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第1回 RPGの鉄人
テーマ食材 ドラゴン
テーブルトークRPGをプレイすることは多くないが、ゲームマスターのキャリアは長い。
「私のウリは熱血」と自ら言うように、お約束系プレイを得意とする。
一般にそういうタイプのマスターは、計算の甘さや戦略性の乏しさといった欠点を抱えていることが多いものである。
だか、彼にはそのような欠点が見られないことも、付け加えておこう。システムは、彼が数年来使用してきたオリジナル「3DRPG」の今回用特別仕様。
3Dというのは "Disadvantaging Dungeons and Dragons" の略。
英語の語法の間違いは、この際気にしないことにしよう。
「退化しつつある」D&Dという意味なのだそうだ。
「D&Dの改造ルールがいつの間にか原形をとどめていない状態になった」と本人は説明している。
このシステムには機械や都合のいいマジックアイテムは出てこない。
そういう意味で、意外に古風な世界観を持ったシステムである。
Y田の料理は、全鉄人中でもっとも変化球勝負だった。
「2000体のドラゴンを出す」と鉄人は言った。
まさか自分たちがその内の1体になるとは、プレイヤーたちは夢にも思わなかっただろう。PCたちは剣術道場の家の兄弟で、王国主催の剣術競技会に参加し、上位を総なめした。
そこで国王の催す宴に参加したPCたちは一服盛られ、気がつくとなんと「培養槽」の中。
半人半竜のあわれな姿になっている自分たちを発見したのである。国王は、PCたちに詰め寄られてこう言った。
「隣国が同じように半人半竜の怪物を作って戦争を仕掛けようとしている。このままでは負けてしまう。この技術はもともと隣国の物だから、隣国を蹴散らして調べたら元に戻ることができるかもしれない。」この、正気ならばとても納得できるとは思えない言葉に、改造されて頭が悪くなっていたのか納得するPCたち。
かくて、怒りの拳を振り下ろす先を隣国に求めたPCたちは、旅立つのであった……。プレイヤーたちの反応も上々で、終始笑いの絶えない卓になったことは言うまでもない。
鉄人も「PCを培養槽につけた」としきりに喜んでいた。