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Date: Wed, 10 Jun 1998 00:16:08 +0900 From: Hiroshi Yamafuji <yamafuji@geocities.co.jp> Subject: [creator-ml:00030] visual is naive To: creator-ml@trpg.net Message-Id: <199806091515.AAA18389@geocities.co.jp> Posted: Wed, 10 Jun 1998 00:18:32 +0000 X-Mail-Count: 00030 Hiroshi Yamafujiです。 河嶋さん、resありがとうございます。 いくつかご返事したいところがありますので、さっそく手短にかかりたいと思 います。 まず、ビジュアルの訴求力の優劣についてですが、テクスト-ビジュアルの訴 求力の違いというのがかなりあると思います。ビジュアルは卑俗に言えば「み たまんま」ですので、非プレイヤーであるならば訴求力は高いと言えます。 テクストの訴求力は読み込んだり、評判を聞いたり、あるいはライターの評 判によってのモノであると思われます。ただし、非プレイヤーには効力があり ませんし、そうでなくともその魅力を理解するには時間が、熟成が必要となり ます。 ここでは即効-熟成という対置のどちらが訴求力として優れているかというこ とは述べません。というよりこれらの訴求力は各プレイヤー(プレイヤー候補含 む)の嗜好によるところのほうが大きいからです。 かといってビジュアルは無限の想像力を一つの画として表現する、この事態 は本来、プレイヤー+マスター間の描写と確認で共同の認識を作った上で行われ ていたのですが、ビジュアライゼーションはこれをデザイナー=イラストレーター 間の行為としてプレイヤー+マスターに明け渡すことなく固定化させてしまいま す。これはレディメイド(既製品)としての印象を強くしてしまう恐れがありま す。 テクストも同様に散文的に事態を想像力の範囲に押しやることでプレイヤー= マスターの各人の描写が散乱してしまい、相互の確認による共同の認識が構築 されえないということがあります。これはプレイ不可能なゲームとしての印象 を強くしてしまう恐れがあります。 テクスト-ビジュアル、どちらにせよ一長一短があり、それらはお互いを補填 する形で有るわけです。即効と熟成、認識固定化と描写可能性という面に於い てです。こういった特徴を掴んでデザインをしていくべきなのですが、実情で はそうはいかないものです。 現状のRPGが(未だメディアとして認識されているのか知りませんが)他の メディアに対してのアドバンテージを持つとすれば、それはジャンルの多様さ と多人数による展開の自由さではないでしょうか。メディアとしてのアドバン テージをシステムの方向性として捉えていかなければ、そのシステムの存在意 義があるのか/ないのかが明らかではなくなってしまうでしょう。 描写の中にビジュアルの介入する余地に関しては河嶋さんのおっしゃる方向 でのモノを自分としても考えられるモノとしております。けれどもそれは描写 ではなくて固定であることは先にも述べました。それは伝える立場、つまりマ スターにとっては有用ではあるけれども、プレイヤーにとっての有用性という のはあまり見えてこないものがあります。プレイヤーがキャラクターのイラス トを描く、大変結構なことです。しかし、こういった次元での利用と、ゲーム デザイン上でのビジュアルとは本質的に違うものです。 ゲームプレイ上でのビジュアルはマスターとプレイヤーとの確認によって固 定される通常のコトバを介した描写と同様の共通認識化の指標です。 ゲームデザイン上でのビジュアルはデザイナーとイラストレーターの確認に よってプレイングの現場を差し置いたかたちでの固定化です。これがプレイヤー とマスターにとって共通認識となっていくかどうかは、ルールにおけるハウス ルールの使用と同等の事態として疑問です。 僕はビジュアル冷遇派(と名乗ってしまおう)ですが、ゲームプレイ上でのビ ジュアルの貢献を多く知っています。しかし、ゲームデザイン上ではビジュア ルの使用は非常に丁寧に行わなくてはならないナイーブなものであると考えま す。 ともかくとして、訴求力の件に関しては露出のほかにテクストの優れたもの を紹介するという有力なゲームマスコミの存在が必要ではあるのですが…これ は総合研究室ネタでしたね。 まあ、ゲームプレイヤー達が資源の貧しかった昔(情報誌もなかった頃)のよ うにどんなものからも貪欲に情報を解釈したり、作ったりしていくのがデザイ ンとしては望ましいのかもしれません。 p.s.天羅のビジュアルはマシというか及第点よりちょっと下。自分自身の嗜好 (アニメ絵がチョット…)による部分もありますが。及第点以上というとAXISで しょうかね。天羅のテクストはまあ言ってしまえば普通のRPGと変わらない んですけど、叙事的で謎が含まれている部分があからさまでしたし、もう ちょっと主張の弱い叙情的な文章、スタイルになっていないところが鼻につい て嫌いです。 | Hiroshi Yamafuji >> yamafuji@geocities.co.jp |