2001.12.05.04:04
ぼくたちは何かを残そうとする。
それはここに存在したと大声で叫ぶためにだ。

人はいつか死ぬ。
ぼくたちはそれを思うごとに、奈落の深淵をのぞき込んだようなうすら寒さを覚える。
それは本能的なものだ。

一切の痕跡を残さず、「自分」はある日、消える。
だからこそ、何かを残したい。
子孫でも作品でも業績でも、なんでもいい。
自分が生きていた───この、死を恐れている「自分」という一個の存在が、確かに「いた」のだ、と認めさせたい。
そしてその相手は、ぼくが思うに、やはり「自分」なのだ。

結局のところ、歴史とは「自分が生まれてから自分が死ぬまでの間」に過ぎず、 宇宙とは「自分という宇宙」に過ぎない。
それは限りなく長く大きくそして深いし、あるいは短く小さくそのうえ浅い。
しかしぼくたちはその中で精一杯に生きていくのだ。


そして自分が生きた証として、何かを残していく。


そうせずにはいられないのだ──────。











 ───…で、ぼくはとりあえず今日の夕食に出た酢の物を残しました。


 酢の物キライ。

 残さずにはいられない。



戻る