天羅万象掛け合い:修羅刀編 LOG 005

天羅万象掛け合い所:修羅刀編の1998年07月26日から1998年10月01日までのログです。


1998年10月01日:20時06分42秒
平穏の終り / tomy
「飯炊いて、味噌汁作って目刺し焼くくらいだからなぁ。
どれかやってくれればいいや」

「はい」
亜夜はそう答えると迅雷に続いて宿に入る。
「おはようございます」

飯炊きをする亜夜。

そして皆があさげを終えようとする頃…、昨夜と同じように、刀が、震えた。
1998年10月01日:19時16分18秒
捨丸 / tomy
「あぅっ、もう皆さん進軍なされています。僕はどうしたらよいのでしょう」
暗堵丸の足元でおろおろしている捨丸。一応領主の子のはずなのに、やけに腰が低い。よほど母親の身分が低かったのだろうか?
その時ちょうど越影の姿を見かける。いつもは何となく雰囲気が怖いので話しかけられないのだが、こういう時は、怨麗がいない以上、越影に聞くより他はない。

「おっ、おはようございます、越影様」
かなり緊張して話しかける捨丸。
「あの、僕等はまだ出ないで良ろしいのでしょうか?」
越影に恐る恐る尋ねる捨丸。僕等とは無論捨丸と暗堵丸の事だ。

捨丸から越影へ
1998年10月01日:17時02分43秒
緋翼 / tomy
「…にい、さん…」
森の出口まで戻った緋翼。だが乱糸は金剛機と必死で戦っている。
「…だめだ、今集中を乱したら…」
それこそ兄の命取りになる。
「ふふっ、仕方ないか…」
わずかに口元に笑みを浮かべると、懐に手を入れ一枚の血に染まった式札を取り出す。
「これを使ったら、もう2度と起き上がれないだろうな。…父さん親不孝ですみません…兄さん、父さんの事頼みます」
そう言い残し式札を起動させる緋翼。
式札は大きな鳥の姿と化し、修羅刀の突き立った緋翼をその場からできる限り離すように運んでゆく。その先には…亜夜達のいる街があった。

「街」の面々へ
1998年10月01日:12時04分02秒
「先駆け」 / 夜光
 「あの街をおとせばいいんですねい?越影様」
  早馬の使者から書面を受け取る。それを一読した絶地の顔に笑みが浮かぶ。残酷で残忍なたぐいの笑み。
 だが、その笑みにはどこか無邪気な子供の笑顔と共通したものを感じる。
 「どういたしますか?絶地様」
  越影八刀の一振。その筆頭と目される絶地にたいしては兵たちも自然と態度を変える。
 「決まってるさ。騎馬兵隊を集めな。それと珠兵隊を歩軍は楼刃にでも任せておきな」
  号令一下。伝令兵が各部隊に散る。
 「騎馬隊続け。珠兵隊後詰め。歩軍は後から来い!」
  整然とした隊列を組騎馬隊が走り出す、その先頭を飛び行くはサムライを起動させた
 絶地。
  軍靴の音が鳴り響き。戦の音が近づいてくる。戦乱の幕開けは目前に近づいてくる。
 大道具も舞台もすでにととのっている。あと足りないのは役者だけ.....
 
 
 鰐裔軍 より 「街」におられる方々へ
1998年10月01日:11時26分17秒
「魔」 / 夜光
 「愚か者が.....」
  南雲城地下。ほんの一握りのものしか知ることのできぬそこにそれはいた。
 
 おぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉおぉっぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
 
  何かを求めるように響く声、それは怨嗟の声というにはあまりに悲しく、そしてあまりに寂しい。
 「絆はたたれたのだ。先に約を違えたのはむこう」
  
  ヂャリ
 
  巨大な金属同士がこすれあうようないやな音が響く。それは狂ったヨロイをつなぎ止めるための縛鎖。それを用いられてまで
 閉じこめられているのだそれがただ人であるわけもない。その頭部に飾られたそれはまさしく角。人でなきもののあかし。人に
 近く人でなきもの。異質故に人に追われ、その優しき心故に滅びをまたねばならぬもの。
  すなわち。鬼。
 
 おぉぉぉぉぉぉぉ おぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
 
  悲しくすすり泣くように響く思い。鬼なればこそ肉の耳をとじても心の耳の聞こえてくる。
 「悲しみは当然なれど、我らは管理者それを忘れることは許されぬ」
  血を吐くような魂を削るような言霊がそこには宿る。
  その想いがつもりつづけるのならばやがてこのような小城など塵芥ものこらぬとも思わせるような
 激情。それは人のもてる限界を教えるもの。修羅へ至る道を開く鍵。
 
 (そうだ、我らはまだ、管理者なのだ、この大地を見捨てることはできぬ。大地を救うためならば大地の意志
 の導きならばこの命に未練はない....)
  そのようなことを考える鬼の心に一人の小さな少女の姿が思い浮かぶ。必要とされ生まれてきたのに道具と
 してみなされ、親の愛を受けることのできなかった娘。かつての自分と同じ....
  かつての自分?
  疑念が走る。馬鹿なという想いが浮かぶ。記憶が二重写しになったかのように定まらぬ。
 (私の記憶がつくられたものだとでもいうのか....いやつくられたものではない....馬鹿なともに真実である
 など。あり得ぬ。まさか、あのお方の戯れか.....これは!!!)
  
  ジャギン!!
 
  体中の筋肉が張りつめる。城の石垣さえ簡単に破壊できそうな膂力を誇ってはみてもあの老人が心血注いで
 用意した城の封印牢。南雲の城を一撃で壊す気でなければ抜け出ることもかなわない。
 
 「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
 
  その日、南雲の城に不気味な雄叫びが響いた。それはこれから始まる戦乱が人の世のものでは
 なくなることを告げているかのようであった。
  
1998年09月30日:00時45分22秒
琴音 / 月夢
「あそこの領主は無能だがその重臣 禍災越影は切れ者だ私とて戻ってこれない可能性が低くはないからな」
 その言葉を残して男の気配が消える。
「己の腕を売れない忍ですか」
 慎重であることは美徳なのかもしれないが、自分の腕を二流三流と宣伝しているようなもの。
「二十年は長い時間のようですね」
 二十年もの時間が有れば最前線の兵士も入れ替わる、そして国は発展と落ち着きと引き替えに牙を徐々に失っていく。
「過去の南雲は知りませんが昔の評は当てにはならないようですね」
 それが琴音の正直な感想だった、確かに南雲の兵士の練度は高い、だが戦いに常に身を起き続けた二十年前ほどの強さはない。
「下馬評ほど南雲有利というわけには行かないでしょうね………」
1998年09月29日:11時35分50秒
「忍びの者」 / 夜光
 「わかった。だが、これ以上は期待しない方がいい」
  その声はどこかくぐもっている。先ほどまでの自信に満ちた声とは微妙に違う。
 「あそこの領主は無能だがその重臣 禍災越影は切れ者だ私とて戻ってこれない可能性が低くはないからな」
 
 忍びの者より 琴音へ
1998年09月23日:00時50分20秒
琴音 / 月夢
 餐魔の報告を聞いた後に琴音がもう一カ所に式をおろす。
「報告聞きましょうか」
 
「…………そうですか」
 一通りの報告を聞き終わると契約通りの金を渡す。
(餐魔の報告と重なりますね)
 表情こそ変えないが2つの報告を琴音が重ねる。
(使えるかもしれませんね)
 今のところ琴音の手元には決定打と呼べる物がない、どんな些細なことでも手は打っておく必要がある。
「相手の狙いがわからないのが気になりますね」
 少し考えた素振りを見せた後に話を続ける。
「その件についてもう少し踏み込んで調べてください、礼はいつも通り、情報次第では上乗せいたします」
 
 琴音より 影へ
1998年09月22日:23時57分14秒
琴音 / 月夢
 扉をひき空ける手を止め、口元に持っていくとしばし考え込む素振りを見せる。
「………認識不足でしたね、どうやらおとぎ話だと思っていたのは私の方ですか」
 袖に手を入れると琴音はもう一袋取り出して放る。
「なかなか興味深い話でした、あなたの情報にそれだけ上乗せいたしましょう……ただそのかわり引き続き調査をお願いします、もし相手に修羅刀を折れる明確な展望がある用なら伝えてください」
 必要があるなら自分が動くということも考えたが口にすべき内容ではないと判断して閉じる。
(迂闊な発言は命取り)
「では引き続きお願いしましたよ」
 琴音は何事もなかったかのように外に出ると式を再び打つ。
「色々やることが増えましたね」
 
 琴音から餐魔へ
1998年09月22日:15時39分21秒
報告その三 / タイガ
 「彼女は今は怨麗と名乗っているが、南雲の姫だったころは、『壬元麗』と呼ばれていた」
 いったん言葉を区切る。
 「怨麗は、南雲の領主が竜神から授かったといわれている。
  そして、何故か怨麗はあの時、つまり修羅刀が二度目に世に出た時、修羅刀を求めてあの場に居た。
  お前も知ってのとおり、龍なんてのはそう出てくるものじゃない。
  『竜神に授かった子供』が龍の居た現場に現れた。
  それだけでも十分あやしいとは思わないか?
  そして、なによりも。
  『怨麗に付けた筈の”しるし”があの竜神にあった。あの”しるし”は特別なもので、
   信じられないが、同一人物でない限りありえない』
  という証言も有る。
  どう思う?
  これでもとるに足らぬ相手だと思うか?」
 
 「饕魔」より「琴音」へ
 
 とりあえず。こんなもんでどうでしょ?>月夢さん
1998年09月22日:09時26分53秒
re:忍びの者 / 夜光
  この忍びの者は例の玄屋ネットワーク(爆)の関係者ということにしてあります。
  基本的に仕事に忠実な人間であり現実主義者であり、「仕事」という側面においては
 信用できるでしょう。
  ただ、彼が調べたのは鰐裔の同行であり「基本的に」怨麗の情報は彼にとってはつい
 で程度のものです。
1998年09月22日:00時24分18秒
琴音 / 月夢
 琴音が足を止める。
「龍?」
 それはあの場にいた人間だけが知っている内容。
「………どういうことです?」
 龍などそうそう出る物ではないはったりというには出来過ぎている。琴音はあの場にいた人間たちをざっと思い出す。
「どうやら詳しい話を聞いた方がいいですね……なにものです?」
 
 琴音から餐魔へ
1998年09月21日:07時14分44秒
報告その二 / タイガ
 出て行こうとする琴音に笑いを含んだ声音で声をかける。
 「所が、ただの落ち武者と言うわけじゃないし、修羅刀をおとぎばなしと思ってるわけでもない。
  ……この間修羅刀が暴れた時、『龍』が現れたのを知っているか?
 
 「饕魔」より「琴音」へ
 
 やっべ。やっぱおれって報告する才能無いのかな〜
1998年09月21日:02時34分59秒
琴音 / 月夢
 まず先に餐魔の方から、餐魔には探らせる前振りあったけど、夜光さんのほうは琴音が餐魔とは別に探らせていたと判断していいのかな?
 
「鰐裔の目的は南雲城で修羅刀を暴れさせること、だそうだ」
「もっとも、顔見知りとはいえ、流れの人間に軽く明かしたことだから、真実かどうかははかりかねるな。 それからあの国に南雲の姫さんが居るのも事実だ。聞いた話が事実なら、彼女が南雲に恨みを持つ理由も納得が行く。 もともとヨロイ乗りで、捨てられたらしいからな」
 そこまで黙って聞いていた琴音が口を挟む。
「それが事実なら交渉する価値もないですね」
 興味をなくしたように琴音が言う。
「もう少し考えがあるかと思いましたが、ただのヨロイ乗りの落ち武者ですか……その程度のものとは少し神経質に成りすぎたようですね」
 ただ南雲への復讐心に駆られた人間では危険を冒してまで連絡を取る必要はない、その気になれば南雲に恨みを持つものなどいくらでもかき集められるし、旧南雲の残党とて時間はかかるが見つけだせないことはない。
「いらぬ手間をかけさせましたね、また何かあったらお願いしますよ」
 琴音が背を向ける。
(南雲を恨んでいるかどうかなど私には関係なきこと、修羅刀を倒す手札になり得ないので有れば好きにすればいい)
 この時点で南雲の姫の話を琴音は破棄することに決めてしまう。
(老の情報も意外に当てにならぬということですか、それとも私を引っかけるためにわざと流したか………どちらにしても時間を無駄にしてしまいましたね)
 修羅刀が動くまで時間がない、確たる理由はないが琴音は直感的にそれを感じている、自分が南雲が亜夜が、その他多くの流れが動き出しているのだから。
(手札は多いに越したことはありませんが南雲を敵に回してまで抑える必要はないでしょう、むしろ現段階では修羅刀の脅威と状態を把握している南雲のほうが役に立つはず)
 怨麗のことについての情報に欠けている琴音はそう判断してしまう。
「修羅刀をおとぎ話としか理解ができぬ物では使い道はありませんからね」
 琴音は扉に手をかけるとそっとそう呟いた。
  
 
 琴音から餐魔へ
1998年09月18日:21時26分40秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「何かって言われてもなぁ。」
 少し困ったような顔をする。
 「飯炊いて、味噌汁作って目刺し焼くくらいだからなぁ。
 どれかやってくれればいいや。」
 そういって、宿に入る。
 
 「よぉ、おはようさん。」
 
 >宿の中の人たちへ
1998年09月18日:01時23分12秒
ちょっと状況教えて / 月夢
 >夜光さん、タイガさん
 報告はどういう形になってます?二人が同時?それとも時間と場所がばらばらにうけたほうがいいの?
1998年09月17日:22時36分06秒
亜夜 / tomy
「さて、飯でも作るか。腹が減っては何とやらだ。」

「あの…、私にも何か手伝えませんか?」
手持無沙汰というのもあったが、それ以上に、頼り過ぎるのが良くない事に思えたからだ。

亜夜から、迅雷へ
1998年09月17日:21時02分29秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「おう、まぁ、そんなところだ。」
 そういって、亜夜の姿を見る。
 「そっちは朝稽古かい。せいが出るねぇ。」
 笑いかける。
 どことなくそよ風を彷彿させる笑い方だった。
 
 「さて、飯でも作るか。腹が減っては何とやらだ。」
1998年09月17日:14時34分40秒
報告其の一 / タイガ
 「鰐裔の目的は南雲城で修羅刀を暴れさせること、だそうだ」
 何の修飾もなく、聞いたことをそのまま伝える。
 「もっとも、顔見知りとはいえ、流れの人間に軽く明かしたことだから、真実かどうかははかりかねるな。
  それからあの国に南雲の姫さんが居るのも事実だ。
  聞いた話が事実なら、彼女が南雲に恨みを持つ理由も納得が行く。
  もともとヨロイ乗りで、捨てられたらしいからな」
 
 「饕魔」から「琴音」へ
 
 つくづく思ったこと。
 情報集めにせよ、報告にせよ僕は向いてないらしい(^^;)
 
 それに大丈夫なんかこんな風に話して(爆)
1998年09月17日:11時44分52秒
忍びの者 / 夜光
  深い霧はすべてを閉ざしすべてを隠す。曖昧なその中ではすべてが夢か幻のように思えてくる。
  薄明るい早朝の陽光は闇を払うよりも霧と相まって幻想的で幻惑的ですらある。
 「もう少し積んでくれるとありがたかったのだが。これも契約か」
  幻想的な早朝の霧の中に影が差す。
 「鍔裔の領主の目的は単純至極。この南雲の領地を我がものにせんとする俗物的な考えよ。いつ
 の世でも権力を握るものの姿は変わらぬな。そしてひとの欲に限りなきことも」
  あきらめたような達観したような不思議な感情がその声音には込められている。
 「そして、君にはこれの方が重要だろう。その戦争をあおっているのは先の南雲領主の娘。今は
 怨麗と名乗っている陰陽師に関してだろう。我々が調べた限り。彼女の行動は前領主を追い落と
 したこの南雲のものに対する復讐であると考えても特に問題はないように見える。だが、これは
 ある筋から流れてきた情報だが。彼女はそれと同時にこの地に眠る何かを目覚めさせる気らしい
 それがなにであるかは畑違いである我々にはわからぬがな」
  そこまで一息に話すと影は言葉を一度切る。
 「契約とその仕事量ではこれで十分だと思うが?」
 
  霧の中の影 より 陰陽師の娘 琴音へ
1998年09月17日:11時17分26秒
「名無きもの」 / 夜光
  まず一人。
  彼女は自らの過去と対峙するための道を選び自らの内奥へと旅だった。彼女が答えを得たとき。
 彼女はまた戻ってくるだろう。それは時と運命が定めしもの。けれども選び取ったのは彼女自身。
  そしてまた一人。
  その心に消えぬ炎の灯火を焼き付けたものも自らの道を選び取った。
  けれどもそれは彼しか知らぬ道。他のものには予測すらできぬであろう。
  そして、この森を預かるものも虚空の彼方へと去っていった。かのものにはかのものの理由が
 あるのであろう。ましてや人の世は人がその道を選ばねばならぬのは必定なのだから。
  故に少女は虚空のただ中に残された。
  母の胎内にいるような安らかな寝顔と無邪気な微笑みをそのままに。
  彼女はこの難しい知恵の輪のすべてをしっているのかもしれない。けれども今ここで眠る少女
 は戦いも、飢えもも憎しみもすべて知らぬ幸福で無邪気な微笑みをたたえている。すべてが終わ
 るとき人々は自らの幸せを手にしていると信じているかのごとく。
1998年09月16日:21時29分36秒
亜夜 / tomy
「…おはようございます。」
稽古の帰りがけに迅雷を見かけ、声をかける亜夜。
「行水、ですか?」
まだ髪の乾かぬ迅雷を見て、そうたずねる。

亜夜から、迅雷へ
1998年09月16日:19時28分38秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 朝靄の立ちこめる町の宿屋の一角にある馬小屋の中に男がいた。
 目の前には3種類の銃。
 回転式弾装の拳銃。
 大型の口径の5連装のショットガン。
 そして、ライフルというには大きすぎるシングルショットの奇銃。
 それらを丁寧に分解し、掃除している。
 「弾がそろそろやべえな。なんとかしねえと。」
 そういって、拳銃を腰のホルスターにしまう。
 後は丁寧に分解し、ズタ袋の中にしまい込む。
 「さて、そろそろ起き出すころだよなぁ。」
 馬小屋から出ると、井戸に向かい、頭から水をかぶる。
 意外と幼さの残る顔だといえなくもない。
 むしろ、顔にたいして精神が大人びているのかもしれないが。
 
 手ぬぐいで顔を、体を拭く。
 着物を羽織ると、宿の方へ足を向けた。
1998年09月16日:10時55分24秒
琴音 / 月夢
 まだ人もまばらな霧深き早朝、琴音は昨日と同じ家屋を尋ねる。
「報告を聞きましょうか?」
 かちゃり・・・中身をたやすく推察できる袋を置くと、前置きも何もなしに琴音は単刀直入に結論を聞く。
「鰐裔の話、その意図するところを」
1998年09月16日:01時03分18秒
/ tomy
たたた、しゃきっ
朝もやの中、かすかな足音と刃鳴りの音が早朝の静けさの中から聞こえてくる。

ちゅんちゅん
日も昇らぬうちから聞こえていたそれは、雀の鳴き声が聞こえてくる頃ようやく静まる。

キンッ
「ふぅ。」
刀をしまうと手ぬぐいで汗を拭う亜夜。先ほどまでの音は彼女が宿の庭で剣を振るう稽古の音だ。亜夜は毎日欠かさずこれを続けていた。…ただ毎日同じ内容ではあったが。
「…そろそろ、もどろう」
1998年09月16日:00時18分24秒
穂摘 / tomy
「「選んだな。ならば我は再び元のやくに戻ろう。」」
夕霧と炎が目を閉じるとともに宣言する穂摘

「「さらばだ、……よ。時の果てに再びまみえん。」」
最後に少女にそう告げ、穂摘いや穂摘の“影”は姿を消した。


穂摘から少女へ
1998年09月15日:14時07分54秒
炎・深淵の底で / ジョーカー
 「手を誤りましたね…」
 
 夕霧の執った手段を前に炎はそうとだけ口にする。
 心を凍らせてしまえば全ての感情をも殺してしまう。消してしまう。
 それでは乗り越えるべき畏れすらも心の中から払拭してしまう。
 それでは光明は見えない。隧道は抜けられない。
 
 「もっとも私も人のことは言えない、過去に囚われたモノが過去と対峙しようというのだから」
 
 口の端に浮かぶは自嘲の笑み。
 
 「さて、私の前に開くのは如何様な道でしょうか…」
 
 それでも目を閉じる炎はどこか楽しげだった。
1998年09月14日:15時37分56秒
悪夢の出口、あるいは底(その6) / tomy
「汝の記憶がかけたるは自らの畏れ故。それは他者の力にて乗り越えるものあらず。自ら突き進み乗り越えるものなり」
「時の彼方にうずもれしかけらを見つけられるは汝のみ」

「…畏れ?…畏れを消せば良いの?なら、……難しいことではない。」
夕霧の口調が変わる、堅くそして平ばんに。人のものから、人形のものへ。

「探してくる。…鍵を。」
夕霧はそう言って目を閉じる。

だが夕霧は選択を誤っていた。畏れを消すために心を凍らせていては、大切な記憶もそうでない記憶も区別のつけようがない。まるで眩しいからと言って黒眼鏡をしたまま、砂浜に埋もれた宝石を探すようなものだ。

夕霧の過去の探索はいつ終るとも知れなかった。
1998年09月09日:17時45分31秒
怨麗 / tomy
「残念だけど、即答できないわ。」
静かに怨麗が答える。
「相手の実力がわからないんじゃ、手を組む価値があるかどうかもわからないわ。だから、せめてあんたの雇い主が誰かわからないと、判断できないのよ。
それに具体的に何について協力するつもり?協力しようという口約束だけなら、何も決めてないのと一緒よ。」
多少辛辣な意見を口にする。
「そういうわけで、返事はできないわ。ただ、一つだけ教えてあげる。私が今修羅刀に期待するのは南雲城で暴走してくれること、それだけよ。だから奪い合う事になるかどうかは、あんたの雇い主が『あれ』に何を求めているかによるわ。」
そう言い放つと、席を立つ。
「もしあんたの雇い主がそれでも手を組みたいと言うのなら、本人に直接会わせなさいな。私は鰐裔城に厄介になってるから。」
最後に饕魔に向かってそう言い残して、怨麗は宿を去った。

怨麗から、『蜘王』へ
1998年09月07日:16時31分31秒
誘い / タイガ
 「『例の件』でな」
 一言で答え、声を潜めて話し出す。
 「まだ、『あれ』を追いかけてるんだろう?
  他にも『あれ』を追いかけてる奴を知っているんでな、お前が最終的に何を望んでいるかは知らんが、
  とにかく、手に入れるという目的だけは一致するだろう?
 他にも独占しようしている奴が居る以上、奪い合い疲弊するのは愚策だ。
  とりあえず、手に入れるまでは協力し、その後、対立するようなら改めて争奪戦を行えば良いんじゃないか?
  と思ったのさ。
  そこで、まずは昔のよしみでお前に渡りを付けに来たってわけだ。
  ……もっとも、俺だけの考えだから、俺の雇い主が承知するかは未だ解らんがね。
  どうだ、悪い話じゃ無いと思うが?」
 笑いながら付け加える。
 「もっとも、俺には考えもつかないたくらみがあるかも知れんから無理にとは言わないがね」
 
 「饕魔」より「怨麗」へ
 
 むぅ、独断で共闘を持ち掛けてしまったぞ(^^;)
 大丈夫なのか、こんな誘い方で(^^;)
1998年09月05日:12時09分37秒
怨麗 / tomy
「そういう事ですので、よくお考えになって下さい。ご返事はまた後ほど伺います。」
いつの間にか怨麗と美月の話しは終っていたらしい。怨麗の言葉を聞いた美月は黙り込んで何か考え込んでいる。
「では。」
怨麗が美月に深々と頭を下げる。

「あっ、はい。」
美月も慌てて返す。

宿から出てきた怨麗は饕魔の方に向かい、問う。
「ところで蜘王、私に何か用でもあったの?」

怨麗から、美月、『蜘王』へ
1998年09月04日:22時52分37秒
鳳堂緋翼vs沙夜 / tomy
「引け!緋翼。そいつは俺が引きつける。おまえは娘のほう!!」
乱糸が叫ぶ。

「…わかった。任せるよ、兄さん。」
距離を空けた戦いならともかく、接近戦で金剛機相手では自分では足手まといになる。そのことに気付いた緋翼は沙夜を追うことにする。

かささっ…

「…っ、そこかっ?」
何かの気配を感じた緋翼だが、一匹の兎が草むらを通り過ぎただけだった。
「違うか、…どこだ?」
兄と金剛機から遠ざかるように走りながらも周囲の気配を探る緋翼。

「…森の中か。」
森の中のわずかな気配に向かい駆け出す緋翼。

………………

未だ地面に突き立ったままの修羅刀の側にぴょこんと兎が姿を現す。
兎は、いや兎の姿をした式は人の姿へと変わり、修羅刀を引き抜く。
修羅刀を手にした式は静かに緋翼を追う。

………………

ダンッ!

音と共に飛んできた弾丸が沙夜の足に大きな傷跡をつける。動けないほどではないが、これでまた動きが取り難くなった。

「逃げないで。…いや逃げて欲しいんだけど、でも『彼』も一緒に逃げるように説得して欲しい。」
射撃サムライの青年は声と共に木々の間から姿を表す。

「残念ですけどあなたの望みはかないません。私はもとより逃げるつもりはありませんし。………、それに、あなたはここで死ぬのですから。」

………………


「ぐっ」
緋翼の腹から刃が突き出る。式の握った修羅刀が背後から緋翼を貫いていた。沙夜に気をとられていたため、背後から近付く式の気配に気付けなかった。

「ぬぅぅっ!」
修羅刀に貫かれながらも緋翼は渾身の力で沙夜に当て身をくらわす。
沙夜は吹き飛び、大木にぶつかった衝撃で意識を失う。

バンッ!

そして緋翼は沙夜の制御を離れた式を弾丸で吹き飛ばす。

「……くっ、兄さんの、元に、この修羅刀を、届けないと。」
修羅刀に貫かれたまま乱糸達の戦う場に戻る緋翼の脳裏に浮かぶのは、ただその思いだけだった。

tomy:無理矢理まとめました。夜光さん、後は任せます(爆)。
1998年08月26日:07時47分17秒
了解です / タイガ
>軽傷、重傷、活力にダメージ分散すれば十分攻撃耐えきって必殺の一撃でダメージを確実に与えられますんで当たってください(笑)。
>本当は気絶する状態なら必殺の一撃当てられないんですけど、本来は十分耐えきれると言うことで(重傷、軽傷、活力併せて28点です)話の流れ上寝ただけですんで、ルール的なことは今回気にしないでください。
 
 前回の「あれ」はなんか問題あったみたいだし、了解しました。
 (でも致命傷入れれば……、そうか女中さんが黙ってないな(^^;)
 
#でもこういう時の武器修正っていくつなんだろ。平均で出すとすると7本で+8。
#最高の数だと……、12本で+13。必殺の一撃使ったんでそれぞれ15と20のダメージか……。
 
 奈菜の一撃が決まる。
 饕魔の体が衝撃に後ずさる。
 音からして、骨の一本や二本は折れているだろう。
 (ふ〜ん、なかなか良い一撃だ)
 だが普通の人間ではかなり危険なその一撃も饕魔にはさほど効いていない。
 いや、効いてはいるのだが、すぐに直ってしまった。
 
>「あなたの方は手当はいらないでしょうから、できれば奈菜さんが目を覚ます前に用件済ませちゃってください……もしとどめ刺そうって言うつもりなら邪魔しますよ、そうなればこんな戦時下でも一応法はあるんです、日の当たる道歩けなくなりますからね」
 
 「そういうだろうと思ってたさ」
 一人ごちるように呟く。
 「別に止めなんぞ刺すつもりはねぇよ。
  多分、そいつにとってはその方がよっぽど『痛い』だろうかならな」
 しばらく、奈菜を連れて行く女中の後について歩いて行く形になるが仕方ない。
 用のある相手はその宿の中にいるのだから。
 
 「饕魔」
 
 と、言うことで。
 ようやく一段落しましたね。
 いや〜、罵倒に弱い人間なものでしばらく書き込みを見るのが恐くてしかたなかったですよ(^^;)
1998年08月26日:02時57分57秒
奈菜 / 月夢
 うーん、ノーダメージだし奈菜は活力だけでも16点・・・・・・そう簡単に倒れられないんだけどなあ(笑)。
 糸って武器修正そんなに高いとは思えないし・・・・・・・でも寝るか、一発ぐらいは殴らせてもらうけどね、順序ばらばらに成っちゃうけど(笑)。
 
 
「つっ」
 完全に死角となった地面から繰り出される糸、反射的に防御を固めるがその微細な武器の全てを止めることはかなわない。
 徐々に増え、奈菜を切り刻もうとする糸の嵐をただひたすら奈菜は堪え忍ぶ。
(凪を……待つ…)
 延々と攻撃を続けることはかなわない、ならばどこかで攻撃は止まる。
(賭ける、それまであたしが耐えきれるほうに)
 いつか来る攻撃が途切れるその瞬間を奈菜は全神経を集中して待つ、理屈も根拠もない、ただ勘のみがそのときが確実に来ることを告げている。
 手が、足が、肩が糸に斬られ血に染まる、それでも奈菜は倒れない、自分の勘を信じ待ち続け………そしてその瞬間をつかまえる。
 間、ほんの少しの空間、餐魔の攻撃の中のその一瞬の隙間を見逃さず奈菜が駆ける。
「邪魔だ!!」
 奈菜から餐魔への短い距離をふさぐ糸に左腕を叩きつける、腕一本を惜しむつもりはない、勝つことへの執着とはそういう物。
「うりゃあああ!」
 踏み込む勢いを殺さずに一気に右腕を振り抜く、全体重の乗った会心の一撃。
「あんま…てま…かけ…させんじゃねえ・・・」
 一撃が入ったのを確認してにやっと笑うと奈菜が膝をつく。
「奈菜さん!!」
 女中が慌てて駆け寄り倒れそうになる奈菜を支える。
「大丈夫ですか?」
「あーー、ただの…かすり傷に…決まってんだろうが………」
 とてもそんな程度の傷ではないが奈菜は痛いとは決して言わない。
「まあ…ちいと……疲れたけど…な……少し休む…んで今日はこれで…仕事終わりな……」
「な、奈菜さん」
 女中にもたれかかるようにして奈菜が意識を失う。
「奈菜さん……誰か手を貸してください!奈菜さん中に運びます!」
 女中が店の人間に声をかけ、それから餐魔の方を向かずに言う。
「あなたの方は手当はいらないでしょうから、できれば奈菜さんが目を覚ます前に用件済ませちゃってください……もしとどめ刺そうって言うつもりなら邪魔しますよ、そうなればこんな戦時下でも一応法はあるんです、日の当たる道歩けなくなりますからね」
 
  
 軽傷、重傷、活力にダメージ分散すれば十分攻撃耐えきって必殺の一撃でダメージを確実に与えられますんで当たってください(笑)。
 本当は気絶する状態なら必殺の一撃当てられないんですけど、本来は十分耐えきれると言うことで(重傷、軽傷、活力併せて28点です)話の流れ上寝ただけですんで、ルール的なことは今回気にしないでください。
 
1998年08月26日:02時57分25秒
奈菜 / 月夢
 うーん、ノーダメージだし奈菜は活力だけでも16点・・・・・・そう簡単に倒れられないんだけどなあ(笑)。
 糸って武器修正そんなに高いとは思えないし・・・・・・・でも寝るか、一発ぐらいは殴らせてもらうけどね、順序ばらばらに成っちゃうけど(笑)。
 
 
「つっ」
 完全に死角となった地面から繰り出される糸、反射的に防御を固めるがその微細な武器の全てを止めることはかなわない。
 徐々に増え、奈菜を切り刻もうとする糸の嵐をただひたすら奈菜は堪え忍ぶ。
(来る…………凪が……)
 延々と攻撃を続けることはかなわない、
(賭ける、あたしが耐えきれるほうに)
 いつか来る攻撃が途切れるその瞬間を奈菜は全神経を集中して待つ、理屈も根拠もない、ただ勘のみがそのときが確実に来ることを告げている。
 手が、足が、肩が糸に斬られ血に染まる、それでも奈菜は倒れない、自分の勘を信じ待ち続け………そしてその瞬間をつかまえる。
 間、ほんの少しの空間、餐魔の攻撃の中のその一瞬の隙間を見逃さず奈菜が駆ける。
「邪魔だ!!」
 奈菜から餐魔への短い距離をふさぐ糸に左腕を叩きつける、腕一本を惜しむつもりはない、勝つことへの執着とはそういう物。
「うりゃあああ!」
 踏み込む勢いを殺さずに一気に右腕を振り抜く、全体重の乗った会心の一撃。
「あんま・・・てま・・・かけさ・・せんじゃね・・え・・・」
 一撃が入ったのを確認してにやっと笑うと奈菜が膝をつく。
「奈菜さん!!」
 女中が慌てて駆け寄り倒れそうになる奈菜を支える。
「大丈夫ですか?」
「あーー、ただの……かすり傷に…決まってんだろうが………」
 とてもそんな程度の傷ではないが奈菜は痛いとは決して言わない。
「まあ…ちいと……疲れたけど…な……少し休む…んで今日は……これで…仕事終わりな……」
「な、奈菜さん」
 女中にもたれかかるようにして奈菜が意識を失う。
「奈菜さん……誰か手を貸してください!奈菜さん中に運びます!」
 女中が店の人間に声をかけ、それから餐魔の方を向かずに言う。
「あなたの方は手当はいらないでしょうから、できれば奈菜さんが目を覚ます前に用件済ませちゃってください……もしとどめ刺そうって言うつもりなら邪魔しますよ、そうなればこんな戦時下でも一応法はあるんです、日の当たる道歩けなくなりますからね」
 
1998年08月25日:17時23分15秒
開始 / タイガ
>「はっ、安い挑発だな、もうちっとましな台詞がいえねえのか、たこ」
 
 「別に鯛を釣ろうってんじゃねぇんだ。
  ダボハゼごときこんな餌で十分だろう?」
 
>「殴られてえなら殴ってやるよ、親にも見分けがつかなくなるまでな」
 
 「なんか、やたら親がどうこう言うな、おまえ。
  ま、別にだからどうしたって事じゃなけぇどな。
  ……じゃ、はじめるぜ」
 不意に地面から獲物に飛び掛かる蛇のように一本の糸が襲い掛かる。
 「鬼刺(きざし)」
 ポツリと呟いた饕魔はそれをキッカケに次々と技を繰り出す。
 「三裂(みさき)」
 地面から伸びた三本の糸が、弧を描いて切りかかる。
 「九乃刃(このは)」
 先の三本に加え、新たに六本の糸が加わり連続してきりかかる。
 「九断(こだち)」
 九本の糸が奈菜を取り囲み、雪崩れ込むように襲い掛かる。
 「九ヶ嵐(こがらし)」
 九本の糸がせめぎあう嵐のごとく暴れ狂う。
 「斬鮫(きりさめ)」
 十二本の糸が、地面から吹き上がり地面にあるものを刺し貫こうとする。
 「否避刈(いなびかり)」
 何本もの糸が様々な高さを刈り取るように切り裂いて行く。
 
 「饕魔」
 
 なんかとんでもない事をしてるように見えますが、実際にはたんなる多刀流と【敏捷】<蠱術>による攻撃です。
 当然一度の攻撃として扱われるので、例え全て食らったとしても「活力に全部入れて気絶」とか「死亡ゲージで全部を受ける」とかも出来ます。
 (もちろんしなくてもいいけど)
 
 時間を掛けた割に対した事無いなとか言わないでね(^^;)
 
>難易度4なんて成功しませんよ(笑)。
 
 ごく微かだから2。饕魔に注意を向けてるから更に+2で、合計4くらい。と思ったんだけど、考えてみれば2か3でも良かったかも(^^;)
1998年08月24日:02時39分52秒
玄業 / 月夢
「…………で、どうする気だ?」
 顔の半分を面で隠した男が呟くように言うと玄業が肩を竦める。
「待つしかあるまい、普通の宿であればともかくあそこに偶然を装って入る訳にもいくまい」
「時は有限だ」
「こうなったのは私のせいではない」
 非難するような言葉を向けられて玄業がむっとしたように言い返す。
「確かにあのものたち、特にあの亜夜という娘と接触を取るのが私の仕事だがあくまでも自然を装えと言うことだったはずだ、ここでの出会いとて見る物が見れば作為を感じかねないと言うのにこれ以上疑われるような真似ができるか!?」
「そこを何とかするのがお前の仕事だ、そのためだけにお前がいるのだ」
 淡々と言いきられる言葉に玄業が奥歯を噛みしめる。
「悪いが私は万能ではないのでな」
「百も承知だ、だが万能でないまでも有能でいろ、無能であれば不要だ」
「……………わかっている」
 拳を震わせ、玄業が奥から絞り出すようにそれだけ答え視線を逸らす。
「無能者に価値はない、不要となれば捨てられるだけだ、忘れないことだな」
「わかっているといっているだろう!!」
「ならばよい、己の仕事を果たすがよい」
 殺意すら籠もるような玄業の視線にもまるで動じずに仮面の男は一つ頷くとその場からふっと姿を消す。
「…………言われなくても百も承知よ、無能者に居場所なぞあるものか、そのくらいわかっている」
 自分に言い聞かせるように玄業が繰り返す、自分で自分を追いつめるように。
「仕事は果たす、私の役目を問題なくこなしてみせる、簡単な仕事だ、なにも悩むことなどない」
 ぶつぶつと呟きながら玄業がもう一度目標のいる家屋に目をやる。
「あそこにいる連中を南雲か鰐裔に誘導すればいいだけのことだ、いくらでも手はある、失敗などしない、簡単な仕事だ、私にとっては」
 自己暗示をかけるように何度も何度も繰り返す玄業の姿は一種病的でまるで何かにとりつかれたかのようですらある。
「やれる、問題はない、なにも問題はない………そうだ、ここで会うのは無理だ、私の判断は間違っていない、ではどうする?奴らが出てくるのを見計らって偶然を装えばいい、私の姿を見れば奴らの方も動くはずだ、そのとき私は玄屋の墓参りをした帰りと言えばいい、問題ない」
 玄業が自分の言葉に自分で相槌を打つ。
「後は簡単だ、修羅刀と玄屋に関する情報をくれてやればいい、他は知らないが亜夜という娘はかかるはずだ、必要とあらば夕霧という女の情報もくれてやればいい、確実に乗ってくるはずだ、間違いない」
 自分を納得させると玄業は物陰から姿を現し、街の方に歩いていく。
「後は待つだけ、そう待つだけだ」
1998年08月22日:00時10分19秒
琴音 / 月夢
「亜夜さんが動いた?」
「はい、先ほどこのような手紙が」
 高瀬が差し出す手紙を見ると亜夜が修行の場より姿を現したことと琴音との間に取り決められた暗号が書かれている、間違いなく琴音の雇ったものからの連絡。
「…………時期のようですね」
「時期?」
「南雲の中央のこのあたりはまだ影響がそんなに出ていませんが国境線では小競り合いがすでに始まっていますし、きな臭い雰囲気をかぎ取って用兵や浪人が両方の国に流れ込んでいます」
 琴音は高瀬に手紙を渡すと出かける準備を続ける。
「つまり?」
 高瀬が先を促す。
「姉妹というつながりには他の人間にはわからない何かがあるのでしょうね」
「…………あれがくるのですか?」
「近づいてはいると言うことでしょう」
 琴音の返事は素っ気ない、少なくとも外からは変化が見られない。
「血の匂いを嗅ぎつければいつか来ると思っていましたし焦るほどのことはありません、そのためにずっと準備していたのですし」
「領主様たちにご報告は?」
「不確定情報すぎます、まだいいでしょう」
 情報は独占しておいたほうが価値が出る。
(亜夜さんは身寄りのないクグツの身、夕霧様がいなければ立ち回り先は予想がつきます、おかしなことをしなければ亜夜さんはこちらの手元に置いておけるはず、老たちは直接の面識がない分私の方が有利)
 頭の中では打算がすでに働いている。
(私が伝えなければ少なくとも老たちは公に接触はとれないでしょうから)
「必要とあれば私から話を通しておきましょう、しばらくはおいておきなさい、なにが目的で動いたのかもわかりませんし」
「わかりました」
 高瀬が主の言葉に頷くと琴音は扉を開けて外に出る。街のはずれに位置する屋敷の周りは静かでとても戦争の気配などは感じられない。
「…………もっとも長いことではないでしょうけど、もうすぐ嵐の到来ですから」
1998年08月22日:00時05分06秒
琴音 / 月夢
「亜夜さんが動いた?」
「はい、先ほどこのような手紙が」
 高瀬が差し出す手紙を見ると亜夜が修行の場より姿を現したことと琴音との間に取り決められた暗号が書かれている、間違いなく琴音の雇ったものからの連絡。
「…………時期のようですね」
「時期?」
「南雲の中央のこのあたりはまだ影響がそんなに出ていませんが国境線では小競り合いがすでに始まっていますし、きな臭い雰囲気をかぎ取って用兵や浪人が両方の国に流れ込んでいます」
 琴音は高瀬に手紙を渡すと出かける準備を続ける。
「つまり?」
 高瀬が先を促す。
「姉妹というつながりには他の人間にはわからない何かがあるのでしょうね」
「…………あれがくるのですか?」
「近づいてはいると言うことでしょう」
 琴音の返事は素っ気ない、少なくとも外からは変化が見られない。
「血の匂いを嗅ぎつければいつか来ると思っていましたし焦るほどのことはありません、そのためにずっと準備していたのですし」
「領主様たちにご報告は?」
「不確定情報すぎます、まだいいでしょう」
 情報は独占しておいたほうが価値が出る。
(亜夜さんは身寄りのないクグツの身、夕霧様がいなければ立ち回り先は予想がつきます、おかしなことをしなければ亜夜さんはこちらの手元に置いておけるはず、老たちは直接の面識がない分私の方が有利)
 頭の中では打算がすでに働いている。
(私が伝えなければ少なくとも老たちは公に接触はとれないでしょうから)
「必要とあれば私から話を通しておきましょう、しばらくはおいておきなさい、なにが目的で動いたのかもわかりませんし」
「わかりました」
 高瀬が主の言葉に頷くと琴音は扉を開けて外に出る。街のはずれに位置する屋敷の周りは静かでとても戦争の気配などは感じられない。
「…………もっとも長いことではないでしょうけど、もうすぐ嵐の到来ですから」
1998年08月22日:00時02分37秒
琴音 / 月夢
「亜夜さんが動いた?」
「はい、先ほどこのような手紙が」
 高瀬が差し出す手紙を見ると亜夜が修行の場より姿を現したことと琴音との間に取り決められた暗号が書かれている、間違いなく琴音の雇ったものからの連絡。
「…………時期のようですね」
「時期?」
「南雲の中央のこのあたりはまだ影響がそんなに出ていませんが国境線では小競り合いがすでに始まっていますし、きな臭い雰囲気をかぎ取って用兵や浪人が両方の国に流れ込んでいます」
 琴音は高瀬に手紙を渡すと出かける準備を続ける。
「つまり?」
 高瀬が先を促す。
「姉妹というつながりには他の人間にはわからない何かがあるのでしょうね」
「…………あれがくるのですか?」
「近づいてはいると言うことでしょう」
 琴音の返事は素っ気ない、少なくとも外からは変化が見られない。
「血の匂いを嗅ぎつければいつか来ると思っていましたし焦るほどのことはありません、そのためにずっと準備していたのですし」
「領主様たちにご報告は?」
「不確定情報すぎます、まだいいでしょう」
 情報は独占しておいたほうが価値が出る。
(亜夜さんは身寄りのないクグツの身、夕霧様がいなければ立ち回り先は予想がつきます、おかしなことをしなければ亜夜さんはこちらの手元に置いておけるはず、老たちは直接の面識がない分私の方が有利)
 頭の中では打算がすでに働いている。
(私が伝えなければ少なくとも老たちは公に接触はとれないでしょうから)
「必要とあれば私から話を通しておきましょう、しばらくはおいておきなさい、なにが目的で動いたのかもわかりませんし」
「わかりました」
 高瀬が主の言葉に頷くと琴音は扉を開けて外に出る。街のはずれに位置する屋敷の周りは静かでとても戦争の気配などは感じられない。
「…………もっとも長いことではないでしょうけど、もうすぐ嵐の到来ですから」
1998年08月19日:11時56分04秒
少女 / 夜光
 「汝の記憶がかけたるは自らの畏れ故。それは他者の力にて乗り越えるものあらず。自ら
 突き進み乗り越えるものなり」
  少女の声は凛として澄んだものだった。それは人の声ではない、いや、それは声なのか?
 それは思いではないのか?どこまでも広く澄んだ思い。それが言葉に聞こえるのではない
 だろうか。
 「時の彼方にうずもれしかけらを見つけられるは汝のみ」
  そう声をかける少女には感情と言うものがみえなかった、それがあまりにも大きな認識を
 必要とする故に。
 「我はまた眠ろう。汝らの運命が我が前を通り過ぎるまで」
  そして少女は瞳を閉じる。何か大きなものが眠りにつきそして小さなものが目を覚ます。
 「?」
  再び瞳を開いたときそこにいるのは言葉を知らぬ純粋な心をもった一人の少女だった。
 
  少女 刃夜 より 夕霧へ
1998年08月19日:01時23分34秒
悪夢の出口、あるいは底(その5) / tomy
「娘……ですか。そう言えばそんな者も居ましたね、貴方には」
「一人は見知らぬ他人のために怒り、そして復讐を心に決める。
 一人はそれを止めるために厳しい修練に身を置く。ふふふ、優しすぎる娘達ですね。
 あれではさぞ生きていくのは辛いでしょう…」
「兄弟を手にしているとは言え、止めねばならない方が分が悪いですね。
 もう一人は親をも手に掛ける覚悟なのですから。さて修練がどの程度
 その差を埋められるでしょうか…?」

「うっ…。」
炎の言葉に誘発され、娘に関する記憶のいくつかが夕霧の脳裏を駆け巡る。たまらず、夕霧は頭を押えた。
だが、思い出せるのは記憶の断片だけ。娘のことも、はっきりとは思い出せない。なぜなら、記憶の最も重要な部分とそれに関わる全ての事象について、心が思い出すことを無意識の内に拒絶してしまうから。

その記憶の乱流の中でも一つだけわかったことがある。

(私は罪を犯した!)

思い出したわけではない。けれども確かにそう感じた。そしてその罪こそが記憶の鍵なのだと。

「思い、出せない。戻らなくちゃ、いけないのに。」
過去と戦うために自分の思い出さなくてはならない事は記憶の封じられた部分の中にあり、手がかりは他にない。故に夕霧は顔を挙げ、周囲のモノに問うた。

「もし知っているのなら、教えて。…私の犯した罪の事を。」

夕霧から、その場にいる方々へ

tomy:今、夕霧が完全復活すると今後の予定が大幅に狂いますので、ここにいる方々の知らないはずの情報(静弥を殺した事)を復活のキーにしときました。香君か修羅刀が来れば一発で復活できますから、いずれ復活の機会もあるはずですし(その時には既に手遅れと言う可能性もあるけど(爆))。
1998年08月17日:12時28分58秒
奈菜 / 月夢
「はっ、安い挑発だな、もうちっとましな台詞がいえねえのか、たこ」
 ばんと拳を打ちならす。
「殴られてえなら殴ってやるよ、親にも見分けがつかなくなるまでな」
 
 
 難易度4なんて成功しませんよ(笑)。
1998年08月16日:15時49分27秒
挑発 / タイガ
 
 
 「あわせる?なんでてめぇなんぞにあわせてやらにゃならんのだ。
  自分の戦いをつらぬきゃいい?そうしてるさ。
  わからなくてもこっちゃ別にかまわんがね。
  来るのか来ないのか。
  来ないんならうちに帰ってふて寝でもしてな」
 
 「饕魔」より「奈菜」へ
 
 難易度4の気配感知なりに成功すればあたり一帯の地面からごく微かな気配を感じるぞ(^^;)
 と言っても今度は幻覚じゃないので注意するように(^^;)
1998年08月15日:00時31分35秒
奈菜 / 月夢
「はん、戦場に卑怯もきたねえもないのに潔さはあるんだ」
 奈菜がせせら笑う。
「だいたいそう言うんならじぶんの戦いつらぬきゃいいだろ、いちいち人の言葉に動揺して戦いかた変えてんじゃねえよ、所詮、てめえの考えなんてその程度なんだろ」
 とんと一歩離れて馬鹿にしたように奈菜が言う。
「あたしにあわせるつもりか?違うだろ?てめえのやり方貫く根性ねえだけじゃねえのか?」
 
 
 ああ、どんどん子供の喧嘩のようになっていく(笑)実際奈菜はほんとに子供とかわらんけどね。
1998年08月14日:14時34分46秒
嘲り / タイガ
 「戦場?これが?」
 馬鹿にしくさったような口調で言う。
 「戦場がこの程度ですむなら世の中平和だよな」
 笑いながら言い、
 「……ざけんなよ、ボケ。
  戦場に卑怯も汚ねぇもあるか。
  そんなお遊び気分のやつぁ、とっととくたばっちまいな」
 再び構える。糸は出していない。
 「来いよ。
  刀より拳の方が得意なんだろうが、だったら潔く拳で戦って死ね」
 
 「饕魔」
1998年08月13日:00時29分28秒
記憶の姿、現在の姿 / ジョーカー
 「娘……ですか。そう言えばそんな者も居ましたね、貴方には」
 
 炎の脳裏にあの時の二人の姿が浮かぶ。折れた刀を手にした娘と
 修羅の化身たる刀を手にした娘。どこかしら似通った二人。
 目の前の夕霧と共通する雰囲気を持った娘達。
 
 「一人は見知らぬ他人のために怒り、そして復讐を心に決める。
 一人はそれを止めるために厳しい修練に身を置く。ふふふ、優しすぎる娘達ですね。
 あれではさぞ生きていくのは辛いでしょう…」
 
 炎の顔に浮かぶは絶えぬ微笑み。
 
 「兄弟を手にしているとは言え、止めねばならない方が分が悪いですね。
 もう一人は親をも手に掛ける覚悟なのですから。さて修練がどの程度
 その差を埋められるでしょうか…?」
1998年08月06日:16時18分14秒
怨麗 / tomy
「ふぅ、ほんと、子供ね。自分で自分の戦場を勝手に決めておきながら、相手にも相手の戦場が存在することは認められないなんてね。」
嘆息する怨麗。怨麗には人のことは言えない気もするが、少なくとも怨麗は理解した上で行なっている(つもりだ)。

「こういう子は、自分の戦場が、誇りが、残さず汚されるまで気付かないんでしょうね。自分が相手の『それ』を汚してるってことに。」
かなり辛辣な言葉をサラッと言ってのける。

「やっちゃえば?私は止めないわよ。」

怨麗から『蜘王』へ
1998年08月06日:15時31分19秒
悪夢の出口、あるいは底(その4) / tomy
「貴方は如何するおつもりですか?」
炎が問う。
「私は…。」
わからない。決められない。今の夕霧には何もないのだから。空っぽなのだから。

その場に現れた少女…、いや少女の姿をした『何か』が夕霧を見つめて言った。
「扉は開かれた汝が娘たちもまた、扉に招かれている。」

「…、む、す、め…。」
心のどこかがその言葉に反応する。
「っ…。」
頭が痛い。心が痛い。脳裏にいくつもの場面が浮かんでは消える。だが、それらは明滅しながら一瞬ごとに変わり、決して一つの像を結ぶことはない。

「…わからない、…けど、戻らなくてはいけない気がする。」
その時穂摘が炎の言葉を受けて告げる。

「帰還の道、汝等の道は、過去の道。」
「過去と対峙できねば通ることはできぬ。」
「乗り越えぬことができぬ場合も同じ。」
「できねば永遠(とわ)に過去から抜け出すことはできぬ。」
「されど、それもまた安寧の一つ。」
「全てを承知した上で、それでも帰還の道を望むなら目を閉じ進むが良い。」
「そこに道は存在する。」

「…、まだ…、足りない。何かが…。」
今の自分では過去を乗り越えることはできない。大切な何かをまだ思いだしていないから。夕霧にはそう感じられた。

夕霧
1998年08月03日:11時49分41秒
白き王 / 夜光
 「御老」
  その声は闇の中より聞こえる。
 「影か.....何用じゃ?」
  答える老人の声は冷たい。
 「はっ。危急の御用件がございまして」
  闇からそれが姿をあらわす。体を覆う衣服に目だけを外に出した忍び姿。
 それが人であり同時に人でないものだと、道具だとその存在自体が明言し
 ている。
 「危急に....かの?」
  老がとぼけて首を傾けながら問いを発する。
 「御意」
  片膝をたて、深深と頭を垂れる。
 「用件とは....わしの抹殺かの?」
  その手から一枚の札が投げ出される。札は空にて異形へと姿を変え、
 異形はそのまま影に襲い掛かる。
  割ける暇も無かった。異形はその怪鳥のような嘴でばりばりと影を
 食らう。
 「むこうさんも少し焦ってきておるのう....本格的な戦場となるのも
 そう遠いことではないのかもしれんのう....」
1998年08月03日:11時37分30秒
「名無き者」 / 夜光
  久方ぶりに見えることになる炎に少女は微笑を持って答えとした。
  そこには悲しみがある。
  そこには喜びがある。
  そこには過去がある。
  そこには未来がある。
  そして、そこには今がない。
 「「「久方ぶりよの。.....よ」」」
  その声は少女のものだ。だが、記憶にあるそれとは違う。悟りの境地とでも
 言うのだろうか。何か達観したもののそれがそこにはある。
 「扉は開かれた汝が娘たちもまた、扉に招かれている。」
  その瞳が静かに見ているのは夕霧。
 「未だかのものは囚われている。己自身以外のものに。この娘たちも」
  そっと自信の小さな胸に手を当てる。
 「われらは見届けねばならぬ」
  その声はどこかとおくから。いや、心の内側から響いてくるかのような感覚を
 その場にいるものに味あわせる。
 
 少女より 森の御方へ
  
1998年08月02日:00時42分34秒
奈菜 / 月夢
「たーこ、ここがあたしの戦場だ、誰かの手のひらで踊るんじゃなくあたしの決めた喧嘩の場だけがあたしの戦場なんだよ、わかったか、猿」
 餐魔が吼えようが殺気を見せようが相変わらずお構いなしに奈菜は言い切る。
「命張りたくねえんならええかっこしい真似してしゃしゃり出てくんじゃねーよ、おうちに帰って母親の陰に隠れてろ」
 
 ということで奈菜は一歩もひかんし、脅そうが賺そうが変わらないのでご注意を、それこそ奈菜は死ぬまで奈菜です、命の切ったはったや苦痛で泣きわめいたり考えひるがえしたりは絶対にありません。
1998年08月01日:15時34分54秒
抑制 / タイガ
>「…、まさか殺す気?あいつ、そういう奴だったかしら?」
 
 微かに、怨麗の声が耳に入る。
 (……殺すのはまずいか)
 あの女中は、奈菜の事を気に入ってるようだ。
 もし奈菜を殺したら黙ってはいるまい。
 それに怨麗はともかく、美月がどう思うか解らない。
 大抵の陰陽師は人死になどどうとも思わないだろうが、個性的な連中のこと、彼女が例外だとも限らない、
 余計な事はしない方がいいだろう。
 (骨身にしみさせる程度にとどめておくか……)
 
 「饕魔」怨麗の言葉を受けて
 
 饕魔って知覚が10あるんだよね……、観察も中級だしさ……(^^;)
1998年08月01日:13時08分34秒
現世への道 / ジョーカー
 「再び世に生まれ出る道は望みません、そして留まる道に経っては
 愚問に等しい。私には歩みを止めることは許されないのですから」
 
 許さないのは誰か。誰が誰を許さないのか。それは炎だけが知っている。
 
 「貴方は如何するおつもりですか?」
 
 そう夕霧に問い掛けようとした矢先だった。
 其処に第四のものが顕れる。
 
 「久方ぶりですね。今は…刃夜と名乗っているのでしたか」
 
 炎  少女に向かって
 
 この表記をするのも久しぶりだなぁ。
1998年08月01日:01時08分39秒
琴音 / 月夢
 夜が明けるにはまだはやい、人が未だ夢の中にいる頃、南雲の街のはずれの一軒の屋敷に一羽の式が舞い降りる。
「ふう、ずいぶん遅くなってしまいましたね」
 式の上に乗っていた陰陽師らしい人影は式を仕舞うとゆっくりと屋敷の方に歩み寄る。睡眠不足と長時間の移動による疲労の色は隠せないがその足取りは遅滞なく張りつめた気配に揺るぎはない……自分の家に入るそのときでさえも。
「お帰りなさいませ、琴音様」
 琴音が扉を開けると恭しく礼をして一人の老人が出迎える。
「高瀬、起きていたのですか?」
「はい、琴音様がお帰りになられるかと思いまして」
 特に愛想良く笑うわけでなく老人は物静かに当然のことのように答える。
「そう」
 対する琴音も言葉少なに答えて老人の脇を通り過ぎ自室へと向かう。
「お食事はどういたしますか?」
「ご馳走になってきましたから」
 琴音は家以外の場所では飲食物には一切手をつけない、高瀬もそれは知っていたがあえて反論せずに引き下がる。
「ではこのままお休みになられますか?」
「そうですね………今日はいささか疲れましたのでこのまま……」
 今日という単語でふと思い出し琴音は足を止めると高瀬に向き直り尋ねる。
「香様とおっしゃる方が尋ねてきませんでしたか、外見は静弥様と瓜二つだそうですが」
「いえ、今日は誰も尋ねていらっしゃいませんでしたが……」
 玄屋の頃から使えているという高瀬が静弥の名前に反応を示すが首を横に振る。
「そうですか……もし尋ねていらっしゃることがありましたらお父様の書庫にご案内してあげてください」
「よろしいのですか?」
 琴音はこの屋敷に移り住んでから高瀬たちにすら玄屋の書庫には一歩も足を踏み入れさせていない、それを部外者に許すとは。
「かまいません、お父様の書庫一つなら安いものです」
 なににとってどういう意味で安いのかを口にせずに琴音はそれだけ告げるとさっさと自室に入り扉を閉める。
「香様は城の方に残られましたか・・・となると老か誰かが押さえていると考えるべきですか…惜しいことをしてしまいましたね」
 香自身の価値よりも琴音は静弥に似ているということに香の価値を見いだしている、そのことが先の修羅刀戦争に関わったものにどれだけの影響力を持つかは今日の老で実証済み。
「手元に押さえておければ何かと使いようもありましたのに」
 服を脱ぎ、夜着に着替えるとそこで初めて気が抜けたのか倒れ込むように夜具に横たわる。
「手元の駒が少なすぎますからね………今のままでは修羅刀には勝てません……」
 いっぺんに襲ってきた疲労に意識がぼうっとなりながら琴音がまとまりのないことを考える。
「………勝つために手段を選ぶ余裕はもうありません……もう後には退けないのですから」
 
1998年07月31日:18時29分43秒
怨麗 / tomy
「あの・・・あんまり奈菜さん刺激しないでもらえませんか?」
「奈菜さん、権力に近い人間毛嫌いしてますからそういう言い方されると本当に危なっかしくて」
「何というか・・・まだまだ子供ですから・・・」

「まぁ、私も昔似たような事があったからわからないではないけどね。」
ツォー・クーを失った時のことだ。行き場のない怒りと憎しみは何をしても癒えることはなかった。

「でも逆を言うとこれから先の人間、育ちきってしまったひとがたと違ってこれからが面白いかもしれませんけどねえ」

「そう思う?でもね、人は理由がなければ変われないのよ。私の場合は本当に怒りをぶつけるべき相手を知った事がその理由。でも、あのお嬢ちゃんは変われるかしらね?」

『変われなければ今のままよ』と続けようとしてやめる怨麗。「饕魔」の殺気に気付いたのだ。

「…、まさか殺す気?あいつ、そういう奴だったかしら?」
怨麗の記憶にある『蜘王』は命の張合いを楽しむ男だったはずだ。

怨麗から女中さんへ

tomy:これで饕魔への間接的な牽制になった?>月夢さん、タイガさん
1998年07月31日:17時18分49秒
夢と現の狭間にて / tomy
少女が穂摘のもとに近付く。木々はそれが当然かのように少女に道を譲る。

そこは夢。夕霧を抱いた“影”と炎が立つ地。
そこは現。人の姿はなく、たた巨大な樹が立ち並ぶ地。

そのどちらでもある場所にその存在は待っていた。
「「よくぞ来た。……よ。」」


穂摘より少女へ
1998年07月30日:22時47分00秒
月は真上に、雲は東に / Dr.李
 「温かいです・・・。」
 亜夜が言う。
 「・・・・・そうかい。」
 すこぉし不満そうに迅雷が答える。
 うまいと言われないのは少し悲しいらしい。
 
 「さて、飯も食ったし、後は寝るだけだな。」
 そういって、外に出る。
 「俺は馬小屋で寝るよ。ここで寝るにゃぁ狭すぎらぁ。」
 笑いながら、出ていった。
 
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 次は朝だね
1998年07月30日:17時53分29秒
最優先事項「生存」 / タイガ
>「てめえのやり方がうすぎたねえと思うのは変わりはねえし、てめえの都合なんて相変わらずあたしには知ったことじゃないんだよ」
 
 ずっと目を細め、剣呑な表情を浮かべる。
 
>「それにいっとくぞ、喧嘩で命張るのは当たり前なんだよ、てめえ自身の誇りってでっかい看板背負ってやってんだからな、勝負?殺し合い?言い方に意味なんてねえよ、気取るな、たこ」
 
 「これも仕事だ。やんなきゃ食って行けないんでね。
  だが……」
 糸がすっと縮み、戻って行く。
 「馬鹿はどっちだ」
 静かに呟く。
 「薄汚ねぇ?誇り?それがどうした。
  戦場でもそんなくだらねぇ戯言をほざいてやがんのかてめぇは!
  命の取り合いにそんなもんはねぇ。
  命張ったからなんだ?
  それで死んでも悔いはねぇってか?
  ざけんな。俺は大有りだね。
  てめぇなんぞに殺されてやる筋合いはねぇし、てめぇの誇りなんか
  それこそ知ったこっちゃねぇ!
  そんな下らねぇ遊びなんざやめっちまえ」
  
 「饕魔」から「奈菜」へ
 
 
>「何というか・・・まだまだ子供ですから・・・」
>「でも逆を言うとこれから先の人間、育ちきってしまったひとがたと違ってこれからが面白いかもしれませんけどねえ」
 
 (これからが面白くても今が問題なら関係ねぇ。
  人にやたら喧嘩を吹っかける子どもにゃぁ教育が必要だな。
  少なくとも当座は迷惑でしかねぇよ)
 
 「饕魔」女中の言葉を受けて。
 
 ……しっかし、言いたい放題言ってるなぁ。
 しょせん生きる事そのもの最優先の「蟲」だからしょうがない……と思うけど。
 (「死」を肉体的な死としかとらえないからこういう考えになるわけだね。
  相模とはほぼ反対側になるんじゃないかな)
1998年07月30日:13時54分46秒
少女・刃夜 / 夜光
 「ここはどこ?」
  少女が気づくとそこは鬱蒼たる緑に覆い尽くされた城。木々の織り成す迷宮だった。
 「前にも来たこと....ある?」
  それは誰かの記憶。自分の記憶であり、また、そうではない。
 「うん、知っている。私はここを知っている」
  木々が囁く。ここは母なるものが住まう地だと。
 「うん、わかるよ。ここにみんなのお母さんがいるんだね」
  少女の心を吹き抜けた暴風は今は静まっている。それは何故なのだろうか?
 「こっちにいる....あの時いた人たち......」
  何かに...まるで運命にでも導かれるかのように。森の奥深くへと歩いていく。
  もっとも深く。もっとも古き母なる木のもとに。
 「道を開きなさい。我が名は刃夜。千億の絶望と。更にその千倍の希望を知るもの」
  その声にはどこか神々しささえある。その姿は依然少女のまま。けれども何かが変わっている。
 歯車は回り始めた。運命の輪を止めることは誰にできようか....
 
 少女 刃夜 より 神宿樹 穂摘へ
1998年07月29日:15時03分45秒
悪夢の出口、あるいは底(その3) / tomy
「………、外………?」
夕霧はただ反芻するようにつぶやく。だがその言葉への反応はないに等しい。
「「外に出ることを望むか?ならば道は二つある。」」
「ひとつは穂摘の道。再誕の道。」
「ひとつは汝等自身の道。帰還の道。」
「そしてここに留まるという道もまた存在する。」
「「いずれかを選ぶのは汝等。」」
反響するかのように穂摘の言葉が重なりあって聞こえる。
1998年07月29日:11時18分13秒
悪夢の森の中で 弐 / ジョーカー
 「些か…長い夢を見ていたようです」
 
 炎が呟く。何かを反芻するように目を閉じながら。
 
 「『私』と兄弟が伝えるところによると外では大分時が流れたようです。
 もっとも…」
 
 言葉を切り、微苦笑を漏らす。
 
 「『我々』にとっては取り立てて長いとも言えませんが」
1998年07月29日:01時36分58秒
奈菜 / 月夢
「できるか、ぼけ」
 あっさりきっぱりためらうことなく言い返す奈菜、絶対不利と言うより万に一つの勝機もない状況ですらその目は死んでいない。
「てめえのやり方がうすぎたねえと思うのは変わりはねえし、てめえの都合なんて相変わらずあたしには知ったことじゃないんだよ」
 その口調にも怯えはない、たとえ死ぬことになってもその瞬間まで己を貫き通す、それが奈菜の生き方。
「それにいっとくぞ、喧嘩で命張るのは当たり前なんだよ、てめえ自身の誇りってでっかい看板背負ってやってんだからな、勝負?殺し合い?言い方に意味なんてねえよ、気取るな、たこ」
 切っ先から目も逸らさずに奈菜が啖呵を切り続ける。
「あたしの誇りはまだ死んでいない調子にのんのはまだはやいんだよおっさん、語るんならやってからにしろ」
 
 奈菜は餐魔はおろか蜘王という名前にも気づいていませんよ(笑)、どういう存在かなんてさっぱり知りませんしね。
1998年07月29日:01時08分52秒
女中 / 月夢
「あの・・・あんまり奈菜さん刺激しないでもらえませんか?」
 怨麗と一緒に宿に入りながら女中が困ったように言う。
「奈菜さん、権力に近い人間毛嫌いしてますからそういう言い方されると本当に危なっかしくて」
 ふうと女中がため息をつく。
「何というか・・・まだまだ子供ですから・・・」
 その後に誰に向かってでもなく独り言のように付け足す。
「でも逆を言うとこれから先の人間、育ちきってしまったひとがたと違ってこれからが面白いかもしれませんけどねえ」
1998年07月28日:17時35分18秒
忠告その2 / タイガ
>「てめえの真っ当なんぞ信用しないさ」
 
 「そうかい?なら……」
 襲い掛かる刀の切っ先を見ながら、饕魔はある一瞬の「機」を見出し、大量の気によってヒイロカネの刀に
 勝るとも劣らない丈夫さを与えられた糸を繰り出す。
 
 ギャリィッ!
 
 妙な音と共に、七尺の長さを誇っていた刀があっさりと宙を舞い、大地に転がる。
 「……好きにさせてもらうさ」
 にやりと笑う。
 構えたまま、饕魔は喋り出す。
 
 「ところで、お前、いくつか間違ってるぜ。
  命を張らせた時点でそれは喧嘩じゃねぇ。
  『勝負』さ。じゃなかったら殺し合いか、まあその類だな。
  どっちにしてもどんな事したって汚ねぇだの卑怯だの言われる筋合いはねぇ。
  例え言われったって、関係ない。本当なら言う方はとっくにくたばっちまってなんにも言えないんだからな。
  俺じゃなくて怨麗に言ったんだ、とか言いたいしれんが、俺も怨麗に用事があるんでね。
  怨麗自身は二三度切られたって平気だとか言ってるが、それでももし機嫌でも損ねたらどんな難癖付けられるともかぎらねぇ。
  それを黙って見過ごす訳にゃいかねぇ。
  と、まあそう言う訳だ。
  まだなっとく出来ねぇか?」
 饕魔は饕魔で何かこう言う事に嫌な思い出でもあるのかもしれない。
 
 「饕魔」より「奈菜」へ
 
 ところで、奈菜は怨麗が「蜘王」と呼びかけた事しか知らないんで、「饕魔」とは思わないはずですよね?
 
 ところで怨麗への返事は時間線が錯綜しきっているので書きません、あしからず(^^;)
1998年07月28日:12時41分20秒
悪夢の出口、あるいは底(その2) / tomy
「…あ、ありがとう。」
劫火を怒りを霧散させた炎へ向けて夕霧がつぶやく。そして緊張感ゆえかそのままふらふらと倒れ込む。
ぱさっ

穂摘がいつの間にか夕霧を支えている。そのまま夕霧を抱え込む。その姿は穂摘自身の言うとおり、母性を象徴しているように見える。
1998年07月28日:12時24分16秒
嵐と凪 / ジョーカー
 穂摘の言葉の意味は理解出来た。だが炎は止まらない。
 いや、止められないのだ。炎は二人で一人。その形に納まってから
 長い時を過ごした。故に、片方だけでは歪みが出る。容易く激情し
 そして歯止めが効かない。特にこちらの炎は元が人間故に
 感情が強く出る。そして抑える炎も『此処』にはいない。
 
 (いけない…このままでは内世界ごと灼いてしまう)
 
 感情に圧倒された理性が警鐘を鳴らす。だが支配権を取り戻すには至らない。
 炎はゆっくりと狙うように腕を穂摘へと向ける。
 
 (なにか…なにかがあれば)
 
 身に纏った怒りと殺気の具象である劫火が穂摘へと放たれる瞬間、脇から声が聞こえた。
 
 「や、やめて。お願い。でないと、私…」
 
 そして炎に向けられる攻撃と排除の意志。
 僅かに注意が逸れる。
 
 (……!!)
 
 その隙を突いて支配権を取り戻す理性。
 
 「大丈夫です。………大丈夫」
 
 やがて劫火は霧散していった。
 そして其処には熱気の残滓を漂わせる炎が残るのみだった。
1998年07月28日:01時45分26秒
夕霧 / tomy
「…っ。」
炎におびえて後ずさる夕霧。
ここにいる夕霧は過去から切り離された夕霧の心。母という仮面を失った弱い魂には炎の劫火に耐える支えはなかった。
それに目の前の存在を劫火で滅ぼすというなら、夕霧にどこに逃げ場があるというのだろう?ここは夕霧の心の中であり、穂摘の中なのだから。
「や、やめて。お願い。でないと、私…」
いつの間にか刀を握りしめながら炎に言う。

夕霧から炎へ
1998年07月28日:00時49分36秒
穂摘 / tomy
「“影”の姿が気に入らぬなら“像”の“見方”を変えるが良い。」
「だが偽りではない。それもまた穂摘。」
「我は全ての木々を記憶している。」
「我は全ての木々を内包している。」
「この目の前の全てを滅しても、穂摘を滅した事にはならぬ。」
「滅しても再び存在する。穂摘は『やく』なれば」
「全ての木々を滅する事と穂摘を滅する事は等価なり。」
「翠影の木も含めて」
超然と答える穂摘。あるいはこのモノは、恐怖などの感情とは無縁の存在なのかも知れない。


穂摘から炎へ
1998年07月28日:00時22分48秒
怨麗 / tomy
「相手の事情?あんた馬鹿か、喧嘩始まったらそんなもん関係ない、目の前にいるやつぶったおすこと以外は全て無意味だろ」

「ふふ、私にとっては逆よ。相手を倒す事なんかに意味はない。相手を“負かす”、負けを認めさせる事に意味はあってもね。だから相手の事情は考慮するわよ。もちろん、お嬢ちゃんがの事情もね。」
口元に笑みを浮かべ、言い放つ怨麗。そのやり方こそが奈菜を逆上させている事に気付いているのか、いないのか。

「少なくともあたしの喧嘩を・・半端な覚悟で買わす気はねえ!!仕切り直しだ、あんたがどんな覚悟でこの喧嘩始めたか知らないけどこっから先は命張ってもらうよ、あんたがそれでも横を向くならあたしは容赦なく叩き斬る」

「あら、何の覚悟かしら。まあ、2、3回切断される覚悟とか、この街を巻き添えにしてしまう覚悟ぐらいならあるけど。ただ残念ながら命は張れないのよ。例えその刀で両断されてもね。」
怨麗の生命活動の停止は鱗麗の封印の解放を意味するのだから、確かに怨麗は本当のことを言っている。だが、これでは奈菜にはからかっているようにしか聞こえないだろう。

「こいつのいうことももっともなんだぞ。喧嘩とはいえ戦いの最中に、注意を逸らすのは誉められたことじゃねぇ。まして、喧嘩をほったらかして話し出すってのはな」

「“勝負”ならそうかもね。でも“喧嘩”よ。勝ち負けの基準もない、ただの自己満足の、ね。しかも私には意味のない、お嬢ちゃんだけの自己満足。だから私も好きにさせてもらうわ。」
怨麗が煩わしそうに言う。“喧嘩”でいつまでたっても負けを認めない者に何度もつき合わされた過去でもあるのかも知れない(斬牙とか(爆))。なら何故“喧嘩”を受けたのか、やはり奈菜をからかって楽しんでいる部分があるのだろう。

そうこうしている間に、再び喧嘩に割って入った饕魔に奈菜は目標を切替える。
「きたねえ喧嘩の仕方しかできねえやつと面付き合わすのもごめんだがぶったぎっとかねえと気分がわりい……殺る」
「こっからはお前の気が済むまでまっとうな勝負をしてやるから安心しろや」

「あらそう、頑張ってね。私は(美月さんがいるから)逃げたりしないから安心なさい。」
そう言うと美月のいる方、宿の中へ移動する。

「怨麗、お前もとっとと終わらせろよ」

「無茶を言わないで欲しいわね。茶飲み話で終る話しじゃないわよ。…、まあいいわ。まずは自己紹介でもしてるから。女中さん、お茶とお団子をお願い。」
そう注文する怨麗。奈菜の頭にさらに血を昇らせる役には立っているのかも知れない。

怨麗から、『蜘王』、奈菜、美月、女中さんへ
1998年07月26日:23時50分39秒
奈菜 / 月夢
「こっからはお前の気が済むまでまっとうな勝負をしてやるから安心しろや」
「てめえの真っ当なんぞ信用しないさ」
 肩口に担いだ刀に両腕をかける。もうすでに間合いは十分詰まっている。
(闇器も術もつかわせねえ、一撃でけりを付ける)
 奈菜の喧嘩に後先はない、全てが真剣勝負。
 奈菜が呼吸を整え、残る気をそそぎ込む、刀が淡い光を放つ。
(手加減抜き、小細工抜き……)
 全身のばねをためる、奈菜の脳裏には二撃目もその後のことも、餐魔の出方すらない、ただ全てを一撃につぎ込むだけ。
(どういう手できても関係ない……全て叩き斬る)
 
 
 ということで一撃勝負、刀だろうが糸だろうが叩き斬るつもりで刀振ります、一応必殺の一撃です。
1998年07月26日:14時51分39秒
悪夢の森の中で / ジョーカー
 胸から止めどなく血が流れ、口の端からも一筋流れ出ている炎の目に一人の女性の姿が目に映る。
 それは炎が命を懸けても惜しくなかった女性に酷似していた。
 前途ある将来を捨てるだけの価値を見出した女性に酷似していた。
 歌舞音曲の師であり、恋人であった女性に酷似していた。
 そしてそれ程までにかけがえのない存在でありながらも力及ばずに
 護りきれなかった女性に酷似していた。
 その女性の名を翠影と言った。炎が炎と名乗る前に愛していた女性の名は。
 
 「我は森」            力の抜けた指がぴくりと動く。
 「我は母」            (あれは…翠影?)
 「我は天羅の一片」     霞んだ目にその姿だけは克明に浮かび上がって見える。
 「我は守護するもの」    (いや、違う!)
 「我は循環」          手が握り締められ、地面を抉る。
 「我は女」            (翠影はあの時死んだのだ)
 「我は汝」            吐血しながらも目に力が、怒りが宿る。
 「我は…、穂摘(ほづみ)」 (私を救うために…!)
 
 「手を放して下さい。火傷をしますよ…」
 
 自らの手を掴んだままの夕霧に告げる。
 そして返事を待たずに手を抜き取る。
 
 その炎を劫火が包む。
 
 それはこの内なる世界に於ける怒りと殺気の具象。
 この世界を揺らがしかねないほどの 修羅の怒り
 劫火を纏い、炎はゆらりと質量を感じさせない動きで立ち上がる。
 
 「姿を偽るのはおやめなさい。他のモノにその姿をされるのは不愉快です。
 ……滅しますよ」
1998年07月26日:06時22分24秒
/ タイガ
 怨麗の台詞に返事をするのを忘れてましたね(^^;)
>「おや、蜘王?今日はずいぶん昔馴染みに合う日だね。まあ、そんなことはどうでもいいさ。あんたはそこの嬢ちゃんに対して失礼って言うけど、美月さんをわざわざ呼び出しておいて、自分は下で喧嘩してましたってのは失礼じゃないのかい?せめて美月さんに了解を得なきゃね。」
 
 「ああ、久しいな。
  だが、奈菜、だったか?こいつのいうことももっともなんだぞ。
  喧嘩とはいえ戦いの最中に、注意を逸らすのは誉められたことじゃねぇ。
  まして、喧嘩をほったらかして話し出すってのはな」
 
 奈菜が糸を引き千切り、挑みかかる。
 饕魔は幻術をかけたものの、気合いのこもった一喝で解かれたようだ。
 (へえ、なかなか、さきが楽しみな奴だ……)
 
>「きたねえ喧嘩の仕方しかできねえやつと面付き合わすのもごめんだがぶったぎっとかねえと気分がわりい……殺る」
 
 「俺もあんまり好かんのだがね。こうでもしないと止められんだろう」
 そういって、糸を繰り出す。
 何本もの糸が腕のあたりから伸び、前面に細い先端を突き出す。
 「こっからはお前の気が済むまでまっとうな勝負をしてやるから安心しろや」
 すっと構える。隙はほとんど無い。
 「怨麗、お前もとっとと終わらせろよ」
 
 「饕魔」から「奈菜」「怨麗」へ
 
 と、いうことで。
 (何とか繕えたな(^^;)
 
 ところで、みて解るかもしれませんが饕魔は奈菜にも目を付けたようです。
 気を付けてね(^^;)
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