第10回 『こんな時、どうする?』
今回は、TRPGにおける諸トラブルとその解決法を考えてみたいと思います。TRPGは、コンピュータRPGとは違い、人間対人間のものです。そのため、ゲームをしている間には様々なトラブルや問題が生じてきます。そんな時どうしたらいいか、我々初心者GMには非常に分かりにくいものです。では、そういったときにどのような対処をすればいいのか、考えてみましょう。
CASE1 プレイヤーが予定されている人数と違う!
仲間内でやるセッションなどではこんな事はまず起こらないでしょうが、FIN例会のような多人数が集まる場ではよくあります。シナリオを作る段階でプレイヤーが4人なら4人、6人なら6人いることを想定してモンスターや仕掛けをしたのに、当日いきなり欠員が出た。こんな時は、慌てず騒がず落ち着かず。あまり落ち着きすぎてはいけません。モンスターのバランスは、登場数を減らすとか、数値を弱めるなど、適宜対処できると思います。パーティーを分断するようなものを用意していた場合、これは仕方ありません。選択肢を一つ減らしたり、場合によってはそこをなくしてしまいましょう。「そんなことをしてしまったらシナリオが崩れてしまう」という意見もあるでしょうが、一番大事なことは、
「臨機応変に対応できるシナリオを作る」
ということではないでしょうか。
CASE2 パーティーバランスが悪い!
パーティーの人数はばっちり。でもみんなの様子を見たら・・・ファイターばっかりじゃないか! 誰が魔法を使うんだ、誰が回復をするんだ、誰が罠を解除するんだー! こんな時は、慌てず騒がず落ち着かず。一番良いのは「もう少しバランス考えて、誰か作り直してよ」と頼むことですが、そもそもそんな無茶なことをする面々ですから、作り直してはくれないでしょう。なので仕方なく始めてしまいましょう。トラップには引っかかるわ魔法の援助はないわ、おまけにダメージを負っても回復できないわ。さぞ緊張感あふれるプレイとなるでしょう。もしくは、パーティーの編成にあわせてシナリオを一部差し替える。今回のような無茶な例ではダメですが、ちょっとバランスが悪いようなときは、結構有効な手段です。僕は後者で行きます。このとき、プレイヤーには悟られないようにすることが、ポイントです。
CASE3 PCが依頼を受けてくれない!
「えー、そんな安い依頼料で?」「危ない仕事はいや」など、シナリオ冒頭での依頼を断るPCがたまにいます。もちろんGMはたまったものではありません。先へ進まないからです。しかしながら、強引に依頼を受けさせるのも嫌。そういうときも、慌てず騒がず落ち着かず。この場合なら、二つの方法が考えられます。一つはパーティーの中には一人くらい、話の分かるGM思いの優しいPCもいるでしょうから、その人の話に乗っていく。要するに、交渉相手を代えてしまおう、ということです。もう一つは、相手の言いなりに要求を飲んでしまう。ただし成功報酬ということにして、パーティーが帰還したときに支払うことにします。パーティーが依頼を終えて帰ってきたら、依頼主をいなくさせればいいのです。こうすれば、むやみに報酬を払わなくてもよくなりますし、次のシナリオへの伏線にもなります。
CASE4 思ったよりパーティーが弱いぞ?
無事依頼も引き受けてくれて、いざ出発! 街道筋には怪物が待ちかまえています。とりあえずこのあたりは難なく倒して先へ行って欲しい・・・、と思ったらどうしたことかパーティーは大苦戦。このままでは全滅しないまでも時間がかかって仕方がないです。さてどうしましょう? もしも単にサイコロの出目が悪いだけなら、今のうちだけと割り切ってそのまま進めるのも一つでしょう。しかし、どうやらサイコロに関係なく、能力値に問題があるとなった場合、これは早急に対処しないと行けません。なにせ冒険はまだ始まったばかり。より強い敵がこの後出てくるのですから。とりあえず苦戦してもらっているうちに考えないといけないことは、今後の怪物、敵の数値を下げるか、何らかの形でパーティーを強化し、バランスを整えることです。前者は簡単で、シナリオ内の数値を少し下げていけばいいでしょう。その際、完全には決定しないで、その戦闘の時にバランスを計算して数値を決定すると、良い加減になるでしょう。後者の場合、一口に強化といいますが、いきなりマジックアイテムや高級な武器などを与えてしまうのも不自然です。そこで、どこかで冒険を一区切りさせて、レベルアップをさせてしまうのは
どうでしょう。これならば、さほど不自然でなく、パーティーを強化することができます。移動が終わって、目的の街に着いたときなど、良いのではないでしょうか。
他にもいろいろな場合にいろいろなトラブルがあるでしょう。実際にマスターをしていると、とんでもない問題に出くわすことが、ほぼ毎回あります。ただその時に上手な対処ができるのが、また、いろいろな対処法を持っているのが「上手いマスター」ではないでしょうか。「臨機応変」なんて言葉が本当に噛みしめられる、ゲームマスターという立場。苦労も絶えませんが、それ以上に得られるものも多いと思います。