天羅万象掛け合い:修羅刀編 LOG 004

天羅万象掛け合い所:修羅刀編の1998年04月20日から1998年07月25日までのログです。


1998年07月25日:21時02分59秒
奈菜 / 月夢
 地の底から何かがはいずるような音がする。
「ん?蟲か?」
 奈菜とて蟲使いは見たことはある、彼らが使う蟲もそんなに種類は多くはないが少しは実物を見たことがある。
「ふん、くだらないね、糸の次は蟲かいよくよくこそこそした手段が好きなようだね」
 馬鹿にしたように言って餐魔の方に視線をやったとき奈菜の動きが急に止まる。
「おまえら………」
 誰もいるはずのない空間を奈菜は見つめ続ける。そこになにが映っているのかは奈菜以外の誰にもわからない、ただそれを見つめ続ける奈菜の表情にあるのは怯え、嘆き、憐憫………そして怒り。
「負け犬が……」
 奈菜はぽつりと呟くと刀を振る。
「消えろ、あたしは馬鹿の仲間入りをする気もなければそちら側に加わる気もない!!あたしの主はあたしだけだ!!」
 一喝、それだけで奈菜の視界からそれらが追い出される。
「幻術ってやつか……あんたも陰陽師か」
 初めて奈菜が餐魔を正面から見据える。
「陰陽師にはろくなやつがいねえと思ってたけどてめえはその中でも最低だな、てめえからまずぶったぎったほうが良さそうだな」
 刀を肩に担ぐ、刀を操るのではなく腕力にものを言わす一撃必殺の振り下ろしの構え。
「きたねえ喧嘩の仕方しかできねえやつと面付き合わすのもごめんだがぶったぎっとかねえと気分がわりい……殺る」
 
 
 つーことで敵が変わってしまいました(笑)まあ普通は怒るだろうし、奈菜は拳の人だから訳わからん技(陰陽師やらなんやら)にはあまり理解のない人なのです。
 奈菜に言わせると直接戦闘以外は真っ当な喧嘩じゃないになっちゃいかねませんけど。
1998年07月25日:20時32分39秒
亜夜 / tomy
「ありがとうございます。」
迅雷の手から味噌汁を受けとる亜夜。一口食べると、つぶやく。
「…温かいです。」

亜夜

tomy:僕には『美味しい』と答える亜夜を想像できなかったので、即物的な感想を言わせました(笑)。
ところで後はもうこのまま夜がふけた、で良いのではないでしょうか?
1998年07月25日:18時45分48秒
悪夢の出口、あるいは底(その1) / tomy
「血………………、いやっ、いやぁーーーーっっ!!」
夕霧はおびえた。血が流れることに、体温が失われることに、命が喪われることに、心が消えゆくことに。
その恐怖がどこから来るものなのかは思い出せぬまま、夕霧はおびえ続けた。

『ならば逃げるが良い』
どこか、いや どこでもない場所から夕霧に向けた声が発せられる。

『他のモノならばできぬが、汝ならできる。…汝は我なれば。』
思わずこくりとうなずく夕霧。

『こちらだ。』
夕霧は倒れ伏した目の前の男の手を取り、声のする方、…自らの内に意識を向け、目を閉じる。

「「来たな」」
何重にも重なった声が響く。
夕霧が再び目を空けると、そこは…、森。煉鵺が訪れたのと同一であって同一でない、森。夕霧と男の目の前に立っているのは、…女。夕霧から見れば夕霧に似ており、男から見れば失われた最愛の女に良く似た…女。
「我は森」
「我は母」
「我は天羅の一片」
「我は守護するもの」
「我は循環」
「我は女」
「我は汝」
「我は…、穂摘(ほづみ)。」
1998年07月24日:14時17分07秒
泥の中に潜むもの / タイガ
>「あたしの知ったことじゃない・・・相手の事情?あんた馬鹿か、喧嘩始まったらそんなもん関係ない、目の前にいるやつぶったおすこと以外は全て無意味だろ」
 
 「そうか?相手の事情が分からなかったらそもそも喧嘩してもつまらんと思うが……」
 奈菜に聞こえるかどうか解らないほどの小声でぼそりと呟く。
 と、奈菜が刀に気を込めて絡んだ糸を引き千切る。
 「へぇ、なかなかやるね」
 
>「仕切り直しだ、あんたがどんな覚悟でこの喧嘩始めたか知らないけどこっから先は命張ってもらうよ、あんたがそれでも横を向くならあたしは容赦なく叩き斬る」
 
 「いい加減しつこいようだが、怨麗と……美月だったか?あの二人の話を邪魔させるわけには行かないんだよ」
 (実際にたたっ切れるかどうかはともかく、怨麗とあの美月とかいう女の癇にさわったらやばそうだしな)
 「ま、ちったぁ相手の事情ってもんを考えるようにしてやるよ」
 不意に、右手を奈菜の目の前に突き出す。
 糸が宙を舞い、一瞬の閃きを奈菜の脳裏に焼き付けて消える。
 
 と、奈菜は、下のぬかるみから奇妙な音がするのに気付いた。
 目をむけると、泥の中に何かが潜んでいるのが解る。
 「それ」は湿った音を立てて、這いずりながら奈菜に近づいていく……。
 
 「……?『事情』じゃなくて『状況』だったか?」
 ……なぜに、『事情』と『状況』を取り違える。
 「……ま、いいか」
 
 「饕魔」より「奈菜」へ
 
 とりあえず、饕魔の幻術です。
 妖力の幻覚とはちょっと違います。
 奈菜の一番苦手なもの、恐いもの、あるいは嫌いなものを見て下さい。
 特にそういったものがなければ、……まあグロい蟲でも見てて下さい。
 と
 (ちなみに6の上級です)
1998年07月22日:20時42分18秒
味噌汁を作る男・迅雷 / Dr.李
 大根を次々ぶつ切りにしながら、鍋に入れていく。
 「後は味噌をぶち込むだけだなぁ。」
 結構楽しそうだ。
 
 「できたぜぇ、大根の味噌汁。」
 これまた楽しそうに椀に盛る。
 「味は保証しねぇがな。」
 出来立てほやほやの味噌汁だった。
1998年07月22日:19時56分30秒
悪夢の狭間で−炎− / ジョーカー
 その刹那、白が視界を埋めた。
 
 鈍い音がした。鋼が肉を切り裂く音。
 聞こえてきたのは夕霧の間近。だが夕霧からではない。
 
 そして白は朱に染まっていく。
 
 「夢の中では私も血を流せるとはね……」
 
 僅かに悲しみを含んだ声が夕霧の耳に届いた。
1998年07月21日:00時37分30秒
奈菜 / 月夢
「いってくれるね」
 餐魔にしろ怨麗にしろ奈菜を軽んじている様子がはっきり分かる、もちろんそれに気づかないほど奈菜は馬鹿ではない。
「あんたらがなにものだかなんてしりゃしない」
 奈菜の声が低く静かになるとそれにあわせたように今まで感情のままに発散されていた気が急速に静まる。
「それにあんたらがなに考えているかなんてことも」
 奈菜が一度手を離した刀を再び握る。
「あたしの知ったことじゃない・・・相手の事情?あんた馬鹿か、喧嘩始まったらそんなもん関係ない、目の前にいるやつぶったおすこと以外は全て無意味だろ」
 奈菜の呼吸が変わる深く、強く。
「少なくともあたしの喧嘩を・・」
 今までただ無秩序に発散されていた気が刀に集約する。
「半端な覚悟で買わす気はねえ!!」
 今までびくともしなかった刀が徐々に持ち上が利、ついに絡まっていた糸を断ち切る。
「胡散臭い坊さんに教わった技がこんなとこで役に立つなんてね」
 肩に刀を担ぎ上げ奈菜がふっと笑ってから、怨麗の方に向き直る。
「仕切り直しだ、あんたがどんな覚悟でこの喧嘩始めたか知らないけどこっから先は命張ってもらうよ、あんたがそれでも横を向くならあたしは容赦なく叩き斬る」
 
1998年07月20日:13時07分37秒
怨麗 / tomy
「おめぇも真剣勝負でそんな真似をするなんてずいぶん失礼じゃないか、怨麗よ」

「おや、蜘王?今日はずいぶん昔馴染みに合う日だね。まあ、そんなことはどうでもいいさ。あんたはそこの嬢ちゃんに対して失礼って言うけど、美月さんをわざわざ呼び出しておいて、自分は下で喧嘩してましたってのは失礼じゃないのかい?せめて美月さんに了解を得なきゃね。」
突然現れた『蜘王』に対してそう答えると、奈菜に告げる。
「お嬢ちゃんの相手はいつでもできるけど、そのせいで美月さんにソッポを向かれちゃたまらないのさ、世間知らずのお嬢ちゃん。」

「そういうわけですので、しばらく待っていただけませんか?それほどお時間はとらせませんから。」
口調をがらりと変えて美月に言う。

怨麗から『蜘王』、奈菜、美月へ

tomy:なぜか火に油な台詞しか出てこない(爆)
1998年07月20日:07時10分32秒
忠告 / タイガ
>「さしの喧嘩にいらねえ横槍入れてんのはてめえだろうが、あんたもそっちの姉ちゃんも人の喧嘩の邪魔すんじゃねえよ、用事があるなら後にしな!」
 
 「悪いね」
 悪びれた様子もなく応える。
 「ただ、お前をほっとくと後々面倒な事になりそうなんでな。
  それから喧嘩好きなのもいいが『相手の事情』ってやつも考えねぇと鬱陶しがれて出来る喧嘩も出来なくなるぞ。
  ま、俺はおまえにゃ鬱陶しがられても痛くもかゆくも無いから、こうっやって横やりを入れるんだがね」
 
 「饕魔」から「奈菜」へ
 
 そういや、地面はぬかるんでるんだったね(^^;)
 よっぽど深くまで突き刺さってるんだと思って下さい。
1998年07月19日:22時50分55秒
奈菜 / 月夢
「余計なことすんじゃねえ!!」
 横から急に現れた男にそう叫ぶと奈菜は警告の意味で刀を振ろうとするが刀はぴくりとも動かない。
「なに?」
 先ほどまで自分の手足のように扱えたはずの刀が渾身の力を込めても全く言うことを聞かない、奈菜は唖然として刀をまじまじと見つめる、と一つのことに気づく。
「………なるほど、そういうことかよ」
 刀身に絡まる細い力の流れ、それが刀を固定している。
「おめえも真剣勝負でそんな真似するなんてずいぶん失礼じゃないか、怨麗よ」
「てめえに言えた義理か」
 刀が抜けないと見ると思い切りよく刀から手を離し拳を構え怨麗とそして餐魔を視界に入れて啖呵を切る。
「さしの喧嘩にいらねえ横槍入れてんのはてめえだろうが、あんたもそっちの姉ちゃんも人の喧嘩の邪魔すんじゃねえよ、用事があるなら後にしな!」
 
 奈菜は喧嘩好きなんで横槍はいると誰であろうと容赦なしです、いやあ怖いもの知らず(笑)。
1998年07月18日:16時04分04秒
制止 / タイガ
 「まあ、待てや」
 いつのまに近づいたのか、饕魔は奈菜の斜め後ろに立ちその巨大な刀を押さえる。
 さほど力を入れてるようには見えないが、刀はぴくりとも動かない。
 「事情がよく解らんがお前はあの女の実力が知りたいんだろ?
 だったら、あの二人の話が終わるまでは多分無理だぜ」
 意味ありげに笑いながら、
 「なんせ、あれだけの奴が真剣勝負のさなかでも話をしたいと思う相手なんだからな。
  つまり、それだけ重要な用があってきたんだろ」
 もっとも、怨麗が奈菜を見下して美月と応対をしながらでもあしらえると思っている可能性もあるが。
 怨麗に顔を向けて、
 「おめぇも真剣勝負でそんな真似をするなんてずいぶん失礼じゃないか、怨麗よ」
 
 饕魔
 
 ちなみに、奈菜の刀は甲蟲の糸で止めています。
 地面をくぐらせて絡めてあるので、よっぽどの力が無いと刀自体の重さも手伝って抜けない……と思います。
 (抜ける人は簡単に抜けるんだろうけど(^^;)
1998年07月17日:20時30分34秒
奈菜 / 月夢
(くる!)
 身構える奈菜の予想に反して急降下した式は奈菜ではなく刀に襲いかかり弾かれる。
「あら、それも式刀だったのね」
 何でもなさそうに言う怨麗の聞き慣れない式刀という言葉も聞こえずに奈菜が吼える。
「なっ…てめえ、なめてんのか!?」
 今の瞬間奈菜自身を確実に狙えた、それなのに刀を狙う必要などない………手加減以外には。
「………いい度胸じゃない」
 奈菜の殺気が膨れ上がる、見物人たちのほとんどがその気迫に呑まれて声もあげられないなか、冷静な声がぽつりと呟かれる。
「あの刀・・玄屋のもの?」
「お久しぶりね、美月さん」
 その声を聞いたとき怨麗がわずかにそちらに顔を向け声の主に声をかける。それを見て奈菜の刀を握る手にさらに力が込められ、低い声で告げる。
「余裕見せてくれる……なら死んでも文句ないわね」
1998年07月17日:11時34分26秒
怨麗 / tomy
鳥型の式は奈菜のいるほうに急降下する。
目標は地面に突き立つ大刀。
式は奈菜をかすめると、大刀にぶつかり…、弾かれる。

「あら、それも式刀だったのね。」
さして緊張感なく怨麗が言う。

「あの刀、、玄屋のもの?!」
店の中から声がする。

わずかに顔をそちらに向ける怨麗。
「お久しぶりね、美月さん。と言ってもあの時はご…、ヨロイ越しだったからわからないでしょうね。私は怨麗。南雲の領主の娘、壬元麗『だった』者です。」

怨麗から美月へ

tomy:すみません。玄屋と知合いということで、多分玄屋達と戦った時にもいたんだろうと勝手に書いてしまいました。
ところでせりざわさんは、夕霧の乱について、どの程度知っておられますか?ご存知ないならメールででもお教えしますけど。
1998年07月16日:12時41分02秒
砂塵の騎士 / 夜光
  くだんの金剛機が式を白煙としたただ中。その中心に彼の歩は進んでいた。
 「在」
  その一言と共に逆手の手甲に仕込まれた式が発動する。小細工をすること
 の多い陰陽師相手にと白皇老が授けたものの一つ。式分解式を内蔵した手甲
 だ。
  白煙が消える。視覚が明敏になる。
  素早く視線を走らせ、ここにいるものたちの場所を確認する。
  娘。はじめにいた場所からそれほど動いてはいない。
  緋翼。修羅刀のある方面をにらみサムライの一部となった砲身を向けている。
  そして、金剛機。その姿のみが見えぬ。
 (逃げることはない....あの娘を残して。ならばどこに消えた?)
  そして気づく。地上にいるものが滅多に見上げない世界に。
 (上か!)
  気づいたときには少し遅かった。その姿は緋翼に迫る。
 「引け!緋翼。そいつは俺が引きつける。おまえは娘のほう!!」
  翼が広がる。しかし、この距離で間に合うか?
  迷う暇はない。二刀を構え進むのみ。
 
 サムライ 乱糸 より 
1998年07月15日:22時00分22秒
奈菜 / 月夢
「ちっ、小細工しやがって!」
 奈菜の足下がぬかるみ、ちょうど沼にでもはまったかのように徐々に奈菜の体が沈んでいく。その間にも怨麗は次の式を準備している。
(さしの喧嘩のやり方知ってやがるな)
 近距離まで入ればどんな優れた陰陽師であれ直接戦闘を生業とするものにはどうしても後れをとる、そのためにも陰陽師は距離を保つ手段を考えるか何らかの壁を作る必要があるのだが、怨麗が選んだのは前者のようだ。
(動き殺されたままじゃさすがにやばいか・・・一発二発は覚悟だな)
 陰陽師が近距離戦で後れをとるように直接殴り合いをする事を好む奈菜にとってこの距離は勝算が薄い、鳥型の式の能力は見当がつかないが自分自身の耐久力に賭けて奈菜はまず体を引きずり出すことを優先する。
 「こういう使い方する事になるとは思わなかったな」
 七尺もの長さを誇る奈菜の刀、その長さを生かしてまだしっかりした堅さを誇る地面に突き立てると法被を脱ぎ捨て泥の上に置き一時的な足がかりとし、その二つを起点に体を持ち上げる。
「はっ!」
 まだ沈みきらないうちに動いた判断の早さが幸いし奈菜の体は簡単に泥からはい上がる、だがその瞬間に隙ができることだけはどうにもならなかった。
(くるか)
 ちらっと眼を走らせればとっくに怨麗の式は完成している。奈菜は覚悟を決めて衝撃を待ち受ける。
(うけてやるさ、柔なもんで砕けるような半端な体じゃないからね)
1998年07月15日:19時03分39秒
緋翼 / tomy
「来たっ!!」
ズギュンズギューーーン
煙の中から修羅刀に向かい飛び出す「影」に向けて射撃サムライの弾を打ち出す緋翼。
「やったか!?」
弾は何発か命中し、「影」は動きを止める。
そして緋翼は射撃サムライを「影」に向けたまま煙が収まるのを待った。
1998年07月15日:18時22分45秒
訪問者 / せりざわ
 呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!
 修羅刀編に書き込むの久しぶりです。
 「あの、お客さん」
 店の女将が美月を呼ぶ。
 「お客さんに、会いたいって言う方がいるんですけど」
 「わかりました。で、何処に」
 「えぇっ、下の階なんですけど」
 女将が言葉を言いきらぬうちに、美月は立ち上がった
 小柄な女だ。女将より頭半分背が低い。
 「その方のところへ、案内していただけませんか」
 「さぁさぁ、こちらでございます」
 女将に案内された部屋に、客の姿は、ない
 「おかしいですねぇ・・・」
 女将が小首をかしげる。
 そんなおりに聞こえた、轟音に似た、<式>の起動の音。
 「何かが、起こってますね、、」
 奇しくもその日は新月ー暗い夜。 美月はその、扉を開けた。
 扉の向こうで、何が起こっているのか、察しはついた。
 扉を開けたその向こうに広がっている光景は、、、
 「あの刀、、玄屋のもの?!」
1998年07月15日:02時52分07秒
沙夜 / tomy
「テノ・カワリ・ニ」

「…、ありがとう。でも、何故?」
戸惑いの視線。それは、この後に及んで『彼』を巻き込む気が沙夜になかった事の証(あかし)。だが、『彼』はそれには答えず行ってしまう。

「…、急・急・如・律・令」
『彼』を見送ると、沙夜は渡された式を発動させる。

沙夜

tomy:ダメだー未だにわかんない(TT)この変身能力式は何に変身させればいいのだろう?乱糸か緋翼か、それとも沙夜か?誰かアイデア下さい(;;)
1998年07月15日:00時50分30秒
怨麗 / tomy
「あら、じゃあこっちも用意させてもらうわ。」
そう言うと短刀を取り出し、右手の指先を切る。
その血で左の手のひらに模様を書と、そこから鼠のような式が現れる。
「いくわよ。」
鼠型の式は地面を駆け奈菜の方へ走る。
しかし、奈菜が式を攻撃しようとしたそのとき、式が地面に吸い込まれる。
それと同時に奈菜の足元が沈み込む。周囲の地面がいつのまにか泥に変わっている。
「さて、これからが本番よ。」
すでに次の鳥型の式を作り出しながら怨麗が言う。

怨麗から奈菜へ

tomy:ちなみに怨麗の最初の式は変換式で、地面を泥に変換しました。
1998年07月10日:22時14分48秒
奈菜 / 月夢
「でも……後悔しないのね?」
 奈菜が扉から先に一歩出た瞬間後ろからまがい物ではない鋭い気迫が突き刺さる。
「上等」
 さらに数歩進み開いた扉ごしに怨麗の方に向き直ると唇を舐め手招きする。
「こいよ、その店ぶっこわすとうるさいやつがいるんでね、ま、いやだって言うんなら力ずくで引きずり出してやってもいいけどね」
 そこら辺の半端物の兵士より遙かに場数を踏み、自分の命を賭けてきた奈菜も怨麗の力がまるでわからないわけではない。それにも関わらず奈菜には全く臆した様子がない、むしろ喜んでいるようにすら見える。
「あたしを本気にさせれてくれそうなやつは久しぶりなんだ、この喧嘩退かせないよ」
 そう宣言してから奈菜が建物の2階の方に合図をすると少しの間をおいて布にくるまれた長い物が奈菜に向かって振ってくる、それを奈菜は空中で受け止めると器用にくるっと一回回して地面に突き立てる。
「あたしは元々刀の握り方を教わるような生まれじゃないし、自分の拳ではっ倒す方が性に合ってる……けど今日は特別だ、あんた相手ならこいつ使うべきだろ」
 奈菜の横につきたつそれは女性としては長身の奈菜よりさらに大きい。
「あんたが3人目だよ、こいつのお披露目するのは!」
 奈菜が一気に布を取り去るとそこには奈菜の服と合わせたかのような朱一色の鞘に収められた長刀が現れる。
「なかなか見物だろ?」
 にやっと笑うと奈菜は刀を持ち上げ鞘から抜く、ただの飾りではないことを示すかのように刀の刃がぎらりと光る。
「いっとくがこいつはヨロイ用じゃないよ、人が持つように作られているのさ」
 その長さ七尺、これが人のために作られた物としたら恐ろしく非常識な物である。
「どこのどいつか知らないけど物好きな刀鍛冶が打ち上げたんだとさ、つってもこんな物振ろうなんて考えるやつは当然いなくてね、あたしが見つけるまではお蔵入りしてたのさ……もったいないことにね」
 ぶんと奈菜が実際に使えることを示すかのように一振りする、その風を切る音は重い、仮に切れないとしても当たるだけでも無事では済まないだろう。
「さ、こっちは準備終わったよ、いつまでももったいぶってないで出てきなよ、面白い喧嘩させてやるから」
 
1998年07月10日:15時00分33秒
饕魔 / タイガ
 何時の間にか、怨麗達からは死角になる場所で一人の男が酒を飲んでいた。
 饕魔である。
 
>「あら、そういうつもりじゃなかったんだけどね。まぁ、いいわ。」
 
(どう聞いても喧嘩を売ってるようにしか聞こえんがな)
 苦笑混じりに思う。
 (しかし、『一人じゃ何にも出来ない連中』か、確かにそんな奴が多いが……、
  ある程度の力量があるやつだと、一筋縄じゃいかねぇんだぞ……)
 と、怨麗からその、「ある程度以上の力量」を持ってないものには到底真似出来ない威圧感が漂いはじめる。
 (さて、どうするつもりなのか、興味深くはあるな……)
 
 「饕魔」
1998年07月10日:12時00分10秒
怨麗 / tomy
「あら、そういうつもりじゃなかったんだけどね。まぁ、いいわ。」
奈菜のけんのんな視線を受け流しつつ怨麗が答える。
「でも…、後悔しないね?」
そう言って目を細める怨麗からは修羅場をくぐり抜けてきた者しか持ち得ぬ威圧感がただよっていた。

怨麗から奈菜へ
1998年07月09日:12時20分37秒
緋翼 / tomy
「…っ、式か!?」
視界が遮られたことに気付くと同時に、彼らのいた方に向かって撃つ。手応えはない。

(そうだ、今僕等がなすべきことは、修羅刀を逃がさぬこと。彼らの事は兄さんに任せよう。)
目をつぶると意識の全てを修羅刀のあると思われる方向へ集中させる。

「修羅刀に近付く者があれば誰であろうと撃つ。」
そう警告の言葉を発する緋翼。間違って兄を撃ってしまうかも知れない事を危惧した言葉だが、それこそは彼の甘さそのものだった。
1998年07月07日:15時55分45秒
アレス / MARS
 『僕は…何をしたかったんだろう…』
 アレスは未だに惨状の現場に残っていた…
 『もし…迅雷さんがいなければ…僕だけじゃなくこの街の人たちも…』
 ぎゅっと唇を噛みしめる…
 『そもそも僕は何のために旅に出たんだろう…』
 ふと少女の顔が浮かぶ…そして胸が焼け付く…
 『僕は彼女のことを1つも知らない…いや…僕は知りたいのだろうか?』
 空を見上げると…まだ月は輝いていた…
1998年07月06日:16時15分13秒
奈菜 / 月夢
 くすっ。
「あん」
 視界の隅の相手が笑みを浮かべる。
「ああ、ごめん。お嬢ちゃんがあんまり可愛らしいことをいうから、つい、ね」
「・・・・喧嘩売ってんならかうぜ、おばさん」
 奈菜が睨みながらその場に立ち上がる。
「最近雑魚しか相手にしてないから退屈してるんでね、あんたで欲求不満はらさせてもらってもいいんだよ」
 指を鳴らし口元に物騒な笑みを浮かべて奈菜は怨麗の目の前にたつ、お目付役とも言うべき女中は奥に行ってしまっており誰も奈菜を止めるものはいない。
「正直陰陽師なんて一人じゃ何にも出来ない連中殴っても弱い物いじめにしかならなくて面白くないけどね、でもお高いところで偉そうにしている馬鹿にはいい勉強になんだろ」
 くいっと顎で外を指し、奈菜は怨麗に背を向けると店の扉を開け一度だけ振り返る。
「表でな、お客様だから丁重に相手してやんよ」
1998年07月04日:01時19分30秒
悪夢(その2) / tomy
不意に景色が変わる。
夕霧は小屋の中に立っている。
夕霧の周りには何かがうず高く積まれている。
それは…、壊れた木人形。
割れた人形、折れた人形、腐った人形。
夕霧はその中に立たされていた。

「少しは…、期待していたのだがな。」

(ああ、そうだ)
刀が降り降ろされる。
その動きが、いや、時の流れが速さを失ってゆく、まるでその瞬間に至るのを避けるかのように。

(この時、私は…)

夕霧、悪夢の中で
1998年07月03日:22時03分55秒
亜夜 / tomy
「しかし何だな、泊めてもらってこんな事言うのも何だが、こりゃウサギ小屋だな、お い。」
「まぁ、雨風しのげるだけでもましってとこだがな。」
「申し訳御座いませんねぇ」
「何せ皆様お泊りんなるって事ですからね。少しばかり人の数が多すぎまさぁ‥‥」
「皆さん一緒って言うと、こんな宿しかありませんでねぇ」

「雨露がしのげる以外に必要なことがあるのですか?」
笑いながら文句を言う迅雷と苦笑しながら言い訳する境玄を見ながら亜夜が言う。
「私は感謝しています。ありがとうございます、境玄さん。」

「まってろ、うめぇ味噌汁喰わせてやっからよ。」

「…、はい。」
亜夜はちょこんと座りながらじっと待つ。

亜夜

ぐはぁ、たったこれだけなのに死ぬほど書きづらい(爆)
生活感のないキャラクターの日常風景がこれほど難しいとは(激爆)
1998年07月03日:15時39分57秒
怨麗 / tomy
「あたしの視界内で騒がないことを勧めるよ、あたしはあんたみたいな連中が嫌いでね」
くすっ
その言葉を聞いて怨麗の口元から笑みがこぼれる。

「ああ、ごめん。お嬢ちゃんがあんまり可愛らしいことをいうから、つい、ね。」
楽しそうに言う。

怨麗から奈菜へ

喧嘩を売ってる様にしか見えませんが、怨麗は本気で言ってます。怨麗から見るといきがってる少女は可愛らしく見えるんですよ(爆)。
1998年06月28日:22時47分19秒
『人形』たちの円舞 / Ray
 顕れた式が視界を遮る中、『彼』は即座に次の行動に移った。
 背後にあった沙夜を抱き抱えると、一跳びで樹々の蔭にその身を隠す。
 気体化した式では視界は遮れても、矢玉や刀槍を防ぐ事は出来ない。
 同じ位置に留まっていては、盲撃ちであっても命中する危険があった。
 
 死角となる場所の、草叢の上に沙夜を降ろす。
 傷付いた身体には些か乱暴であったかも知れないが、今の『彼』にはそれ以上の余裕は無かった。
 前肢の手甲部から式札を引き出し、その上へと放る。
「テノ・カワリ・ニ」
 いよいよ聞き取り難くなった声でそう告げると、身を翻す。
(『其レ、兵ハ奇道也』……か。
 お師様も言っていた、『相手の注意を望む方へ向け、隙を生じさせる事』と……。)
 思い出の中の師が、優しく語り掛ける。
 だが、それは何時、どの様な場所でであったか……記憶の欠損は、防ぎようも無く続いていた。
 
 目を付けていた人間大の倒木に右手の呪爪牙を埋め、それを一振りで投じる。
 もとより大した効果を期待しては居ない。一瞬でも注意を引き付けて呉れさえすれば、それだけで充分である。
 僅かな時間でも、1対1に持ち込めさえすれば……追っ手の足を止める事も叶う。
 サムライ二人を相手にして、短時間でこれを斃す事は容易では無いだろう。
 だが、追って来られない状況を創り出す事は、決して不可能では無い。
 その間に……。
(随分とあの刀に拘っていた様だから、完全に無視する事も出来まい。
 ……それにしても、一体何があると言うんだ、あの刀に?)
 『彼』は未だ知らない……それが『修羅刀』である事を。
 そして自身の運命が、それと分かち難く結び付けられてしまった事を。
 
(後はあの女性次第……果たして理解して呉れただろうか?)
 迷いを振り捨てる様に、全身を発条にして宙に跳び上がる『彼』。
 その軌跡に存在した樹々を蹴り付け、更に高さと速さとを加えて行く。
 後から来たサムライが先に動いた事で、相手側の連携は僅かながら崩れている。
 ……そこにこそ、勝機は存在した。
 
 『彼』
 
1998年06月23日:06時32分45秒
境玄 / ハリ=ハラ
「申し訳御座いませんねぇ」
 
 済まなそうな所は欠片も無い様子で境玄が応える。
 
「何せ皆様お泊りんなるって事ですからね。
 少しばかり人の数が多すぎまさぁ‥‥」
 
 苦笑を浮かべる
 
「皆さん一緒って言うと、こんな宿しかありませんでねぇ」
1998年06月22日:22時43分54秒
放浪者・迅雷(宿にて) / Dr.李
 「しかし何だな、泊めてもらってこんな事言うのも何だが、こりゃウサギ小屋だな、おい。」
 そういって、見渡す。
 「まぁ、雨風しのげるだけでもましってとこだがな。」
 そう言いつつ、短刀で野菜を切る。
 「まってろ、うめぇ味噌汁喰わせてやっからよ。」
 あんな事の後に平然と飯を作り、食らえるのは、迅雷にまともな神経が通ってないからにちがいない。
1998年06月22日:14時34分47秒
砂塵の騎士 / 夜光
 「いや、今が千載一遇の機会なんだ。逃げ出す訳には行かないよ。修羅刀を逃がせば父さんやおじさん達の身を危険に晒すことになるん
 だ。確かに兄さんは強いけど、父さんが来るまで一人であの二人が修羅刀を持って逃げ出さないよう足止めできるかい?」
 そう問うと、返事も待たず続ける。
  乱糸には自信があった、足止めは出来ないかもしれない。だが、倒すことなら出来る。と。
 「大丈夫、父さん達が来るまで持ちこたえればいいんだ。兄さんと二人なら十分勝算はある。それに、父さん達をここに連れてくるだけな
 ら、こういう方法もあるさ。」
 そう言うと、懐から式札を取り出し、念を込める。式は天に向かい舞い上がると、空中に輝く粉を巻き散らす。飛行変換式をノロシとして
 使ったのだ。
  派手な技だ。だが、有効なことは確かだ。それは認めざるを得ない。だが......
 (こいつは知らない。あの恐怖を。あの悲しみを)
  あのころ自分は子供だった。力を持たないただの子供。腕っ節は他人よりは多少秀でていたがその程度。
 (知らないからこそ。.......甘いな)
  我知らず苦笑が漏れる。本音を言えば緋翼には逃げてもらわねば困る。これは千載一遇の好機などではない。万分の一の
 危機なのだ。
  ここに修羅刀があることそれを告げる使者こそ、今は必要なものなのだ。自分では自分たちでは足止めにすらならない。
 「千載一遇の好機なんかじゃねぇ。廃するべき万難が今ここにすべてあるんだよ!」
  その声は緋翼に向けたもの。
  そして気合いの声と同時に目の前に現れた式に突進をかける。顕現してまもない。命令を受けるには少々時間がないだろう。
 これがおとりなのは、解っている。だが、いまから金剛機を阻むにはまずこいつを片づけた方が良い。
  ひらめく刀は大小の名刀。陰陽の夫婦刀。紅光と碧闇。かの陰陽鍛冶がうちし希代の業物。練達のものがあつかいて切れぬものなし!
 
 サムライ 乱糸 より 緋翼へ
1998年06月22日:00時03分18秒
『人』と『獣』と…… / Ray
 異形の者と化した『彼』の外見は、今や獣その物である。
 だがその内では、怖ろしいまでに研ぎ澄まされた、冷徹な“もの”が目覚めていた。
 背後に庇う者を護りながら、目の前の“障害”を排除する……その為に、幾通りもの手段が極僅かな時間で検討され、最善手が導き出された。
 骨格からして変化した右前肢の鉤爪が、大地を繰り返し浅く穿ち、咽の奥からは野獣の如き威嚇音が絶え間なく発せられる。
 新手が文字通り飛び込んできたのは、その時だった。
 
 『彼』にとって、事態は当初の計算を越えて悪化していた。
 先のサムライが飛行式を狼煙として使った結果、時間が経てば経つ程、更に悪化する事が予想出来た。
 「こっちには戦える者が二人。そっちは一人だ。君が僕等の内のどちらかを攻撃すれば、その隙にその子が死ぬことになる。わかるだろう?黙って引いてくれ。それとも君はその子よりあんな刀が大切なのかい?」
 サムライが、射撃姿勢のままそう告げる。
 その言葉自体は、間違っては居ない。如何に『彼』とは言え、傷付いた女性を庇った状態で二人を相手にするのは、尋常な手段では不可能だ。だが、退く事なら容易い。
 背後を確認する。
 感じとれるのは、極めて強固な意志。……譲る気は無い。
 それ故、『彼』は最善の選択肢を捨てた。
 今は亡き『師』も、一度決めた事に関しては如何なる事があろうと、命に代えてもそれを守る頑固さを持った女性であったが故に。
 
 その為の用意は整っていた。
 外見相応に獣じみた行動は、サムライ達にさしたる疑念を抱かせる事無く『それ』を準備する事を可能にしていた。
 地面を引っ掻いていた右前肢が動きを止める。
 威嚇音に混ざって続いていた呟きが、澱む事無く言の葉を紡ぎ出す。
「……・来・臨。急・急・如・律・令!
 雷の如き音と共に大量の白煙が周囲を満たし、その場の者達の視界を完全に遮る。
 大地を札に見立て呪紋を刻み込み、式を打つ……それこそが、(未だ一人前とは言えぬまでも)陰陽の術を修めた『彼』の放った奇手であった。
 
 不自然なまでの静寂と、凍て付いた様な停滞。
 それを破ったのは、白煙の中から飛び出す、影一つ。
 向かうは……大地に突き立つ修羅刀!
 
 『彼』(異形化形態)
 
1998年06月20日:14時35分50秒
奈菜 / 月夢
「あん?」
 入り口にもっとも近い席に陣取って適当につまんでいた奈菜が声をかけられて振り返る。
(陰陽師か)
 一瞥して奈菜がそう判断して露骨に不快そうな顔をする、格好だけの似非陰陽師でないのであれば大抵の陰陽師は何らかの形で権力と結びつく、奈菜の嫌いな人種である。
「美月、さあねえ?知らない・・」
 すぱーーーん。
「うお・・」
 奈菜が適当に追い払おうとしたところこぎみよい音がして奈菜が頭を抱える。
「て、てめ・・」
「てめじゃないです!!お客様に何言ってるのですか!?」
 女中の姿をした少女が手にもったお盆をしっかりと握りなおして奈菜をにらみつける。
「いいですか、接客というのは礼儀が必要なんです」
「あたしがしるか」
「開き直るんじゃありません!!」
 きっぱり言いきる奈菜に少女が一歩も引かずに言い返す。
「あたしは権力亡者どもは嫌いなんだよ」
「お金を払ってくださる限りは誰であろうとお客様です、差別するんじゃありません」
「金に尻尾振る人生なんてごめんだね」
「そういうこと言ってるとお給金減らしますよ」
 最近すっかり名物とかしてきた言い合いのさなか少女が声をかけてきた相手が待っていることに気づいてはっと我に返る。
「あ、お待たせしました、申し訳ありません、後でよく言って聞かせておきますので」
「けっ」
 営業用のにこやかな笑みを浮かべて少女が取り繕うと奈菜が馬鹿にしたように鼻で笑う、少女はにこやかな笑みを崩さぬまま後ろ手に奈菜をつねる。
「くっ・・」
「あ、美月さんですね、お部屋にいらっしゃるか確認してきますので少しお待ちくださいませ」
 それからぱたぱたと奥に少女がかけていく。
「はん、ご苦労なこった」
 奈菜はそれを確認すると怨麗を一度睨んでから興味を失ったように視線をはずし、それから一言だけ呟く。
「あたしの視界内で騒がないことを勧めるよ、あたしはあんたみたいな連中が嫌いでね」
1998年06月20日:01時10分18秒
緋翼 / tomy
「大丈夫。今ノ僕なラ……。
今度コそ護っテ差し上げマす……姉上。」
異様な姿へと変貌する金剛機、そして身を貫く殺気、戦えば勝ち目など万分の一もあるまい。戦って勝つことが目的であったなら彼は逃げていただろう。だがそうではなかった、

(あの金剛機、意識があるのか、それにあの言葉…、そういう事なら勝算はあるかも知れない。)
そのかすかな勝算が彼の運命を決めた。

「下がれ、緋翼!」
そう言って乱糸が文字どおり飛んでくる。
「兄さん!?」

「こいつらはおまえだけじゃ手に負えない。逃げて親父たちをつれてこい!」
「いや、今が千載一遇の機会なんだ。逃げ出す訳には行かないよ。修羅刀を逃がせば父さんやおじさん達の身を危険に晒すことになるんだ。確かに兄さんは強いけど、父さんが来るまで一人であの二人が修羅刀を持って逃げ出さないよう足止めできるかい?」
そう問うと、返事も待たず続ける。

「大丈夫、父さん達が来るまで持ちこたえればいいんだ。兄さんと二人なら十分勝算はある。それに、父さん達をここに連れてくるだけなら、こういう方法もあるさ。」
そう言うと、懐から式札を取り出し、念を込める。式は天に向かい舞い上がると、空中に輝く粉を巻き散らす。飛行変換式をノロシとして使ったのだ。

鳳堂 緋翼から 鳳堂 乱糸へ

緋翼は意識を再び金剛機に向けると、かすかな勝算を掴みとるため、金剛機への説得の言葉を投げかける。射撃サムライの狙いをつけた状態のままで。

「こっちには戦える者が二人。そっちは一人だ。君が僕等の内のどちらかを攻撃すれば、その隙にその子が死ぬことになる。わかるだろう?黙って引いてくれ。それとも君はその子よりあんな刀が大切なのかい?」

鳳堂 緋翼から 『彼』へ

「そういえば、まだ君の返事を聞いていなかったな。頼む。その刀を捨てて去ってくれ。そうすれば君達のことを追ったりはしない。」
今度は沙夜に頼み込む緋翼。その表情は真剣だ。

「非は生者の側にあります。それなのにあなたは死者の側に譲歩を求めるのですか?」
沙夜がそう答える。


「死者か、君は生きていると言うのに。」
「同じことです。」
「父さん達はもう十分苦しんだんだ。それに過ぎた事のためにこれ以上苦しむ人を増やすのは間違っている。」
「“彼ら”にとっては過ぎた事ではありません。だから…、終らせるのです。」
二人の話しはどこまで行っても平行線のままだった。

鳳堂 緋翼と沙夜
1998年06月19日:22時22分16秒
怨麗 / tomy
「なるほど、わかりました。早速『城主殿』にお伝えいたしましょう。
それでは、また、後程」
「そうそう、姫君。最近妙な虫がうろついておるようですのでおきをつけください」
そう言い残すと禍災越影は去っていった。おそらく城主の元を訪れるのだろう。

「…喰えない男ね。」
利害が一致する間はあの男を利用することはできるだろう。だが、味方につけることは?残念ながら、おそらくできまい。いや越影だけでなく、この城に怨麗が味方と呼べる者はいない。捨丸ですら、自分と城主のどちらかを選べと言われたら城主の方を選ぶだろう。

(人を集めなくてはね。それも、たとえ城主や名代を相手にすることになっても、ついてきてくれるような者でないと)

思い当たるのは一人の女。20年前は敵同士だったが、今は彼女も同じ相手を敵に回しているはず。味方につけられる可能性はあるだろう。

「…、もう一度彼女を当たってみたほうがよさそうね。」

そして怨麗は城を出ると、とある宿屋を訪れる。

「ちょいとごめんよ。ここに美月っていう人が泊まってると思うんだけど、いるかい?」
宿に入り、店の用心棒と思われる女にそう話しかける。

怨麗から奈菜(爆)へ

tomy:美月が泊まっていたという情報を手に入れたので、奈菜のいる宿屋にに来たということにしました。もう出ていったかどうかは、せりざわさん次第ということで。この宿屋なら饕魔が接触してきても、おかしくないだろうし(笑)
1998年06月19日:20時24分07秒
悪夢(その1) / tomy
夕霧は戦っていた。長い長い時を。

(私はいつから戦っているのだろう?)
(私は何故戦っているのだろう?)
(私は何なのだろう?)

そんな疑問が泡のように現れては消えて行く。

「何を惚けている?そんなことでは私に勝つ事などできんぞ」

(そうだ戦わなくては)
手に持つ刀に力を込める。

「どうした、そんなものなのか?」

夕霧の刀が弾かれ、男の刀が夕霧の喉元に突き付けられる。つまらなそうに男が刀を戻す。…そんなことがもう何度となく続いている。

だが、今回は今までとは少し異なっていた。なぜならその続きがあったから。

「…、お前はその程度だったのか?」
そう言うと無造作に刀を降り上げる。男の冷たい表情にわずかな陰りが感じられた。

「…あな、たは」

夕霧はいつかどこかで同じことがあったのを思い出していた。

夕霧、悪夢の中で

tomy:夢の中に回想シーンが入る…、なんてわかり辛いんだ(自爆)
1998年06月17日:14時22分24秒
砂塵の騎士 / 夜光
 「下がれ、緋翼!」
  飛行用のサムライを埋め込んだ男が緋翼の前に降ってくる。緋翼より少し年上。その瞳は何度も戦場を
 経験しているもののそれ。
 「こいつらはおまえだけじゃ手に負えない。逃げて親父たちをつれてこい!」
 
 
 鳳堂 乱糸 より 鳳堂 緋翼へ
 
 プレイヤーより
   乱糸は鳳堂がサムライにするために鍛えた孤児のうちの一人でサムライ化手術に耐えて生き残った
  やつです。だから鳳堂に対する忠誠心は人一倍あつく、仲間に対しても義務感は強いです。
   もっとも、金剛機と渡り合えるほどの力はある7わけもありませんが...高速軌道していないならば
  まだ可能性は残りますけれどもね。
1998年06月17日:13時52分56秒
禍災越影 / 夜光
 「越影殿。」
  怨麗が越影に話し掛ける。
 「何事ですかな?姫君」
  城内で声をかけられ振り返る。そこには美しき姫君がたっていた。彼にとってはかけがえのない姫君だ。この姫に出会わね
 ば戦も知らず平穏の内に人生を送っただろう。乱世の雄としてではなく平時の良臣として。
 「素体は組み上がりました。あとは武装との相性合わせのみ。それもあと5日もすれば終わります。10日もすれば戦場に出
 せましょう。」
  それは待ち望んでいた言葉。戦場という名の舞台をあけるために。
 「なるほど、わかりました。早速『城主殿』にお伝えいたしましょう」
  にっこりと、艶やかね笑顔をその顔に浮かべる。
  とても満足そうに。
 (待っていろ。南雲の成り上がりども。おまえたちに。真の領主の苦しみを教えてやる)
 「それでは、また、後程」
  くるりときびすを返し天守閣に向かう。そこには臆病で野心に満ちた城主がいるだろう。
 「そうそう、姫君。最近妙な虫がうろついておるようですのでおきをつけください」
  細めていた瞳を少しだけ開く。奥の見えない闇色の瞳がすべての光を飲み込むようにそこにはあった。
 舞台の幕は上がる。暗い光の中で。
 
 
 禍災越影 より 怨麗へ
1998年06月13日:12時10分27秒
目覚めし者は『獣』 / Ray
 あの日以来安らぐ事の無かった心が、不思議と暖かいもので満たされてゆく。
 忘れていた感情、流される事の無い涙、そして……。
 
 一発の銃声が、その全てを貫く……目の前の女性の右肩と共に。
 そして世界が……砕け散った。
 
 現れたサムライが告げる。
「子供を撃ち殺す趣味はないんだ。そのまま刀を捨てて去ってもらえないかな。」
 
 倒れ込んで来た身体を、庇う様に受け止める。
「…、すみません。
 行って下さい。あなたにはあなたの目的があるのに、巻き込むわけにはまいりませんから。」
 
 過去が『黄泉還る』。
 世界は朱に染まり、噎せ返る様な血臭が鉄錆の味と共に其処に満ちる。
 ネットリとした血糊にまみれた衣が皮膚に張り付く。
 奇妙なまでに現実感を失った部屋の中、倒れ伏す『師』の姿。
 原形を留めぬまでに破壊された身体。故意か偶然か、首から上だけが対照的に疵一つ無いまま転がっている。
 そしてその元凶……全ての信頼と情とを裏切り、全てを奪い去った者。
 
 激情がその全てを押し流す。
 そして意識が収斂する。己を繋ぎ止める一つの想いの元に。
 
 腕の中にある存在を、そっと抱き留める。
「大丈夫。今ノ僕なラ……。
 今度コそ護っテ差し上げマす……姉上。」
 背後に庇う様に場所を入れ替わり、無言でサムライに対峙する。
 腰を低く落とし、両の腕を地に着くほど垂らした異形の構え。
 いや、実際に姿形が変化している。
 その姿、あたかも獣の如く。
 
 『彼』
 
1998年06月12日:19時14分38秒
怨麗 / tomy
なんかあまりにもタイガさんが動かしづらそうだから怨麗を動かします。でも必ずしも動きやすくなる訳じゃないんだよな(苦笑)。怨麗が秘密の一端でも喋れる程信頼している奴って鰐裔には一人も居ないから(爆)。どっちというと、蜘王のフリした方が信頼されるかも(核爆)。
とりあえず、越影に話し掛けますので、場所がどこかは夜光さんが決めて下さい。戦場だったら多分式を飛ばして会話してます。

「越影殿。」
怨麗が越影に話し掛ける。

「素体は組み上がりました。あとは武装との相性合わせのみ。それもあと5日もすれば終わります。10日もすれば戦場に出せましょう。」

怨麗から越影へ
1998年06月12日:11時12分48秒
海淵 / 月夢
「それから」
 一通りの指示を出し終えた後に海淵は後ろに控えていた初老の男の方に向く。
「あなたにもそろそろ働いていただくことになりそうです」
「わかりました」
 男顔も重々しく頷くと海淵は楽しそうに微笑み。
「もしものためにあなたを用意していたのですが使う機会があるとは思っていませんでしたよ・・・頼みましたよ、玄業殿」
「あのものたちを南雲へ連れていけばよろしいのですな」
「鰐裔でもかまいません、彼らならそのどちらかに向かえば否応なく舞台に上がることになります」
「わかりました」
 玄業と呼ばれた男はもう一度頷くと立ち上がり海淵へと背を向ける。
「期待していますよ」
「はっ」
「だれか送ってさしあげなさい」
 海淵の指示に飛べる物が玄業とともに部屋から消えると海淵は出ていった方を見て微笑んで呟く。
「ふふ、死してもまだあなたは舞台に残る義務があるのですよ、玄屋殿」
 
1998年06月09日:12時54分45秒
海淵 / 月夢
「勝手なことをおっしゃられる」
 やれやれと海淵はため息をつく。
「まあ、どちらにしても今は傍観あるのみですが」
 ふむと海淵は考え込み、手近にいた人間たちに役者の位置を確認させる。
「・・・・・ふうむ、なんとも入り組んでおりますな」
 南雲と鰐裔の立場関係は比較的わかりやすいのだが、そのどちらにも属さぬ物たちの立場が明確にならないのだ。
「困った方々ですね、役者が舞台までこないでどうするというのでしょう」
 舞台の準備は徐々に整い出している、修羅刀が舞台に上るのも時間の問題という状況にもなっている。
「そろそろ頃合なのですが・・・戦線を少し拡大させてみますか」
 それだけきめると海淵は立ち上がり、必要な人間を呼び集める。
「これより序幕を始めます、手段は問いません、現在の鰐裔、南雲の最前線の戦端を開かせ両国が引くことの出来ない最低限度の被害を与えてください、ただしいつも通り我々の影はどこにもそんざいしない、よろしいですね?」
1998年06月06日:16時05分30秒
亜夜 / tomy
「いいのですか?…なら、お言葉に甘えさせてもらいます。お知合いのようですし。」
そう境玄に答えると、先ほど護衛を申し出たすがのと、その他の面々を見回す。

「あ、ああそうだね。それでいいんじゃないかい。」
亜夜の視線に気付いたすがのが慌ててこたえる。
「おっと、言い忘れてたね。あたしの名前は、す・が・の、さ。よろしくな。」
「すがの…さん。よろしくお願いします。」

tomy:枕さん、こんな感じでいいでしょうか?せめてあげはの目覚める次の日まで時間を進めたいんで、すがのを動かしちゃいました。
1998年06月06日:15時31分43秒
封じの司 / tomy
「ふむ、多少厄介なことになったかも知れませんな。」
封じの司からそんなつぶやきが洩れる。大太法師自体は危険物ではあるが、その製作は技術と呼べるものではない。妖の一部を用いることで妖化の可能性が高まっただけのこと。10体作れば9体はただのヨロイとなるだろう。問題はそれを製作し、南雲を攻める意図。彼女は気付いているかも知れないのだ。あの20年前の戦で破壊されたはずの“あれ”の存在に。
「どうやら亡霊を呼び出さなくてはならない様ですな。それにより私も封じられることになるかもしれませんが。」

「海淵殿、しばらく私は所用で留守にします。その間彼らのことは頼みました。」
封じの司は立ち上がり、そう告げる。それは海淵に全権を委ねる言葉だった。

封じの司から海淵へ
1998年06月06日:13時33分53秒
境玄 / ハリ=ハラ
「それではこちらで御座いますよ」
 
 歩き出そうとして、ふと足を止める。
 
「そうそう、お嬢さん。
 宿が決まってらっしゃらないなら御一緒に如何ですかね?」
 
 それだけ言うと、迅雷を先導して歩き始める
 
 境玄より 亜夜へ
1998年06月05日:11時02分05秒
沙夜 / tomy
「うっ」
沙夜は一瞬うめくと、体制を崩して金剛機の方に倒れ込む。

ぽたぽた…

その拍子に、ほとばしる鮮血が金剛機にかかる。
「…、すみません。」
そう謝る沙夜。

「行って下さい。あなたにはあなたの目的があるのに、巻き込むわけにはまいりませんから。」
そう言うと沙夜は金剛機に背を向けた。

沙夜から『かつて伊織だった者』へ

tomy:Rayさんごめん。いおりんに話をふるのをすっかり忘れてた。
1998年06月02日:21時51分54秒
美月ー始まり、あるいは終りー / せりざわ
 時間は多少前後する。
 「、、、しかし、所詮は金剛機。感心できんな、、、、」
 いぶかしげな表情で目の前の女を見る初老の男。 「しかし、時間がないのです。「真月」の出現を待っていては手後れになります」
 女の名は美月という。その名にそってかいま、月光を受けてその長い黒髪が輝いている。
 「、、、私だって、金剛機の作成などしたくはありません、、、」
 「、、、そうじゃろな、、おぬしがそんなものを作るなどとは思ってもおらなんだ、、」
 美月は陰陽師である。そして、男の名は、玄屋という。
 「、、おぬしがのう、、人は変わるものじゃな、、そう言えば、あの子は、、、元気か?」
 
1998年06月02日:00時09分47秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「ふむ、がきつれて飲みに行くわけにもいかねえわな。」
 境玄の言葉に首を傾げる。
 「ならさっさと宿にはいっちまおう。」
 
 そう言って亜夜の方を向く。
 「おれにゃぁ、持って生まれた名前なんてものはねぇ。どうしてもよびたきゃ、迅雷ってよんでくれ。」
 
1998年06月01日:19時10分02秒
眠れる森の夕霧(その3) / tomy
「「「先に、返せ!人は、約を違える!!」」」

「いいだろう。お前が誓うのであればな。」

「「「諾」」」
そして男は夕霧を抱え森の奥に進む。
光も射さぬ森の、そのまた奥に、それはあった。
それは巨大な、けれど今にも死にそうなほどに傷ついた、大木。
男はその大木の根本に夕霧を横たえる。
そして影に向き直り、告げる。

「さあ、約を果たしてもらおう」

「「「応」」」

・・・・・・・・・・・・・そして、男は穂摘の告げた場所にたどり着く。

「はぁ〜っはっはっはっ、面白い、面白いぞ、夕霧ぃ!」
根本でつながっている、いわゆる双子の木の根本に立ち、男は長い間笑っていた。

tomy:注)これは第一部の終了直後の出来事です。
1998年06月01日:18時45分25秒
境玄・沙羅 / ハリ=ハラ
「あたしは黒龍眼境玄と申します」
 
 亜夜の問いに短く答える。
 軽く会釈をすると、迅雷に向き直る
「しかし、旦那。何かと言われましてもねぇ‥‥」
 
 辺りはとっくに暗くなっている。
 
「この時間だと、一杯飲み屋の冷や飯くらいしかありませんぜ?
 どうせだったら、宿で何か作ってもらいましょうや」
1998年06月01日:18時08分53秒
撃たれた沙夜 / tomy
ズギューーーーン
爆音とともに沙夜の右肩を何かが貫く。

「うっ…」
苦痛にうめく沙夜。右腕が全く動かない。

「子供を撃ち殺す趣味はないんだ。そのまま刀を捨てて去ってもらえないかな。」
そこには射撃サムライを発動させた、まだ年若きサムライが立っていた。

鳳堂緋翼(ほうどう ひよく)

tomy:ちなみに鳳堂緋翼君は南雲のサムライ大将の鳳堂礼鎖の養子で、領主忌幻翔の非嫡出子です。 また彼は部隊(偵察部隊?)を勝手に抜け出して来ています。半刻とせずに部隊の方がやってきます。 かなり甘い奴なのでこの場で殺す予定(ひでぇ)
1998年06月01日:15時24分11秒
怨麗そして捨丸 / tomy
「捨丸、いい?」
怨麗が捨丸を呼び寄せ何か告げる。

「え〜〜〜〜っ!?」
捨丸が叫ぶ。

「そんな大声を張り上げないの。いいわね。」
怨麗が念を押す。

「で、でもぉ、そんなことをしたら…」
怨麗に思い直してもらおうと、捨丸が何事か話しだそうとする。だがそれも怨麗に遮られる。
「いい?ここは例え大老であろうと、領主であろうと立ち入り禁止なのよ。近付いて死んでも責を負うのは近付いてきた奴よ。それに動く的じゃないと訓練にならないでしょ?」
「で、でもぉ…」
「い・い・わ・ね!」
「はっ、はいぃ〜っ!」
「じゃあ、5日後にまた会いましょ。その間の食事は用意しとくから。」
「そっ、それじゃまた5日後に。」 怨麗の背中を見送る捨丸。

「・・・・・はぁ。」
思わずため息をついて暗堵丸を見上げる。

「ド・シ・タ・ス・テ・マ・ル?」
首をかしげる暗堵丸。

怨麗、捨丸ついでに暗堵丸
1998年06月01日:14時59分31秒
亜夜 / tomy
「解らなければよかったのにね」
「お姉ちゃんは優しいね」
「けど、それがみんなを傷つけることもあるって知っているよね」
少女の言葉が亜夜につき刺さる。

「・・・・・、優しさが、人を、傷つける、・・・・・」
今まで考えても見なかった命題を突き付けられ、戸惑う亜夜。無理もないのかも知れない。亜夜にとって、人生経験と呼べる時間はたった2年なのだ。それでも少しずつ少女の言葉を噛みしめる。

(どうして気付かなかったのだろう。きっと、沙夜のことや、お母様のことや、琴音さんのことや、玄屋さんのことや、様々なことにつながっているのに。)

「でも、ありがとう。私は私のやらなきゃいけないことを確認できたから」
「ふふ、鬼か修羅か・・か」
「またな・・お嬢ちゃん。」

「ぁ、まっ・・・・・」
思わず少女を引き留めようとして、思い留まる亜夜。

(私にそんな資格は…、ない。)

「・・・・・、ごめんなさい。」
去って行く少女の背に向けて、かろうじてそれだけを口にする。

「どうしたほうけた顔して?」
「それはそうと腹減ったな。宿に行く前に何か喰っていかねえか?」
なんて、この男(ひと)は強いのだろう。まじまじと迅雷を見つめる亜夜。
「そう、ですね。」

「………………」
「僕は…無力だ…」
「それは私もです、ええと…」
無力感にさいなまれているアレスに同意を示そうとして、まだ誰とも名乗りあっていないことに気付く亜夜。

「ところで皆さんのお名前は?」

「私は、亜夜、です。」

亜夜

tomy:ところで、前に何か喰っていくと言っても、もう日は暮れていたんじゃなかったけ?(修羅刀編 LOG 003 98年04月06日:22時16分09秒 夜の街 参照)
夜鳴き蕎麦でもあるのか?(笑)
1998年05月31日:01時25分24秒
/ MARS
 「………………」
 アレスの瞳にはいっぱいの涙が浮かんでいた
 少女の…冷たい瞳…そこにある悲しみ…
 結局アレスにはどうすることもできない彼女の心の傷…
 自分の無力さ…少女の悲しみ…
 それをどうすることもできない…自分への怒り…
 「僕は…無力だ…」
1998年05月30日:20時53分08秒
そして嵐は過ぎ去りて。 / Dr.李
 「ふふ、鬼か修羅か・・か」
 浮かぶのは不敵な笑顔。
 何者にも侵すことの出来ない鋼鉄の意志。
 「またな・・お嬢ちゃん。」
 二度目の別れの言葉。
 
 くるりと振り返る。
 帽子を目深にかぶり、無愛想な顔で場にいる面々を見渡す。
 「どうしたほうけた顔して?」
 それが第一声。
 「それはそうと腹減ったな。宿に行く前に何か喰っていかねえか?」
 まるで何もなかったように、周りに尋ねた。
1998年05月25日:11時05分51秒
亜修羅 / 夜光
  暖かい手。優しい瞳。心の温かさが感じられる。
  これは幻覚。自分の思いこみ。錯覚。
  解らなければそれだけよかっただろう。一時の幻といえどもあの人が戻って来たのだから。
  けれど理解してしまっている。これはあの人ではないのだと。あの人ではありえないのだと。あの人は私の目の前消えてしまった
 のだから......
 「解らなければよかったのにね」
  傷ついた少女特有のどこか儚げな表情。その頬を流れ落ちるのは涙。どんな宝石もかなわないような透き通った光を持つ最高級の
 宝玉。
 「お姉ちゃんは優しいね」
  それは誰に向けられた言葉なのだろうか....亜夜に?それともすがのに?それはいっている本人にも解らないのかもしれない。
  感じていることをそのままに言葉としているのだから。
 「けど、それがみんなを傷つけることもあるって知っているよね」
  その顔に浮かぶ笑みは無邪気でそれ故に残酷。
 「でも、ありがとう。私は私のやらなきゃいけないことを確認できたから」
  その瞳に宿るのは鬼気。
  それが人の持ちうる感情とは思いたくない。それを持ちうるのは....
  修羅?
 「やらなければならないことを思い出したから。私はそれをやるの」
  月の光が照らし出す。
  それは伝説に語られる魔物か鬼か......
  力を込めれば手折れそうな少女はもうそこにはいない。何かにとりつかれた鬼の姿がそこにはある。
  そして、少女は背を向ける。それは再会を祈ってか、それとも決別の証か.....
 
 少女 名も亡き者 より 
1998年05月13日:18時59分32秒
怨麗 / tomy
「しくじった。やはり霊力をけちるもんじゃないわね。」
腕から血を流しながら言う怨麗。気体化能力を式に与えていれば、両断されることはなかったのだが。
「まっすぐ生命反応に向かわせたのに攻撃が見えも聞こえもしなかったわね。そんなことのできる武器は限られてるわ。」
ちょっと考え、
「まあいいわ。次はないから。」
そう剣呑に微笑む。
「何をほうけているのかしら。」
そして、そう捨丸に言うと工房に入って行った。

怨麗
1998年05月11日:15時37分03秒
陰陽師 / 月夢
「鰐裔の動向ですか?」
「はい」
 一件のとある家で二人の陰陽師が差し向かいで話し合う。
「政治ごとにまで手を出すとは思いませんでしたが」
 男の方の陰陽師が茶をすすりながら言う、向かいの女性の陰陽師のほうは茶にも茶菓子にもいっさい手を触れていない。
「政治ごとに興味はありませんよ、仮にあったとしても私に手を出しようがあるはずもないでしょうし」
「でしょうな」
 相手の立場を知っているので男はしたり顔で頷く。
「ただ妙な噂を聞きまして、鰐裔に南雲の姫が流れ着き戦争をけしかけていると」
「珍しくもない話でしょう」
「その目的が修羅刀を呼ぶためという話がなければ私もそう思います」
 湯呑みをもつ手がぴくりと揺れる。
「老は情報の出所を明かしませんでしたが」
「・・・・・それで私のところへ?」
「どの国にも陰陽師はいるもの、なにかお話を聞いていませんでしょうか?」
 独自の社会観を持つ陰陽師という集団でのつながり、しかし男はやや考えてから首を振る。
「そうですか」
「お役にたてなくて残念です」
「お気になさらずに」
 さほど気にした様子もなく女性が立ち上がる。
「もうお帰りになられるので?」
「私もあまり自由な身の上ではないものですから、いろいろと監視を受けているのですよ」
 縁側まで出ると式札を取り出す。
「一つ聞いてもよろしいか?」
「なんでしょう?」
 女性が振り返る。
「その女性の噂が本当でしたらどうする気ですかな?」
「話を聞いてみるのも一興でしょう」
 躊躇なく答えが返ってくる。
「つまり・・・」
「そういうことです・・・では」
 式を打つと女性は宙に浮かせる。
「・・・・こうなると餐魔の報告を待つしかないようですね」
 式の上で一人呟く。
「そちらの方はそれから考えましょう・・・当面はそうですね、香様を手の内に押さえることを考えるべきかもしれませんね」
 孤独なつぶやき。
「あの方は、修羅刀と夕霧様・・・そして南雲への牽制にも使えますからね」
1998年05月09日:00時17分30秒
修羅刀編「逃げろ。」 / みだれかわ枕

「ちょいと待ちなよ、お姉さん。物騒な世の中、腕の立つ女は要らないかい? 男を雇うときみたいに、身の危険を案ずる必要はないから、安心だよ? もちろん、その分お代は割り増しだけどねぇ」
「お代、ですか?珠なら多少持ち合わせがありますけど…。」
 カモは食い付いた。
 そう確信した、瞬間。
 
 
 
「な、何だい、一体!?」
 
 すがのがその音を聞いた時に発した声は、意外とありきたりのものだった。
 
 事情のある程度分かっている亜夜、意外とそういう経験を積んできているらしい迅雷や境玄(あくまで、すがのの主観だが)に比べると、全く一般人のものと同じである。
 すがののこれまでの人生が、波乱に満ちたものであったとしても、あくまでそれは民草の常識のものさしの中でのことであった、ということの証拠の一つとも、言える。
 そして、この出来事こそが、すがのの人生において、波乱の始まりを告げる時の声でもあった。
 
 
 
 思わず迅雷やあやの後をついていった、すがの。
 だが。
 事情が飲み込めてないのだ、行動のしようも、ない。
 
 だから、亜夜が舞い始めた時、さすがに唖然とした。
 なぜ舞うのか、そのわけが分からなかったのだ。
 
 だが、舞のことは知っていた。
 舞の意味するところは、知っていたのだ。
 
「夢を、……」
 なんとか、すがのの口は、そんな音を絞り出していた。
 
 
 それは、拙いのではないだろうか。
 
 逆効果なのではないか?
 
 
 すがのの本能が、叫ぶ。
 
 
 逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。逃げろ。
 
 
 だが、逃げなかった。
 
 それも、運命。
 
 選択したくて選択したわけではない、運命。
 
 
 すがの、只、唖然。
1998年05月08日:17時43分25秒
返り討ち / タイガ
 饕魔は式から逃げていた。
 (逃げ切れるか?多分無理だな……、あっちの方が早い)
 いったん範囲外に出れれば、見つからない自信があるが、あの速度では多分無理だ。
 (とすると、撃墜あるのみだな)
 饕魔は甲蟲の糸を伸ばすと一瞬で式を切断し、一目散に逃げていく。
 (さて、どうやって残りの情報を手に入れるかな……)
 
 「饕魔」
1998年05月08日:12時02分25秒
怨麗 / tomy
「ん、やっぱりいたようね。」
鷹の姿をした式が実体化し、感覚結合によって式からの情報が怨麗に伝わる。有効範囲内に生命反応があり、範囲外に向かって移動中の様だ。どうやら式を使われた事に気付き逃げ出しているらしい。
「じゃあ顔だけでも見ておこうか。行け!」
最後の台詞は式に向けたものである。式は飛び立つと生命反応に向かって飛んで行く。
別に煩わしい間者を追い払うのが目的なのだから、わざわざ捕まえる必要もない。顔を知られた間者などに、二度と仕事ができるわけもなく、大抵は仲間に処分されるのだから。気をつけなければいけないのは、顔を見る前に飛び道具で撃墜される事だけだ。

怨麗(の式)

つーわけで、撃墜するなり、式より高速で逃げるなり、あきらめるなりして下さい。ちなみに式の飛行能力は4です(僕の記憶では分速800m、時速48kmのはず)。
しかし、きっと怨麗が饕魔を見たら蜘王だと思うんだろうな(笑)。
1998年05月07日:14時21分58秒
後悔先に立たず / タイガ
 怨麗が式を取り出したのに気づいた饕魔がまず思った事は、
 (しまった、近づきすぎた)
 だった。
 ヨロイ制作に使うにしては、ヨロイから離れすぎている。
 となるとそれ以外の使い道……、例えば侵入者を見つけるための式だとしか考え様が無い。
 (早くこの場から離れなければ……)
 饕魔はあくまでも静かに、そして出来るだけ迅速にその場を離れた。
 
 「饕魔」
1998年05月01日:20時50分33秒
嵐を呼ぶ勇者・迅雷(爆) / Dr.李
 「そうかい。」
 こちらもにっこりと微笑む。
 「また会える・・・・か、良い言葉だ。
 俺はそう言う言葉は好きだぜ。」
 
 少女を見る目には、一人の人間に対する光があった。
 「つれえ時には思い出せよ、あんたは一人じゃなかったってな。」
 帽子の位置をなおしながら、別れの言葉を口にする。
 「じゃぁな、また合おうぜ、おちびちゃん。」
 
 迅雷
 
 やだよなぁ、これで亜夜の胡蝶の夢でイーブンにされたら。
 
 二度目を止める自信はない(笑)
1998年05月01日:15時19分43秒
憧れ / 少年が1番!!

「だ、駄目だあ・・・」
探し続けてどのくらい経ったのか――さすがの応太も疲れが見え始めていた。
鋼は、まだまだ元気だが。

「うおん、うおん!」

「勘弁してくれよ・・・」
袖に噛み付き、引っ張る鋼に少年は苦笑を浮かべる。普通の犬と違うといって
も、やはりこの状況を把握しているわけではない。

「しっかし・・・迷うかもしれないな。凶兄ちゃんとも、逢えるかどうか・・・」
そう思うと、寂しさが募る。

「・・・玄屋さんだったら、あの人攫いもすぐに捕まえちまうんだろうなあ」
陰陽術とかいう、不思議な技で。

「おいらにもできるかな? 鋼みてえに、誰かを助けられるかな・・・」
力への純粋な憧れ。
だが、少年は知らなかった。その力を得る事による、大きな代償を。
そして、これから自分に襲い掛かる影の存在にも。


1998年04月30日:19時06分53秒
奈菜 / 月夢
「戦か・・・・くだらない」
 通りをぼっと眺めながら奈菜が呟く。
「どうせ、上の連中がもうけるだけだってのにね、ご苦労なこった」
 口にくわえた楊枝を吐き出して頭の上で手を組むと柱にもたれ掛かって目を閉じる。
「ま、強い奴が流れ込むのは願ってもないことだけどね・・・いい喧嘩ができる」
 不敵な笑みが浮かぶ、喧嘩が生き甲斐の奈菜にとっては荒事もめ事を好む連中が集まってくるのは嬉しいのである。
「骨のある奴が来るといいねえ」
「物騒なこと言わないでください!」
 そんな声と同時に奈菜の頭に箒が振り下ろされる。
「・・・・つっ・・・なにすんだ!」
 奈菜が目を開き、叩いた相手にかみつくと、相手は一歩も引かず。
「なにすんだじゃないでしょう!?ひがな一日ごろごろして」
「何もないんだからいいだろ?」
「よくないです!!」
 店の女中といった格好をした相手に言い切られると奈菜が少し下がる。
「ちっとはおちつかない?」
「落ちつきません!いいですか?今非常に物騒だからこそ、奈菜さんをた・だ・でとめてご飯まで食べさせてるんです、いいですか?あなたは個々の用心棒なのです」
 奈菜がこくこくと頭を縦に振る。
「わかってるわかってるって」
「だったら、さっさとしたに降りててください!今だって人相悪そうなのきてるんですから」
「そんなもんいくらだっているだろうに、気にしすぎだって」
「いいからさっさといく!!」
 吼えるように言われて奈菜は足早に階下に降りる。
「ったく・・喧嘩屋奈菜さんもあんな小娘にあしらわれるようになったらおしまいだね」
 ぶつぶつとぼやいていた奈菜だが、階下におり、店の状況を見たとたんその表情は一変する。
(いいねぇ、やばそうなのばっかじゃない)
 不敵な笑み、騒ぎを期待してうずうずしている。
(この国きたの正解だったね・・・・楽しめそうだよ)
1998年04月30日:15時57分43秒
胡蝶の夢 / tomy
(そう、確かあの娘が抱きついていた男の人は…)
少女の“お兄ちゃん”を思い浮かべてみる。
とはいえ、2年も前にその場に居合わせただけの人を明確にイメージするのは難しい。

(…片腕で、あの娘の頭に手をそえていて、微笑んでいて…)
まず、特徴から浮かんでくる。彼が修羅刀のせいで腕を失ったなどとは知らない亜夜は枯蔦のイメージを片腕のまま再現する。

(穏やかな顔をしていて…、さっきの人みたいに。)
余計なことを考えたため、雰囲気はそのままでも、姿が迅雷の方に引きづられてしまう。しかし亜夜は気付かなかった。

(声は…、聞いてない。)
声のことは諦めてイメージをまとめる。
何もいわずに枯蔦が少女を抱きすくめ、少女の頭の上に手をのせている幻を…。

亜夜から鎮霊へ

過去ログを確認したけど、亜夜は枯蔦の事をほとんど知らない…(^^;
知ってる情報だけでまとめたけど、この出来ぢゃあ絶対逆効果だね(;;)
1998年04月30日:11時38分08秒
怨麗そして捨丸 / tomy
「怨麗様ぁ〜」
工房に向かうため、部屋を出ようとした怨麗に10になるかならないかぐらいの少年が声をかけてきた。鰐裔の領主の二十何番目かの息子、そして怨麗の作っている大太法師の“にえ”である捨丸だ。“にえ”とはヨロイにおける鎧乗りの様なものだが、鎧乗りと違い大太法師を直接操ることはできない。大太法師に守られ、大太法師にお願いするだけの存在である。捨丸はそのまま怨麗の方に駆け寄ってくる。

「あの、今日は一緒に暗堵丸(あんどまる)に会いに行ってよろしいでしょうか?」
大太法師、暗堵丸が組上がってから、捨丸は毎日この調子だ。暇があれば怨麗について工房にいき、一日中でも暗堵丸に話しかけている。大太法師と“にえ”は親密な方が良かろうと思い、怨麗はよほどのことがない限り、それを許している。

「ええ、いいわよ。」

「ありがとうございます!」
にっこり微笑んで礼をいう捨丸。
その曇りのない微笑みに怨麗はじくじたる思いを禁じえない。かつての自分の様に、目の前の子供を目的を達成するためにだまして道具として利用しているのだから。

(『行くよ、ごうら…』)


「行くわよ」
怨麗は捨丸の視線を振り切るかのようにすたすたと工房の方に向かう。

「ま、待って下さぁい」
それを追いかける捨丸。


「さて、今日はお客さんはいるかしら?」
工房についた怨麗はそう言って生命力を感知する式札を使う。敵方以外にも、中立の姿勢を見せている領地、友好的な姿勢を見せている領地、はたまた鰐裔の内部からもここに間者を送りつけてくる。例え間者に知られたところで、大太法師と作ることも操ることも滅ぼすこともできないとわかっていても、煩わしいのでお引き取り願うことにしている。そして…。

怨麗と捨丸


饕魔って式の感知能力にひっかかりますよね、生命体なら(笑)?
1998年04月27日:15時21分48秒
侵入者 / タイガ
 「……なるほどね」
 暗がりの中、鰐裔にある工房に潜んでいた饕魔はぽつりと呟く。
 南雲を抜け鰐裔に協力している『姫』を蟲の目を通して確認した際の第一声である。
 (たしか「怨麗」と名乗っていたな……)
 数年ほど前、饕魔の宿主だった男を雇い、修羅刀を手中に収めようとした陰陽師。
 (確かに修羅刀を手に入れるために戦をおこしても不思議はない。
  ……しかし)
 おそらくは龍の血を使ったのであろう、奇妙な力を秘めたヨロイに視線を向ける。
 (なぜ、龍の力を直接使わない?
  あんな物を作るより、よっぽどはやくかたがつくはずなのに……)
 考えられる事はいくつかあるが、修羅刀獲得の動機が彼女にある人間としての面にあり、
 龍としての面はそれを善しとしていないとすれば簡単に説明がつく。
 (だが、まだ情報が足りない。
  判断は後だな……)
 
 「饕魔」
(sf:依頼により重複削除しました)
1998年04月27日:11時39分42秒
「止まりし時」 / 夜光
  その瞳に宿るのは悲しみ。そして怒り。けれどもそれは静かなもの。山を砕き海を荒らす猛々しきものにあらず。
  古き心のそのままの姿。かつて神と呼ばれし自然のそのままの姿。
  あやかしのもの.....
  そう呼ばれることもある。
 「なんて顔してんだよ、てめえの兄ちゃんが見たら泣くぜ。」
  かつて知っていた一人の人のその墓で巡り合った人。その身なりは放浪の旅につくもの。何より自由の風がその
 身を覆う。その言葉に裏側はなく自然。
  そして同時に思い出す。あの人のことをもっとも長き時をともに旅したあの人のことを。
 『ずっと一人ぼっちだったのかい?なら、俺がいっしょについていてやろうか...もっとも見ての通りの風来坊だがね』
  笑みを浮かべて恥ずかしそうに手を差し伸べるあの人。あの時から私は....
  名前とともに連なり思い出される過去の事物。言葉が心に直接届いてくる。
 『妖魅の分際でおれの大事なお姫様に手をだすんじゃねぇ!』
  銃槍が轟き、暗雲が晴れる。それは心の闇。
  少女はその口元に微笑みを浮かべる。すべてを悟ったような諦めの笑み。
 「一緒にくるか?なんか怖いことがあったら、おっちゃんが守ってやるよ。」
  その言葉に心の中の別の自分がいう。頼ってしまえば楽ができるだろうと。
  けれどももう一人の自分が...いいや刃夜がいった。
 『お兄ちゃんは一人だけだよ。自分の足で歩くことを覚えなきゃ』
  その言葉に少女も頷く。見えないけれどもそれはかすかな変化。
 「ごめんね。おじちゃんいっしょにはいけないんだ」
  大輪の花のような微笑みを迅雷に向ける。それは子供特有の無邪気さと、そして老婆のような諦観の色が混じる
 不思議な笑み。
 「私....人間じゃないから」
  寂しそうな笑顔。けれども、心の強さを感じる。一人で生きることができる。たとえ傷ついたとしても自分でその傷を
 癒すことができる。そいうった強さを感じる。
  そしてその顔に表情が戻ると同時に風がやむ。時を越え、最後のときを呼び込む風が。
 「でもね、おじちゃんたちにはまたあえるような気がするの。また、いつか」
  少女は星の光の下にたたずむ。
  今、そこにある。それがすべてだといいたげに......
 
 少女 鎮霊 より かたがたへ
1998年04月26日:03時16分55秒
沙夜 / tomy
「……今はマだ、安ラぎは無縁ノ物。為すべキ事ヲ為し終えルまでハ……。」
その言葉を聞き、暴れる修羅刀を地面につき立てる沙夜。
肯定の答だったら迷わず滅ぼしていただろう。逆に何の迷いもない否定だったら修羅刀が喰らうのを止めるつもりはなかった。迷いのある否定、それが沙夜に修羅刀を押しとどめさせた。

「或いハ、復讐など不毛ナだけであるノかモれナいけレど、もウ、僕にハ他に何モ無いのダかラ……。」

「……、同じですね。」
ポツリとつぶやく沙夜。

「でも、終りが無ければ、新たな始まりもまた無いのです。」
自分に言い聞かせるように言うと、金剛機に近付く。

「それがあなたの望みなら、思うとおりになさい。二度と後悔せぬよう。」
そう言うと沙夜はその金剛機の頭をそっとかき抱いた。

沙夜から『かつて伊織だった者』へ
1998年04月25日:20時47分58秒
華狂い / せりざわ
 「応太くんはどうしてるんでしょうね、、」
 つぶやいたところで、凶は気づいたのだ。
 「あっ!そう言えば華月を使えばいいじゃないですか!」
 そうである、鋼に反応した華月である。
 少なくとも、鋼は見つかるのである。それなら応太を見つけることなど、たやすいことだ。
 右手=華月を天に向け腕を上げる。
 目を閉じて、鋼の姿を思う。
 この動作で、わかるはずだったのだ。
 だが、、、
 「なんだろ、、この、なんともいえないものは、、、」
 鋼の居場所はわからなかった。
 何か得体の知れないものによって、華月の能力が邪魔されたのが分かった。
 凶に、不安が過ぎった。
 「、、何かが、、何かが、、起こってる!応太くん!鋼くん!」
 凶は、いつのまにか約束の場所に向かっていた。
 
1998年04月22日:14時12分24秒
/ 夜光
 「噂か....噂は時に真実を教えるものじゃが....このたびは惑わすもののようじゃな」
  にっこりと老爺笑みを浮かべる。
 「あの戦は夕霧がおこしたもの。儂らはその背に付き従っただけじゃ」
  それは過去をみる瞳ではない。現在を...現在のすべてを見透かすための瞳。
 「そして....その戦の魔物こそ。夕霧。あやつ自信。復讐の妄鬼じゃったよ」
  その言葉の一つ一つに人を惑わす何かが潜む。それは生来の性癖か?それとも。軍師
 として何かを求めているのか?
 「儂らはやつに借りを返さねばならぬのじゃよ。この命を失ってでもな。あの戦はまだ
 終わっておらぬのじゃ」
  にっこりとほほえむ老爺には透徹とした何かが瞳に宿っていた。
 
 陰陽師 白皇老 より サムライ 香 へ
 
 「おい、爺!」
  廊下の奥の方から声が響いてくる。
  足音も高らかに現れたのは。七尺になろうかという長身の美丈夫。
 「なんじゃ、鳳堂。今、話し中じゃ」
  ひょうひょうとした声でそれに答える老。
 「僧正とあの方がお呼びだ」
  淡々とした声。だが、それ故にそれが大事なことと本能的にわかる。
 「仕方あるまいのう...」
  老爺はしばし困惑した表情をしていたが、やがてくるりと背中を向いた。
 「香殿。琴音に伝言しておいてくだされ。無茶はせぬようにと...」
  
  陰陽師 白皇老 と サムライ大将 鳳堂礼鎖
1998年04月20日:23時09分14秒
『虚ろなる者』 / Ray
 最も忌まわしき記憶が、“彼”の脳裏を鮮血の色に染め上げる。
 自らを抑えつけていた両の腕はダラリと垂れ下がり、その指先からは、見るからに凶々しい爪が顔を覗かせた。
 真紅の霧がその視界を埋め尽くす。
 過去という名の獄に囚われた魂が宿る黒鉄の肉体は、激情の導きのまま、今まさにその力の全てを解放しようとしていた。
 
 その“彼”に、語り掛けてくる者が居た。
「何を‥、泣いているのですか?」
 激情に囚われた“彼”には、最早如何なる言葉も届かない……筈であった。
 だが、何故かその言葉は、“彼”の魂の琴線に触れた。
 彼自身信じられない事であったが、激情は潮の様に退いて行き、
 その後には燃え滓の様に、既に馴染みとなった虚無感だけが残された。
 
「安らぎを望みますか?それとも…。」
 不思議な暖かさが込められたその女性の言葉は、“彼”に姉を、鈍い痛みと共に想起させた。
 見かけは、さほど似ている訳でも無いし、
 何処か超然とした雰囲気は、感情と生気に満ち溢れていた姉とは別種の物であったのだが。
 
「……今はマだ、安ラぎは無縁ノ物。為すべキ事ヲ為し終えルまでハ……。」
 何故その女性と話す気になったのか。その理由は“彼”自身にも理解し得ない。
 唯、この時はそうする事が自然に思えたのだった。
 
「或いハ、復讐など不毛ナだけであるノかモれナいけレど、
 もウ、僕にハ他に何モ無いのダかラ……。」
 復讐以外の全てを失った者の姿は、何処か哀しげに見えた。
 
“彼” から 沙夜 へ
1998年04月20日:21時44分48秒
戦闘 / せりざわ
ぱんぱんぱん、、、
 相手が悪すぎた、この不運なちんぴらたち。 「ああぁ、やめてください!」
 ドキャバキャグキャ!
 おいおい、「荒事は苦手なんです」なんて言いながら、こてんぱんに殴ってるぞ、凶。
 
 「ちぃ!今日はこれぐらいにしてやらぁ!」
 ちんぴらのお約束であるせりふをはきながら、すたこらさっさと逃げていく。
 「今ごろ、応太くんはどうしてるんでしょうね、、」
1998年04月20日:20時44分41秒
亜夜 / tomy
〔破壊の覚醒〕
その言葉と一振りの刀と一丁の銃槍を手にした少女の姿が脳裏に焼き付く。

(この子…、見たことがある。)

〔半刻で街は瓦礫と化す〕
その言葉にしばし呆然とする亜夜。その隙に迅雷と境玄が進む。少女のいると思われる所に向かって。

(私も行かなきゃ。)
なぜかそう思えた亜夜は彼らが向かった方へ駆け出す。その先には先ほど見えた少女に向かって迅雷が話しかけていた。

「なんて顔してんだよ、てめえの兄ちゃんが見たら泣くぜ。」

(やっぱり、そう。私はあの子とあの子の“兄ちゃん”を知っている。)

「力は力じゃ抑えれないからねぇ……」
境玄のつぶやきを聞きながら思う。

(あの子が、もし森で出会ったあの子なら、私にもできることがある。今まで使ったことはないけれど、言葉よりも確実に伝えられるはず。私にしかできないなら…。)
亜夜は暁光を地面に突き立てると舞いを始めた。夢をつむぐための舞いを。

亜夜

というわけで枯蔦の幻影を見せるために亜夜は胡蝶の夢を使います。でも2年ほど前に見かけただけの枯蔦を再現できる記憶力はないので逆効果かも(爆)。多分、迅雷とイメージがごっちゃになってるのではないかな(笑)
しかし、いつもながら不用心な娘だ。胡蝶の夢を使う時に、すがのに見られたりしたらヤバイよね(笑)
1998年04月20日:14時38分50秒
魔物? / 桂

 「魔物の戦・・・・ですか? 戦場の噂ではちらほらと・・・」
 
 香は昔の記憶をたどりながら答えた。昔、戦場で伝えられていた、あの噂。

 「なんでも、一人で丸ごと一国を相手にして戦いを起こした者がいるとか・・
・それに乗じて様々な者が策を巡らせたとも噂されていますが・・・下々の噂
故、詳しいところまでは存じません。」

 「その事実と、夕霧殿、静弥殿とは、いかなる関わりが?」

サムライ 香 より 陰陽師 白皇老 へ
天羅万象掛け合い:修羅刀編ログ / TRPG.NETホームページ / Web管理者連絡先