トップ>イベント情報>第4回コンベンション・特設ページ>「モンスターメーカー戦記」とわたし・その4
さて、会場入りしたわたしは、さっそく地図とミニチュアを広げて参加者の到来を待った。入りは上々である。この時点でお目当てのテーブルには人が続々とやって来ている。
わたしのテーブルは……どうやらヒマな会場スタッフの待機場所となった感がある。
「これ、どこで売ってます? 」質問タイムに外来者からようやく声を掛けられた。地図のことだ。最高の誉め言葉。どうやらマス目を見ると血がたぎるという同じ嗜好の持ち主らしい。大喜びしながら、自作したことを伝える。目を丸くしていたが、テーマそのものには興味がなさそうな様子。結果それ以上の来客もなく、ハードで目を引いて、ソフトの知名度不足を補うという狙いがプラスマイナスで差し引きゼロという感じに終わった。やがて本格的な卓選択が始まった。
さすがに、「ブレイド・オブ・アルカナ」や「トーキョーN◎VA」のような人気システムは埋まるのが早いようだ。この時点で成立する卓と、成立しない卓の明暗が分かれた。自分の提供したいものと、参加者の好みがすれ違うのは如何ともしがたい。残念な結果に終わったマスターはこれに懲りずに捲土重来を図っていただきたい。
わたしの卓はどうなったかって? おかげさまで(?)出足が鈍かったが、6名もの参加者を射止めることに成功した。あれ、全員会場スタッフだ。事ここに至って、見知らぬ人(たち)と遊ぶというわたしの目論見は、完全に崩れ去ることとなった。挙げ句の果てはその顔ぶれを見た主宰が、「いつもの定例会みたいだね」という言葉を残していく始末である。でもとにかく感謝! 救世主さま(顔つきが似ている)や、暴れる方の美女(?)や、心乱す方の美女(?)や、悪意のなき危険人物や、料理長や、岡村様の参加により無事開催が決まった。すでにテストプレイに参加している人も混じっているが構わないだろう。どうせ以前の出来事は忘れているに違いない(これは正しい判断だった)。早速セッションを始める。
シナリオは2本を連続しておこなった。ヒーローを選んでもらい、わたしはオーク軍を担当すべく地図上に悪者の駒を並べる。参加者がこの道のプロと見たわたしは、手勢の部隊に利口な立ち回りをさせることにした。テストプレイではヒーロー側が勝利を納めているし、他のゲームの話であるが一見絶望的な状況を電撃的な作戦で有利に導く様を何度も見ている以上、大丈夫と踏んだのだ。
結果は――大丈夫ではなかった。第1シナリオは戦意を失ったプレイヤーの敗退(惨敗といってもいい)、第2シナリオも敵軍の意図を挫けず作戦失敗という結果に終わったのだ。これにはいくつか理由があげられると思う。
行動立案に関する点でははこの道のプロ6人は、素人1人に迅速さの点でも、的確さの点でも劣る事が有り得るのがひとつ。キャラクター作成での不徹底ぶりがひとつ。
それと(これはわたしの責任だが)、もう少しオーク軍をズボラに動かすべきだったのだ。後々読み返してみたら、第1シナリオに関する限り、
「隊長以外のNPC(オーク兵のこと)は原則として移動力いっぱい敵(ヒーローのこと)に向かって前進させる」
と書かれていた。それもルール部分ではなく、リプレイのページにしれっと。
ありゃりゃ、ちとクレバーな動きに徹し過ぎたか。つまり、このシナリオにおける正しいオーク兵とは、
「エネミー兵士を発見したずら〜デ〜ストロイするずら〜」
「きゃっほう! いっちばんっ槍〜」
などとハピネスな表情を浮かべながら無造作に突っ込み、ガードの甘さをヒーロー側に付かれて逆包囲されたのちに、
「たまらんずら〜」
「死む、死む〜」
といいながら散っていく存在なのだ。クレバーなオークもいいが、こちらの「見たまま突進」なオークもらしくていいなあ。すまん参加者の諸君、わたしはちとやりすぎたようだ。
これは数の軍隊(オーク側)対質の軍隊(ヒーロー側)の戦いを描いた作品である。
両軍のドクトリンは異なるものになって当然である。ボードシミュレーションゲームでは、自分の軍隊が手足のように動くと不自然なので、わざわざ軍隊がズボラに動くしくみを組み込んだりする事がままあるが(これをコマンドコントロール・ルールという)、このように「移動力いっぱいに敵に向かって前進」という簡潔なルールだけでズボラさを表現した例はかつて見たことがない。さすがはシミュレーションゲームの神様、鈴木銀一郎デザインだけのことはある(皮肉ではない)。ちなみにヒーロー側にはズボラルールにあたるものは存在しない。数人が集まったらどうしても見当違いの事を始めるプレイヤーがあらわれて、特別なルールなしでも充分ズボラになると踏んでいるのだろう。
まかり間違って天才軍師の出現によって一糸乱れぬ神の軍隊が現実のものになっても、それはそれで結構なことではないか。
かくして戦績はプレイヤーにとって残念な結果に終わったが、最初のテストプレイでは、「見たまま突進」ルールなしのオーク軍をヒーロー側が見事に撃退しているのである。付け込むスキはあるのだ。いろいろ齟齬もあったが、参加者のみなさんには感謝している。特にこのようなシステムでもロールプレイを心がけた料理長閣下には敬意を表したい。アンフェアな戦いに眉をひそめた方も、セッション自体は楽しんでくれたものと信じる。もう一度似たような舞台を用意することがあったら、ぜひ参加していただきたい。きっと前回にも増して楽しいプレイができるものと思う。「見たまま突撃」を舐めたらあかんぜ! あとせっかく作ったフィギュアは、D&Dやソードワールド等のプレイに使用するのもオツだなと考えている。ともかく、みなさん本当にお疲れ様でした。