2001.12.06.
推理小説を書いてみたいなあ、とヒトシは思った。
それも名探偵が出てくるような本格推理をだ。

しかしまてよ、それにはまず肝心のトリックがなきゃいけないじゃないか。
密室か、アリバイ工作か、はたまた凶器の正体か……。
(うーん)
ヒトシはしばらく考えたが、そんなものちっとも思い浮かばない。
まあいいや、とヒトシはあっさりあきらめた。
推理小説をではない。
トリックを考えることをだ。
(書いていくうちになんとかなるだろう)

そして数日後、ヒトシの推理小説は完成した。
トリックと、探偵がそのトリックを解き明かすシーン以外はすべて。



「これは間違いなく他殺です、警部。犯人はこの使われていない扇風機を利用したんですよ」

「確かにナイフの指紋が拭われていること、被害者の経済状態、最近の言動などから自殺は考えにくい。しかしね、犯行現場は君も知ってのとおり密室だったんだぞ。そのうえ、その部屋に入るただ1つの扉には7種類の鍵がかけられていたし、鍵は合鍵のない通常の鍵に加え、電子キー、指紋、声紋、網膜のチェックまでついていた。 窓ははめ殺しだった。 天井裏には埃が積もっていて、しかも全く乱れていなかった。 しかもあそこは角部屋で崖っぷち、あの部屋の下は底まで200メートルはあろうかという谷底だ。 さらに犯行時刻には、宿泊客はみんなロビーでテレビを見ていた。悲鳴が聞こえてから扉を開けるのに手間取ったが、扉が開くときには間違いなくこの宿の全員が扉の前にいたことも確認されている。 また被害者の部屋に通じる廊下には元グリーンベレーである宿の主人がふざけて設置したお遊びのトラップ──ただクラッカーが鳴るだけだがね──が仕掛けられていたが、引っかかったり解除された形跡はない。外から部屋までの雪にも足跡ひとつない。 被害者に刺さっていたナイフはなんの変哲もない果物ナイフで、指紋はなし。指紋といえば、部屋のどこからも被害者以外の指紋は検出されなかった。 部屋そのものにも仕掛けは一切なし。しかし部屋に置いてあった本棚が少しずれていたこと、ベッドの足になにかでこすったようなあとがあることが確認されている。 死因は失血で、不審な点はない。死亡推定時刻も、悲鳴の聞こえた頃とほぼ一致している。 ダイイングメッセージの類もない……いや、君がやけにこだわっていたあの携帯電話以外は何もなしだ。 ええと、こんなもんだったかな? ───ああ、通気口のことを忘れていた。通気口は30cm四方で、人が入れるような大きさではない。しかも途中で曲がっているため、細工は難しい。 どうだね、いくら扇風機を使ったからといって、この状況で犯行が可能だというのかね?」

「ええ警部。じつは






ヒトシ、適当なこと書きすぎ。



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