回り、二回りと大きさを増していた。
「ぁ…、暗堵、丸っ」
先ほど暗堵丸が亜夜に斬られた傷口は今だ塞がってはいない。
その中からはわずかに少年のうめき声が響く。
その声は修羅刀を握った直後の苦しげな感じからは幾分和らいでいた。
…まるで、もうすぐ目覚めるかのように。
tomy:暗堵丸の傷が癒えてないのも、捨丸の苦しみが和らいでいるのも、暁光が刺さった時に修羅刀の力を少し中和したってことで。
2000年02月28日:14時31分10秒
追記 / 月夢
追っては名もない雑魚なので、好きなように書いてかまいません。
アーキレベルでも、モブレベルでも、考えてる展開に沿ったレベルで。
2000年02月28日:14時28分43秒
玄業 / 月夢
「恨まれたものだな」
琴音のことも、その因縁も話には聞いていたが、かなり根の深いものであると改めて実感する。
(どうする?このまま振り切れるか?)
沙夜そのものが大事なわけではないが、このままもし、ここで舞台をおろす事になってしまえば、いわれた筋書きを大幅に書き換えることになる。
もしかしたら、上の人間にはそれすらもまだ予測のうちなのかもしれないが、その変更後の筋書きに玄業が載っている保証はない。
(どうする?)
ちらりと沙夜を見る、沙夜も次の手を計算するような表情をし、沈黙を守っている。
(私と沙夜だけで切り抜けられるか?せめてこのガラクタが動けば別だがな)
いかに無敵といわれる金剛機といえど、心珠だけではいかんともしようがない。
「では、お暇するといたしましょう」
悩む玄業が答えを出す前に、沙夜がポツリと呟く。
「……いけるのか?相手は忍だぞ、覚悟だけで切り抜けさせてくれるほど甘くは無いはずだ」
玄業は陰陽師としてはそれなりの腕ではあるが、陰陽師ゆえにもともと実戦向きとはいえない、沙夜とて刀は使えるとはいえど、修羅刀のないいま、どの程度のものであるか。
(修羅刀でもあればな、いや、ないからこそつめてきたのか、くっ、ええい、全てに計算を狂わされる………いや、待て、修羅刀か)
玄業は心珠に目を落とす。
(…………式の永続化か……)
2000年02月26日:14時03分27秒
亜夜 / tomy
「…ぁっ」
傷口に軟らかな暖かさを感じ亜夜が目覚める。
「…ここは…」
目前に見知らぬ青年の姿を見留める。
「…あなたは…」
その時不意に意識が明瞭になり、亜夜は本来の目的を思い出す。
「…っ、いけない修羅刀を、修羅刀を止めないと」
亜夜から天狼へ
2000年02月26日:13時44分13秒
黒の暗堵丸登場 / tomy
ドドーン
すがのが火事場泥棒に没頭していたその時、すぐ近くから爆音が響き火の粉が舞い飛ぶ。
倒れてくる戸なりの家屋に押し潰されるかのように、すがのの居る建物が崩れ始める。
………
命からがら建物から逃げ出したすがのが見たものは、漆黒に染まった一体の大きなヨロイだった。
そしてすがのの立つその場所こそ、昨日名も知れぬ少女が姿を消した場所だった。
2000年02月26日:13時14分20秒
沙夜 / tomy
「琴音だな」
「どうする?修羅刀が手元にないならいきなり殺されることはないだろうが、捕まってみるか?そうすれば」
「これの体の材料ぐらいは融通してくれるかもしれんぞ」
「御冗談を」
一言で否定する沙夜。
「琴音様が私のために何かするなどあり得ませんわ。
するふりぐらいならなさるかも知れませんが」
残された選択肢は二つ。玄業に託して逃がすが、共に逃げるか。
『お前は知らぬ。愛するものを失った悲しみも、愛するものを奪われた怒りも』
『お前はそれらを知らねばならぬ』
不意に狂気の剣士の言葉が甦る。
「では、お暇するといたしましょう」
玄業に声をかける沙夜。その口元にはかすかに苦笑が浮かんでいた。
護ることを知らなかった人形は、今確かに何かを護るために動き出していた。
2000年02月11日:02時22分53秒
優しさ、或いは愚かさ。 / つきなみなつき
「……脆弱な!」
やっとの思いで呪縛を脱して、天狼は己の未熟さを叱咤する。
一人の少女が修羅刀の犠牲になるのを、見ていることしかできなかった己の弱さに、腹が立った。
少女に駆け寄り、そして何処へと去っていくヨロイに鋭い視線を向ける。
(今ならまだ……追いつける……)
考えていた時間は、僅か。
「今日はほとほと、人助けに縁がある」
呟いて、彼は少女……亜夜を抱きかかえた。
そして、手から彼女の体にそっと”紗”を送り込む。
(……そうだ、応太とあの少女は?)
応急処置を終えると、天狼は背後を振り仰いだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
真オニなので「ミグ」使えます。我ながら卑怯っぽいです(笑)
達成値は4です。
2000年01月24日:23時23分44秒
『火事場泥棒、駆け回る』 / みだれかわ枕
「割と溜め込んでるところ、多いねぇ」
嬉々として、すがのは修羅場と化した村を駆け回っていた。
火事場泥棒、である。
明らかに人の道理に背いた行いだということぐらいは、わかっている。
だがすがのは、躊躇わない。
生きるためには、どんなことでもする。
だから、今まで生きてこれたのだ。すがのはそう考える。
そう。
だから、今まで生きてこれたのだ。
この銃鎗が、その証し。
そしてあたしはこれからも生き続ける。
「しっかし……むちゃくちゃだねぇ」
無茶苦茶なのは、これからなのだが、すがのもさすがにそこまでは予想できなかった。
2000年01月23日:23時51分21秒
玄業 / 月夢
「あいにく私の専門ではないがな、まあ、基本で良ければ知らぬことはないし、その筋の知り合いもいるが」
一通りの確認をする、人と違い、この状態からでも直すことは可能といえば可能である。
「まあ、新しい体さえ整えてやれば、戻せるだろう」
沙夜のほうを振り返ると、視線が遠くを見つめ、一言つぶやくように言う。
「…その前に、どうやら私に用のある方がいらっしゃったようですが」
その一言で状況を把握する。
「琴音だな」
戦場の側、ただでさえ人目に付きやすい沙夜とともにいるのであるから、一般の兵士などである可能性もあるが、ここまで巧妙に気配を隠せる相手で、しかもわざわざこちらを見張っていると成るとその可能性は薄い。
「どうする?修羅刀が手元にないならいきなり殺されることはないだろうが、捕まってみるか?そうすれば」
心珠を手に取る。
「これの体の材料ぐらいは融通してくれるかもしれんぞ」
2000年01月22日:20時27分49秒
禍災越影 / tomy
「首尾はどうか?」
越影は戦場と化した街をやぐらより一人眺めながらどこともなくつぶやく。
「街より避難した生存者は三千あまり。住民のおよそ6割に当たります。そのほとんどが負傷しておりますが、半数以上は南雲の領地までたどり着ける模様」
姿は現れぬものの、どこともなく返事が舞い戻る。
「ふむ、予想以上に生き残ってくれましたね。僥倖です」
越影が述べると同時に次の報告が入る。
「水路の破壊と塩の散布は終了しました。焼き払いは少々遅れている模様」
「急がせよ」
越影が命ずるとともに辺りに再び静寂が戻る。
「さて、あの成りあがり者どもはどう対処するつもりかな?」
含み笑いとともに越影は南雲の方角に目をやった。
2000年01月22日:00時49分05秒
沙夜 / tomy
一人のサムライと一体の金剛機の戦いの跡。
そこには血に染まった骸と、バラバラに砕け残骸と化した塊が転がっていた。
だが…、
「まだ…、生きて、いや、死に切れないのですね」
沙夜は残骸の方に手を伸ばす。四肢と翼は失っても“彼”の心珠と明鏡はまだその機能を失ってはいなかった。
「…彼を直せますか?」
視線を玄業に向ける沙夜。
「…その前に、どうやら私に用のある方がいらっしゃったようですが」
草原に潜む気配を沙夜は敏感に感じとっていた。
2000年01月22日:00時17分11秒
亜夜VS黒の暗堵丸 / tomy
黒く輝くヨロイから発せられる圧倒的な殺気。そこから生み出される恐怖によって亜夜は身動きすらできなくなっていた。それは周囲の者達も同様のようであった。
漆黒のヨロイは亜夜達に目もくれず緋色の刀に砲門を向けると、轟音とともに撃ち抜かんとする。
しかし…、緋色の刃は砲弾に弾かれ、赤き光を発しながら宙を舞う。
(…動ける)
暁光の発するきらめきによって恐怖というの名の呪縛から解き放たれた亜夜は駆け出すと宙より舞い降りる暁光を掴み…、
「はぁぁぁぁぁっ!」
そのままの勢いで暗堵丸に振り下ろす。
ガギッ
嫌な音がして赤い刀身が黒く染まった装甲にめり込む。
だが…、
ザシュッ…
暗堵丸はそれを意に解した様子もなく、漆黒の刃を少女の体に叩きつける。
…ドカッ
「…ぅ」
吹き飛ぶ亜夜。
それを視認すると、暗堵丸は漆黒の巨体を再び劫火に染まる街に向ける。
…修羅刀の本来の目的地に向かって。
tomy:というわけで、修羅刀の必殺の一撃くらっちゃいました。
良かったら誰か癒してね〜(笑)
2000年01月13日:01時42分41秒
緋の刃 / ジョーカー
鋼に情は無く、畏れもまた持ち合わせない。
だが刃は人の手にある物、人を補う物。
自ずから動く事は、無い。
避ける事も受ける事も叶わない。
轟音を前にただその身を晒す。
しかし持つ者のいない刃は折る事も難しい。
轟音、その渦の中に澄んだ音が紛れた。
くるくる、くるくると緋色の微光を放つ刃が宙を舞い
その場の者達の目に残像を焼き付ける。
意趣返し、と言う奴だ
“声”が荒れ狂う巨人に届く。
斬
一際強い赤光が放たれ、地を撫で天を裂く。
断ち切られる物の名。
それは静寂。
#今現在暁光は宙に舞ってます。すぐに落ちてきます。(笑)
#誰の目の前かは先着順つー事で(笑)
1999年12月25日:10時45分01秒
黒の暗堵丸 / tomy
暗堵丸の畏怖の力によって、周囲には束の間の静寂が訪れる。
ガコン
そして黒き力に飲み込まれた暗堵丸は、ゆっくりと制神砲の砲身を向ける。
…先ほど周囲の霊魂を成仏させた今現在もっとも修羅刀にとって邪魔な存在、暁光に向けて。
「セーシンホー、ハッシャーーーッ!!」
1999年12月22日:11時38分53秒
琴音 / 月夢
「戦線は?」
「かなりの混乱をきたしているようです」
「そうですか」
お互いの中央から離れた辺境での一戦とはいえ、今まで小競り合いだけでくすぶりつづけたものが一気にたがをはずされることになったのだ、少々の混乱は予測のうちと言える。
「この一戦どちらが勝っても初戦は痛み分けに近い形になると思います」
「そうでしょうね」
あえて勝者を挙げるのであれば、それは修羅刀か、それとも招いたものか。
「どちらにしても私は戦の勝敗には興味はありません、邪魔にならねば良いのです、どうなのですか?」
「それが、少々問題が」
伝令用に高速飛行用の式が消える前に早口で伝えたことを思い出しながら自分の雇い主に向かい、修羅刀の現状を報告する。
「……大ヨロイまでも出てきましたか、ずいぶんつぎ込みましたね」
「この一戦を足がかりに、一気に進攻するつもりなのでしょう、とにかく、今近づくのは得策ではないかと」
考え込む琴音、確かに大ヨロイの間合い内に踏み込めば砲の流れ弾の被害だけでもただではすまない。
「亜夜さんは?」
「まだ、そばに」
「沙夜は?」
「どうも修羅刀よりは離れているようです、探させますか?」
頭のうちで状況と能率を計算する、ある意味これは喜ぶべき事態かもしれない。
「人手をそちらに向かわせてください、修羅刀からはなれているなら拘束することも可能でしょう、修羅刀のほうは大ヨロイのそばにいるのであれば見失うこともないでしょうから」
「わかりました」
雇い主の言葉に答え、飛行用に特化した式を伝令に飛ばす。
「少し休んで、私もすぐに向かいます、それまでに沙夜の位置を補足して置いてください」
「ご自分でお捕まえに?」
「必要とあれば」
冷え冷えとした声で簡潔に琴音が答える。
「沙夜にはいろいろ借りもありますから」
1999年12月14日:17時10分47秒
抗い切れぬ感情 / つきなみなつき
地の底より響くが如き咆吼。
「これは……!」
ヨロイだ。異形のサムライの手から抜け飛んだ修羅刀を、ヨロイが握っているのだ。
「修羅の刀よ……なおも狂気を振りまくか!」
叫び、天狼は奥歯を食いしばる。
心に溢れる激情とは裏腹に、本能的に恐怖を感じた体は、前へと進むことを許してはくれなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【意志力】低いので1成功です。というわけで天狼は動けません(苦笑)
1999年12月13日:19時23分30秒
黒の暗堵丸、咆哮 / tomy
凶々しき気が修羅刀から暗堵丸を通して捨丸に流れ込む。その力によって、捨丸の傷は次々に塞がってゆく。
「くぁっ…」
だが意識の途絶えた捨丸は、いまだ苦しみの表情を浮かべている。
…まるでそれは癒しではなく、決して死を許されぬ呪のごとく。
*
ギロリ
暗堵丸は修羅刀を手にした時に一度閉じた目を見開き、一同に視線を向ける。
…狂気に彩られた視線を。
「オォォォォォォッ、コ・ロ・スーーーッ。ステマルウバウモノ、キズツケルモノ、ジャマスルモノ、ミンナコロスーーーーーーッ!!」
その咆哮は聞く者全ての魂を凍り付かせる程の狂気に満ち溢れていた。
tomy:暗堵丸は“畏怖”の妖力を使いました。心力〈意志力〉で難易度5に成功しないと、視野から暗堵丸が去るか攻撃を受けるまでの間、身動きが取れなくなります。
1999年11月22日:03時57分22秒
そして断ち切るモノ / ジョーカー
応
矢の様に宙を切り裂く暁光。向かう先は
崩れ落ちた若きサムライ。その魂魄は遊離し
修羅刀の誘いに答えようとしている。
我は断ち切るモノ。諸々の陰陽、斬れぬモノ無し
放たれた刃は段々と減速するどころかより加速する。そして速度に比例し
その赤光は輝きを強めていく……
鈍
鈍い音。鋼が肉を切り裂く音、鋼が肉に突き立つ音がする。
そのサムライの鳩尾に暁光は突き刺さり、そして刹那。
煌
赤光が黒を、修羅刀の魔力を塗り潰す。
その光は街の何処からでも見えた。
そして矢に倒れた者。刀に斬られた者。火に巻かれた者。
尋常ならざる存在に操られ命を落としその生を終えた者達の亡骸から
小さな燐光が、一つずつ。それはしばし彷徨った後、ゆっくりと天へと昇っていった。
不思議と、その貌は、安らかに、見えた。
暁光
1999年11月15日:01時35分00秒
亜夜 / tomy
暁光が動き、炎の壁を切り裂く。
その間を走り抜ける亜夜。
(…間に合う?)
だが、そんな淡い期待は目前で打ち砕かれる。
疾風のごときサムライ犬 鋼の攻撃によって黒きサムライは倒れ、その魂は今にも修羅刀に吸いとられそうだ。
「もし間に合うのなら…、かの者に慈悲を」
亜夜は暁光に向かいそうつぶやくと、サムライの亡骸に向かって暁光を投げつけた。
亜夜から暁光へ
1999年11月08日:10時37分47秒
そして“それ”を手にする暗堵丸 / tomy
「ウヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲォォォォォォォォォォォッ!!」
捨丸が傷ついた悲しみに、我を忘れて暴れる暗堵丸。
その足元に先ほどのサムライが手にしていた刀が転がってくる。
その子を助けたくはないか?
ならば
我を手にとるが良い
暗堵丸は首をめぐらすと、足元に転がる刀を静かに手に取った。
そして、暗堵丸の姿がゆっくりと黒く染め上げられてゆく。
1999年11月08日:10時23分10秒
崩れ落ちる黒きサムライ / tomy
ずしゃっ
不気味な音と共に、サムライの喉の肉がごっそりと切りとられる。
カランカラン
その手の刀は持ち手を見捨てたかのように遠くに転がってゆく。
がくっ
サムライは膝をつき、倒れる。
喉笛を喰いちぎられたため、断末魔の声を上げることすら出来ずに。
その身を覆っていた黒い“何か”はいつの間にか消え、サムライの姿は本来のものに戻っていた。
tomy:え〜とルール的には正しいんですけど〜、応太の方がPCで鋼ってNPCじゃなかったんですか?(爆)
鋼が気合いを稼いで、割り込み以外に気合いを使うのって何か納得できないです(爆)。それに今回は必殺の一撃を喰らったところで、気絶すれば何とかなったわけですし(苦笑)。
1999年11月05日:11時48分32秒
黒き一閃 / KID
鋼が跳んだ。
血飛沫を纏いながら、まるで一本の矢のように鋭い音を発しながら。
狙うは、男の喉笛。
(コロスーー!)
その時、鋼の目に映ったのは、あまりにも無防備とさえ思える男の
姿。だが、もう止まれない。憎しみに突き動かされるまま、鋼は男
の喉元に牙を突き立てた。
ーー!
鈍い音が響く。命が断ち切られる、証の音が。
<格闘戦闘>は6個成功。それに修正を加えても・・・ダメージは10点
しかいきません!! というわけで気合を6点消費して成功度を2上昇、
何とか12点のダメージを与えておきます。
・・・ルール間違えてないよな・・・?(最近、天羅やってない〜)
1999年10月28日:02時45分40秒
切り開くモノ / ジョーカー
前に進むか
焔を前に暁光が語り掛ける。
ならば一時、力を貸そう。我はその為に打たれし牙
握られたままの暁光が勝手に動く。下から、上へ。逆袈裟に。
割
音もなく、焔壁に筋が走る。吹き飛ぶでもなく、消えるでもなく。
静々と割れていく、開いていく。まるで障子のように。
開かれた道、その先に幾つかの影。一際巨大な―ヨロイだろうか?―影も見える。
我が名は暁光、汝が望み補うモノなり
無感情な声とは裏腹に放つ光は暖かく、亜夜の疲れを癒やしていった。
1999年10月27日:20時01分30秒
亜夜 / tomy
「…だめ」
つぶやく亜夜。
「修羅刀の憎しみに操られて、人を傷つけて、自分も傷ついて、…そんなの駄目」
その瞳が潤んでいるのは、煙にやられたためか、それとも修羅刀を手にした哀れなサムライに妹の姿が重なるからか。
「止めなくては」
歯を喰いしばり、駆け出す亜夜。だがその眼前には未だ炎の壁が立ち塞がる
「せめて安らかな眠りを。…修羅刀に喰われたりせぬように」
1999年10月22日:01時40分22秒
語り掛けるモノ / ジョーカー
瓦礫の中、太刀を杖代わりに歩む亜夜。
姿は満身創痍。その歩みは酷く遅い。一時は気絶すらしていたのだ。無理も無い。
だが、それでは間に合わない。
修羅刀はずっと先にいて、贄を求め猛っている。最早使い物にならぬ身体を捨て
新たな宿主を得ようと目を光らせている。だが、これでは追い付けまい。
そして立ち塞がるのは亜夜と修羅刀を隔てる距離だけではない。
戦の最中、放たれた火。それがじわりじわりと拡がっていく。
行く手を、阻んでいく。この脚では火の手からも逃げられまい。
亜夜の心に絶望と名の付く光が差し込もうとしたその時。
杖にしていた太刀、数年前に暁雲から貰い、そして今も修羅刀に反応し
刃鳴りを続けている暁光が、その緋色の刀身がうっすらとした赤光を帯びる。
突如視界が激変する。
いつの間にか自分は家屋の屋根に立ち、崩壊していく街を眺めている。
そして破壊を撒き散らしながら修羅刀が自分の方へ向かって来るのが見える。
視界が切り替わる。
今度はいつの間にか自分は地面に降り立っている。ただ。平生より視点が幾分高い。
そして目の前で、修羅刀と、一人の少年そして黒い大きな犬―所々珠が埋め込まれている。
サムライ犬だろうか?―が対峙している。少年がこちらを向きなにやら激昂しているのが見える。
その向こうで犬が修羅刀に飛び掛かり、小枝のように吹き飛ばされる。
再び光景が変容する。
先程の少年と犬に加え、大柄なサムライと一人の少女が修羅刀と対峙し
其処に巨大な影が現れる。サムライが斬り掛かり…修羅刀が何かを撒き散らし
少年が、犬が、少女が血に染まる。そして其処で視点が元に戻る。先程と同様に亜夜は
太刀を杖に瓦礫の中に立っていた。
これが今起こっている事
鋼のような、そんな“声”が亜夜の脳裏に響く。多少馴染んだ感のある暁光の“声”だ。
見過ごすか?娘よ
暁光
1999年10月20日:19時10分45秒
黒きサムライの残り火 / tomy
憎悪の瞳で自らに迫る鋼に対し、サムライはゆらりと身構える。
…まるで、受ける気も交わす気もなく、ただ相討ちを狙うかのように。
tomy:というわけですので、以前の公約どおり、「必殺の一撃」宣言です。
今度は死亡ゲージが埋まってるし、耐えられないかも。
12点以上のダメージなら、暗堵丸の方に向かって修羅刀が弾き飛ばされます(爆)
1999年10月20日:18時58分01秒
暗堵丸、暴走!? / tomy
暗堵丸が制神砲を撃とうとした直前、一つの礫が暗堵丸の身を通り抜ける。
「あ”っ…」
うめき声をあげる捨丸。
「ド・シ・タ・ス・テ・マ・ル?」
そう尋ねる暗堵丸自身は蚊に刺されたほども感じていない様だ。
「なん、でもないよ、それ、より、制神砲、発射…、だ」
「オーッ、セーシンホー、ハッシャーーーッ!!」
…だが、
ギィィィィィィィン
弾丸は弾かれ、大きく軌跡を変えて彼方で爆炎をあげる。
「…どう?」
「ハ・ジ・カ・レ・タ」
「…そう、ざん…、ねん…」
「ス・テ・マ・ル? スーテーマールー!?」
暗堵丸の体の、…ちょうど捨丸のいる位置から、暗堵丸のものでない血が流れ出していた。
「ウアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッ!!」
1999年10月19日:11時50分53秒
怒れる牙 / KID
修羅刀を持つ人間が、黒い礫を放った。
本能的に危険を察知しながらも、サムライ犬・鋼の動きはわずかに鈍かった。
礫は身体中を掠めていく。かろうじて大きな傷は負わなかったが、黒い毛並みは
既に血と砂に濡れている。
そんな時、何かが倒れる音がした。見た先にはーー応太。主人たる少年の血の
匂いが鋼の元まで嗅ぎ取れる。
その瞬間、鋼は吠えた。
「ウオオオオォォォォォンッッ!!!」
憎悪が、失っていた力を呼び覚ます。鋼は主人を傷つけた者に向かって、再び
襲いかかったーー!
鋼の回避は成功度5。軽傷に3点、活力に2点のダメージです。
1999年10月16日:14時08分35秒
狼は牙を納めない / つきなみなつき
「チィッ!」
確かな手応えを感じた瞬間、天狼はバッと身を離した。一瞬遅れて、サムライが黒い礫を放つ。
完全に回避することは不可能と瞬時に判断し、彼はダメージを最小限にくい止めることに努めた。
生地の蒼と返り血の赤黒が混ざった衣が、かすめていく弾丸によって千切られていく。
「……往生際が悪いぞ、悪鬼」
ドサッ……。
「!?」
目だけで音のした方を仰ぐと、血塗れになって倒れる応太の姿。
(応太ッ!?)
と、少女が応太に駆け寄る。血の痕はあるが、傷は既にふさがれている……。
「あの娘、蟲使いか……?」
少女の表情が、応太を助けようとしていることを彼に伝える。
天狼は、両手の刀を握り直すと、アゲハに声なき声を送った。
<その少年を、頼む>
二人と修羅刀の間に立つと、彼は構える。
修羅刀の遥か後方に現れた一機のヨロイを、視界に納めながら。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
敏捷12、回避初級で3個成功、判定はちょっと手間省くため手元でやりました。
ダメージ内約は活力5点、軽傷2点。「ちょっぴり痛い」って程度です。
次の行動は、修羅刀がまだ活動状態にあるなら斬りかかります……が、 そろそろ制神砲が来るかな?(笑)
1999年10月14日:22時46分27秒
アゲハ / 狂兵
「くっ!」
鈍い衝撃がアゲハの身体に伝わる。
異形のサムライから放たれた無数の弾丸は、
アゲハの周囲を護るようにして舞っていた蝶達を貫き、
アゲハ自身へも到達していた。
腹、肩、右大腿部を貫いたその箇所から、勢い良く赤い血が噴き出す。
「ううぅぅ....」
硬質化したその礫を、痛みをこらえながら抜き去ると、次の瞬間、幾筋もの細い糸のようなものが傷口を縫合してゆく。
再生蟲・・・・蟲使いが傷口を癒すために使用する蟲だ。
その糸のような蟲は、傷口を塞ぎ終わると、徐々にアゲハの皮膚に同化していき、
そして、先ほどまであった傷口とともに、消え失せた。
(・・・・ありがとう・・・・・)
口には出さず、自らの体内に住む友達にむかって語りかける。
傷口が塞がり、周囲を見回す。と、あの少年の姿が目に映った。
動かない.....動かない.....
今の攻撃で致命的な打撃を受けたのかもしれない。
(治療しなければ・・・・)
アゲハは、面と向かって敵がいるにも関わらず、異形のサムライから注意を外し、少年に向かって駆けはじめた
1999年10月14日:12時04分53秒
駆ける少年 / KID
男ーー天狼の刀が蒼い光を放ちながら、黒きサムライの心の臓目がけて
振るわれる。応太の目には、その攻防はほとんど分からなかった。ただ
確かなのは、天狼が叫んだ言葉だけ。
「応太、今だ!」
その声に押されるように、応太は飛び出した。傷だらけの鋼に向かって。
しかし、次の瞬間。
「アガァァァァァァァァッ!!」
凄まじい咆哮と共に、無数の礫が放たれた。鋼の方に視線を向けていた
少年には、満足に避ける余裕はない。
どんっっーー!
「く・・・はっ・・・!」
重い衝撃。込み上げる不快感ーー気がつくと、応太は地面に倒れていた。
「あ・・・れ?」
立ち上がろうとして、気がつく。脇腹から、真っ赤な血がどくどくと
流れて土に黒い染みを作っている。
「あ・・・」
行かなきゃ。鋼を助けなきゃ。
そう思っているのに、身体は動かない。動けない。
(おいら・・・死ぬのか・・・?)
ぼんやりと、そんな考えだけが浮かんだ。
応太は回避の成功度が4だったので、6ダメージくらいました。
で、重傷に1、軽傷に2、活力に3割り振りました。
うお〜、すげえ痛い(笑)。
1999年10月13日:21時34分52秒
燃え尽きようとする黒きサムライ / tomy
天狼の刃は、確実に黒きサムライの心臓を貫いた。
………だが、
「アガァァァァァァァァッ!!」
黒きサムライの体からいくつもの穴が開いたかと思うと、そこから無数の礫(つぶて)が放たれた。
tomy:黒きサムライは死亡ダメージを食らいました。
すでに鋼の一撃を致命傷で食らってるのに耐えられませんって(爆)。
換えのボディが到着してくれたし(爆)、修羅刀は“彼”を見捨てました。
お返しに応太、アゲハ、天狼、鋼、ついでに暗堵丸に射撃サムライが行きます。成功度は10。弾をばらまいたのでダメージボーナスはないです。
1999年10月11日:20時14分02秒
閃く太刀 / つきなみなつき
「はああああっ!」
天狼の抜いた太刀が、刀身を現すと同時にほの蒼い光を帯びる。まるで燃え上がるように。
右手の刀で、喉を狙ってきた修羅刀を逸らすと同時に、相手の肉に太刀を埋め込む。
「お前ほどの刀ほどではないがな……一族に伝わる霊刀だ。とくと味わえ!」
そして、後ろを振り仰ぐ。
「応太、今だ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ダメージは差分値4+武器修正8(太刀+妖刀)+二刀の1で13点ですね。効くかどうかは知りませんが(笑)
1999年10月01日:14時08分50秒
修羅刀と黒きサムライ / tomy
「私は、私を取り戻す為に、あなたに挑みます」
誰に対する言葉だったであろうか? その言葉とともにアゲハの周囲には紅蓮の蝶が舞っていた。
黒きサムライはそれに気を取られまではしないものの、わずかにそちらに反応する。
その隙に横合いから、式によって巨躯を膨れあがらせた別のサムライ、天狼が切りかかってくる。
「ゴァァァァァッ!!」
黒きサムライは姿勢を崩しながらも強引に修羅刀で迎え討つ。その切先を天狼の喉元に向けて…。
tomy:黒きサムライは知覚14で<白兵戦闘>中級です。
>切り返しで負けた場合、右手の刀が折れると先に言っておきます(笑)
残念ながら、部位狙いで急所を狙います(爆)ので、それはないです。修羅刀が手加減するなんて変でしょう?(笑)
6成功でしたので、多分切り返せなかったとは思いますが。
1999年09月30日:12時00分14秒
沙夜 / tomy
「そうそう、一つだけ言っておくが現在修羅刀は戦闘状態にはいっているぞ、足止めかけた連中がいるからな」
「…そうですか」
沙夜はあえて何も答えない。いや、返すべき言葉を持たないのかも知れない。
「…あそこです」
そして戦場後に残されていたものは…
tomy:乱糸といおりんの戦いの結果がわからないので、ぼかして書きました。
…乱糸死亡、いおりん大破ぐらいですか?>Rayさん、夜光さん
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