天羅万象アーキタイプ:薬蟲師(くすこし)

狂兵さんの作です。

背景

その日、君の住む村は、戦火に包まれた。 生き残ったのは、極わずかな者達だけだった。 しかし、生き残った者の多くは深い傷を受けていた。 二日たち、三日たち・・・・五日たつ頃には、 その傷が元で、また多くの者が死んだ。 そして、君の命もまた、消え失せようとしていた。

「・・・・・・気がついたかね?」

君は、優しい声に目を覚ました。 気づくと、体の痛みが嘘のように消えていた。 極楽についたかとも思ったが、すぐに、そうではない事が分かった。 目の前にいる、男に命を助けられたのだ。

「もう少し、私が早く来ていれば・・・もっと多くの命を救えたものを・・・」

その男はそう言って、涙を流した。

「それでは、先生、行って参ります」

「うむ、多くの命を救うがいい」

あれから十年。君は立派な薬蟲師となった。 多くの命を救う為に、あの日のような悲劇を繰り返さぬ為に・・・。

能力値

体力:5 敏捷:5 知覚:6 知力:7 心力:6 共感:6
活力:10 霊力:26
業:30/108 宿業:30/60

負傷ゲージ
軽傷5/重傷3/致命2/死亡1

技能
<観察>中級 <蟲術>中級 <応急手当>中級
<中級技能2つ>(汎用、専門、問わず)
<初級技能2つ>(汎用、専門、問わず)

所持品
収集箱、医学書、旅装、診療道具、数種類の薬蟲、薬草

因縁
・感情:弱者に対する憐れみ(中級)
・禁忌:殺人または行為に関する禁忌を一つ(中級)


薬蟲について

薬蟲師は、直接、蟲を寄生させている訳ではありませんが、蟲の持つ能力を薬品として抽出する事が出来ます。このようにして出来たものが、薬蟲(くすこ)と呼ばれる薬品であり、通常の薬品では考えられないような、強力な力を発揮できます。薬蟲を作る為に必要な材料は、自分で収集しなければなりませんし、一つの薬蟲を作る為には、最低でも一匹以上の蟲を殺さなければなりません。この性質上、蟲をトモダチとしている、「蟲使い」は、薬蟲師になる事は出来ません。(蟲を道具として扱う蟲使いなら可) 薬蟲はまた、別名、蟲毒(こどく)とも呼ばれ、薬である一方、毒としても用いられます。この蟲毒を専門に扱う者は、蟲毒師(こどくし)と呼ばれ、多くは暗殺者として暗躍します。 薬蟲(蟲毒)のリスト ・婁寿(るす) 使用法:経口摂取 必要な蟲:朧蟲(発見難度10)の毒液 使用期限:一週間 効果:「音が見える」などの共感覚を伴う幻覚。摂取後3時間、式製作点+10 副作用:不眠、興奮、発汗 ・喉飴(のどあめ) 使用法:経口摂取 必要な蟲:九官蟲 使用期限:一週間 効果:風邪の予防、のどの殺菌 副作用:飴とは言っているが、とても不味い ・癒膏(ゆこう) 使用法:患部に塗布 必要な蟲:再生蟲 使用期限:1年 効果:強度1ごとに1点分、負傷ゲージを回復出来る。 副作用:臭いがきつい ・麻酔(ますい) 使用法:加熱して気体を吸入 必要な蟲:伊丹蟲 使用期限:一ヶ月 効果:吸引した者の痛覚を麻痺させる。以後、1時間の間、活力を体力の3倍に出来る。 副作用:わずかに触覚を鈍らせる為、精密作業を行う場合などは、難度が1上昇する。 ・針痛丸(しんつうがん) 使用法:経口摂取 必要な蟲:牙爪蟲 使用期限:1年 効果:飲み込んだ者の腹部に、針を刺したような痛みを与える。与えるダメージと、持続時間(ラウンド)は、針痛丸の強度と等しい。なお、服用後、毎ラウンドの終わりに、強度を難易度として、体力<耐性>の判定をし、ダメージを軽減出来る。 副作用:なし ・金剛(こんごう) 使用法:経口摂取 必要な蟲:甲蟲 使用期限:半月 効果:使用者の筋肉を一時的に硬化し、ダメージに対する耐性を付ける。服用後、3時間の間、活力が強度と同じだけ上昇する。 副作用:体が硬くなる為、<運動>の判定時は、難易度が1上昇する。 ・旋風(つむじ) 使用法:経口摂取 必要な蟲:鋼化結線蟲 使用期限:半年 効果:服用後、使用者の体力に等しいラウンドの間、強度の半分だけ、敏捷を上昇させる。 副作用:効果が切れると、強度に等しいラウンドの間、強度と同じダメージを与える。 ・禁固(きんこ) 使用法:経口摂取、または、気体を吸引 必要な蟲:拘束蟲の毒 使用期限:半年 効果:服用した者の体を麻痺させ、3ラウンドの間動けなくする。対象は、難度2で体力 <耐性>の判定に成功しないと、麻痺します。 副作用:なし ・殺(ころし) 使用法:経口摂取 必要な蟲:地蜂をはじめとする毒を持つ蟲 使用期限:1年 効果:服用した者を殺してしまう。毒性の強い薬品。服用者は、強度の半分を難易度とした体力<耐性>の判定に成功しなければ、死亡する。なお、耐性の判定は、服用者の体力に等しいラウンドのあいだに、1回でも成功すれば良い。 副作用:なし ・反魂(はんごん) 使用法:死体を薬品に浸ける 必要な蟲:不死蟲 使用期限:無限 効果:死者を蘇生させる。なお、不死蟲が体内に宿る訳ではないので、蘇生の効力はこの一度きりである。また、肉体があまりにも破壊されている場合は復活出来ない。 副作用:復活以前の記憶の欠落。また、ほとんどの者は、不気味な化け物のような体に変異する。 

天羅万象資料集


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