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Date:  Tue, 9 Jun 1998 22:12:25 +0900
From:  河嶋陶一朗 <cpsbox@trpg.net>
Subject:  [creator-ml:00026] Re :
 visual-object/text-object
To:  投稿 <creator-ml@trpg.net>
Message-Id:  <199806091312.WAA28479@trpg.net>
Posted:  Tue, 9 Jun 1998 22:12:20 +0900
X-Mail-Count: 00026

 ビジュアルも大切にしたいゲームデザイナー
 河嶋陶一朗でございます。

>絵がきれいですねー、買ってくださいねーではあまりに訴求力としては拙い/
>弱いですし、絵がきれいだからという理由でプレイをする人が多くいるのか疑
>問です。

 経験則で申し訳ございませんが、結構イラストから入ってくる人って多いです
よ。入ってくる人が多いってことは、訴求力が高いってことじゃないのかなぁ。
 自分は本業が、企画兼コピーライターなんですけど、キャッチコピーとかを除
けば、テキストが訴求力に結びついたって事例をあまり聞きませんねぇ。
 取引のある出版社の方から、
 「いい新人にはいいイラストをつけてあげたい。だって、新人なんてイラスト
がよくなきゃ、誰も手にとってくれないし」
 という発言を聞いたこともありますしね。

>RPGの中で実際に行われていくのはプレイヤー・マスター間での事態の描写・
>記述です。そこにビジュアルの介入する余地はある程度は残されているわけで
>すが、それをどのように行っていくのかを明確/暗示的な指針として提示して
>いない。ここにビジュアライゼーションの意味が本当にあるのかという疑問が
>生まれてしまう、ここが僕が思う天羅の気に入らないところです。

 私は描写の中にビジュアルが介入する余地は一杯あるとおもいますけど。NPCや
情景を描写するときに、コトバよりもビジュアルで表現した方が圧倒的に伝わり
やすいですよ。で、そういう時に理想をいえば、各マスターがビジュアルを起こ
せればいいんでしょうけど、それを望むのは難しい。で、ルールブックの中から、
イラストをコピーしたりするんじゃないでしょうか。
 あと、コトバでコミニュケーションする時も、
「ほら、あの○◎のアーキタイプのイラストみたいなやつがやってきたよ」
 っていう使い方もできるのでは?
 ルールブックって、(建前としては)参加者全員が読むものなわけで、みんな
にテキストにしろ、ビジュアルにしろ「共通認識」を与えることができると思う
んですよ。「共通認識」でガチガチに縛られるのも問題がありますが、TRPGはや
っぱり「共通認識」がないと、遊べないでしょ。
「百聞は一見に如かず」
 といいますが、ビジュアルは「共通認識」に大きく貢献すると思いますよ。

 あと、ビジュアルの使い方に関する明確・暗示的な指針っていうのはあった方
がいいと思います。
 ただ、それってプレイスタイルとか、マスタリングとか、そういうのに関わっ
てくると思うんですよ。で、プレイスタイルとかマスタリングに関することにな
ると、日本のTRPGの多くはビジュアルだけでなく、テキスト的にも不十分な気が
します。ルールやテキスト(この場合は世界観かな)を、どういうタイミングで
どう使えばいいのかを示した国産モノはほとんど知りませんしねぇ。
 たとえば、現代物のTRPGの多くがシティアドベンチャーで、情報収集やロール
プレイにセッション時間のほとんどが費やされるわけですが、そのあたりを重点
的にフォローしてるものって、ほとんどないような(ASURAの探偵物語あたりが、
やっと及第点かな)。
 セッションの運用法に関する明確・暗示的な指針っていうのは、ビジュアルに
限らず足りないと思いますよ。

 あと、天羅万象の場合、別にイラストに力をいれたから文章のクオリティが下
がったという訳ではないと思いますよ。というか、そう思う根拠は何でしょうか。
個人的に、国産TRPGで満足のいくテキストというのに出会ったことがないもので、
ビジュアルがマシな分、天羅は救いがあるんじゃないかなぁ……とも思うんです
よ。