天羅万象掛け合い:修羅刀編 LOG 003

天羅万象掛け合い所:修羅刀編の1998年03月06日から1998年04月19日までのログです。


1998年04月19日:12時59分51秒
アレス / MARS
 アレスはがっくり膝をつく
 「す…すいません…余計な迷惑をかけたみたいですね………」
 息を付きながら何とか平常の心を取り戻そうとする。
 「彼女は僕の触れちゃいけない………人みたいですね………」
 その瞳には悲しさと悔しさが混然と入り乱れていた。
 『僕は………貴方のようになりたい………でも………僕は貴方のように強くなれない………』
 迅雷に向けた視線には羨望と嫉妬があった………
1998年04月18日:23時16分54秒
/ ハリ=ハラ
「さ、旦那が言ったように下がってな
 力は力じゃ抑えれないからねぇ……」
 
 杖を突きつつ、アレスの後ろに立つ。
 疲労の色が見えるアレスに、支えるように手をかしてやる。
 
「…さて……」
 
 迅雷と少女の方を見つめる。
 
「これが境か……」
1998年04月17日:21時01分33秒
嵐の勇者・迅雷(笑) / Dr.李
 「やれやれだ。」
 裾がはためき、帽子を片手でおさえ、顔には苦笑い。
 
 「女の子を口説くときにゃぁ、もうちょっと雰囲気を大事にしなけりゃぁな。」
 そう言って、暁都の頭に軽く手を乗せる。
 「てめえの出番は終わりだ、さがってな。」
 そう言ってゆっくりと歩を進め、少女の目の前にすすむ。
 
 「なんて顔してんだよ、てめえの兄ちゃんが見たら泣くぜ。」
 腰を落とし、目線を少女に合わせる。
 寂しさ、悲しさ、優しさ、様々な感情がその少女の瞳に同居する。
 だが一番大きな感情は・・・恐怖。
 そして寂しさ。
 
 「一緒にくるか?なんか怖いことがあったら、おっちゃんが守ってやるよ。」
 迅雷の瞳に強い光が宿る。
 荒野にすら生命の栄えることを信じる希望の光。
 「だからそんな顔すんな。
 将来美人になるかもしれねぇのに。」
 驚くほど優しい笑顔だった。
 
1998年04月17日:19時49分15秒
訂正 / mars
 すいません
 ”少女のは夏風邪”ではなく”少女の放つ風”です
1998年04月17日:19時45分47秒
アレス / mars
 『いけない…止めなきゃ…止めなきゃ…』
 恐怖に混乱した心の片隅で死の風が生み出す不幸を感じ取る
 『止めなきゃ……止める……』
 「止める」
 アレスは力をたぐり寄せる…そして…少女と自分の周りを包み込む…
 「思い出した...私の.....名前.....」
 そのとき少女のつぶやきが聞こえてくる
 「………………」
 アレスは黙ったまま優しく微笑む…その間も少女のは夏風邪を必死にくい止めていた…
 額には冷や汗と疲労による汗で溢れていた
1998年04月17日:15時52分56秒
困惑 / タイガ
 「そろそろ降りるか……」
 彼は普段は人の目を避けている。
 しかし、それでは伊織がついてこれない可能性がある。
 そのため、時折人里へ降りて「足跡」を残しているのだ……。
 だが、今回は少々いつもとかってが違った。
 
 「何だ、これは……」
 奇妙な気配。
 強く、純粋で、そして……。
 樹が、空が、悲鳴をあげている。
 「これは……」
 何かいやな予感がする。
 むかし、同じ気配を感じた事がある。
 しかし、その時とは比べ物にならないほど大きな「力」を感じさせた。
 吸い寄せられるように、彼はその気配へと向かっていく。
 
 やがて、気配の源につく。
 (あれは……?)
 それは、まだ幼い少女だった。
 (あんな子供が……?
  いや、妖は外見じゃないからな。
  しかし……)
 と、妙な情景が脳裏に浮かびあがる。
 
 誰かが少女に向けて話し掛けている。
 『礼を言うぜ、おまえのおかげで判ったようなもんだな……』
 
 始まった時と同様唐突に、そして中途半端にその幻想は断ち切られる。
 
 (何だ……?
  一体何が……)
 唯一分かっているのは、その少女と今目の前にいる少女とがとても似ている事だ。
 
 
 重装機「明月」
1998年04月17日:13時40分34秒
「思いで話」 / 夜光
 「静弥か...聞いてどうする?単なる好奇心だけではすまぬかもしぬぞ?」
  探るような。しかし、どこか心配げな顔。老爺の顔と陰陽師の顔。そして軍師
 としての顔。
  しばらく香の顔をみつめていたがやがて大きなため息をつくとゆっくりと首を
 振った。
 「一度決めたことを覆すようなお主ではなかったからの」
  それは香に向けた言葉なのだろうかそれともその向こう側の別の誰かに?
 「静弥どのは優秀で勇敢な指揮官じゃったよ...夕霧にあうまではの」
  その瞳の奥にやどるのは涙か、それとも....
 「夕霧にあってからはやつは指揮官ではなく一人の漢じゃったよ。大切な人を守るためだけに
  生きる一人の男。ほかの国や馬鹿者たちならばせめるかもしれんが元々主義主張の違う儂ら
 はそこにやつ自身の意味をみつけた.....せめるやつなぞおらんかったよ」
  懐古。白皇老ほどの年になればその悪癖も致し方ないのかもしれない。
 「ところで...魔物の戦とよばれし先の乱の事はしっておるかの?」
 
 陰陽師 白皇老 より サムライ 香へ
1998年04月17日:10時22分35秒
ことのは(事の破 言の葉.....) / 夜光
  瞳の裏側に少女の幻視が浮かぶ。前にもみたまだ幼い少女の姿。
  たった一人誰もいない虚空の中で泣いている。なにが悲しいのかその理由さえももう解らない。
 透き通るような純粋な寂しさがその魂からは感じられる。
 『お願い....思い出さないで....を』
  鎮霊自身の唇から言の葉が紡がれる。けれどもその声は先ほどまでの少女の声音は全く違うも
 のだった。幼さと老成を同時に感じさせる奇妙な声音。
 
  風が力を受けて吹く。純粋すぎる力を受けて。それは意志。それは思い。
  彼女の足下が数千年、いや数万年のの年月を経たかのように脆い砂と成り代わり風に巻かれて
 宙を舞う。そして大地としての死が訪れたかのように細かな砂塵となって降り注ぐ。
 
 「誰?」
  少女は瞳の裏側のもう一人の少女に語りかける。
  二つの心はお互いの瞳をのぞき込む。
 「「私.....?」」
  理性も感情も越えて本能の部分で解る。
  少女がそれを理解したとき。異変が起こる。まだ大人には届かないけれども子供ではない未成熟な
 体がまだ甘えさせてくれるものを保護してもらえるものを必要とする幼い少女の姿に戻る。
 
  空が泣く、木樹が悲鳴を上げる。
  古き時の中に忘れ去られたはずのものたちの目覚めを感じて。
 
  風が吹く。砂塵を巻き起こしすべてを包み隠すように。
  そして少女はそこにたたずんでいた。すべてを知っているかのごとく。その姿は哀しかった。
 そしてとても寂しそうで.....怖かった。
 「ごめんね....」
  その瞳から一滴の涙が頬へと滑り落ちる。
 「ごめんね....」
  その言葉はいったい誰に向けられたものか。いや、そもそもなにに向けていったのだろうか?
  少女の中の何かが解き放たれたのは事実。
  それが何なのか今は誰にも解らない。けれど肌を突き刺すような刺激が空気をふるわせる。ただそこに『ある』
 というただそれだけで。
 「思い出した...私の.....名前.....」
  淡い笑みがその唇に刻まれる。そこには慈愛と哀惜が同居していた。
  
 少女 鎮霊 虚空に向かって
  
  
1998年04月17日:08時12分21秒
〜回想〜護りたいもの / タイガ
 「ああ」
 短く応える。
 「……お前を護りたい。
  お前の力になりたいんだ」
 繰り返される率直な言葉。
 沙羅は退魔師だ。
 それほど多くある事ではないが、それでも時には妖と戦う事もある。
 それが……見ていてどうにも危なっかしい。
 今の自分は武装が外されている。
 助けたくとも必要な力が出ない事も多い。
 それが……どうにも苛立たしくもどかしい。
 
 重装機「明月」より退魔師「沙羅」へ
1998年04月17日:06時39分53秒
〜回想〜 ‥転換… / ハリ=ハラ
「本当ですか?!」
 
 その声には、驚きよりも喜びが多く顕われていた。
 女の顔に笑みがこぼれる。
 
「本当に??」
 
 信じられないのではない…
 その言葉をもう一度聞きたいのだ。
 君の言った一言を…
 
 沙羅より 明月へ
1998年04月16日:23時42分21秒
予言 / ジョーカー
 甲高い唸りが亜夜の腰から、つまり暁光から湧き上がる。
 
 「え、何が起こったの!?」
 
 驚きの声を上げた亜夜。その脳裏に“声”が響いた。
 
 〔破壊の覚醒〕
 
 同時に絵が浮かび上がる。それは一振りの刀と一丁の銃槍を手にした少女の姿。
 
 〔半刻で街は瓦礫と化す〕
 
 何ら感情を交えない鋼のような“声”。それだけに偽りも無い。
 一片の誇張すら無い。起きると言ったらそれは間違いなく起きるのだ。
 勿論、これは起こりうる未来に過ぎない。だが、変えられるのだろうか?
 
 暁光より亜夜へ  
1998年04月16日:22時27分10秒
二人同行 / ハリ=ハラ
「何かあったんだな?」
 迅雷が尋ねる…
 
「ええ…」
 境玄が応える…
「で…どうしやす?」
 
「きまってんだろう。」
 迅雷の顔に笑みが浮かぶ。
 
「…だと思いやしたよ……」
 苦笑をもらす境玄。
 
「では、行きましょうかね…」
 
「ああ…」
 
「一応、お止めいたしやすよ?」
 
「一応例だきゃいっとかぁ。」
 
「これで、帰れなくても恨みっこ無しですからね。」
1998年04月16日:21時53分15秒
さすらい人・その名は迅雷 / Dr.李
 「妬くなよ。」
 苦笑する迅雷。
 目には軽くからかいの光がある。
 
 一人称の思惑
 
 「あなたはいい人なんですね。」
 張りつめた雰囲気が少し和らいでる。
 
 「ちょいと待ちなよ、お姉さん。物騒な世の中、腕の立つ女は要らないかい? 男を雇うときみたいに、身の危険を案ずる必要はないから、安心だよ? もちろん、その分お代は割り増しだけどねぇ」
 
 ろくな事考えてねぇな・・・。
 半分あきれたようにすがのを見る。
 まぁ、少し助け船くらいは出してやろうか。
 
 「お代、ですか?珠なら多少持ち合わせがありますけど…」
 美人の姉ちゃんが無造作に袋を開き、その中に大きめの珠が見えた。
 すがのの目が少し怪しい。
 あれは、獲物をねらう猟師の目だ。
 助け船を出すのは少し待った方がよさそうだ。
 
 「でも、いいんですか?命の危険があるかも知れないのに。」
 なに?
 まぁ、そうでなけりゃ武装などせんわな。
 まぁ、すがのなら腕は確かそうだ。
 性格はともかく。
 
 その時大きな音がした。
 「え、何が起こったの!?」
 美人の姉ちゃんの驚きの声。
 
 その時俺の脳裏になぜかちびがきが浮かび、餓鬼が浮かび、坊主が浮かんだ。
 
 いやな予感がして、そっと坊主の方を見る。
 
 「何かあったんだな?」
 
 いやな予感もするが、どこかで心が躍る自分を自覚した。
1998年04月16日:19時23分37秒
亜夜 / tomy
「美人が絡まれてりゃ当然だろう。」
そういうものなのだろうか?亜夜は首をかしげる。この街に来るまでにも何度か絡まれたが、迅雷の様に庇ってくれた人はいなかった。

「あなたはいい人なんですね。」
そう、迅雷に言う。その表情が、かすかに柔和なものになっていることに亜夜自身も気付いていない。

「ちょいと待ちなよ、お姉さん。物騒な世の中、腕の立つ女は要らないかい? 男を雇うときみたいに、身の危険を案ずる必要はないから、安心だよ? もちろん、その分お代は割り増しだけどねぇ」
そういうものかもしれない、と思いながら亜夜は問い返す。

「お代、ですか?珠なら多少持ち合わせがありますけど…。」
そう言いながら、懐から袋を取り出す。袋の中には、親指大の球状の物体が、2,30個ほど入っている。

「でも、いいんですか?命の危険があるかも知れないのに。」
そう、すがのに対して再び問いかけた時、

ギィーーーーン!!

突如、暁光がうなりをあげた!

「え、何が起こったの!?」

亜夜から、迅雷・すがの・暁光へ
1998年04月14日:13時31分54秒
疑問 / 桂
 「いや、すまぬな。年をとると物覚えが悪くなりおる。香殿でしたな?よろしく
お頼み申しますぞ」

 白皇老の呼びかけに香は我に返った。物思いに耽り、二人の会話はまるで
耳に入っていない様子であった。

 「こちらこそ・・・よろしくお願いする。右も左も分からぬ者故、時折勝手なこと
をやらかすかもしれぬが」

 挨拶を返すと香は長らく抱いていた疑問をぶつけることにした。

 「ところで・・・白皇老殿。”静弥”と言うのは何者なのです?よろしければい
きさつなどを伺えれば・・・いえ、私の興味なのですがね」

 ”サムライ”香から白皇老へ
1998年04月14日:04時00分35秒
「葱背負った鴨を料理する、鴨」 / みだれかわ枕
「美人が絡まれてりゃ当然だろう。」
 
 そう言った迅雷に、すがのは一言、
 
「よく言うよ。蕎麦屋の時は、あたしにつれなかったくせにさぁ」
 
 金目のものを持っていたアレスや、少し気になる鎮霊がいなくなって、少々つまらなそうに、そう呟いた。
 あと、彼女のそばにいるのは盲目の法師と、(少なくともすがのに対しては)無愛想な若者の、二人だけ。金や色事の臭いは、全くしない。
 まったく?
 
 振り返ると、何やら、立派な刀を持った女。しかも、世間ズレしていないようだ。
 こういうのを、カモと言う。
 
「ちょいと待ちなよ、お姉さん。物騒な世の中、腕の立つ女は要らないかい? 男を雇うときみたいに、身の危険を案ずる必要はないから、安心だよ? もちろん、その分お代は割り増しだけどねぇ」
 
 何が割り増しなんだか。はやくもカモを身包み全部剥ぐつもりである。
 
 
 銃鎗使い すがのから、亜夜へ
 
 
 ああ、よりにもよって亜夜に擦り寄るのか(笑)
 これで修羅刀編の核心に関わらざるを得なくなったな、すがのよ(笑)
1998年04月13日:17時12分44秒
補足 / 月夢
 香宛に送った式は家に招待する旨を伝えるので適当なタイミング、適当な台詞を使ってくださっていいです。
1998年04月12日:03時50分20秒
琴音 / 月夢
「では、後は任せましたよ」
 琴音はそれだけ告げてきびすを返す。
「さて、この件はこれでいいとしますか」
 玄屋が糸をつないでいた人間の一人からの紹介で詳しいことは知らないが腕は確かで頼りになる。
「後はこれも修羅刀をおびき寄せる餌の一つとなりうればよいのですが」
 はっきり言うなら琴音には南雲の行く末は眼中にない、この国の存亡と修羅刀を倒すことを天秤に掛けるなら迷うことなく後者を選ぶ、南雲の国そのものが琴音にとっては一つの餌であり、網にすぎない。
(・・・・時と場合によってはその南雲の姫と裏から話せる準備もしておきませんと)
 そのためこういう発想すらも浮かぶ。
「南雲外の糸を準備しておきますか」
 ざっと玄屋のつてを頭に思い浮かべ人厳選すると、再び式をうち、空へ浮かぶ。
(老はこちらの考えを読みとっている可能性が高いから気をつけませんとね)
 琴音と南雲の関係は玄屋という土台があっての関係にすぎない、今となってはいつ崩れてもおかしくないのだ。
「用心していきましょう」
 そう呟くと琴音は南雲の城をちらとみる、そしてそこに残してきた人物のことをふと思う。
「香様、大丈夫かしら?」
 人の世話をやくほど精神的に余裕がないためにそうそうに押しつけてきたが少し不親切すぎたかもしれないという思いもある。
「あの方も大事な存在ですからね、できればこちらの手の中にあっていただいたほうがよいですか」
 そう考えなおすと琴音はもう一枚式札を出すと小さな鳥型の式をうつ。
「しばらく滞在するなら私の屋敷を提供してみましょう、お父様の記録を見せることをお約束すれば理由になりますでしょうし」
1998年04月12日:00時50分57秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「あの…、何故助けて下さったのですか?」
 顔を横に向けて亜夜の方をむく。
 「理由なんざねえよ、ただそうしたかったのさ。」
 にやりと不敵に笑う。
 「美人が絡まれてりゃ当然だろう。」
 そう言って境玄達の方に向かう。
1998年04月11日:21時18分36秒
亜夜 / tomy
「ありがとうございます。」
突如現れ助けてくれた男に礼を言う亜夜。

「余計なことかもしれねえが、少しはめだたねえかっこしたほうがいいぜ。」

「…、はい。」

「じゃぁな、べっぴんさん。」

「あの…、」
立ち去ろうとする男に亜夜は問いかける。

「何故助けて下さったのですか?」
男に対する疑念や特定の答への期待ではなく、ただ純粋な疑問を感じているのだという事がその声や瞳から感じ取れる。
他者の好意を受けることに慣れていない、そんな雰囲気をしている。

亜夜から迅雷へ

そういえば、すがのさんの反応が見たいな。金づるがいなくなったところで、立派な刀を持った、だまし易そうな女が出てきたんだし(笑)。
1998年04月10日:23時16分10秒
沙夜 / tomy
「直ぐニ……僕かラ離レて……危険……。」
その言葉を聞いても沙夜の足取りは鈍りはしない。

「……ねエさま?」
顔を上げた金剛機を見つめる沙夜。彼女にとっては、生者も死者も例え修羅であろうと等価である。だからこそ彼女は修羅刀を握っているのだ。

「何を‥、泣いているのですか?」
沙夜がまっすぐな瞳で金剛機に問う。

「安らぎを望みますか?それとも…。」
その言葉には不思議な暖かさがこもっていた。

沙夜から『かつて伊織だった者』へ
1998年04月10日:21時43分02秒
〜回想〜運命(さだめ) / Ray
「そんな……お師様が謝る事じゃありません。
 僕なら大丈夫ですから……もう……泣かないで下さい……。」
 自分もしゃくり上げながら、伊織は、何とか沙羅を慰めようと語り掛け続けた。
 決して言葉には出来ない想いを、その胸の奥に仕舞い込んだまま。
 
 沙羅の懐に抱かれていた伊織は、そっとそこから抜け出すと、師の眼を真っ直ぐに見つめ返した。
「それに、決めました。
 今はまだ力不足ですけれど。
 何があろうと、お師様は僕が守って差し上げますからね。」
 そう宣言すると伊織は、涙の痕もそのままに、最愛の異母姉に向け、透き通った笑顔を浮かべて見せたのだった。
 
(そう。凡てはこの時に定まった……遂に果たされなかった誓約によって……。)
 走馬燈の様に甦る記憶が、“彼”に現実感を失わせる。
 それが「二度と思い出す事が叶わぬ物かも知れぬ」とあらば、尚更であった。
 だからこそ、“彼”の聴覚が、辺りを満たす雨音に紛れた濡れ葉の踏みしだかれる音を捉えた時にも、咄嗟に反応を返す事は出来なかった。
 
(一体何処から……いや、近くに人の反応は無かった筈……また不調か……。)
 最初の『発作』の折り、暴走する破壊衝動に耐えきれず、周囲の凡てを「原形を留めなくなるまでに」破壊し尽くして以降、極力人との接触は避けてきた。
“敵”の足取りを追う為に必要な時を除けば、特に『発作』の兆しが顕れた時には、周囲に人の居ない所へと逃れていたのだった。
 
「直ぐニ……僕かラ離レて……危険……。」
 酷く掠れた“声”が流れ出す。
“彼”は頭から被った一枚布が覆う身体をノロノロと擡げると、近づいて来た者の方を向いた。
 その目に飛び込んで来た映像が、何故か過去の記憶と重なる。
「……ねエさま?」
 警告の言葉は立ち消えとなった。
“彼”の心は、再び追憶の渦の中に呑み込まれて行く。
 それは最も残酷な記憶……忘れ得ぬ『破局』の想い出であった……。
1998年04月10日:21時01分42秒
アレス / MARS
 ・・・・・・
 少女の瞳から流れ出る感情・・・
 それはアレスの心の壁を突き破り旨の中で響きわたる・・・
 「あ・・・あぁ・・・」 
 アレスはその感情の波に恐怖した・・・
 体か知らず知らずにふるえ喉がからからに乾いていく・・・
 そして・・・アレスの瞳が空の月のように金色に染められた・・・
1998年04月10日:19時58分14秒
お節介な通りがかり・迅雷 / Dr.李
 「離してください。」
 迅雷は声の方を見た。
 複数人の男、そして女武芸者。
 ”まぁ、負けはしねえんだろうが・・・。”
 業物の刀と身のこなしをみればわかる。
 そして体に珠を埋めjこんでる気配もない。
 「・・・まぁ、いいか・・。」
 つぶやき、男達の元へ向かう。
 
 ぽん、男の肩に手をおいて振り向かせる。
 「あん、なんだ・・・ぶげ!」
 男の左頬に迅雷の右の拳が突き刺さった。
 「こいよ、げす共。少し運動したいところだったんだ。」
 右手の人差し指をふって、挑発する。
 「このやろぅ!」
 
 −−−−−−−−−−−−−−−−−−
 
 「いてて、結構いいのもらっちまったわなぁ。」
 周りでのびる男共。
 こちらも結構ぼろぼろの迅雷。
 ほぼ一撃で倒してるとはいえ、被害は少なくなかった。
 亜夜の方をむく。
 「余計なことかもしれねえが、少しはめだたねえかっこしたほうがいいぜ。」
 親指で口元の血を拭う。
 「じゃぁな、べっぴんさん。」
 
 迅雷
 
 なーんか、すがのと対応違うんだよなぁ。
 なんで?
1998年04月10日:13時37分08秒
調査 / タイガ
 「分かった。明日の夜、ここに来い。
  それまでに出来うる限り調べて置こう」
 饕魔はそう答えた。
 
 琴音が去った後、饕魔は囁くような声なき声でこの場にはいないもの達に呼びかけはじめた。
 『目覚めよ、まどろむもの達よ。
  応えよ、汝が主の呼び声に。
  夢と現をさまようものよ、我が声に応えよ……』
 饕魔にとって、自分の幻に捕らわれているものはたとえ千里の隔たりがあろうと、すぐ傍にいるも同然なのだ……。
 
 「饕魔」より「琴音」へ
1998年04月10日:13時26分23秒
「荒ぶる魂」 / 夜光
  風が吹いた。
  闇よりも深く。血よりも赤い荒ぶる魂をのせた風。
  ざわ......
  空気が悲鳴を上げる。眠りし者が目覚める気配に。とおの昔に去っていったはずの者が目覚める気配に
 「名前?.....」
  少女の口から紡がれる言の葉。いや言霊。
 「な....ま....え.....」
  少女の瞳に虚無が映る。
  そして、何者にも侵しがたい強い意志を秘めた瞳に。
  怒り。憎しみ。哀しみ。喜び。その全てがその瞳にある。
  
  死を載せた風が吹く。報われぬ思いを載せた暗き風が。
  闇夜より暗く。そして地の底よりも冷たい.....
  風が......吹く......
 
 少女 鎮霊
1998年04月09日:23時49分54秒
亜夜 / tomy
亜夜の姿は目立つ。それでなくとも傀儡の美しさは際だつ上に、その刀は他の刀との明らかな格の違いを感じさせる雰囲気を持つ。

「ようよう、べっぴんな嬢ちゃん。おっきな刀持ってどこ行くんだい?」
そんな亜夜の姿に気付いた数人の男達が、口元に品のない笑みを浮かべて亜夜に近付いてくる。
どうしたものか…、亜夜は考え込む。見たところ、まっとうな商売を営んでいるものには見えないが、かといってここで彼らの命を奪ってはこの待ちで宿泊することも困難だろう。とりあえず、亜夜は早足で彼らから離れようとした。

「おっとと、待ちなって。」
彼らの仲間と思われる別の男がものかげから現れ、亜夜の手を掴む。

「離して下さい。」
亜夜は男にそう言うと、身構えた。聞いてくれないようなら手加減するつもりはなかった。

亜夜
1998年04月09日:23時13分58秒
“ゆく” / ハリ=ハラ
 「なにせあんな山の中にいるとは思わなかったんでな。
 そういうことならよろしく頼むぜ。」
 
「へえ・・・
 それじゃあ、行きましょうか。」
 
 すがのと迅雷を促し、宿町の方に向かわせる。
 己もまた、二人に続いて歩き出す。
 当然、少女とは方向が逆になる。
 
(道が違うな・・まだ、今は・・・)
 
 暁都・・アレスが、少女を・・鎮霊を呼び止める。
 だが、彼女を止める事は出来まい。
 誰が止めようと、彼女は己の道を行くだろう。
 出来る事は・・・
 
(共に逝くか・・)
 
 少し足を止め、後ろを振り返る。
 そして、両目を開き鎮霊とアレスを観る。
 
 右の眼からは闇が・・・
 左の眼からは光が・・・
 
 両の眼に、二人を映す。
 
「・・・難儀な事だ・・・・・・」
 
 痛ましげに目を細めると、再び瞼を閉じ歩き出す。
1998年04月09日:22時05分30秒
アレス / MARS
 「待って・・・君はどこへ向かってるんだい?・・・それにまだ君の名前さえ聞いていない・・・関係ないことかもしれない・・・けど・・・」
 少女を呼び止めたアレス・・・しかし呼び止める理由が思いつかない・・・
 「ごめんね・・・・でも・・・どおしても気になるんだ・・・迷惑でなければ君がどこへ行こうとしてるのかを教えて欲しいんだ・・・もし・・・僕ができることが有れば・・・」
 言葉が繋がらない・・・どおしてもとぎれとぎれになり・・・深く押し黙ってしまう。
 「・・・・・・せめて・・・名前だけでも・・・教えてくれないかな?・・・」
 じっと少女の背を見つめる・・・
1998年04月09日:19時47分39秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「なんです?
 まさか皆さん揃って宿を取ってないんですかい?」
 そしてため息。
 「仕方が在りませんねぇ・・・
 皆さん泊まれるように、何とかお願いしてみますよ。
 野宿で危ない目にでも遭われた日には、寝覚めが悪いですからねぇ」
 
 迅雷は、ただ観ていた。そして聴いていた。
 少女が去るのも、野宿を好む餓鬼も、そして傭兵らしい女の言葉も。
 
 「そうかい、すまねぇな。」
 片方の唇をつり上げて笑う。
 「なにせあんな山の中にいるとは思わなかったんでな。
 そういうことならよろしく頼むぜ。」
1998年04月09日:16時13分58秒
琴音 / 月夢
「隣国との戦の件はすでにあなたなら聞き及んでいるでしょう」
 相手の気配が分からないのはいつものこと琴音は気にせず話を続ける。
「老の話ならほのめかしたのはこの南雲の地の先の領主の娘、そしてその目的が修羅刀を誘き出すこと」
 簡潔に琴音が要点をまとめる。
「老は情報の出所を公開しませんでしたが、かなり確信を持っているようでした、申し訳ありませんがこちらでも裏をとってください」
 老と琴音では微妙に立場が異なる、そのためお互いにすべて手の内をあかしてはいない。
「もしこの話が間違いないようでしたら、彼女の素性とこれまで姿を隠していた間のことを詳しく洗いなおしてください、標的を修羅刀に絞っているのが気になります」
1998年04月09日:15時59分22秒
契約 / タイガ
 「……何をすれば良い?」
 闇のような空間から声がする。
 饕魔はここにはいない。
 彼独自の蟲と彼自身の妖力を汲み合わせた方法でかなりの遠距離からその言葉を聞き、また発している。
 (……修羅刀がらみだろうな……)
 饕魔は思った。
 琴音が饕魔と接触をとる理由は他に思い付かない。
 修羅刀の件では「互いに情報を交換する」などといった約束を饕魔と取り付けたのは玄屋だが、
 彼はその直後に死んでしまった。
 もっとも饕魔自身は修羅がらみでさえあれば大概の話に乗るつもりだったが琴音には伝わっているまい……。
 
 「饕魔」より「琴音」へ
1998年04月09日:15時13分34秒
「鎮霊」 / 夜光
 「あたしはいらないよ」
  それは初めて聞こえる声だった。今までの少女の声とはどこか違う。うつろな心を写したかのような
 どこか空虚な声とは違う意志を感じさせる声。
 「お姉ちゃん。送ってくれてありがとね」
  にっこりと無邪気なほほえみを見せる。けれどもそれは先ほどまでの笑みとは微妙に質が違う。
 「お坊さんも道案内ありがとね。おかげで迷わなくてすんだの」
  今度は満面の笑みが真剣なものに変わる。礼儀正しく。礼を返す。それはきちんとした教育を受けた
 者特有の優雅な挨拶であった。
 「じゃあ、あたしは行くところがあるから。いかなきゃならないところが近づいてきたから」
  満面に無邪気な笑みを浮かべ。「お兄ちゃん」の銃槍と刀をしっかりと持ち直して一向に背をむけた。
 
 少女 鎮霊 より 一同へ
1998年04月09日:15時11分55秒
琴音 / 月夢
 白皇老との話が終わり、琴音は玄屋が長い年月でつなぎあげていった情報収集用の網を広げる。
「餐魔、いますか?」
 用心深い玄屋はいくつかの連絡を取るためだけに用意された拠点を持っていた、ここもそのひとつ。
「一つ仕事をしてもらいたいのですが」
1998年04月09日:14時24分02秒
白皇老と琴音 / 夜光
 「先の闘いのおり。一人この城を抜け出した姫がいらっしゃるのはご存じでしたかな?琴音どの」
  背を向けその目前から消えようとする琴音に老人は声をかけた。ごくふつうに挨拶をするかのごとく。
 「・・・・・父がそのようなことを言っていた気がしますが」
  興味を引かれたのか琴音の足が止まる。
 「その姫君が....戦を起こしておられる事は?」
  探るような瞳。真実を話す口。嘘だけはついていない。たとえ全ては話していないとしても。
 「戦?たかが落ちぶれた姫一人にそんな力があるとは思えませんが」
  琴音の表情に苛立ちと好奇の色が見え隠れする。
 「姫一人ならば。ですがあの姫並外れた才覚としたたかさを持っておられたようですな。地の縁と大義名分を与えれ ば戦は起こせるのですよ。我らがこの城を得たときのように」
  老爺の瞳には昔を懐かしむような色があった。それは栄光の記憶であったかもしれない。
 「国を相手取るに個人の力がどれだけあっても無駄だと思いますが」
  その声は冷徹な知性に裏打ちされた声。
 「血の縁は国を動かすのには十分でございますよ。姫君自信が動くことは必要なわけではございません。ささやけば 良いのです。誘惑の歌を。それに載せられたものどもが戦をはじめるのです」
  年若い琴音に老爺はまるで教師が生徒に教えるような声音ではなす。
 「それで復讐ですか、ご苦労なことです、それで私とは直接関わりないようにかんじられますが、本題はどこにある のですか?」
  その姫と自分を重ねたのだろうか?かすかな苛立ちが怒りにまで消化される。その道程の途中のように感じられる。
 「そう、これ自体は琴音殿には関係御座いますまいま。けれどもこれが修羅刀を呼ぶための呼び水なのだそうです。 まだ確か野情報とはいいきれませんがの」
  血と戦乱に彩られ。それらに惹かれる妖鬼の刀修羅刀。縁深い場所縁深いものたちの戦。それがかの刀を引きつけ
 ずにおれるものだろうか?
 「どこから出た情報ですか?」
  琴音が初めて興味深そうに。そして探るような視線を向けてくる。
 「さて?お答えできぬ所からの情報ですな」
  それに答えたのは油断の出来ぬ老爺の笑み。人生という年輪が作りあげた仮面。
 「・・・・・・そうですか、ではこちらでも確認をとりましょう」
  しばしの沈思黙考の後に答える琴音の声。それを見つめていた。
 
  陰陽師 白皇老 より 陰陽師 琴音へ
 
 
  琴音との話が終わると白皇老は今度は香に視線を向ける。
 「肉体は移り変わろうとも心までは移り変わらぬ....」
  その瞳には真理を探究する求道者のそれが宿っていた。
 「いや、すまぬな。年をとると物覚えが悪くなりおる。香殿でしたな?よろしく
  お頼み申しますぞ」
  次の瞬間にはその顔に如才ない笑みを浮かべていた。
 
 陰陽師 白皇老 より サムライ 香へ
 
1998年04月09日:14時15分37秒
慌てるぼうづ / ハリ=ハラ
「ちょっ・・・ちょっと、ちょっと、」
 
 場のやり取りを聞いていた境玄が慌てる。
 
「なんです?
 まさか皆さん揃って宿を取ってないんですかい?」
 
 場の空気が、それを肯定している。
 誰も宿の事は気にしていなかったらしい。
 
「ふ〜〜〜・・・」
 
 ため息を一つ吐くと、呆れた調子で切り出す。
 
「仕方が在りませんねぇ・・・
 皆さん泊まれるように、何とかお願いしてみますよ。
 野宿で危ない目にでも遭われた日には、寝覚めが悪いですからねぇ」
1998年04月09日:00時49分04秒
アレス / MARS
 アレスは今夜の宿を問われたが今まで彼は宿を取ったことはなかった。
 「女性を野宿させるわけにも行きませんし僕も野宿で構いません(むしろその方が楽だし)」
 屈託無く微笑む・・・
 「それにこの街も・・・物騒な人が多そうですし・・・」
 アレスは漠然とこの街を包む血と狂気を感じ取っていた・・・
1998年04月08日:23時48分00秒
「遠慮と譲り合い」 / みだれかわ枕
 
「それを問うなら、餓鬼と女を先にするんだな。」
 
 普通、こんな事を言われたら、遠慮するとか、少なくとも「いえ、そんな」ぐらいは、言うだろう。
 しかし、すがのはそんなことを遠慮するような女ではなかった。
 
「あ、そうかい。わるいねぇ。んじゃ、あたしがその宿に泊めさせてもらおうかねぇ」
 
 しれっと、そう言ってのけたのである。
 
「さて。チビさん達は、どうするんだい?」
 
 
 すがのから、アレスと鎮霊へ
1998年04月08日:19時31分09秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「まあ、そんなに大層な宿じゃあございませんがね。
 旦那一人ぐらいだったら何とかいたしますよ。
 まあ、無駄足取らせちまった詫びだとでも思ってくださいや。」
 
 そう、目の前の琵琶法師は言った。
 軽く頭をかき、再び周りの連中を見る。
 「それを問うなら、餓鬼と女を先にするんだな。」
 そう言って苦笑する。
 「俺はその気になりゃぁ、野宿でもいいんだから。」
1998年04月08日:15時00分23秒
森の中の「座像」 / タイガ
 彼はいつものように畑仕事に精を出していた。
 
 ガサッ
 
 微かな音がしたが、彼は気づかなかった。
 「……!?」
 くるぶしに微かな痛みを感じた時にはすでに遅く。
 だんだんと意識が遠くなっていき、ずるずると地面に崩れ込んでいた……。
 
 「……?なんで地べたで寝てんだ俺は?」
 目が覚めた時には何も覚えていなかった。
 少し不審に思ったもののいつまでも考えていては日が暮れてしまう。
 彼は何事も無かったように仕事を再開した。
 
 ……森の中に奇妙な物体が一つ、座っている。
 それは、奇妙なほど見事な金属製の座像だった。
 人間を模してはいるが人間の像ではない。
 しかし身の丈一丈にも及ぼうかというほどの人ならざる巨人が座禅を組んでいる姿は、なぜか美しさを感じさせた。
 
 (…………
>それと……お師様の信頼だけは裏切らないで下さいよ。
>もしそんな事になったなら、たとえ地の果まででも追いかけて、この僕が滅ぼして差し上げますからね。
 …………
 そうだ……俺を殺しにこい……)
 不意に、金属の塊が動き出す。
 と、その脳裏にある男の姿を浮かび上がる。
 憎んでも憎み足りないものたちの一人。
 ……彼をこの世に送りだしたものの、一人。
 (だが、今じゃない。
  奴等を、あの悪魔どもを抹殺してからだ……)
 しばらく動きを止め、周囲に気を配る。
 (そろそろ、姿を見せておくべきか……)
 
 重装機「明月」
1998年04月08日:14時36分57秒
琴音 / 月夢
 琴音が自分の予想通りの反応に苦笑する。
「老、静弥様はなくられたのですよ、この方は香様と申します、修羅刀と縁がある方ですので私がお招きしましたの」
 琴音が香を改めて紹介する。
「夕霧様やお父様も驚いたようですのでよっぽど似てらっしゃるようですね」
 静弥をみたことのない琴音にはわからない。
「香様、こちらは白皇老、この城の重鎮です、軍師をつとめる方でもありますので大概のことはこの方に聞かれればわかりますよ」
 今度は老を香に紹介し、それから二人をしばらくみた後につけ加える。
「そうですね、老の方が香様とは縁があるかもしれませんね、これから先は老にお話を聞いたほうが早いでしょう、では老、後はよろしくお願いしますね」
 それだけで香を押しつけると琴音は二人に一礼をして背を向け、さっさと姿を消してしまう。
「・・・修羅刀に関わる物がこれだけ揃えば、そろそろ動いても不思議はないですね・・・後は夕霧様さえ揃えば・・」
 もちろん琴音がそんなつぶやきをもらしたことを聞こえた物は誰もいなかった。
1998年04月08日:14時04分28秒
氷華 / 桂
 久方ぶりに見る琴音の様子は、華を思い出させた。
 氷でできた可憐だが冷たき華
 初めてあったときより、より艶やかになりながらも、その実は氷と化してい
る。

 ・・・この人を変えたのも、自分が変わってしまったのも、すべて「あいつ
」のせい・・・か・・・

 そのような思いに捕らわれていた香は、「お久しぶりですね、香様、ご息災
でしたか?」 との琴音の問いかけが耳に入っていなかった。

「ですが、遅かれ早かれ私たちの前に姿を現すでしょう」

 その言葉に無言で頷く。そうだ、焦ることはない。もはや自分にわずかな時
間の差など、何の意味もないのだから。”修羅刀”を折れればいい。そのあと
のことなぞ自分には無縁だ。

「そうですね・・・お取り次ぎを願えませんか。お願いします」

 取り次ごうか?という琴音の問いかけに香は答えた。琴音につれられて歩き
出す。そこで浮かぶかすかな疑問。

 ・・・俺は以前、ここを歩いていたような気がする・・・何故だ・・・?

 「そんなに似ているのですか・・・俺と、その静弥という方は」

 苦笑いを浮かべて歩き始める。必至に疑問、そして不安をごまかすようにも
見えた。

----------------------------------------------------------------------

「静弥どのお久しぶりですな」

 突然声をかけてきた、白髪倭人痩躯、小柄な好々爺。

「あ・・・いや・・・俺は赤の他人なのだが・・・名前は香だ」

 戸惑い答える香。その答え方は生前の静弥を思わせた。

1998年04月08日:13時25分35秒
戦の篝火 / 夜光
 「琴音どのこのようなところにいらっしゃいましたか」
  香をつれて方々の者たちに挨拶をして回る琴音。その目の前に一人の老人が
 姿を現すこととなる。
  白髪倭人痩躯。小柄な好々爺という第一印象を受ける。けれども油断しては
 いけないこの老人こそかの夕霧の乱の時軍師をつとめたのだから。そして玄屋
 に勝るとも劣らぬ陰陽の道を歩む者。
  その瞳の奥には何かを求める狂おしい炎が煮え立っている。
 「そちらのお方は?」
  老人は視線を琴音からその傍らの香に移す。
 「静弥どのお久しぶりですな」
  死を死として認識する。その能力が一部欠如しているようだ。その瞳の奥の炎は
 煮えたぎっている。戦争という狂気がさらなる油として注がれた今その狂気を押し
 とどめる事が誰にできよう....
 
 陰陽師 白皇老 より 陰陽師 琴音 、サムライ 香へ
1998年04月08日:12時38分41秒
琴音 / 月夢
 一陣の風が吹き抜ける、舞う埃を避けるために琴音が手を挙げ、おろしたときに一人のサムライがそこに絶っていた。
「・・・久しいね・・・琴音さん」
 そのサムライが声をかけてくる、数年ぶりの再会、自分が、沙夜が、目の前の男性が、この地に集まってくる、時が動き出したことを琴音は実感する。
「お久しぶりですね、香様、ご息災でしたか?」
 琴音はほとんど感情の読みとれなくなった表情で挨拶する。
「あいつは・・・みつかったのかい?」
 琴音の反応にやや怪訝な顔をするが、一番の気がかりなことなのか香が言葉を続ける。
「いえ、沙夜さんも夕霧様も未だに所在不明です」
 琴音は首を振る、琴音の知る限りの場所と玄屋のつてを動員してまでの捜索にもかかわらず沙夜の居場所は用としてしれない。
「修羅刀が血を吸わずにこれだけ身を潜めるなど不可能だと思っていたのですが・・・・どうも色々裏があるようで」
 見えない糸がそこかしこに張られているのだけは琴音も気づいていた、そしてできる限りその糸にふれない方がよいことも直感的に。
「ですが、遅かれ早かれ私たちの前に姿を現すでしょう」
 そのときは遠くない、この地に香が現れたのがその証拠の一つだと琴音は思う。
「夕霧様については・・・残念ですがあまり捜索の手を避けておりません、あまり私たちにも余裕がないものですから」
 それからふと思いつき、
「しばらくこちらに滞在なさるなら、南雲の城のものたちにお取り次ぎしましょうか?お役にたてるかもしれません」
 それから珍しく少しだけ微笑み。
「きっと驚くでしょうね、香様は静弥さまによく似てらっしゃるそうですから」
1998年04月08日:11時26分09秒
戦場 / 夜光
  そこには死があった。そこには栄光があった。そこには生があった。
 「戦場ってのはいいねぇ〜」
  その手から鎖に繋ぎ止められた刃が弧を描き飛び出す。それは数人の雑兵を蹴散らすと
 再び持ち主の元にもどってくる。
 「絶地。あまりはしゃぎすぎるな。これは前哨戦にしかすぎぬのだ」
  声をかけたのはまだ年若い武者姿の者。けれどもその物腰は支配するもののそれ。
 「越影様よぉ〜。俺はこれだけが楽しみなんだよぉ〜。止めないでくれや」
  その声は天空の高見から聞こえてくる。
 「楽しむのはいい。必要以上に殺すな。このまま敗走させるだけでも戦略的価値は十分だ」
  その瞳に宿るのはやはり狂気、抑制され管理されることになれた支配する者の狂気。
 「ちっ。仕方ねぇな。じゃあ、後数十人ほどでがまんするかね〜」
  絶地はそういうと音高い羽音共に空のかなたに消えた。おそらく逃げまどう兵たちを殺し
 にいくのだろう。それを止めるつもりはなかった。
 「者共。ここはもう良い。陣屋に戻るが良い。後日の戦のために鋭気を養え!」
  それほど大きな声というわけではない。けれどもその声は戦場全てに響く。そんあ感じが
 した。その言葉に従って彼の兵士たちは陣屋へと戻っていく。戦は今日だけではないのだ。
 そしてよく練られた兵たちは戦の狂気の中でも彼の狂気へと従う。
 「さあ、南雲のなりあがりものどもよ。どうする?」
  その声は深く暗い。先ほどまでとは別種の狂おしいほどの思い。もういちど「あれ」にあ
 うために焦がれているのだ。心が。
 
 戦場にて.....
1998年04月07日:15時29分03秒
再び / 桂
青年はただ見ているだけだった
何もできなかった
自分の想像をはるかに越える戦
力と力がぶつかりあい、火花を散らす

青年はただ見ているだけだった
何もできなかった
銃槍を持つ手が震えていた
引き金を引くことすらできなかった

青年はただ見ているだけだった
何もできなかった
そして全てが終った
あとにはただ絶望と無力な己だけが残った

青年は力を望んだ
誰にも負けない「力」を
無限地獄にその身を沈めて

そのために総てを捨てた
あの時、自分から全てを奪い去ったあの刀を壊すため
ただそれだけのために

------------------------------------------------------------

「あんた・・・なんで”サムライ”になりたいんだい?」

「刀を折るため・・・それだけさ」

「はんっ! 笑わせるじゃないか! 刀を使う”サムライ”になる理由が、
刀を折るためだけ? ・・・上等だ。やってやろうじゃないか。このあたし、
薫の名にかけて一世一代の”サムライ”を打ってやるよ!!」

------------------------------------------------------------

 風が通り過ぎた。

 式からおりた琴音の後を一陣の風が通り過ぎた。

「・・・久しいね・・・琴音さん」

 風が通り過ぎた後には一人の”サムライ”が立っていた。

 琴音は彼を知っていた。

 時の流れからとり残されたかのように、あの頃の姿がそのままあった。

 「あいつは・・・みつかったのかい?」

元”銃槍使い”香から琴音へ

------------------------------------------------------------
えっと・・・第一部ではご迷惑をおかけしました、桂です(^^;;
これから本格的に復帰したいなとおもっております。よろしく(^^
ちなみに、”薫(かおる)”さんは、あまりの戦闘施行のため、異端視されつづ
けてきた陰陽師で、実は静弥も彼女に打ってもらったという設定です。
(提供:月夢さん(^^)
この件についてもおいおい書いていきたいと思います。
1998年04月07日:00時19分38秒
詫び / ハリ=ハラ
「あっ、旦那。
 ちょっとお待ちんなってください。」
 
 立ち去ろうとする迅雷の気配を感じて、境玄が呼び止める。
 
「今から宿をお捜しですかい?
 あたしの知っている所でよければお世話いたしますが・・・」
 
 杖を突き、迅雷の横まで歩いてくる。
 
「まあ、そんなに大層な宿じゃあございませんがね。
 旦那一人ぐらいだったら何とかいたしますよ。
 まあ、無駄足取らせちまった詫びだとでも思ってくださいや。」
1998年04月07日:00時03分22秒
放浪者・迅雷 / Dr.李
 「宿屋でも探すさ。」
 ぐるりと周りの連中を見回す。
 「ふぅ、一から出直しか。」
 肩をすくめて、立ち去ろうとする。
 
1998年04月06日:22時16分09秒
夜の街 / ハリ=ハラ
 日もとっぷりと暮れ、辺りもすっかり暗くなった夜の街。
 色町を除けば火も落ち、通りには人も疎らである。
 
 そんな頃合いである。
 雲間からさす月明かりのなか、ちょっと変わった一団が街に着く。
 
「思ったよりも、時がかかっちまいましたねぇ。
 今が、暮れの五つ半ってとこですか。
 もう少し早く着けると思ったんですが・・・」
 
 杖を突いた琵琶法師が、頭を掻きながらぼやく。
 もっとも、ぼやいても始まらないと思ったのか、後の面子に向かって問い掛ける。
 
「そんじゃ、皆さんはどうしますかい?」
1998年04月06日:13時54分54秒
玄屋 / 月夢
「玄屋さーーーん、起きてくださいよーー」
「ん?何だ・・・朝霞か・・」
 揺り起こされて玄屋が目を覚ます。
「もう朝なのか?」
「正確にはもう昼過ぎましたよぉ」
「そんな寝てたか・・・葛は?」
「そこで死んでますよぉ」
 そちらに目をやると、ほんとに死んでいるのではと思うような深い眠りに落ちている。
「だいぶこき使ったからな・・・で、結果は?」
「もうちょっと慌てて聞けませんか?」
「よけいなことはいい、結果は?」
 そう言うと朝霞は肩をすくめて続きの扉を開いて中を指さす。
「・・・・・成功か、たいしたものだな」
 まだ本調子ではないが確実に自分の足で歩く子犬とそれをみてうれしそうな顔をする少年。
「ほんとにうまくいきましたねえ」
「こっちは大損だがな」
「そう言うこといっちゃいけませんよぉ」
 玄屋はそれには答えずに手持ちの荷物をまとめる。
「もういく気ですの?」
「俺の仕事は終わった、討伐隊にももどれんだろうし、だったら先を急ぐ」
「あわただしいですねえ」
「俺の人生には余裕は残っていない」
 鋼にサムライを打ったときのような鋭い表情を一瞬浮かべると玄屋は荷物を担いで家を出る。
「葛が起きたらよろしくいっといてくれ」
「・・・どういう人生を歩んできたのですか?」
 歩み去ろうとする玄屋に朝霞は今まで一度もしなかった質問をする、玄屋は数旬立ち止まり、そして一言だけ返す。
「地獄さ」
1998年04月05日:09時51分24秒
眠れる森の夕霧(その2) / tomy
「久しぶりだな、穂摘(ほづみ)」

穂摘と呼ばれた影は、男のその言葉には反応しない。無視などと言う次元ではなく、それにとってはそんな言葉など存在しないかのようだ。

「「「それは森(われら)を構成する要素の一つ。返せ!森(われら)に返せ!」」」
かわりに男に対してそんな言葉を投げかける。

「ああ、元々お前にこいつを預けるつもりでここに来た。だが、その前にやってもらうことがある。」
男はそう言うと、どこからともなく焦げた木片を影に対して投げつける。

「その木が生まれた場所を私に教えろ。それが条件だ。」

煉鵺、穂摘に向かって
1998年04月05日:03時21分33秒
沙夜 / tomy
そこに沙夜が現れたのは偶然ではない。
怒りや憎しみや絶望は修羅刀を引き寄せる。その刀は業深き魂を喰らうことを求めているのだから。
だが目の前の金剛機は、通常のものとはいささか異なっていた。

(泣いている?)
自らの肩を抱き、かすかに震えを繰り返す様は、確かに泣いているようにもとれた。
沙夜はゆっくりとその金剛機に近付いていった。

沙夜から『かつて伊織だった者』へ
1998年04月05日:03時09分15秒
亜夜 / tomy
玄屋の葬式に向かう間も、葬式の最中も、亜夜は琴音に何も言うことができなかった。琴音の悲しみを思うがゆえに。
そして、葬式が終った後、琴音は修羅刀を追うことを決めて、亜夜に尋ねた。
一緒に南雲に行きますか?、と。
亜夜は小さく頭を振って、こう断った。

「私は、、まだ行けない。自分が何をなすべきなのか、自分が何を望んでいるのか、まだ私にはわからない、決められないから。」
南雲に行けば否応なく決戦になるだろう。だが亜夜には沙夜とどんな決着をつければ良いのかわからなかった。そして、闘うこと自体に迷いを持った今の自分ではたとえ修羅刀がなかったとしても沙夜に及ばない、そんな確信があった。

その日から亜夜は放浪の旅に出た。

そして幾日が過ぎただろうか?亜夜は今ある街にたどりつていいた。

亜夜

つーわけで、亜夜を街組の方に向かわせます。ほっとくと、街組と墓組がいつになったら本編に関連するのかわかんないしね(笑)。
それに暁光がいれば、炎と引き合うかも知れないし(笑)。
1998年04月04日:01時23分41秒
〜回想〜『・・・・』 / ハリ=ハラ
「伊織・・・・」
 
 傷つけてしまった・・・
 己を想ってくれるものを、また・・・
 
「伊織・・・・」
 
 涙混じりに話す伊織を、そっと抱きしめる。
 
「ごめんなさい・・・」
 
 伊織の頭を胸元に抱き寄せ、涙に濡れる頬を押し当てる。
 両袖で伊織を包み込むように抱きしめながら。
 
「ごめんなさい・・ごめんなさい・・」
 
 もどかしかった。
 何故、言葉でしか想いが伝えられないのだろう・・・
 何故、他の言葉が見つからないのだろう・・・
 
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・・」
1998年04月04日:00時07分36秒
〜回想〜『涙』 / Ray
「……お師様を泣かせましたね……。」
 底冷えのする視線が、沙羅を追いかけようとした明月の動きを制した。
 悲しみと怒りと、諸々の感情がない交ぜになったその視線は、何故か明月には懐かしさすら感じさせる物であった。
 
 視線を落とし、俯いた伊織の唇からは、悔恨の言葉が漏れる。
「……だからこそ、関わって欲しくは無かったのに。あの方の優しさが、御自分を傷付ける事になると思ったから。
 でも、もう関わってしまった……。」
 或いは伊織自身、それが言い掛かりに近い物である事を自覚していたのかも知れない。
 沙羅を悲しませた原因の片方は、確かに自分にあったのだから……。
 
 伊織は内なる葛藤に決着を着けようと、顔を上げ真っ直ぐに明月を睨み付け、感情を押し殺した声で告げた。
「勝手に逃げたりしないで下さいよ。これ以上、お師様を悲しませたくありませんからね。
 どうせまともには動けないでしょうから、その図体でここから奥へは立ち入らないで下さい。
 壊れ物も多いし、それを片付けるのは僕ですからね。
 それと……お師様の信頼だけは裏切らないで下さいよ。
 もしそんな事になったなら、たとえ地の果まででも追いかけて、この僕が滅ぼして差し上げますからね。」
 
 言い捨てると、身を翻して沙羅の後を追う。最早、明月の事など眼中にない。
 (先ずは謝っておこう……。)
 “お師様”が何処に居るのかは、大方の見当は付いていた。
  
「お師様……」
 俯く沙羅の背に向け、伊織は怖ず怖ずと切り出した。
「もう泣かないで下さい。
 そんなに哀しそうなお師様を見ていると、僕まで泣きたくなってしまうじゃ無いですか。
 あの……「明月」の事なら、お師様の仰るように致しますから。
 ですから、もう泣かないで下さい……。」
 お終いの方は、話している伊織まで涙混じりになり、聞き取れなくなってしまった。
 
(或いは、この時別の決断を下してさえいれば、もっと違った未来が開けていたのだろうか……?)
 絶望に縁取られた悔恨が、心の中を荒れ狂う。
 それに併せる様に、全身の動力筒が、断末魔の痙攣にも似た無秩序な伸縮を繰り返す。
 “あの時”以来、お馴染みとなった感のある『発作』である。
 憎悪と焦燥は、無目的な迄の激怒へと容易く取って代わられそうになる。
 その激情をねじ伏せる様に、『かつて伊織だった者』は、両の腕で己の肩口を握りしめる。
(まだだ。まだ忘れられない……全てが終わるまでは。
 守れなかった決意と、果たされなかった誓約の全てに決着を付けるのは、“僕”で無ければならない。
 だからお願いだ……後少し、奴とまみえるその時までで良い。
 その時まで、全てを忘れないで呉れ……。)
 降りしきる小雨の音を背景に、『それ』の想いは、迷走を続けていた。
1998年04月03日:21時09分37秒
戦闘 / せりざわ
 「はっ!そういえば、どうやってさがせばいいんだ?」
 好奇心から例の人攫いを探しに出た凶であるが、まったく手がかりがないことに
 気づいたのは、応太と別れて数分後。すでに応太と鋼の姿は見えない。
 「あれ、、僕としたことが、、、」凶は手を頭の後ろに回して頭を掻いていた。
 往来には人が多くとおる。これだけの人がいるのだ。一人くらいはあの、急に消えた
 あの人攫いのことを見た人がいるのではないか?そう、凶は思ったのだがそれが間違いの
 始まりであった。番屋に届けたところで、本気にはされないだろう。
 そんなことを思いながら歩いていたら、あんまり良いところじゃないところまで来てしまった。
 界隈の家は傾き、そんな家の奥から凶をうろんなまなざしで見ている。
 「こんなとこ、応太くんには見せられませんね、、」そんな独り言をつぶやいた。
 でも、人攫いなんてことをする奴のことである。ここら編に潜んでいる可能性はある。
 意志を奮い起こし、街をすすんだ。
 みっつ目の角を曲がったときだった。角の向こう側から歩いてきた男にぶつかってしまったのだ!
 「てめぇ!なにものだ!」。男の取り巻きの下っ端がどすの利いた声で凶を怒鳴る
 「す、すみません!」  「すみませんですむ問題じゃねいだろうが!」男が怒鳴る
 「てめぇら!やっちまえ!」
 じゃきじゃき!下っ端の数は八人。それぞれが手には束うちの刀。
 その刃が凶にむけられた
 「てぇめぇえ、ぶっ殺す!」
1998年04月03日:15時40分33秒
始まり / 月夢
 城の廊下を一人のサムライにつれられて陰陽師らしい女性が歩く。
「その後なにか動きは?」
「こちらではなにもつかんでおりません・・・」
「そうですか」
 さほど期待していたわけでもないようで女性は眉一つ動かさずに受け流す。
「引き続き調査を続けてください、遠からず動きます、修羅刀は常に血を求めています」
 淡々と言われる女性の言葉の中で一瞬男がびくっと体をふるわせる。
「この国は修羅刀の積み上げた死体の上に築かれた物、今更気にしてもしょうがないでしょう」
 対して女性の側には何の動揺もない。
「ある意味ここの主はあの刀」
「琴音殿・・・」
 迂闊な女性の、琴音の発言をあわてて止めようとするが、琴音は一瞥するだけでなにもいわずにすたすたと歩いていく。
「私の方でも探してみていますので、後はよろしくおねがいします」
 それだけを言い残し、琴音は式を打つとそれに乗って消えてしまう、それを見送りながらサムライが呟く。
「あれが・・・帰ってくるのか・・・」
1998年04月03日:13時48分57秒
玄屋 / 月夢
「玄屋さーーん」
 立ち去ろうとする玄屋の袖を朝霞が引いて止める。
「なんだ?」
「なんとかなりません?」
 朝霞が上目遣いに玄屋をじっとみる。
「何とかというのは・・・」
 玄屋はまず自分を指さし、続いて子犬の方を指さす、と朝霞がこくりと頷く。
「ムシ使いが匙投げた物をどうせいと・・・」
「だから式とか何とか・・」
「無理だ」
 きっぱり玄屋は言い切る。
「消えかけている命の炎を灯し治すなど陰陽師の仕事じゃない」
「むーーーー」
 朝霞が言い切られて頭を抱える。
「あの子にそんなこといえませんよぉーー」
「生も死も生きてる物の定めだ、あきらめな」
「待ってくださいよーーーー」
 朝霞がやっぱりいってしまおうとする玄屋を必死に引き留める。
「ほ、ほら、何かあるじゃないですかあ、サムライとかなんかぁーー」
「あの状態でサムライ何ぞ打てるか、それこそしんじま・・・」
 そのとき二人同時に一方をみる、二人が口論してる間に少年がそばに寄ってきていたのだ。
(う、やばい)
 玄屋がそう思ったときはすでに遅かった、少年が口を開く。
「おじちゃん、鋼を助けられるの?」
 すがるような視線、玄屋の顔がひきつる。
「無・・・」
 それでも無理だといおうとして、一瞬玄屋の言葉が止まる。
(何でこう言うときに娘の顔が浮かぶかな・・・)
 もうずいぶん大きくなったが小さな頃はいろいろ無理を言われた物だ。
(子供ってのは・・・・)
「・・・・・やるだけやってやる」
 少年と朝霞の顔が同時に輝く、がそこで玄屋がくぎをさす。
「可能性は限りなく低い真似だ、奇跡という物が存在することに賭けろ」
 玄屋が陰陽師の顔になり、鋼に近づく。
「もし奇跡に頼るのがいやならば私の腕とこの犬の生に執着する力を信じろ」
「・・・うん」
 少年がうなずくと玄屋は鋼を受け取り、朝霞に指示を出す。
「朝霞、おまえのムシの力まとめて借りることになる、そしてそのあたりに葛がいるはずだ、つれてこい」
 玄屋がやはり馴染みの法師の名を挙げる。
「あ、おいらがいってくる」
「そうか、ならそこらへんでやせぎすの法師姿の男をみたら有無を言わせずつれてこい」
「わかった、行って来る!!」
 少年が返事もそこそこに駆け出す。
「玄屋さん・・」
「運に任せるつもりはない、この程度の運命変えられないようでは私のや労とすることはかなわない」
 少年が消え心配そうな声を出す朝霞にそれだけ言い放つと玄屋は手近な家に鋼を運ぶ。
「さっそく始めるぞ、朝霞、時間が惜しい」
 
1998年04月03日:12時09分36秒
/ 夜光
  暗き闇の淵。光届かぬ地の底。
 「どうだ?気は変わらぬのか」
  声を発するのは初老の男。
 「........」
  沈黙を持って答えるのは壮健な体を持つ鬼。
  その両手は鎖につながれている。狂った鎧すら繋ぎ止める真の鋼にて
 つくられしもの。
 「失った思ったのにの。おまえは...」
  その瞳に驚喜の色を残しつつ。老人が声を紡ぐ。
 (何故生かしておく?あのときと同じく殺せばよいだろう?)
  それは鬼の【声】だった。
 「生きていることに感謝はしないのか?お主は」
  老人の声は沈痛であった。
 (おまえが目の前にいるのにか?)
  その瞳は冷たくさめている。
 「なるほどの...よかろう。貴様に役立ってもらうのはまだ先。
  しばらくの間はそこで休んでいてもらおうかの....死んだよ
 うに....」
  狂気の淵を歩く陰陽師独特の笑みをその場に残して老人は去
 っていった。
1998年04月01日:14時18分00秒
〜回想〜 / タイガ
「逃げないでください・・・」
 
 呟き駆けていく沙羅。
 
 (……逃げる?
  俺は、逃げていたのか……?
  それに、沙羅は……泣いて、いたのか……?)
 
 キシィ……キュイィ……キィ……
 
 微かに、本当に微かに何かがきしむような音がする。
 
 何故か分からないが、妙に心が騒いだ。
 
 明月は、沙羅を追いかけてようとした。
 
 重装機「明月」
1998年03月31日:15時55分54秒
玄屋 / 月夢
「やめとけ、これ以上は無駄だぞ」
 玄屋が盗賊山賊に声をかける。
「なに!?」
 その言葉に勢い込んで振り返る相手に玄屋は村の反対側を指さす、そこには武装をした一団が山賊を次々となぎ倒す光景が展開されていた。
「なっ・・・」
「少々遅くなったが今到着してな、おまえらが全滅するのも時間の問題だ、あきらめて降参しろ」
「くっ・・」
 山賊が歯ぎしりをする。
「おまえらの負けだ、こちらは戦いの本職だ、どうあがいたとて勝ち目はないぞ」
「う、うるせえ!!」
 叫び返しながら山賊が刀を構えて改めて玄屋をみ、そしてにやっとわらう、刀こそ構えているがどうみても様になっていない。
「てめえ、陰陽師か?」
「それがどうした?」
 何事もないように答える玄屋に山賊が勝ち誇った笑みを浮かべる。
「・・・それが、か・・・つまりなあ・・おめえは死ぬってことだよ!!」
 この近距離であれば式を打つまもなく殺せるとふんだ男は思いきって切りかかってくる、だがそのとき玄屋の手に握られていた刀が独りでに宙に舞う。
「が、は・・・な・・・」
「俺は刀だといった覚えは一度もないぞ、陰陽師が式もつれずに戦場を歩くか」
 倒れる男を一瞥すると、それだけで興味をなくし、あたりを見渡す。
「・・・・勝負はついたが多少、被害がでかくなっちまったな」
 血の臭いがそこかしこからする、完全に手遅れではないが多少は遅かったと言わざるをえない。
「・・・まあいってもしかたないがな」
 そう呟くとまだ息のある人間を捜すために玄屋は歩き出そうとする。
「ん?」
 そのときなにか聞こえたような気がして玄屋は足を止める。
「子どもの声か?」
 玄屋はそちらへ足を進める、と確かに子どもの泣き叫ぶような声が聞こえる。
「・・・・ったく、めんどくさい」
 式札を取り出し、駆けつけると、そこには地面に座り込んだ子どもと困惑した顔のなじみのムシ使いがいた。
「朝霞どうした?」
「あ、玄屋さん・・・・ちょっと困っちゃいまして・・・」
 ほんとに困った顔をする朝霞のそばにより尋ねる。
「どうした、子供がけがでもしたか?」
「でしたら私が治してますよぉ、子供じゃなくて・・」
 ついと指さす先にあるのは子供が腕に抱いている子犬。
「犬?」
「ええ、この子の友達だそうなんですけど、この子を守って斬られたらしくて・・」
 朝霞が痛々しそうな顔をする、子供は犬を抱いたまま泣きじゃくり続ける。
「なんとかならんのか?」
「・・・痛みを消すぐらいならともかく・・・後はせいぜい多少延命するぐらいしか・・」
「・・・なるほどおまえが言うのならほかに手段はなさそうだな」
 ムシ使いがそう言うのであれば陰陽師にはどうにかできるものではない。
「適当についててやれ、俺は回りをもう少しみてくるから」
 そう告げると玄屋はその場を足早に立ち去ろうとした。
1998年03月31日:15時00分00秒
葬儀 / 月夢
 身内をのぞけば誰もいない寂しい葬儀が淡々と進み、そして終わる、後に残るは重苦しい静寂のみ。
「琴音、玄屋殿と最後の別れを」
 手伝いにきていた人間たちも帰り、本当に別れの段となったときに琴音の祖父がそういう。
「・・・・・はい」
 琴音は素直にうなずくと冷たくなった玄屋のそばに近づく、もうなにも言わない、最愛の父の元に。
「お父様もお母様も・・・・急にいってしまうのですね・・・」
 琴音の母親の死も唐突だった、元々体のそんなに強くなかった母親は風邪を拗らせそのまま・・・あのときと同じように琴音の心に空虚な隙間ができる。
「・・・・・・お父様・・・私修羅刀を追いますね」
 そばにいた祖父と祖母がはっとして顔を上げる。
「お父様死んでしまったからもう止められませんからね、私は自分の意志で修羅刀に関わっていきます・・・・すべてが狂ってしまった原因のあの刀を・・・・壊します、たとえどんな犠牲を払ってでも」
 少女らしく表情豊かだったその顔は凍り付いたようにまるで動かない。
「お父様の残していかれたものすべて譲り受けさせていただきます、式も技術も人脈も・・・・運命も、すべて私が引き継ぎます」
 誓い、一人の人間の運命がまた修羅刀を軸に回り始める。
「・・・琴音」
「おじいさま、おばあさま、勝手ながら琴音は自分の道を歩みます」
 二人の方をみずに琴音は立ち上がる。
「修羅刀がお父様を恨むように私も修羅刀を恨みます・・・それがお父様の血を継ぐものの宿命でしょう・・・・そのためにも、今の私は邪魔なのです」
 琴音は懐から懐剣を取り出し、止めるまもなくばっさりと長い髪を切り落とす。
「・・・今の私をおいていきます」
「琴音・・・・・」
 琴音の髪を受け取りながら祖母が涙を流す。
「・・・・・どうか、お体にお気をつけてください・・・」
 ほかにかける言葉も見あたらず、琴音は部屋をで、自分の部屋へと向かう。
「・・・・・これでもう退けません・・・後は進むだけ・・・・どこに続く道だとしても・・・・」
1998年03月31日:13時14分12秒
場面転換 / 月夢
琴音は玄屋の葬式に場面を移します。
1998年03月30日:23時14分05秒
「叩く女、仕掛ける男」 / みだれかわ枕
「それじゃ、さっさと行こうじゃないさ」
 すたすたと歩き出す、すがの。
 その(露わになっている)ふとももに、なんだか痒み。
 ぺちん。
 叩いてみると、蚊のようだ。
「ええい、いまいましいねぇ」
 ぽりぽりと掻くと、その拍子に、ますますふとももが露わになる。
「ああ、痒い」
 
 その時には蚊の死骸は影も形もなくなっていた。
 
 
 すがの。
 
 
「ありゃあ。せっかくこさえた、式が、壊されてしまいました」
 感覚をつないでいたのだろう、痛みに額を押さえ、涙を流しながら、男は呟いた。
「なかなか気持ちの良いふとももだったんですが……スケベ心を出すもんじゃありませんねぇ。こんな事なら、離れてればよかった」
 
 
 謎の男(このあとしばらく出番なし)。
 
 
 他の掛け合いでは翻弄されるキャラばかりなので、たまには仕掛人みたいな男も出してみましょう。修羅刀について知りたがっている人物です。そうですねぇ……『天空の城ラピュタ』のムスカみたいな人(笑)
#「見ろ、人がゴミのようだ!」「目がぁあ、目がああああ!」などの
#名言を生み出した、愛すべき敵役です(笑)
 いや……もしかすると、『LAWMAN』(伊藤明弘)の入江かも(笑)
1998年03月30日:22時30分32秒
〜回想〜手の痛み / ハリ=ハラ
 弟子とのやり取り・・・
 明月の言葉・・・
 
 立ち上がり、どこへとも無く去ろうとする金剛機・・・
 
 気がついたとき、沙羅は明月の前に立っていた。
 
 「逃げないでください!」
 
 気がついたとき、沙羅はそう叫んでいた。
 
 パンッ!
 
 気がついたとき、沙羅は明月の頬を平手で打っていた・・・
 
 叩いたのは過去の自分。
 逃げることで自分を守ろうとしていた過去の自分。
 逃げれば誰も傷つけずに済むと思っていた自分。
 
 知らずに、涙が溢れてくる。
 
 手が痛い・・・
 頬が痛い・・・
 何より、心が痛い・・・
 
 涙が、頬を伝う。
 
 逃げないで欲しかった。
 昔の自分の様にはなって欲しくなかった。
 助けてあげたかった。
 自分の無力さが悲しかった。
 
 赤くなった右手を握り締める。
 
 「逃げないでください・・・」
 
 小さく呟くように言うと、工房の奥に駆け込んでいった。
1998年03月30日:19時05分11秒
風を追うが如く / せりざわ
 「よしきたっ!応太くんはあっちの方向を探してね。僕はこっちのほうを探すから!」
 凶の指があっちこっちをさしている。
 「はぐれると行けないからね。一刻後に、ここに来てね。」
 凶はいつになくまじめな顔をして応太にはなす。
 「それじゃ、一刻あとに!」言うが速いか、凶は人攫いを探しにいっていた。
1998年03月30日:15時48分55秒
怨麗 / tomy
「壬元麗様。」
襖の外から怨麗を呼ぶ若い男の声がする。

「怨麗と呼んで欲しいと申したはずですが。」
ぶぜんとした声を作って答える怨麗。

「申し訳ございません、怨麗様。大殿がお呼びでございます。」

「支度を整えてから参りますとお伝え下さい。」
そう男に言い渡すと、身支度を整える。

怨麗が壬元麗として母方の伯父である鰐裔(がくえい)領主焔毘綜然(えんび・そうぜん)の元を訪れたのは1年以上前。それ以来、父母の仇討ちに執着するふりをし続けてきた。自力で龍の封じられた掛軸に近付けないならば、忌まわしき過去すら利用せねばならない。南雲と自分の過去を多少なりと知っているこの男ならば“あの切札”を餌に利用できるだろう。 大義名分、勝算、そして勝った際の利。そのどれもを自分は提供できるのだから。


「麗、あれはまだできあがらぬのか?」
もう還暦を迎えようとする老人が怨麗に向かってそう問う。

「はい。あと少しで出来上がります、伯父上様。」
そう頭を下げながら返す。
そう、後少しで完成するのだ。龍の血と式から作り上げた人造の大太法師(ダイダラボッチが!

怨麗
1998年03月26日:15時41分09秒
〜回想〜 / タイガ
 明月は不意に歩き出した。
 「名前を付けてくれた事、修理してくれた事、……『信じてくれた』事には、礼を言おう」
 何処へともなく、歩きながら。
 「二度と会う事もあるまい……」
 
 重装機「名月」より退魔師「沙羅」とその弟子「伊織」へ
 
 
1998年03月26日:14時14分39秒
帰り / ハリ=ハラ
「さて、それじゃあそろそろ帰る事にしやしょうかね?」
 
 今まで黙って場のやり取りを聞いていた境玄が口を開く。
 
「皆さん、この場での用は済んだみたいですし。
 まずは、一旦街に戻りましょうや。
 ちっとばかし急がねぇと、街に着く前に日が暮れてしまいますからねぇ。」
1998年03月23日:12時17分45秒
消えた男 / 少年が1番!!
「鋼くん、頑張って! 今は君だけが頼りなんだ!」
「無茶だよ、凶兄ちゃん」
凶の叫びに、応太が代わって答える。
「いくら鋼だって……畜生っ!」
攫われていた女に何の縁があるわけでもないが、それでも悔しさが残る。
応太は生来の負けず嫌いだ。

「こうなったら、意地でも見つけてやる!」
「うぉん!!」
鋼は鳴き声を上げると、主人の命令を待つようにその場に伏せた。応太も
しゃがみ込み、鋼の頭を撫でながら考えを巡らせる。
――いくら何でも、そう遠くへは行けないはずだ。それこそ、神隠しに
でも遭わない限りは。
「よしっ」
勢いをつけて、応太は立ち上がる。
「兄ちゃん、分かれて探そう。その方が早く見つかるはずさ」

応太から凶へ


1998年03月22日:00時33分46秒
〜回想〜 / ハリ=ハラ
「伊織・・・」
 
 不信感をあらわに明月を睨む弟子に悲しげな眼差しを向ける。
 そして、伊織に向き直ると居住まいを正す。
 
「そのように悪し様に言う物ではありません。
 何故、金剛機と言うだけでそのように不信の目で見るのです。」
 
 伊織の言っている事は至極もっともな事だ。
 常識と言ってもいいだろう。
 だが、その常識がどれだけ残酷なものか・・・
 
「私は、困っている方を見捨てたくはありません。
 己に出来る精一杯の事をしてあげたいと思っています。
 例えそれが何であろうとも・・・」
 
 伊織の目を見据え、そうはっきりと言う。
 それから、ふっと表情を和らげる。
 
「私の事を心配してくれているのですね。
 ありがとう、その気持ちはとても嬉しいです。
 でもね、私はあの方を信じましたから・・・」
 
 いったん言葉を切る。
 
「無理にとは言いませんが・・・
 出来得る事なら貴方も信じてあげてください。」
 
 優しく微笑みかけながら言った。
 
「人に信じてもらえると言うのは、とても嬉しい物なのですよ。」
1998年03月21日:18時44分12秒
〜回想〜懸念 / Ray
#本人の自覚以前に「伊織君担当」が既成事実化していましたRayです。(笑)
#以後、伊織君に関しての全権&全責任は、ハリ=ハラさんから私に委譲された旨、ここに明記しておきます。
 
「ですが、お師様……。」
 不満顔の伊織は、余りに「善人であり過ぎる」師に向かって反駁する。
「幾ら壊れているとは言え、選りに選って金剛機と一緒に居るなんて、危険過ぎます。」
 
 明月と名付けられたばかりの金剛機に向けられた視線は、不信と敵意に満ち溢れていた。
 金剛機が如何なる物であるのか、陰陽師としては駆け出し以前の(つい先頃までヨロイ乗りであった)少年にも、その危険性は「自明の理」としか思えなかった。
 但し、その奥底に些かなりとも“嫉妬”が存在していた事を、この時点では少年を含めた誰もが、未だ認識しては居なかったのだが。
 
「大体、鬼州屋に使いにという事は、その金剛機の修理をするお心算ですね?
 駄目です。今は大人しくしている様ですが、機体の修理が終わった後で暴れられでもしたら、幾らお師様や僕が居たとしても、止められないでしょう。
 金剛機を信用するなんて、神狼の口に手を突っ込む様な物です。」
 
 そう抗弁する伊織は、しかし、結局は押し切られてしまう事を予期していた。
(どの様に反対しても、“お師様”の考えを変える事は出来ない。“あの方”を悲しませるだけだろう。)
 それを自覚しても尚、言葉を止める事は出来なかった。“お師様”を心配するが故に。
“再び『姉』を失う様な危険は排除してしまいたい”……それこそが、自分でも意識していない伊織の本心であった。
 伊織は、後にその事を、後悔の苦渋と共に嫌と言う程噛み締める事となる。
1998年03月21日:16時37分31秒
〜回想〜お使い / ハリ=ハラ
「伊織、ちょっとお使いを頼まれてくださいな。」
 
 文机に向かい何か書き物をしていた沙羅が伊織に声をかける。
 手に持っているのは何やら書状らしき物。
 
「この書状を城下の珠商に届けてもらいたいの。」
1998年03月21日:03時53分50秒
「名前を聞いて」 / みだれかわ枕
 ニコっ、て……
 この小娘、判ってないんかね?
 言葉が分からない……いや、そんなわけ、ないね。さっきは返事したんだから。
 だいたい、なんで笑うんだい?
 全くわけ判らないったら、ありゃしない。
 これだからガキの笑顔なんて、嫌いだよっ!
「にこにこしてんじゃないよ! 言いたくないんだったら、別にいいさ。その代わりあんたは『チビ』って呼ぶからね!」
 
 
 銃鎗使い さのえから、鎮霊へ
 
 
 で、こっちの不愛想な兄ちゃんは迅雷ね。
 男らしい呼び名じゃないかい。これであと少し愛想がよかったら、一晩中相手してやってもいいんだけどねぇ。
 しかし、迅雷、ねぇ……さて、どっかで聞いたような、聞かなかったような……?
 
 
 銃鎗使い すがのから、迅雷へ
 
 
 ええ、すがのはえっちぃなおねぇちゃんです。鎮霊やアレスの教育にはよくないでしょう。下手すると、18歳未満お断りな話の一つや二つ出てくるかも知れません。
#掲示板では書く気ないです。
#掛け合いでそんなのやっても、虚しいだけだろうし……
 
 あと、すがのは『迅雷』という呼び名に心当たりがあることにしておきます。放浪者本人かどうかは不明です。西部開拓時代のアメリカで流行った「ペーパーバック」による伝説みたいな、根も葉もないお話を知っているんです。
#『ジオブリーダーズ』だけでなく『ベル☆スタア強盗団』も好きなんです。
1998年03月20日:16時09分03秒
少女 / 夜光
 「さて、あんた達の名前も、教えてもらえるとうれしいねぇ」
  名前?
 (だめ思い出してはだめ!)
  目の前に深紅の霧立ちふさがる。頭の中にもやがかかったように。
 (思い出すな。その方がたぶん幸せだ)
  優しい笑みを浮かべて頭をなでてくれたお兄ちゃんの姿が一瞬浮かんでは消えた。
 (思い出さないで....)
  弱々しく首をふる少女の幻視。
  心のどこかに鍵がかかっている。それを開ける鍵はここにある。けどそれは使っちゃいけないんだ。
 きっとお兄ちゃんとの約束を破ることになるから。
 
  一瞬少女は宝前とした表情を見せたが。すぐに無邪気な表情をとりもどす。名前と言う意味が解って
 いないという感じだ。戸惑ったような困ったような。どこか嬉しそうな表情ですがのの足元にたってい
 た。
 
 少女 鎮霊 より 銃槍使い すがの へ
1998年03月19日:19時37分15秒
放浪者 / Dr.李
 「名前・・・?」
 口元にかるく笑いを浮かべる。
 「うんなもなぁねえよ。遠い昔にクソと一緒に流しちまった。」
 冷笑を浮かべる。
 「それでも、なにか不都合があるっていうんなら・・・、迅雷とでも呼んでくれ。」
1998年03月19日:13時06分15秒
「必殺微笑み返し」 / 夜光
 「あ、あ〜……そうかい」
 「うん」
  少し困ったような戸惑ったような表情を浮かべるすがのに対して少女はそれこそ裏も表もない
 純粋な笑みを浮かべて返す。無知故の純粋さ無邪気故の残酷さ。それはとても魅力的でそれ故に
 何か背筋を戦慄が駆け抜けるような感触を味あわせてくれるたぐいのものだった。
 「ほら、さっさとあんた達も動くんだよ。やぶ蚊に刺されたら、あんた達のせいだからね」
  そして少し戸惑ったようなすがのの後をついてまわる。それは生まれたばかりの動物が親の周
 りをついてまわるのに少しにていた。
  けれども誰かきづいたろうか?
  ここには人でない者たちがいることに。
  悪夢の扉が今開かれようとしていることに。それは今すぐではないけれども。確実に近づいて
 きていることに。
 
 少女 鎮霊 より 銃槍使い すがの へ
1998年03月19日:04時53分47秒
「布団の中は」 / みだれかわ枕
「ん? あたしの名前かい? そうさねぇ……すがの、で良いよ」
 まあ、わざわざほんとの名前言う必要も、無いだろうしねぇ。この坊やが布団の中であたしの名前言うなんて、十年早い。
「さて、あんた達の名前も、教えてもらえるとうれしいねぇ」
 
 
 すがのから、ここに居る面々に。
 
 えーと、書いておきます。でもここに居るなかで、ちゃんと『本名』言う人って、居るのか?(笑)
1998年03月19日:03時56分49秒
しまった…… / みだれかわ枕
 アレスの台詞、読んでませんでした。申し訳ない。鎮霊の台詞が帰ってきたら、書きます。
1998年03月19日:03時54分54秒
「銃鎗とやぶ蚊」 / みだれかわ枕
「お兄ちゃんのだよ」
「あ、あ〜……そうかい」
 し、しまったぁああ……
 あれって、形見なんだろうねぇ。
 う〜ん。
 やっぱ、声かけなきゃよかったねぇ。
 なんか厄介なことになりそうな気がするよ、あたしゃ……
 
「さて、坊さん。さっさと帰ることにしようじゃないか。いつまでもこんな山の中にゃ、居たくないんだよ、あたしゃね」
 自分の銃鎗を担ぎ直す。使い込み具合だったら、小娘のものに負けてない。体で稼げない時は、こいつで稼いできたんだ。
「ほら、さっさとあんた達も動くんだよ。やぶ蚊に刺されたら、あんた達のせいだからね」
 ま、一番大事なのは、自分の体かねぇ。
 
 
 銃鎗使い すがのから、墓前の面々へ。
1998年03月18日:21時01分22秒
とまどい / せりざわ
 「あ、あれれ?」 男は目の前で姿を消した。忽然と姿を消した。「すべては幻、、そんな分けないですよね、、なんだか面白そうですね、、、」 凶はそんなことを言い放つ。なんだかんだいっても、凶も陰陽師の端くれである。こんな状況が目の前にあって、じっとしてられないのだ。 「鋼くん、がんばって!今は君だけが頼りなんだ!」
1998年03月18日:20時46分27秒
アレス / MARS
 『ああ・・・この人って優しいんだな・・・』
 すがのの内面を知らないアレスは何の疑いもなくそんなことを考えていた。
 「優しいんですね・・・えーっと・・・あのお名前は何でしたっけ?」
 
 アレスからすがのへ
 
 とりあえず名前を知らないんで聞いておこっかなと・・・
 とりあえず一緒にいる意味がないのは辛いなあ・・・
1998年03月18日:14時01分00秒
「鎮霊」 / 夜光
 「あんたさ、その銃鎗……どうしたんだい? ずいぶん使い込んであるようだけど?」
  再び色っぽいお姉さんの視線が銃槍にむく。けれども今度は心配にはならなかった。
 自分が知っていることを正直に言う。ただ一言。
 「お兄ちゃんのだよ」
  少女にとってはそれは大きな意味であり。それ以上のことは大抵無意味であった。こ
 れはお兄ちゃんから自分が"預かった"大切なもの。
  これを持っている限りお兄ちゃんとずっと一緒に居られる気がする。そんな思いでの
 詰まった大切なものだった。
 
 少女 鎮霊  より  銃槍使い すがのへ
1998年03月18日:12時39分51秒
目標消失 / 少年が1番!!

男が路地に入っていくのを見て、応太はさらに足を速めた。駆けっこならば、自信がある。
鋼と走り回った賜物だ。それに今は満腹、大人にだって負ける気がしない。
先頭の鋼が道を曲がり、応太もそれに続いた。
だが。
「あ、あれ……?」
いない。男も、彼に担がれた女の姿も見えなかった。
「どうなってんだ?」
「……くおぉぉぉん」 鋼も戸惑ったような鳴き声を上げる。何度も地面に鼻を近づけ、匂いを嗅いでいるものの
うろうろするだけだった。
「鋼が追えないなんて……」
人攫いの次は神隠しなんだろうか?
応太は首を捻るしかなかった。
「どうしよう、凶兄ちゃん?」

応太より凶、そして炎へ


1998年03月18日:06時24分25秒
「後悔、役に立たず」 / みだれかわ枕
 あちゃあ〜〜……
 なぁんで「来るかい?」なんて言っちまったんだろうねぇ……
 こんなまだ乳臭そうなガキにそんなこと言ったら、ついて来るに決まってるじゃないか……
 この娘、他に金目のものは……
 えぇい、遊郭にでも売り飛ばしてやろうかね。
 こんなガキどものお守りをするんだ、それくらいの金貰わないと、やってらんないよ、まったく。
 ああっ! このすがのさんも、やきが回っちまったのかねぇ……
 ……
 こ、この小娘……そんな嬉しそうな顔するんじゃないよっ。
 
「あんたさ、その銃鎗……どうしたんだい? ずいぶん使い込んであるようだけど?」
 
 
 すがのから、鎮霊へ
 
 
 すがのは、まったく隠し技、なしです。彼女の主題は『強大な力に対する反発』です。『権力に擦り寄り、金に尻尾を振る』彼女から見た修羅刀編、っていうのに挑みたいと思ってます。
1998年03月17日:16時16分25秒
「鎮霊」 / 夜光
  どうやら、目の前の人たちはおじちゃんに合いに来たらしい。けどおじちゃんはもうこの世のどこを
 探しても居たりはしない。そう思うと少し涙がでてきた。瞳が潤むけれどもそれまで。涙はこぼれ落ち
 はしなかった。
 (泣かないって約束したもん)
  誰と?お兄ちゃん...それともおじちゃん?覚えてはいない。これも自分の記憶では無いのかもしれ
 ない。けれども少女には解らない。約束は約束だから。
 「さて、それじゃあ姐さんと坊やはどうしますかい?一緒に町まで戻りますかね。」
  急に現れたお坊さんが言う。返るところがあるという。少しうらやましいなという気持ちが心の中に
 芽生える。お兄ちゃんの所にはもう帰れないから。
 「お嬢ちゃんも、よかったら、来るかい? こんなところにいたって、しょうもないだろう?」
  色っぽい格好をしたお姉さんが声をかけてくる。
  少女の顔に喜色が浮かぶ。一人じゃない。と。しばらくは一人ではないと。誰かのそばに居ることが
 できるのだと。でもそれは同時に恐怖を呼び込んだ。お兄ちゃんと一緒の時はなにもおこらなかった。
 けれどもこの人たちと一緒だと...何かが起こるかもしれない...それは予感だったのかもしれない。
 「うん」
  気がつくと無邪気な笑みを浮かべて頷いていた。
 
  少女 鎮霊 より すがの へ
1998年03月17日:01時15分06秒
その対象 / ジョーカー
 炎の眉がぴくりと動く。後方から何やら炎に目的意識を持った視線が届いたのを感じたのだ。
 通行人のように好奇心のみの視線とは似て非なる物だ。
 
 「犬、餓鬼、それに……もう一人か」
 
 気配を探るまでもなく、聴覚よりの情報でそれぐらいの判断は付く。
 そして一般の人間から見れば自分がどのように見えるかも。
 一般の人間ならば恐れを為して近付いてはきまい。それでもなおと言うことは
 それだけの力有る者、あるいはただの馬鹿と言うことだ。
 
 (消すか?)
 
 殺意も敵意も無く、ただ障害物を取り除くかのようにその選択肢が浮かぶ。
 だが
 
 「ぅう…」
 
 僅かに炎の腕の中でアゲハがうなされたような声を出す。
 
 (殺生は好まぬのだったな)
 
 その事に思い至り、方針を変更する。付いてきているのを確認した上で
 道を曲がり路地に入っていく。
 
 「暇な奴が居るものだ…」
 
 そんな独白のみをその場に残し、炎の姿は抱えたアゲハごと忽然とその場から消え失せた…
1998年03月16日:14時24分27秒
追跡者 / せりざわ
 「そ、そんなにいそがないでください」
 応太に手を引かれながら、男の姿を追う。口ではこんな事を言っているが、
 凶の表情に慌てたところはない。二人の先には鋼。
 「こういうことは、慌てちゃいけないんです。応太くん。」
 物陰に隠れ、男の様子をうかがっていた。
 「参りましたね、、式を打ったら気づかれてしまいますし、、」
 独り言をつぶやいていた
 
1998年03月16日:14時00分55秒
応太、追跡 / 少年が1番!!

応太が見るに、この男・凶。
――何だかお人好しの兄ちゃんだなあ。
そう思わざるを得ない。見ず知らずの自分に飯を食わせ、さらには
着物まで買おうと言い出したのだから。
玄屋の元へ行くという目的があるにせよ、ここまで親切にされると、
かえって気味が悪いくらいだった。
――でも、今更嫌だとは言えねえし。
せめて礼くらいはしないと……そんなことを考えていた時だった。
凶が不意に声を張り上げる。

「応太くん! あれ! あれ見てください!」
「え? ――何だぁ?」
青年が指差す方向へ目を向け、応太は間の抜けた声を出してしまう。
一人の素浪人が、通りへ入っていく。それだけならば、別に驚くほど
のことでもなかった。
しかし、その男は女を抱きかかえていたのだ。
人攫いか? 応太は考える。それにしては随分と堂々としたやり口だ。
呆れるくらいに。
けれど、その事が逆に応太の好奇心を疼かせた。

「よし、鋼。さっきの男を追うんだ」
「うおおんっ」
今まで応太にぴったりくっついていた鋼が、見えない鎖から解き放たれ
たように飛び出していく。応太は凶の手を引いた。
「行ってみようよ、凶兄ちゃん」

応太より凶へ


1998年03月16日:07時40分20秒
琴音 / 月夢
「え?」
 急に響いてきた声にはっと琴音が顔をあげ、
「なにか言いましたか?」
 亜夜に振り返り琴音が尋ねた。
1998年03月15日:09時11分32秒
鍔鳴り / ジョーカー
 ウォォォォン、ウォォォォン
 
 琴音が来てから納まっていた鳴りがまた響き出す。そう、琴音の思考に連れて。
 そして琴音の想いが口から飛び出したその時。
 
 〔鍛えよ、されば資格を得るだろう〕
 
 途轍もなく重い、そして深い“声”が琴音と刀を手にした亜夜の脳裏に響き渡る。
 それはあの日、暁雲から刃を贈られた時に亜夜の脳裏に響いた声と全く同質のものだった。
 
 曙 改め 暁光(ぎょうこう)
 
 すいません、刀の名前を変えました。曙はどうしても横綱のイメージが強くって。(苦笑)では
1998年03月15日:03時42分09秒
琴音 / 月夢
 一睡もしないで夜が開けると、琴音は無言のまま式をうち、亜夜を促して式へ乗る。
(・・・・私はどうしたいのでしょう?)
 ぼんやりと琴音は考える、玄屋の死で混乱しきっていた頭がやっと活動を開始する。
(このままどうすればよいのでしょう?お父様は死んでしまった、私が修羅刀に関わる理由はどこかへ言ってしまったのではないでしょうか?)
 自分の命も修羅刀の標的になっているということさえもはやどうでもいいような気もする、だがそれと同時に、
(修羅刀さえなければお父様は死ななくてすんだ、お父様とお母様と私で幸せに・・・)
 夢のような話、もう絶対にかなうことはない。
(全て修羅刀のせいで狂ってしまった、修羅刀さえなければ)
 玄屋にしてみれば自業自得と割り切っていた、だが琴音の、いまの琴音の視点ではそう言う考え方は出来ない。
(あれがなくなれば全てが・・・・)
 無理なことである、理性はそう告げているそれでも琴音の意識はそのことだけに向かう、唇を噛みしめ、強く拳を握りしめる。
「強くならなくてわ・・・もう迷いません・・」
1998年03月14日:17時36分05秒
「とくにさだめなき女」 / みだれかわ枕
「ま、これじゃどうしようもないさねぇ。帰ろうじゃないか」
 すがの、面白くなさそうにそう呟く。
 たしかに、玄屋にどうしても会わなければならないわけでもないのだし……
 しかし、あの爺様、そんなにあっさりとくたばるようなタマだったかしらん。
「お嬢ちゃんも、よかったら、来るかい? こんなところにいたって、しょうもないだろう?」
 銃鎗を抱えた少女に声をかける。
 別に仏心からそうしたわけではない。
 ただ、なんとなく、そう言ってしまったのだ。
 
 あえて言うなら、すがのにとって、それが宿命だったのかもしれない。
 
 
 すがの。
1998年03月14日:06時07分31秒
眠れる森の夕霧(その1) / tomy
一筋の光も指さぬ暗き森の中、男は進む。夕霧をかかえながら。
そこは霊域の一つに数えられ、神木・霊木が数多く存在する地、そして…夕霧の生まれ故郷とも呼べる場所。
他の者なら、重苦しい雰囲気と、音一つない息苦しさによって正気を失っていたかも知れない。そう、正気というものを持ち合わせていたなら。
だが男は進む。平然と。
いつしか男の周囲に気配が集まり始めた。そして静寂が突如破られる。
「「「「去れ!!!!」」」」
木々の合間をぬい四方八方から浴びせられる言葉。その一言一言が言魂であり、並のものなら逆らえぬ強制力を持つ。
「「「「「「「「森を汚ししものよ、去れ!!!!」」」」」」」」
言魂にどうじぬ男に対して言葉とともに針のようなものが、襲いかかる。
「その様なことをしても無駄だ。それよりも、こいつが何か分かるか?」
そう言うと夕霧をかかげる。それに応じるように攻撃がやみ、瞬間、森に静寂が戻る。

「出てくるがいい。理解したならば。」
気配が一つにわだかまる。

「久しぶりだな、穂摘(ほづみ)」

煉鵺、穂摘に向かって

注)穂摘は相手の心理の女性もしくは母親のイメージを投影した姿で現れるので、炎(修羅)には翠影に見えるでしょう。
1998年03月14日:02時06分52秒
沙夜 / tomy
修羅刀が震える。

「…、そうでしたね。彼らにも勝手に死なれては困るのでした。」
修羅刀を見つめつぶやく沙夜。

「向かいましょうか、南雲へ。戦が起こる前に。」

沙夜
1998年03月14日:01時45分03秒
アレス  / MARS
 「そ・・・そうですね・・・」
 『玄屋・・・その名前が僕を呼んだんだけど・・・結局・・・』
 そこにあるのはただの岩・・・
 『でも・・・気になるな・・あの女の子・・・』
 じっとたたずむ少女を見つめるアレス・・・
1998年03月13日:16時04分24秒
さだめにあるもの / せりざわ
 「ずるずるずる、、、、、」
 町に入った応太、鋼、凶はそろって、屋台で蕎麦をすすっていた。
 本当は、ちゃんとした食事をとりたかったのだが、鋼を連れていたこと、
 そして、応太の格好をみて、店主に断られたのだ。
 だが、いかんせん空いた腹では何も出来ない。と、言うわけでこうして屋台で
 蕎麦をすすっているわけである。
 「ずるる、、応太くん、食べ終わったら着物買いに行きましょう。そんな着物
 だと、せっかくの男前が台無しですし、、、ずるるる、、、僕が変な目で見ら
 れちゃいますし、、」冗談とも本気ともとれないことをいった。
 応太のぼろぼろな服に対して、凶は、地味ながらも仕立てのよい着物である この二人、奇異な二人に見えたに違いない。
 ずるるるる、、、そばをすする音が響いた。かちゃん、という音を立てて、蕎麦の丼を置く
 「ごちそうさまでした」屋台の主に凶はきちんと声をかける。主は驚いただろう、
 こんな括弧しているやつは大概鼻持ちならないやつである。それをしてこないのだから。
 「おいしかったですよ」と、一声。料理するものにとってその言葉は何よりもうれしいものだ。
 それは、いかなくらいにあっても、だ。
 「さて、応太くん、さっそく着物買いに行きましょうか?」応太に微笑みかける。
 「はい、お勘定」主にお金を渡す。主がかすかに涙ぐんでいた。
 「それじゃ、おいしい蕎麦、ごちそうさまでした」
 
 はなやかな町の辻に二人と一頭はいた。応太の着物を買う為に、である。
 道に人があふれていた。店には商品があった。
 明るい雰囲気のその奥の通り、一人の素浪人が通り過ぎていくのが見えた
 女性を抱きかかえながら、、、、
 「応太くん!、あれ!あれ見て下さい!」凶の指差す先には女性を抱きかかえた
 男の姿があった。
 
1998年03月13日:15時23分29秒
境玄 / ハリ=ハラ
「さて、それじゃあ姐さんと坊やはどうしますかい?
 一緒に町まで戻りますかね。」
 
 確かめるように、二人に向かって問い掛ける。
 
「ここいらは、結構山深いですからね。
 お独りで帰るってんなら止めませんが、なるたけ一緒に帰った方が無難だと思いやすよ。」
1998年03月13日:07時33分42秒
場面移動 / 月夢
 琴音と亜夜は玄屋の家の方に移動でしょうか?それともこのときの話はここできります?
1998年03月10日:20時17分51秒
放浪者 / Dr.李
 「なんてこった。」
 予想されたとはいえ、ほのかな期待も持っていたのだが。
 「で、どうなさいますかい?
 街へおもどりんなりますか?」
 琵琶法師の声がする。
 「あぁ、そうしてくれ。これじゃ用もなにもない。」
 そう言って片手で帽子の位置をずらす。
1998年03月10日:14時05分21秒
黒龍眼 / ハリ=ハラ
「おや・・・そこに居ませんでしたかい?
 あたしが知ってる"玄屋"ってお方の居場所はそこだけなんですけどねぇ・・・・」
 
 とぼけた調子でそう言う。
 
「もっとも、そちらのお兄さんがどんな用事があるかもわからないもんでねぇ。
 とりあえずは、案内してみようと思ったまででさぁ・・・
 まあ、いらっしゃらないと言うなら仕方が無いこってすがね。」
 
 そう言って少女と少女の持つ刀に意識を向けた後、くるりと向きを変える。
 
「で、どうなさいますかい?
 街へおもどりんなりますか?」
1998年03月10日:02時33分14秒
/ 月夢
「こちらにも色々都合があるのですよ、あなたにしても悪い話ではないと思いますがね、利用すれば・・・」
 話の途中で念話が途切れる、強制的に閉じられたようである。
「やれやれ、頑固な方だ」
 交渉はこれが始めてではない、もう何十回も続いている。
「まあいいですけどね、位置さえつかめていれば、彼女の意志は必要ないことですし」
 沙夜は知らないことだがごく一部では密かに修羅刀の噂がながれ始めている、もちろん手を回したのが誰かは言うまでもない。
「さて、問題は誰がいちばん最初に彼女に接触をとるかですね、そしてもう一方と接触を誰がとるかも」
 沙夜と接触をとる第一の理由は沙夜の目先を逸らすこと自体にある、そのあいだに火種だけが各地に用意してある、後は着火の時期だけが問題。
「玄屋さんが死んだのは多少予定外ですが、まだ沙夜さんが修羅刀を持つことはやめないようですしそろそろ舞台も整いましたし、始めましょうか、最高の劇をね」
1998年03月09日:01時00分57秒
「女は撃たれたくないだけ」 / みだれかわ枕
「だめ、これは"お兄ちゃんの"なんだから」
 その小娘は、あたしの方を見ながら、そう言いやがった。
「誰も取りゃしないよ」
 撃つつもりがないんなら、それでいいんさぁ。
 いまさら他人の得物をとったって、しょうがないさあね。人から横取りしたもんなんて、もう要らないさね。
 ……は。関係ないこと、考えてどうするんだか。
「それより、嬢ちゃん。その墓は、誰のだい。ま、多分玄屋の爺さんのだろうけどね」
 
 
 すがの。
 
 すがのは、一回だけシナリオを経験したアーキタイプの銃鎗使いです。気合は60点ぐらい稼いでいたと思います。<射撃戦闘><枕事>が上級になってたので。
 気合を稼ぐときに雇い主に色仕掛けしてたりしてたのはここだけの秘密だっ!(笑)
「あらぁ、殿ォ。そんなにあたくしのこと、信用出来ませんのぉ? これでも腕には自信ありますのにぃ。お任せくださいましぃ(胸をすりすり)」
 と言って、<技量の追求>を振りにいく。うーん、社交的な――というよりは扇情的な(笑)――銃鎗使い(え? ダウトですか?)。
1998年03月08日:07時33分19秒
〜回想〜戸惑い / タイガ
 「優しい?」
 (この俺が?修羅に身を落としたこの俺が、優しい、だと?)
 あからさまなまでに戸惑っているのが解る。
 「俺が?金剛機になったと言う事は、修羅道に落ちた、と言う事。
  その意味が分からぬはずはあるまい。
  俺は、人を殺し、血にまみれた、……呪われたものなんだぞ?」
 わずかに後ずさる。
 「その俺が、優しい……?」
 膝をつき、半ば頭を抱えるようにして、考え込む。
 
 重装機「明月」より退魔師「沙羅」へ
1998年03月07日:19時01分01秒
〜回想〜彼女のやり方 / ハリ=ハラ
「そう言われれば、そうですね。」
 
 今ごろ気づいたかのように言う。
 
「でも、誰かを助ける時に、そんな事まで考えれるほど器用じゃ在りませんもの。」
 
 ちょっと困ったような笑顔を見せると、また片づけをはじめる。
 
「それに、貴方はそうしなかった・・・。
 貴方は自分で思ってるよりもずっと優しい人なのですよ。」
1998年03月07日:18時37分54秒
〜回想〜困惑 / タイガ
 「そうしたかった……?
  しかし、それで自分がどうなるか考えないのか?
  俺が動けるようになったとたん、お前を殺して逃げても不思議はないんだぞ……?」
 困惑したように明月は言った。
 「自分が死んでもいいと言うのか?」
 
 重装機「明月」より退魔師「沙羅」へ
1998年03月07日:18時16分59秒
〜回想〜応え / ハリ=ハラ
「貴方も、伊織と同じ事を言うのですね。」
 
 調整に使った道具の類を片づけながら、沙羅が応える。
 
 伊織と言うのは沙羅の弟子で、この工房に住み込んでいる。
 この工房自体も沙羅と伊織の二人暮らしである。
 
「あの子も、金剛機を拾うなんて危険だ!って言っていましたよ。
 私の事を心配してくれてるんでしょうね。」
 
 くすくすと思い出し笑いをする。
 真っ赤になって説明する伊織の様子でも思い出しているのだろう。
 
「でもね・・・・
 傷ついたり困ったりしている人には、出来るだけの事をしてあげたいんですよ。
 自分がつつがなく過ごしているのだから、それを誰かに分けてあげたいんです。」
 
 片づけの手を止めて、明月を見つめる。
 
「私がそうしたかったから・・・
 こんな理由じゃおかしいでしょうか?」
 
 そう言って、沙羅ははにかんだような笑みを浮かべた。
1998年03月07日:17時48分42秒
〜回想〜疑問 / タイガ
>「とりあえず、これで動けるようになりましたね。」
 
 「そう……だな。礼を言う」
 調子を確かめるため、しばらく指を開閉した後ゆっくり起き上がる。
 しばらく歩いた後。
 「何故、俺を助けてくれる?
  俺は金剛機。血塗られ、呪われた存在。
  金剛機を知るものはみな、畏れ、あるいは蔑むのに。
  知らぬものであっても、好奇から近づきはしても、決して救おう等とは考えないだろう。
  だのに何故……?」
 
 重装機「明月」より退魔師「沙羅」へ
1998年03月07日:17時31分55秒
〜回想〜治療 / ハリ=ハラ
「どうですか?明月さん・・・」
 
 沙羅の声がかかる。
 此処は、やはり沙羅の工房。
 台に寝かせられているのも同じ。
 ただ、違う点・・・
 
「手足に違和感はありませんか?」
 
 そう、金剛機の体は補修されていた。
 四肢が全て揃っている。
 
「とりあえず、これで動けるようになりましたね。」
 
 にこにこと笑いながら、沙羅は嬉しそうに言った。
1998年03月07日:17時04分18秒
〜回想〜明月 / タイガ
 女……沙羅が近寄り頭を抱き寄せる。
 やがて金剛機は、沙羅の言葉に落ち着きを取り戻した。
 
>「“明月”さんとお呼びしても宜しいですか?」
 
 「明月……? 」
 かみ締めるように呟く。
 「解った。……だが、『さん』を付ける必要はない」
 (俺は……もう人間じゃない……。俺は……)
 
 重装機「明月」より退魔師「沙羅」へ
1998年03月07日:15時37分44秒
〜回想〜沙羅 / ハリ=ハラ
「お師匠様・・・・」
 金剛機の様子に、心配そうに子供が沙羅を見上げる。
 この手の金剛機には、修羅に立ち戻っているものも居るためそれを心配したのだろう。
 
 沙羅は、子供に軽く目配せをすると金剛機にそっと触れる。
 脅えたように震える金剛機を優しく見つめると、その頭を胸元に抱き寄せ、そっと腕で包み込む。
 
「大丈夫・・大丈夫・・大丈夫だから・・・・」
 
 母親が子供をなだめるように語り掛ける。
 
「だんだんに・・そう、だんだんに思い出して行けば良いんですよ・・・
 無理をする事はありません・・ゆっくり・・少しずつ・・・」
 
 金剛機の頭を優しくなでながら、脇に突っ立っている少年に声を掛ける。
 
「伊織、道具を出してきてくださいな。」
「え!?直すんですかぁ?」
「当然です。
 怪我をしているのをそのままほっておくわけには行かないでしょう?」
「は〜い・・・」
 
 憮然とした表情で、工房の奥に少年・・伊織が歩いて行く。
「ったく・・お師匠様の人の良さには呆れるよ・・・」
 とか言う呟きも聞こえてくる。
 
「さて・・とりあえずは、怪我を治さなくてはね。
 それから、仮の名前が必要でしょう。
 本当の名前を思い出すまでの、ね・・・」
 
 微笑みながら、語り掛ける。
 機体に施された月の意匠・・・
 窓から差し込む月の明り・・・
 
「“明月”さんとお呼びしても宜しいですか?」
1998年03月07日:08時18分50秒
〜回想〜重装機 / タイガ
>「私は退魔の職に在るもので、沙羅ともうします。
>よろしければ、お名前と事の子細をお聞かせ願えませんか?」
 
 (……名前?)
 その言葉と共に、いくつもの情景が閃く。
 (俺の名は……王、蜘……王だ)
 (われは麗……)
 (おれだよ、正平だよ……)
 (私の名は……だ)
 (私は美月、あなたの……)
 …………
 ……
 「う、うぅ」
 答えずに考え込んでいた金剛機は
 とつぜんうめき出し、
 「うわぁぁっ!」
 叫び声をあげて体を縮めた。
 そのさまは、泣きじゃくる子供のようにも見える。
 名前、名前、名前。いくつもの名前を思い出す。
 しかし、そのどれもが自分の名前とは思えない。
 「解らない!解らない。解らない……」
 声が、だんだんと弱々しくなっていく。
 (おれは、誰なんだ?
  俺の名前は一体……?)
 
 名前を忘れた重装機より退魔師「沙羅」へ
1998年03月06日:13時19分46秒
さて、どうする? / せりざわ
To:少年が一番!!さん
 
 この後、どうします?いや、本当にネタがないんですよ。
 アゲハたちと合流できたら、と、練ってはいるんですけど、、、
 とりあえず、一行掲示板へきてください。
1998年03月06日:13時10分03秒
さて、どうする? / 少年が1番!!
To:せりざわさん

 この後、どうします? 他の様子を見ているか、それとも
 街で何かするんでしょうか?

   
            
天羅万象掛け合い:修羅刀編ログ / TRPG.NETホームページ / Web管理者連絡先