◆サイファーの瞬間行動に関するQ&Aです。
瞬間行動は、"Cyphar"システムの最も鍵となるルールの一つです。これの扱い方を間違えると、『Cypher』のゲームバランスは簡単に崩壊してしまいます。このため、瞬間行動については、すべてのGMとプレイヤーが完全に把握しておく必要があります。この瞬間行動の扱いは非常に重要であるため、ここに一つのページを設けて解説します。
呪文・奥義に属する瞬間行動は、使用を宣言した後、対応する技能(魔法技能や特殊技能)を用いて技能判定を行います。達成値が必要な場合はこれによって求めますし、1ゾロなどによる絶対失敗が起これば、その瞬間行動は発動しません。
"戦闘中の特殊行動"に属する"相手の武器を落とす""急所を狙う"といった瞬間行動は、文中に特に指示がない限り、技能判定を行う必要はありません。
瞬間行動は、ルールブックにある通り、1ラウンドに1回だけ行うことができ、好きなタイミングで使用することができます。
この節では、瞬間行動を具体的にどのように使用すればよいのかを説明するため、瞬間行動の使用方法を、自分の行動と独立、自分の行動に対応、他者の行動のに対応の3つのパターンに分け、それぞれ具体例を挙げて解説します。
●自分の行動と独立
そのラウンドの自分の積極的な行動とは別に、瞬間行動に属する呪文を奥義などを使用します。これによって、1つのラウンドに瞬間行動1回と積極的な行動1回の計2つの行動を行うことができます。具体的には、以下のような使い方をします。
@ 武器の持ち込みができない宮殿で戦闘が起こったため、瞬間行動で"コーリングブレード"(「魔法剣」修得レベル5)の奥義を使用して剣を召喚し、同一のラウンドにその剣を使って敵を攻撃する。
A 暗闇の中で敵の気配を感じたので、"キャッツアイ"(「M・フール」修得レベル6)の呪文を使用して暗闇を見通せるようにし、目の前に敵を発見したので、同一のラウンドに"ソニックブラスト"(「M・タワー」修得レベル6)の呪文で敵を攻撃する。
B 敵よりも早く攻撃したいので、イニシアティブを決定する前に、"疾風の術"(「忍術」修得レベル3)を使用して、自分のイニシアティブを高める。
これらは、自分の積極的な行動とは別に瞬間行動を使用するという例です。@とAは、そのラウンドの自分のイニシアティブよりも早い行動順で瞬間行動を使っています。瞬間行動は自分のイニシアティブとは関係なく、好きな順番で行うことができるためです。
Bはさらに特殊で、そのラウンドのイニシアティブを高めるために、「イニシアティブ」判定の前に瞬間行動を使用しています。この例のように、瞬間行動は、イニシアティブ決定の前やすべてのキャラクターの行動順が終わったラウンドの最後など、そのラウンドの好きなタイミングで使用することができます。
●自分の行動に対応
自分が行動を行うとき、その直前や同時に瞬間行動を取ることによって、行動の効果を強化するものです。具体的な使用法としては、以下のような例を挙げることができます。
C 太刀で攻撃を行うとき、同時に"一の太刀"(「剣術」修得レベル11)を使用して、その攻撃のダメージを高める。
D 自分の唱える"ファイアボール"(「M・マジシャン」修得レベル5)の呪文に、味方を巻き込まないため、同時に"アルタレーションマジック"(「M・ハングドマン」修得レベル5)を使用して、味方を呪文の範囲から除外する。
E 自分が敵の攻撃を回避するとき、自分に"レリーフマインド"(「M・ハイエロファント」修得レベル9)を使用して、「回避」判定の達成値を上昇させる。
CやDのような使用法は、術者の積極的な行動と同時に行うという『Cypher』における最も一般的な瞬間行動の使用法です。
Cのように物理攻撃と同時に使用してその攻撃を強化する瞬間行動は、「剣術」、「闘武術」、「魔法剣」、「フラーナフィスト」など戦闘系の特殊技能の奥義に数多く見られ、ダメージを上昇させたり、命中値を高めたりといった効果があります。"戦闘中の特殊行動"の中にも、"相手の武器を落とす"や"急所を狙う"のように攻撃と同時に使用することで、その攻撃に特殊な効果を付加させるものもあります。
また、Dのように呪文と同時に唱えることで、その呪文を強化する瞬間行動は、「M・ハングドマン」に多く登場します。
Eの使い方は、自分に対し攻撃が向けられたとき、攻撃を受ける直前に使用して、直後に行う行動(回避)の達成値を上げる目的で使用します。
●他者の行動に対応
他者が自分や仲間を害しようとしたときなど、他者の行動宣言の後から宣言して、その行動が発生する直前やその行動の発生と同時に瞬間行動を行うような場合を言います。自分の行動とは別に行動している点は自分の行動と独立と同じですが、自分で能動的に瞬間行動を使用するのではなく、他人の行動に反応して使用するところが異なっています。
具体的には、以下のような使い方をすることができます。
F 敵が"マジックミサイル"(「M・マジシャン」修得レベル3)の呪文をこちらにかけてきたので、それに割り込んで"マジックシールド"(「M・ジャッジメント」修得レベル4)の呪文を使用し、その呪文攻撃を防ぐ。
G 敵が行ってきた武器による攻撃を、「回避」判定によって避ける代わりに"ブリンク"(「M・スター」修得レベル11)の呪文を使って回避する。
H 味方が敵の攻撃を回避すると宣言したとき、その「回避」判定の達成値を上昇させるため、味方に"レリーフマインド"(「M・ハイエロファント」修得レベル9)を使用する。
これらはすべて、他者の行動に対応した瞬間行動となります。FとGでは他者の積極的な行動に対応して、Hでは回避という受動的な行動に対応して瞬間行動を使用しています。
FやGの例は、他者の行動より後に瞬間行動の使用を宣言して、ゲーム内では他者の行動が起こる直前に瞬間行動が発動していることになります。Hの例でも、味方が回避を行うという宣言に割り込んで、瞬間行動を使用しています。
瞬間行動は、1ラウンド中の好きなときに行うことができるわけですが、戦闘に参加するすべてのプレイヤーとGMが、イニシアティブによる行動順を無視して、好き勝手に瞬間行動を宣言しては、戦闘が無秩序になってしまいます。(慣れてくれば、それほど気になりませんが。)
このため、瞬間行動を宣言と解決のタイミングについて、ここで定義します。ただし、これはあくまで目安に過ぎません。慣れてくれば、ここまで厳密に解決しなくとも、もっと柔軟でいい加減な方法でもゲームは充分処理できます。
ここでも、前節と同じように、自分の行動とは独立、自分の行動に対応、他人の行動に対応の3つのパターンに分けて、瞬間行動の宣言と解決のタイミングを解説します。
●自分の行動と独立
このパターンの瞬間行動の使用は、大きくわけて3つの宣言タイミングがあります。
1つ目のタイミングは、そのラウンドの「イニシアティブ」判定を行う前です。「イニシアティブ」判定の前に瞬間行動の使用タイミングを作り、イニシアティブ前に瞬間行動を使用するキャラクターは、ここで宣言して瞬間行動を使用するのが厳密な方法です。しかし、これは面倒なので、自分がイニシアティブ決定のダイスを振る前に瞬間行動の使用を宣言し成功判定を行わなければならない、とすればよいでしょう。
2つ目のタイミングは、ラウンド中の各イニシアティブにおける行動宣言時です。Q&A(Q11)でも言及しましたが、同一のイニシアティブにおいて、2人以上のキャラクターが積極的な行動を行う場合、その全員が最初に行動宣言を行い、その後で、ダイスを振るといった手順を行うべきです。"自分の行動と独立"の瞬間行動もこれに準じ、使用したいイニシアティブになったとき、積極的な行動を行うキャラクターと同じように瞬間行動の使用を宣言します。もっとも、同じイニシアティブの者がいない場合、行動宣言と判定は一度に行われることが多いので、多少であれば宣言が遅れても大目に見るべきでしょう。また、他の誰も行動しないイニシアティブで瞬間行動を使うなら、「えーと、イニシアティブ15の人の行動が終わって、次に行動する人がいるのは12だね。だったら、イニシアティブ14で"コーリングブレード"を使用します。……(コロコロ)はい、成功」で構いません。
3つ目のタイミングは、そのラウンドの終了時です。これは一見、「イニシアティブ」判定の前と同じに思えますが、実際には異なります。1ラウンドに瞬間行動は1回しか取れないのですから、このラウンドに瞬間行動を使うのと、次のラウンドの最初に瞬間行動を使うのでは雲泥の差があります。このため、ラウンドの最後に瞬間行動の使用タイミングを設けます。厳密にやるなら、ラウンドの最後に瞬間行動を使用したい全員が宣言した後、判定と解決を行うべきですが、はっきりいって面倒なので、そこまでする必要はあまりないでしょう。
●自分の行動に対応
これは非常に簡単です。行動に対応して使用する積極的行動は、その行動宣言と同じタイミングで宣言し、瞬間行動の判定、対応する行動の判定の順で成功判定を行えばよいだけです。
積極的な行動に対応、受動的な行動に対応、(これは非常にまれなことですが)瞬間行動に対応のいずれも、これだけで対処できます。対応する行動の判定を行ってしまった後では遅い、ということさえ覚えておけば全く問題ありません。
●他人の行動に対応
おおよその場合、瞬間行動の解決タイミングで一番問題になるのは、このパターンです。
このパターンでは、瞬間行動を宣言するタイミングは、相手が成功判定を行う前でなければならない場合と、相手が取った行動の結果を解決する前であれば成功判定の後でも良い場合の2通りがあります。
相手が成功判定を行う前でなければならない場合というのは、瞬間行動によって、対応した行動の成功判定の達成値が増減する場合です。前節の例でいけばHがそれに当たります。
行動の結果を解決する前であればいいというのは、対応する行動の達成値を増減しない瞬間行動を使用した場合です。例えば、前節Fの例であれば、相手が"マジックミサイル"の使用を宣言して成功判定を行い、与えるダメージも決定した後で"マジックシールド"の使用を宣言して、その攻撃を防いでもよいのです。ただし、実際に自分がダメージを受け、HPが減ってしまってからでは遅いのです。Gの例であれば、相手が攻撃の宣言を行い、命中判定の達成値を出してきた後で、それを聞いてから"ブリンク"を使用すればよいことになります。攻撃に対して「回避」判定を行い、これが失敗して攻撃が命中してしまった後では"ブリンク"を使っても遅いわけです。
他者のかけた瞬間行動に対応して、こちらが瞬間行動を使用する場合の解決も、これに準じます。(結果的に、後から対応して使用した瞬間行動の方が有利になるのは言うまでもありません。)