日刊TRPG総合ニュースメール 語り部日報の増刊に掲載した、TRPG:サプリ01号の内容紹介です。
先ごろプレスリリースを流しました、アトリエサードのTRPG雑誌であります TRPG:サプリの1号が届きました。これはスザクゲームズの別冊FSGIの後継誌 です。
表紙などはhttp://www.a-third.com/trpg/sap/sap01.htmlをご覧ください。
おもな変化は、他社ゲームのサポート記事を開始したことですね。具体的には、『ガンダム戦記』と『ビーストバインド』のサポート記事が開始されています。デザイナーインタビュー記事も、00号(別冊FSGI6号)と同様に掲載されており、この企画は次号もあるようです。
なお、題名にそぐわず、サプリメント的な記事中心になっています。サポートしている各ルールについて、半ページから一ページの紹介があり、過去の雑誌・書籍によるサポートの目録がついているのが、たいへん便利ですね。
この号の、海外好きにとっての最大のトピックスは、これでしょう。P109にあります。少し目立ちにくい位置なので、最初にパラパラめくった時には気がつきませんでした。
かつてホビージャパンより翻訳発売されていた異世界ファンタジーTRPGであるルーンクエスト。ルーンクエストと、その世界設定であるグローランサは、魔法システムをはじめとして、後の国産のTRPGのルールや世界設定に大きな影響を残しています。
そしてHeroWarsは、グローランサ専用のTRPGとして。最新のデザインを採用して再登場したゲームなのです。もともとの英語版の発行は Issaries 社。
なお、この件については有限会社ギルドのギルドニュースにても、告知されています。ワールド・オブ・ダークネス同様に、ギルドがライセンスをとって活動するようです。
以前に版元のルールサマリーなどを読んだ感じでは、これはアメリカのゲームとしても、かなり世界設定情報が充実しないと遊びにくいタイプのゲームだと思いました。世界設定の翻訳の充実を期待したいと思います。むろんまあ、類似の世界を自作でがりがり出来る人間には、汎用ルール的に使っても良いのかも知れませんが。シンプルで強力なだけに、セッションを運営するのに必要な部分が、世界設定に依拠する所の多いルールだと感じました。
幸い、グローランサはこれまで許諾翻訳が多くなされてきた実績のある世界設定でもあり、ルーンクエスト時代にもホビージャパンから設定サプリなどがいろいろと翻訳されてますから、比較的マシなのかも知れませんね。いろいろと設定の変更されているとこもあるらしいですが。
副題は"ヴァンパイア社会における公子の支配"。以下の三つのパートにより構成されています。概説、具体例、追加氏族解説、ですね。
公子の立場となすべきこと、そして権力についての解説。氏族社会の軸である公子について理解することは、政治のからむ話を遊ぶためには必読といえるでしょう。
Cities of Darkness Vol.1 より D.C. by Night の部分訳。強大な公子のもとにあるワシントンDCの氏族社会について、公子と参議の設定・能力、およびその関係と、簡単なワシントンDCの地図がついています。敵対者については簡単に触れてある程度ですね(このあたりが抄訳)。
具体的な例がないというのはルールブックの弱点の一つでしたから、これはありがたいところです。願わくばシナリオ例も欲しかったところ。
購入リンクを張ろうかと思いましたが、ホワイトウルフ社のカタログを探しましたけど Cities of Darkness は 3しか見つけられませんでした。
12月発売予定の『ガイド・トゥ・カマリリャ』よりの抜粋。ルールブックの氏族紹介と同様のフォーマットで書かれています。
今回は「ヴァンパイア:ザ・マスカレードやってみました」と題して、判定の結果として、いかに間抜けなコメディになったかが描かれています。
今回は、つぎのページを読んでからでないと、わけがわからないかも知れません。
ゲームマスターによる、いかにシナリオを計画し、そしていかに意図からズレていったからついての告白。設定と課題と対立の構図を用意して、あとはアドリブ主体で運用するマスタリングの実例として読めます。
翻訳者による注釈もついていて、これも実際の運用の注意点などが見えてきて有用ですね。
TRPGアドベンチャラー宣言、が副題かな。
『ガンダム戦記』の製作意図、そのデザイン方針から、フィギュア利用の推奨意図、ストーリーではなく冒険を楽しみたいという"アドベンチャラー派宣言"などの内容です。
第一回の今回は「ガンダム戦記における舞台設定」と題して、ガンダム世界のヒストリカルなキャンペーンセッティングについてのマスター向けガイドです。PCのおかれる状況をどのように考えるかについて書かれています。負け戦の活用回りは興味深いですね。
この連載、ゲームマスターは必読になりそうですね。逆にいえば、これはルールブックにあったほうがよかったともいえます。まあ、あれ以上分厚くなることを考えると無理があったでしょうけど。
天羅万象・零の世界の変化の簡単な紹介と、紗に関する設定が書かれています。
ウォーゲーム専門誌「コマンド・マガジン日本版」よりのページ。
ウォーゲームもTRPG同様に、勝敗を競う遊びではなく課程を楽しむ遊びであるという(『無血戦争』でもそう書かれていましたね)論が乗っております。
まあ、遊戯ゲームはすべからく、課程を楽しむものなんですよね。
P64 の「関連商品&雑誌媒体によるサポート」を見ますと。いろんな雑誌にサポートが散らばっていることがわかりますね。興味深い。
人間アーキタイプのみによるSA対立型セッションのリプレイ。上手く了解できる仲間うちなど、他のプレイヤーの意図が読める環境でもないと、このタイプはかなり難しそうな気がします。しかしまあ、こんなこともできるのだと、ビーストバインドの表現力を見せる役にたっていると思います。
ただ、ミレニアムでもそうでしたが、バックに文様のようなものが入っているのと文字が小さいため、文字のパターン認識の負担になるのが辛いですね。目が疲れます。
内容はなんとなくわかると思います。『スプリガン』っぽいやつですね。ちなみにこのアーキタイプをリプレイでも使用しています。
これは朱鷺田祐介氏の新作予定のブルーローズがらみのネタなのかも。次回も別の新作予定TRPGからアーキタイプのネタを拾ってくるのかも知れませんね。
東京大破壊の前におきる予兆的現象についての事例紹介。
「嵐の前」で示されたゲートパワーの上昇に伴う異変に関係したシナリオのアイデアが二編載っています。キャラクターをシナリオに合わせて用意することになりそうなので、コンベンション向けなのかな。
けっこうボリュームのある、乗り物に乗った戦闘の処理についてのルールと車両データ。悪魔データ風に書かれていて、特例処置としてではありますが、メガテンらしく悪魔合体させることも可能。
身を乗り出す処理などもあります。ざっと見た感じでは、システムを生かしたデザインのようですね。
私の一番おきに入りの連載。どうやら、ゲームシステムの解釈の違いによる、正しいけど奇妙なプレイ例を紹介する連載になっているようです。
今回はCLAMP学園TRPGで松本零士の戦場まんがというやつでした。はたして、なぜそうなったのか、そしてプレイ風景は……実際に読んでみてください。私は吹き出してしまいました。
木製ブロックを積んだ塔から一つ一つ引き抜いて重ねて行く、ジェンガというゲームがあります。それをTRPGに活用すると……という話です。
しかしこう、サプリのライター連載のどれも――ことにこの記事には強く思うんですが、シリーズタイトルが内容と乖離してるような気が。修業中はないだろうとか思ってしまいました。
シリーズタイトルからはTRPGエッセイかと思っていたら、どうやらミニミニゲームを掲載する連載のようですね。
今回は戦隊ロボットものの一ページルールと、その遊び方、シートが掲載されています。5W1Hゲームを利用したパーティゲーム的TRPGですね。割り切りかたが大胆です。これだと短時間でぱーっと遊べそうですね。
最初の二ページは田口順子氏によるイラストストーリー。
魔道書『星王断章』にまつわるショートストーリーを介して、写本と書物の位置づけなどのルールや雰囲気づくり、設定などが解説されています。
魔道書《星王の書》について、書誌や敵としてのパラメータなどがまとめてあります。これを参考に自作するのも面白いでしょう。
「写本師」と「魔道書の虜」の二つのテンプレートが掲載されています。
以前、TRPG.NETの掲示板パラダイスフリート雑談所で話題になった、仙人について。その正体とルール処理が明かされています。なかなか凶悪です。
ドラゴンマガジンの読者参加企画の連載時のノリで、見開きが縦書きスポーツ紙風になっています。キャラクティク・スポーツのホリーとハッチといえば、懐かしい人もけっこういるのではないかと。
P108の「関連商品&雑誌媒体によるサポート」には、これまでまとまっていなかったパラダイスフリート関連のサポート情報のありかがあり、遊んでる人には便利だと思います。別冊でないFSGIに掲載された分は省かれているようですが。
『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』の七つの掟をヤクザに読み替えることができるという話題から、ヤクザ映画をリサーチと称して三本紹介しています。
れれれのネタにするための映画の見方・姿勢についての参考にもなるかと思います。
ヤクザ映画ものを遊ぶための追加ルール、データ、アイデア集です。
異化すると確かに、じつに俗悪になりますねぇ。
別冊FSGI時代、一部で大人気だったコラム。アトリエ・サードの主軸シリーズと思われる、トーキングヘッズ叢書にからめたエッセイですね。TRPGとは関係ないんですが。カルト文学なるものに詳しくないので知的好奇心がわくのもあって、読んで面白いですね。
TRPGに関係ないからと読まないでいたなら、ぜひ読んでみるといいかと。
2001年02月末予定の02号の仮テーマは『渾沌狂想曲』。
インタビューは『天羅万象』でデビューし『トーキョーN◎VA Revolution』などを手かげた、遠藤卓司氏を予定しているとのことです。