| 2001.11.22.22:09 |
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東の果て、仙界の麓、この世で最も大きな湖を越えたところの深山に、金色に輝く狼がいると言う。 その毛皮は光をうけてキラキラと瞬き、水に濡れてはそれをよくはじき、火に焼かれては熱をうけて虹色に煌めくが、決して燃えない。 牙は宙から降ってきた流星のように白く、あらゆるものを噛みちぎる。 流す血はとろりと溶けたルビーのようで、一口飲めば万病快癒し、二口飲めば仙気を得て雲に乗れる。 紅々と輝く瞳は、主が死んでなおその光を失わず、満月の夜には真珠の涙を流す。 そして黒檀のようなその爪の鋭く硬いこと、名人の鍛えた鉄にも勝り、何ものをも切り裂く。 彼の臓物を食した者は、獣の言葉を解し、鳥のさえずりの意味を知る。 一声吠えるや、雨雲がむくむくとわき起こり、凄まじい雷鳴とともにたちまち大雨となる。 天を仰げば、草花は一斉になびき、頭を垂れれば、川の水が逆流する。 百獣は彼の前に額ずき、木々もその威に打たれ、道を空ける。 しかし、未だかつて彼の姿を見た狩人はなく、その遠吠えを聞いた樵もいない。 |