4−2:シナリオの作り方
シナリオアーキタイプを利用した具体的なシナリオ作成に関して説明します。
『事件を考えてみよう』
まず、アリスの全てのシナリオは『事件』が中心となっています。事件を解決/解明するのがPCの目的です。どんな事件が問題となっているのか?事件を考えるのは、あなたのアイディア次第であり、『第5章:ワールドガイド』を見ていて思いついた出来事、もしくは他のメディア(事実、小説、漫画、映画など)から題材を持ってきて【アリス・ザ・フェアリーワールド】用に手を加えるのもいいでしょう。
しかし、その場合は、他人が知っている可能性も考慮に入れてみて下さいね。全く同じにすると、元ネタを知っている人が興ざめになる場合が多いですので、あなたのオリジナル要素を入れてみましょう。
物語を作る要素として5W1Hが重要と言われます。事件を考えるのは、それから考えるのがいいでしょう。
【When(いつ?)】
【アリス・ザ・フェアリーワールド】では、ルウム地方において復興暦910年を推奨します。910年に起こった出来事、また過去に起こった出来事は、随時ウェブページにてサポートしています。また、世界展開は、復興暦911年以後に起こった出来事も随時展開していきます。
| 【例】 春、夏、秋、冬のいずれの四季の時期にするのか。 910年を中心にしていつの時代にするのか? 月の初めなのか?月の末なのか? |
【Where(どこで?)】
【アリス・ザ・フェアリーワールド】の基本ルールシステムでは、セッションが行われる場所は、ルウム地方のアルバーム王国の芸術の港街アルバーム、知識の都ホーロッグ、もしくはそれらに近い村や街を推奨します。
より詳しい各街の設定は、サプリメントで提供されます。一般的な街や村の生活に関しては、『第5章:ワールドガイド』の『5−4:日々の生活』を参照して下さい。
舞台となる場所の簡単な地図があるとセッションは円滑に進みます。セッションによって、そしてGMのシナリオ作成時の余力によって準備して下さい。
| 【例】 芸術の港街アルバームの港湾地区にて。 知識の都ホーロッグの高級住宅街で。 知識の都ホーロッグから馬で半日の村にて。 |
【Who(だれが?)】
『シナリオアーキタイプA』では、PCは、『イヴァンの神々の神官に頼まれごとをされた人間』です。しかし、事件を起こしている人間(人間ではない場合もあるでしょう)、事件によって被害を被っている人間を事前に決める必要があります。
どんな人間が事件を起こしているのか、そして事件で被害を被っているのはどんな人なのか。GMが自由に設定をして下さい。
| 【例:事件を起こしている人物】 お金を稼ぐ事に執着した商人。 森に出没した人を襲う動物。 アリスを殺そうとしているテリエラの子。 |
| 【例:被害を被っている人物】 村の農民。 領地を治めている貴族。 PCが入り浸っている酒場の給仕娘。 |
【What(何を?)】
事件を起こしている人物は、何が目的で事件を起こしているのでしょう?中には無目的で事件を起こしている人物もいるでしょうが(『歪み』が起こす事件は、目的の無いものでしょう)、殆どの人物は『目的』があって物事を行っています。
事件を起こしている『目的』は何なのか?何を得る為に、何を行おうとしている為にその事件が引き起こされているかを考えると良いでしょう。
| 【例】 普通じゃ手に入れられない金額の金を手に入れる為。 アリスを己の手にしようと考えた為。 何かのキッカケで他人を恨み、殺そうとした為。 |
【How(どのようにして?)】
事件を起こしている『目的』が判明すれば、それには『手段』が伴っています。手段無くして、物事を為す事は出来ないからです。
事件を引き起こしている『手段』とは何なのか?どのようにその事件が引き起こされているの考えると良いでしょう。
| 【例】 誘拐事件を引き起こして。 一組のカップルの恋愛感情を逆手にとって。 人界の大崩壊以前に作られた魔法の品物によって。 |
こうした5W1Hを考える事によって、シナリオの中心の事件が形作られていきます。
『事件からシナリオを作ろう』
事件が考え出されたら、それを今度はシナリオとして組み立ててみましょう。ここでは、基本システムで提供されている『シナリオアーキタイプA』を利用してシナリオの作り方を説明しています。
『スペードシーン』
スペードシーンでは、イヴァンの神々の神官から事件に関する頼まれ事を伝達するシーンです。どんな事件かの概要は、『ストーリーセッティング』においてプレイヤー達に伝達されているはずです。
実際にどんな内容の事件に関する頼み方をするか考えておけば、プレイヤー達はその事件を引き受けそうなキャラクターを作っているはずですから特に問題は無いはずです。GMは、5W1Hの『いつ?』、『どこで?』をプレイヤーに伝え、実際の事件への導入を行うのがこのシーンの目的です。
GMは、できるだけこの段階で『事件の詳しい内容』と『事件の解決方法』を明かさないようにして下さい。それは、『クローバーシーン』で判明する方がゲームが楽しくなるでしょう。
『クローバーシーン』
クローバーシーンは、事件が実際にどんなものであるかをPC達が調査をするシーンとなります。
事件の真相、そしてそれを解決する為の方法をGMは最低でも一つは考えておきましょう。現実のセッションでは、GMが考えもつかなかった方法をPCが考えつく場合があります。その場合には、GMは柔軟に対処しましょう。
シナリオを作るのは、たった一つのやり方をPCに強制させる為ではありません。全く解決策が無いシナリオをGMが作らないように確認する、そのゲームの難易度をGMが確認する目的だと考えて下さい。
ゲームの難易度は、このシーンで出てくるヒントの数にも左右されると思います。シナリオを作った時には適切だと思ったヒントをセッション中に変更するのはGMの役割です。また、GMはシナリオで一度決めた内容を大きな矛盾にセッション途中に気づいた時以外は変えないようにして下さい。
『ハートシーン』
ハートシーンでは、事件をPC達が解決する為に具体的な行動を起こすシーンです。
クローバーシーンで考えついた解決方法を目指してPC達は様々な行動を起こすでしょう。セッションにてどんな行動を起こすかはGMにも完全には予想できません(予想できない行動を目にする事はGMにとって喜びです)。しかし、GMがクローバーシーンで想定している行動に関しては、それを行うのに伴う問題やリスクを事前に想定しておきましょう。
例えば、途中で障害となる怪物や敵対者のデータなどです。こうしたものを事前に想定する事によって、実際のセッションがスムーズに進行するのです。
『ダイヤシーン』
ダイヤシーンでは、事件が解決した時、解決しなかった時の物語が生じるシーンです。
事件が解決したならば、事件で被害を被った人々はPC達に感謝し、イヴァンの神々の神官もPC達に感謝をするでしょう。事件が解決しても、哀しい事があるかもしれませんし、癒えない物事はあるのかもしれません。
事件が解決しなかった場合は、解決しなかった物事は依然続くはずです。それに関してPCはどう行動するでしょう?扱いきれなくなった物事に対して、別のPCで対処するというのは一つのアイディアです。その場合は、別のセッションとして遊ぶ事になります。
事件が解決するにつれて、関わっている人々も日常へと戻っていきます。ただ、日常に戻ったといっても、関わったPC達の事を忘れるわけでは勿論無いでしょう。
各シーンにて必要とされる物事を記述すればシナリオは完成です。シナリオを完成させたら、セッションの最初にプレイヤーに提示する『ストーリーセッティング』を記述しましょう。
具体的な記述例は、『4−3:付属シナリオ「ヴァニの伝承」』を参考にして下さい。付属シナリオは、他人がプレイできるようにかなり詳細に書かれていますが、普通に遊ぶ場合は、GMが覚える事が出来ればシナリオは詳しく記述する必要はありません。