アリス・ザ・フェアリーワールド
心の本2
| 知識の街として近隣に名高いホーロッグ。1000年以上もの昔、ホーロッグは、オーガンの子が住む城塞であった。人界の大崩壊が起こる前の話である。
イヴァンの子、オーガンの子、そしてテリエラの子達がアリスを巡って争い続けた時代。そして、その争いがもたらしたものは、過去、オーガンがアリスを殺したのと勝るとも劣らない破壊と人界の大崩壊は言われている。現在、残された遺跡や文献を用いて、様々な人々が原因を探ろうとしているが、未だにそれはわかってはいない。 現在、ホーロッグの人口は、周囲の村の人口を入れて、約7万を数える。地方から集まる知識は、優秀な頭脳も集めた。近隣の都市の中で専門に勉強を行う為だけの大学が存在するのはホーロッグぐらいである。地理的に見れば、山脈近くの盆地の中に存在し、過ごし易いとは言えず、特に名高い名産物があるわけではないこの都市が栄えているのは、集まる知識ゆえである。 「はー、まったくまいっちゃうなぁ。はぐれちゃったよ」 そう言って舌打ちをするとヴィアは、背中に生えている羽をはためかせて、林の中をゆっくりと飛びはじめた。彼女は、アリス。スペーシアアクレイムのアリスとしてこのホーロッグで生きているアリスである。 「ぜったい、ぜったい、トリオンってば、途中で珍しい昆虫でも見つけて気になっているに違いないわ。私がどうなってもいいの!?」 そう頬を膨らませて軽やかに木々の間を縫う様にして飛ぶ小さな彼女は、しばらくすると地面に膝を抱えるようにうずくまっている男を見つけた。 「・・・・・・トリオン〜」 「あ、ヴィアかい?ほら、見てくれ。この珍しい花を。まるで太陽みたいじゃないか?色といい形といい。こんなのこの辺りでは見た事・・・」 「トリオンッ!!」 ヴィアの大きな声が、林に響き渡り、驚いた鳥達がバサバサと飛び立った。 「あなた、ここに何しに来たか覚えてるの?」 |
次に進む